管理人が特撮・アニメ・ネット等について書いたり自作の漫画を公開したりする処でございます。或いは、管理人の日々の愚痴等を垂れ流す処。または、画力向上を図る処。もしくは、インターネットラジオの投稿を報告する処。非常に混沌としております。

管理人について

飛翔掘削

Author:飛翔掘削
冴えない漫画描き。
「人生は楽しみながら」をモットーに、日々思ったことなんかを記していければと思っております。
色々観たり読んだりしますが、主食は特撮怪獣映画。
最近は、漫画と特撮映画と『ストライクウィッチーズ』があれば生きていけそうな気がしています。
2015年1月、人生初の商業漫画が出ました。

更新頻度が低下しておりますが、最低週一回は更新していく予定です。していきたい。
また、最新記事だけでなく過去の記事にも気軽にコメントしていただけたら幸いだと思っております。

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『けものフレンズ』作品群が、メタ的に「動物の寿命」を体現したコンテンツだとしたら、一体俺はどう向き合えば良いのか……。 

現在、2017年に一大ムーブメントを起こしたアニメ『けものフレンズ』の第2期作品である、『けものフレンズ2』が放送されていおります。
管理人は実は1期が大好きだったので、その後の監督の降板発表を発端とする界隈を大きく巻き込んだ大炎上騒動が起きて非常に悲しい思いをしていたのですが、兎にも角にも新しいアニメに新しいアプリゲーム版が出るという事に落ち着き、自分としては結構冷静に『けものフレンズ2』を迎える事が出来ているように思います。

↓因みに、1期の時の管理人の感想はこちら。
アニメ『けものフレンズ』の肝は、作品の世界観全体を覆う「切なさ」だと思うんです。  ‐怪獣の溜息

そんな感じなので放送中の『2』の内容で荒れているファン界隈のある現状、敢えて管理人が『けものフレンズ2』に当ブログの記事等で触れる必要は無いかな、と思っていたのですが、今朝Twitterの方でこんなブログの記事が流れてきましてね、心穏やかではいられなくなってしまったんですよ。故にこの記事を作成しとるんですが……。

「けものフレンズ2」は間違いなく「けものフレンズ」だということ。 ‐けものつれづれ

詳しくは実際に読んでいただきたいと思うのですが、この記事を要約しますとこういう事になりますか。

旧アプリゲーム版での戦いとそれによって手にしたジャパリパークの平穏、キャラクターの関係性は、アニメ版の登場によって「その後の崩壊」が運命付けられてしまった。
そのアニメ版も2期の登場によって「サーバルちゃんとかばんちゃんとボスの旅が何らかの不幸によって終わる事」が決定してしていしまってる。
そして、「3」と銘打たれた新アプリゲーム版のリリースも控えているのだ……。
作品で描かれた輝きは、いつか喪われてしまうという事が運命付けられている。とても残酷ではあるが、しかしそれは「けものフレンズ」というコンテンツのコンセプトとして、「前作の破壊」と「新作での再生」を繰り返す事によって「動物の寿命」をも体現しているのではなかろうか。


そうか……こんな簡単なことだったのか……けものフレンズとは……命! 友よまた会おう!

……はい。ゲッターロボごっこをしている場合じゃありません
いやはや、この記事を読んだ瞬間、管理人の中ではありとあらゆる『けものフレンズ』に関連する事柄に合点がいき、全て腑に落ちると同時に大変なショックを受けたのであります。雷に打たれたような気分だぜ……。
純粋なアニメ作品としての『けものフレンズ2』の出来不出来は置いておくとして、作品全体で「動物の寿命」を表現するというコンセプトであるとしたら、『2』は立派にその役割を果たしているという事が出来ると思います。しかしそれは、とてつもなく残酷な事なのではないでしょうか。
下手したら人間より寿命が長かったりする特定の亀などは別としても、犬も猫もウサギもインコも、大抵の愛玩用として広く飼育される生き物の寿命は我々人間よりも短い。管理人もその昔家でウサギを育てていた事があるので、動物と暮らすというのがどういう事なのかというのは分かっているつもりです。一緒に居られるのは数年間、長くても十数年間。しかしその時間はかけがえのない時間であるのです……。
けものフレンズ」という作品群には、「動物への理解を深める」という理念も存在している訳です。故に各作品間での断絶は、生き物を扱う上での究極のテーマでもある「」を体現したものであると言えます。直接的な「」を描かずにこれを表現する事が出来るというコンセプトであるというのならば、脱帽せざるを得ません。すげぇよ、「けものフレンズ」……。

……しかし、しかしですよ。それを商業作品として展開するというのはどういう事なのか……!
昨今のアニメ作品って、人気が出ると2期、3期、4期……と長らく続いて「終わらないコンテンツ」になる事もままある訳じゃないですか。しかしその「続き」が出るというのは、「もっとその作品のキャラクター達を観ていたい、そのキャラクター達の紡ぐ新しい物語を楽しみたい」とファンが願ったからでもある訳です。
アニメ『けものフレンズ』の場合、続編に求めたのは管理人を含む多くの視聴者が望んだのは、「かばんちゃんとサーバルちゃんとボスのさんにんの旅の続き」だった訳ですよ。その否定でもある『2』は、「あの輝いた瞬間はあの日、あの時にしか存在しない」という事を突きつけてきた訳です。しかもその用意された「結末」は、必ずしも多くの視聴者が望んだ幸せなものではない。
詰まる所それは、ファンの望みをかなぐり捨ててしまう事に他ならず、ある種(諸々の騒動で言われているのとはまた別のベクトルで)焼け畑農業的であるように思うんですよね。
このコンセプトに賛同する奴だけついてこい!
そんな声が聞こえてきそうな感じではあるんですが、前作が好きであれば好きであるほどこのコンセプトに付き合っていくのは辛く苦しい構図になっていくように思うのです。
アプリゲーム版・アニメ版・漫画版等を含めたメディアミックスを展開している「けものフレンズ」というコンテンツは、「各作品ごとに卒業を強いるコンテンツ」だったんですね……。各作品で卒業を強いるというのは、「アニメ観て元気もらったら必ず現実に帰って頑張るんやで?」という事をどぎつい表現で言っていた往年の名作『新世紀エヴァンゲリオン』よりもキツいんじゃないでしょうか(笑)。

このコンセプトが存在する以上、「けものフレンズ」と向き合っていくには、二通りの考えがあると思います。

ひとつは、「寿命」を受け入れて新たに紡がれる輝きを見守っていくこと。
もうひとつは、映像ソフト等を繰り返し観て、在りし日の思い出にいつまでも浸っていること。

ファンとしてはどちらの選択肢もアリだと思うんですよ。
今ネットで繰り広げられている「けもフレ」ファン界隈の無駄な対立や諸々の煽り合戦、『2』の監督への誹謗中傷などは即座にやめて、どちらかを選ぶ時が来ているのです。
……まぁ、容易に割り切れば訳無いんすけどねぇ……。
しかし、どちらを選んでも非常に切ない気分になってしまうような気がするのは気のせいでしょうか。

或いは、作品全体を覆う「切なさ」に、この作品の肝があるような気がするんですよね。


サーバルちゃんとかばんちゃんは、旅を続けてはいるのだけれど、いつか「お別れ」がきてしまうという事を感じざるを得ませんし、



当記事冒頭で貼った感想記事で、管理人はこのように書きました。今思えば、本作品のコンセプト部分を無意識的に汲み取っていたのかも知れませんね。しかし、しんどい。まさかここまでの切なさ、寂しさを味わってしまうとは思いませんでした。
一体俺はどうしたら良いんだい、サーバルちゃん……。

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2019/02/23 16:56|アニメ関連雑記TB:0CM:7

好きなウルトラ怪獣を育成して戦わせる事が出来る「ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ」でソシャゲデビューを果たした管理人が、課金の真理を知ったというお話 

あっという間に1月は過ぎ去ってしまい、2月に入ってしまいましたが、皆様に於かれましてはいかがお過ごしでしょうか。
管理人は年明けから身内に不幸があったりで色々とバタバタしておりましたが、概ね落ち着いてきた感じで、今は漫画なぞを描きながら春先に地元で開かれる特撮関連イベントの準備などもしつつ暖かくなる春の到来を心待ちに過ごしていたりします。

さて、『SSSS.GRIDMAN』の記事でもチラッと触れましたが、歴代『ウルトラシリーズ』で活躍した怪獣達を題材としたスマートフォンゲーム「ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ」のiOS版が、Android版に遅れて約1ヶ月の去る2019年1月16日より配信開始と相成りました。iPhoneユーザーの怪獣好きな管理人も、配信開始と同時にダウンロードして好きな怪獣を育成しております。いやぁ、なかなかどうして楽しいっすよ、「ウルバト」!
と、いった感じで本日は「ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ」を約半月遊んでみての所感などを、ツラツラと書いていこうかなと思うところであります。

ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ
ウルバトでも「飛翔掘削」の名前でやってます。IDはこの画像の通り。機会がありましたら、是非フレンドに!

ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ」は、バンダイナムコエンターテインメントが配信している基本無料・一部課金式のスマートフォン向けゲームアプリであります。
管理人はゲームはあんまりやらない人であり、たまに古いRPGとかADV、レースゲームなどをやるくらいで据え置き機や携帯ゲーム機で出ている最新ゲームをやるという事はまぁ滅多にありません。当然のように「Fate/Grand Order」や「アイドルマスターシンデレラガールズ」等をはじめとした世の中で人気のいわゆる「ソシャゲ」も手を付けていなかった訳ではありますが、この度は昔から慣れ親しんだ「ウルトラ怪獣」が題材という事で、管理人もいよいよソシャゲデビューと相成った訳でございます。しかしながらVRデビューも怪獣、ソシャゲデビューも怪獣。俺の人生は怪獣達に浸食され過ぎている……。昨年密かにどハマりしていた『ウマ娘 プリティーダービー』のアプリゲーム版が先に配信開始していたら、そっちがソシャゲデビューになったんすけどねぇ。
ウルバト」のゲームシステムとしては育成型のシミュレーションゲームとなっており、獲得・生成した怪獣を育てて怪獣やウルトラ戦士と戦わせるのがゲームの主軸となっております。
怪獣を戦わせるという要素はかつてゲーム・特撮ドラマシリーズで展開していた『大怪獣バトル』シリーズを彷彿とさせますが、実際に本ゲームでの怪獣の3DCGモデルは「大怪獣バトル」をはじめとしたウルトラの歴代ゲームから流用・改造されていたりもするらいしいですね。特撮の着ぐるみ流用にも相通じるものがありますなぁ。

いやぁ、好きな怪獣を好きなように育てる事が出来るなんて、夢のようなゲームですよ!
好きな怪獣達を集めて出撃させるというのは、さながら「俺の怪獣総進撃」です。
パーティは最大4体まで入れる事ができ、出撃にはフレンドの怪獣を1体連れていく事が出来ます。
因みに管理人の現パーティは、破壊獣モンスアーガー宇宙怪獣エレキング風ノ魔王獣マガバッサー地底怪獣グドンの4体ですね。この4体は管理人にとっては歴代ウルトラ怪獣の中でもかなり思い入れのある怪獣達でありますので、最初から実装されているのは本当に有り難い事でした……。大切に育てていきたいっす。

俺の怪獣総進撃!
奥に見えるのはフレンドの力をお借りした宇宙恐竜ゼットンさん。また、倒したウルトラ戦士の力も1戦闘1回お借りできます。

このゲームの良いところはただ単に怪獣同士を戦わせるだけでは無く、ウルトラ戦士とも戦い勝つ事が出来るという点でありましょうか。宇宙恐竜ゼットンや火山怪鳥バードンといった本編でウルトラ戦士を倒した事のある怪獣だけではなく、史上初めてウルトラ戦士に倒された怪獣である宇宙怪獣ベムラーだって鍛えればウルトラマンに勝てますし、なんとなればうす怪獣モチロンのようなコメディ寄りの怪獣すらもウルトラ戦士を倒してしまう事が出来る因みに、現時点でモチロンは最強ランクまで育てた場合、単純な戦闘力だけで見ると最強の怪獣の1体でもあります。この戦闘力があればゼットンだって一撃で屠れちゃいます。どうしてこうなった!?)という、映像作品では絶対に見ることのできない活躍をさせることだって出来ちゃうんです。
愛情を注いであげればどんな怪獣だって輝ける。それが「ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ」なんですねぇ!

好きな怪獣を育てて戦う!
戦闘ムービーのモーションがいちいち格好良いし、かわいい。怪獣達の活躍を余すことなく魅せてくれます。

……で、その「愛情の注ぎ方」ですが、身も蓋も無い言い方をすれば、まぁ、お金です。哀しいけどコレ、ソシャゲなのよね……。
ゲーム内通貨として「ウルトラストーン」なるアイテムがあるのですが、こいつが普通にプレイするだけではなかなか集まらないんですよ。しかしこのウルトラストーンは、怪獣の生成や育成強化に必要な「DNA」や各種強化アイテムを購入したり、このゲーム独自のシステムである「マーケット」での怪獣落札に必要不可欠のものとなっている訳です。
いわゆる「ガチャ」に頼らないキャラクター入手法という事で、他のソシャゲよりは幾分良心的とも言われてはいるんですけどね。

湯水の如く必要となるウルトラストーン
棲星怪獣ジャミラがオークションに出されているのは人身売買なのではッ!? 宇宙忍者バルタン星人をはじめとしたウルトラの異星人達が次々にオークションにかけられているのを見るに、この宇宙の人権意識はヤバいものになっているのでしょう。CV.大塚芳忠の胡散臭いゼットン星人がオークションを取り仕切っているのを見るに、ブラックマーケット的な何かなのかも知れません。何にしても、ウルバトの闇は深い……。

ウルバト」ではこのウルトラストーンが課金アイテムになっており、120円で24個、8800円で3520個という値段設定になっております。因みに、怪獣1体を最強ランクまで育てるにあたっての必要なウルトラストーンの数は、レアリティーの低い怪獣だと3200個、レアリティ―の高い怪獣だと10240個だそうです。
・・・・・
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多々買わなければ育てられない!!

1体くらいなら獲得から最強ランクまで育成させるのにそこまでウルトラストーンはかからないのですが、「あの怪獣もこの星人も欲しい!」となるとたちまちウルトラストーンは消えていってしまいますし、全員を均等に育成しようものならたちまちスッカラカンになってしまいます。
更に、人気の怪獣が並ぶ期間限定オークションでは値段が吊り上っており、オークション機能が文字通り金持ちの道楽と化していたりもする訳ですねぇ(笑)。

金持ちの道楽と化したオークション会場
事実上の最高額である5999入札者がズラリと並ぶ殺伐としたオークション会場。完全に金持ちしか怪獣を手に出来ないぞ!

ただ、クエスト等のドロップアイテムとして怪獣のDNAや各種強化アイテムが獲得出来たり、各ミッションの報酬として若干のウルトラストーンが出たりするので、物凄く時間をかければ確実に無課金でも怪獣を獲得&育成する事は可能なんですよね。色々と調べてみると、「時間さえかければ無課金プレイでも確実に欲しいキャラやアイテムは手に入る」というのは他のソシャゲにも言えるらしいんですわ。
管理人がいつも不思議に思っていた「ソシャゲでの課金」ですが、アレはゲーム内のキャラやアイテムを買う為のものでは無く、時間を買う為のものだったのかと、驚愕するしきりであります。つまり目的地に徒歩で行くか、バスで行くか、タクシーで行くか、電車で行くかの違い、みたいなもんなんですね。
いやはや、実体験を持ってそれが知れたというそれだけでも、「ウルバト」を始めてみたかいがあったのかも知れません(笑)。

色々と課金パワーはヤバいとは言いましたが、しかし実際になじみのウルトラ怪獣達を育てて共に戦っていくというのは本当に楽しいです。スマートフォンアプリゲームなので、通勤中とか時間待ちとかのスキマ時間に気軽にプレイ出来るのが良いっすね。それがソシャゲの強みでもあるのでしょう。
個人的には、『ウルトラマンX』に登場した溶鉄怪獣デマーガ、石化魔獣ガーゴルゴン、虚空怪獣グリーザ、閻魔獣ザイゴーグの4体でパーティを組みたいですね。『』怪獣はゲーム用の3DCGモデルが存在しないので「ウルバト」に実装されるのも相当先の話になりそうな気はしますが、開発陣には是非とも実装してもらいたいです。あと、ウルトラシリーズではありませんが、同じ円谷版権の『SSSS.GRIDMAN』のアカネちゃん謹製の怪獣達も実装されたら使ってみたい。同じウルトラ怪獣を題材として展開している「ウルトラ怪獣擬人化計画」とのコラボなんかにも期待できます。
他にも、使ってみたい怪獣達はたくさん居ます。マイナーメジャー問わず様々な怪獣が実装されるくらい長らくサービスが続いていくと良いですなぁ。末永く「ウルバト」を楽しんでいければと思うところですかね。
……その為にはやはり沢山課金して応援するという事も必要なのかッ!?

ナヴィさん
プレイヤーをサポートしてくれるロボ娘のナヴィさん。よく見ると眼がコワい。どことなくシビルジャッジメンター ギャラクトロンを彷彿とさせるデザインですが、よもや彼女が黒幕とかそういう話じゃないっすよね? ね?


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【君と僕の】世界観に歓喜し、客演に感涙、特撮に燃えた2クールだった! 『ウルトラマンX』総括【絆!】
現行のウルトラシリーズである「新世代ヒーローズシリーズ」に於ける怪獣の扱いと、それに伴う作劇上の諸問題が気になる、というお話

【関連動画】


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2019/02/03 19:46|特撮関連雑記TB:0CM:2

2019年・新年の御挨拶 

あけましておめでとうございます。
新しい年が始まりました!

謹賀新年!

まぁ今年もブログの更新頻度は相変わらずだと思いますが、ゆるゆるとやっていければと思います。


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2019/01/01 00:00|記念イラストTB:0CM:2

これは、ひとりの女の子が自分の創作物に救済される作品なんです。 『SSSS.GRIDMAN』 

目を醒ませ! 僕らの世界が何者かに侵略さ! れ! て! る! ぞ!

……はい。2018年ももう終わろうとしておりますが、皆様に於かれましてはいかがお過ごしでしょうか。
個人的に今年は、TV作品・劇場作品を問わず「心に来るアニメ」と多く遭遇出来た年でもありまして、ひょっとしたら2018年はこれまでの人生で一番アニメの映像ソフトを買った年になっているかも知れません(笑)。そんな管理人の「心に来たアニメ」のうちの1作が、先日最終回を迎えました。ええ、そうです。90年代の円谷特撮をアニメ作品として現代に蘇らせた、あの作品でございます。この作品もBD全巻購入マラソン確定っすよ。
そういう訳で「感想は熱いうちに打て」という教えもあるので、本日はアニメ『SSSS.GRIDMAN』について少し書いてみたいと思います。宜しくお願い致します!

GRIDMAN.jpg

SSSS.GRIDMAN』は、2018年の10月から12月にかけて放送された作品であります。制作は『キルラキル』や『リトルウィッチアカデミア』等の制作でおなじみのTRIGGER。脚本は『ウルトラマンネクサス』、『ウルトラマンギンガ』といった平成ウルトラ作品でシリーズ構成を務めた長谷川圭一氏で、監督は『ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン』の監督を務めた雨宮哲監督であります。
本作の制作経緯としては、2014年から展開されている「日本アニメ(ーター)見本市」の「電光超人グリッドマン boys invent great hero」があり、雨宮監督が「日本アニメ(ーター)見本市」の企画とは別に円谷プロに「ウルトラのTVアニメシリーズとか、どうっすか?」と打診したところが発端となっているそうです。円谷的には現行でウルトラシリーズを展開している事もあり、「ウルトラは難しいが、『アンドロメロス』か『電光超人グリッドマン』のアニメ化ならヨシ!」という話になり、雨宮監督がリアルタイムで観ていたグリッドマンのアニメ化がここに決定したのでありました。

電光超人グリッドマン』は1993年に放送された、円谷プロ制作による特撮ヒーロー作品であります。現実世界では無く電子機器の内部である「コンピュータワールド」を舞台に怪獣とヒーローが戦いを繰り広げる全39話の物語でありました。3DCGの導入や現在で言うところの「フォームチェンジ」等、『グリッドマン』で試みられた様々な要素は、後の平成ウルトラシリーズにも活かされていく事になります。
グリッドマン』放送当時管理人はまだ3歳だったのでリアルタイム視聴はしていないと思うのですが、大学生の頃にレンタルで1回、今回の『SSSS.GRIDMAN』の放送前に配信サイトで1回、合計2回通して観ております。
いやぁこの作品、主人公側よりも悪役側に感情移入して観ちゃうんですよね(笑)。歪んだ性格を持った怪獣好きの少年・武史と、ハイパーワールドからやってきた魔王・カーンデジファー様のやりとりが面白いんですよ。悪役でありながらも割と良識人な武史と、武史の言い分を聞いて叱咤激励、時に言いなりビームで武史を洗脳しちゃうカーンデジファー様の構図は、誰が言ったか「悪いのび太とドラえもん」。しかし歪んだ性格の持ち主として描かれている武史の言い分にも共感する部分もあり、「頑張れ怪獣、グリッドマンをやっつけろ!」なんて応援しちゃったりもするんですよねぇ。嫌な事があったら誰しも大なり小なり「あんチキショーに復讐してやりたい」という気持ちを抱いたりするものですが、本作の武史は「怪獣を送り込む」という手段が取れる訳で、そこは純粋に羨ましい部分であります。管理人も「誰それに復讐したい」とまでは行かなくとも、通勤中とかに「嗚呼、今怪獣が出現したら仕事行かなくて済むなぁ」とか思ったりしますもん(笑)。俺のPCにもカーンデジファー様来ねえかなぁ……。
本編でも後半は主に武史側の物語が多くなってきて、最終的には武史の「歪んだ心」は救済され、カーンデジファーも撃ち滅ぼされるという話になり大団円を迎えるんですけど、カーンデジファーを倒すプログラムを組み込む時に武史が流す涙がですね……!
電光超人グリッドマン』は、主人公格の直人・ゆか・一平とハイパーエージェント・グリッドマンの活躍を描いた作品でありながら、武史の成長物語でもあったんですね。管理人はリアルタイム世代では無いのですが、リアルタイム世代の方々が大切な作品だと言うのも頷ける、そんな作品でありました。アシストウェポンと合体するグリッドマンも格好良いですしね!

そんな、『電光超人グリッドマン』を下敷きとしたアニメ『SSSS.GRIDMAN』。
放送前はまぁ、特撮怪獣・ヒーローファンの間ではそこそこ話題になっていましたがそこまで注目されている作品でもありませんでした。正直なところ管理人も、「20年以上も前の特撮ヒーロー作品のリメイクだからなぁ。一部で話題にはなるだろうけど、皆見向きもしないだろうなぁ。かなしい。」とか思っていたんですよね。
しかし、蓋を開けてみたら普段特撮ヒーローとか怪獣に興味の無い層まで届いた作品になっていました。評判も上々、映像ソフトの売り上げも好調。いやぁ、本当に良かったっす! ついでに、原典である『電光超人』の方にも目が向けられ、『SSSS.』の放送期間中に現実世界で起きたネットの不具合等が「カーンデジファーのせい」にさせられて武史とカーンデジファーのコントがインターネットミームと化すなどといった現象も起きていますし(笑)。良い感じで『電光超人グリッドマン』へも目が向いたのではないでしょうかね。
折しもこの10月から12月までの期間は、現行ウルトラ作品である『ウルトラマンR/B』の放送があり、また『怪獣娘(黒)~ウルトラ怪獣擬人化計画~』の公開、そして「ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ」の配信開始(Android版。早くiOS版もリリースして欲しい!)等がありまして、TV・映画・ゲームと媒体を問わずに円谷コンテンツが展開した、まさに「円谷の秋」であったという事が出来るのかも知れません。
2018年円谷の秋に展開した『SSSS.GRIDMAN』、そのあらすじはこんな感じです。

ツツジ台に住む高校生の響裕太は、ある日クラスメイトの宝多六花の家の前で倒れる。目覚めた裕太は自分が記憶喪失になっていた。
戸惑い混乱しながらも日常生活に戻る裕太だったが、街に突如として正体不明の巨大生物・怪獣が出現する。
六花の家のジャンクショップに置かれた古いパソコンに宿る「ハイパーエージェント・グリッドマン」の導きによりグリッドマンと合体した裕太は、六花と友人である内海将のアシストもあり、怪獣の撃破に成功する。
だがこれは全ての始まりに過ぎなかった……。



全体を通しては、やはり原典である『電光超人グリッドマン』を踏襲する形で、裕太達「グリッドマン同盟」とグリッドマンの活躍を主軸に置きながらも怪獣を生み出す新条アカネちゃんの心の救済という部分にフォーカスをあてた作品であったという事が出来ると思いますが、まず管理人が言いたいのはコレですね。
怪獣アニメとしてのレベルが非常に高いッ!!!!

やっぱり第1話が完璧なんですよ。
完全に平穏無事な日常生活・学園生活を描いて、劇判も環境音以外一切無いし、登場人物達の日常に於ける掛け合いなんかも非常に「生っぽい」感じで「ああ、居るよね、こういう高校生」という気分にさせられます。絶対管理人のクラスにも居ましたよ、こういうクラスメイト(笑)!
そうした「何の変哲もない日常」をこれでもかというくらいに描いた後に、満を持しての怪獣出現。怪獣という存在は日常を浸食して破壊する存在でありますので、日常をきっちりと描く事で怪獣が一層際立った存在になるのであります。怪獣出現後は日常部分では一切流れなかった劇判曲を盛大に流す事によって「日常から切り離されてしまった」という感じをより強く印象付ける事になっています。そして戦いが終わって翌日、破壊された街が、学校が元通りになっているという引きになる訳ですから、もう次の話が気になって仕方が無くなる訳ですね。
アニメの1話目として、何よりも怪獣作品として、『SSSS.GRIDMAN』第1話「覚・醒」は本当に完成度が高い、完璧な回だったのです。まぁ、その後の話の展開は個々人で好き嫌いはあるかと思いますが、第1話放送時点では概ね絶賛だったという事からもその完成度の高さが認められるところであると思います。管理人はもうこの第1話の時点で『SSSS.GRIDMAN』が世に出た意味はあったとさえ思いましたもん(笑)! 
そうした日常部分での登場人物達の「生っぽい」感覚や演出は全編通して一貫しており、日常を際立たせる事で「日常の裏で戦うヒーロー」という原典の『電光超人』らしさを分解・再構築したモノにもなっていたと思います。

管理人はやはり原典である『電光超人』と同じく怪獣を生み出す側であるアカネちゃんに少なからず感情移入をして観ており、第2話からは「最終的にどうやってグリッドマンはアカネちゃんを救済するのだろうか」と固唾を飲んで見守っていた訳です(笑)。しかしながら作劇の展開的に仕方が無いとは言え、やっぱりグリッドマンの活躍によってどんどん追い詰められていくアカネちゃんを見てられなくなっていったんですよね。最初の方は「グリッドマンをいかにして倒すか」という事に愉しさを見出していたアカネちゃんも、何をどうやっても自らの創りだした怪獣ではグリッドマンに勝つことは出来ず、徐々に精神をすり減らされていってしまう。
特に管理人が心を痛めたのは第8話「対・立」です。「文化祭なんてぶっ潰せ」みたいに思っていたアカネちゃんが、「文化祭の出し物」として怪獣を出してグリッドマンに勝つというのを構想していたにも関わらず、グリッドマン側は怪獣の出現前に出てきた挙句、「アニメのロボのような姿」になってしまう。大した活躍も見せ場も無くフルパワーグリッドマンにふっとばされてしまうメカグールギラス。「そんなんに私の怪獣は負けないから!」というのが悲痛な叫び過ぎて、もう……!
いやぁ、主題歌を背負ったヒーローがこんなにも凶悪に見えてしまったのは管理人も初めての事でありましたよ……。アカネちゃんにとってツツジ台は、「自分にとって都合の良い箱庭遊び」の舞台だった訳でありますから、見ようによっては彼女の管理下で廻っていたツツジ台という世界は、外からやってきたグリッドマンという「侵略者」によってバランスが崩れていってしまったと見る事も出来るんですよね(笑)。回を追うごとに怪獣の活躍シーンに割り振られる尺が短くなっていっている事も、「アカネちゃんの世界の否定」を描いているように見えます。
ここで面白かったのが本放送時、アカネちゃんが追い詰められていくにつれて管理人を含めた怪獣好き達が大なり小なりダメージを負っていたというところですかね。特にオリジナル怪獣を創作している人達からの叫びが(笑)。アカネちゃんに感情移入するボンクラ怪獣オタク達を確実に殺すアニメ、それが『SSSS.GRIDMAN』だったんです!

さて、作品の構造として『SSSS.GRIDMAN』という作品は、「自分が制作した創作物に救われる話」でもあると思うんですよ。
アカネちゃんが現実世界でどういう状況に置かれていたのかは作中で明示されている訳ではありませんが、「都合の良い箱庭遊び」に逃避するまで追い詰められていたのではなかろうかと思うのです。アカネちゃんにとっての「怪獣」という存在とは、「爪弾き者の象徴」なんですよね。自分自身がそういった「爪弾き者」であるが故に、怪獣に自己を投影させ、「自分にとって都合の良い箱庭」を構成するうえで不必要な存在を消す存在として「怪獣」を使役していた、と。
そうしたアカネちゃんが抱える情動に惹かれて無限の命を持て余したアレクシス・ケリヴが「退屈しのぎ」にやってきて、それを逮捕する為にハイパーエージェント・グリッドマンの登場と相成る訳ですが、あくまでグリッドマンは「アレクシス・ケリヴを逮捕しに来た」のであり、アカネちゃんの救済に関してはグリッドマンは間接的な関わりに留まっており、実際にアカネちゃんを救ったのは六花と臥薪嘗胆怪獣アンチであったという事が出来る訳です。
作中に於いて六花は「自分を好きになってくれる友達」として創造され、アンチは「一緒に朝ごはんを食べてくれる怪獣」として創造されました。最終回でアンチは怪獣化したアカネちゃんを殻から引っ張り出し、六花は「私はずっとアカネと一緒にいたい。このお願いがどうか叶いませんように」と、エールを送った。
現実逃避したその先で、自分の生み出したモノ達に救われるという、「自分が創作した存在が創造主に寄り添う」というオチは、非常に「心に来た」訳であります。管理人が創作をしている者の端くれでもあるというのも大きいと思うのですが(笑)。
そして、アカネちゃんの単なる「現実逃避先の箱庭」だったツツジ台は、アカネちゃんの手を離れた後もひとつの世界として継続していくという結末でもあったので、模造された命も世界も生まれたからにはその後も生き続けるという、『SSSS.GRIDMAN』はそうした創作全般に対する高らかな賛歌でもあったように管理人は感じました。

グリッドマン

さて、『SSSS.GRIDMAN』は空想特撮ヒーロー作品『電光超人グリッドマン』のアニメ化作品でもある訳ですので、その観点からも少し見てみましょうか。
何と言っても魅力的なのは、怪獣とグリッドマンがぶつかり合う戦闘シーンであります。戦闘シーンは空想特撮ライクな画作りでありながらも、白い体色やスケール違い等の怪獣の造形や、ビルに刺さる車、戦闘に付随して揺れる電線など、実写特撮では表現不可能、或いはやり辛い表現が随所に見られました。この辺りは、アニメならではの表現と言えるのではないでしょうか。本作で3DCGを担当したのは『ガールズ&パンツァー』や『楽園追放 -Expelled from Paradise-』のグラフィニカですが、本当に素晴らしい仕事っぷりだったと思います。戦闘シーンはコマ送りして観ても色々な発見が多く、色々な意味で「楽しい戦闘シーン」を堪能する事が出来ました。
また、原典と同じくグリッドマンがアシストウェポンと合体・強化する演出では、「アニメらしい表現」が採用されており、「グリッドマンをアニメ化する」にあたっての最適解であったと管理人は思います。『電光超人』でのアシストウェポンとの合体自体が当時のロボットアニメの影響を多分に受けたモノでもありますので、『電光超人』と同じく90年代に展開した『勇者シリーズ』的な合体演出が採用されるというのは先祖帰り的な部分を感じなくもないですね。加えて言うとホラ、どっちもタカラ版権作品ですし(笑)。
SSSS.GRIDMAN』では全体的に90年代頃の様々なアニメ作品へのオマージュが盛り込まれた作品でもありましたが、25年ぶりのグリッドマンでもあるので、そうした演出はある種のノスタルジーを感じさせるという意図があったのかも知れません。それが鼻に付く、という意見もまぁあるとは思いますけどね……。
最終回では「本来の姿」を取り戻したグリッドマンが「全面手描き作画」で表現され、『電光超人』の主題歌である「夢のヒーロー」をバックに闘った訳でありますが、もうね、管理人はここで感涙した訳でございますよ(笑)。こんなの音楽の暴力ですやんか!! いやぁ、劇判の使い方と言い、ここぞという時の「夢のヒーロー」と言い、本作の音楽の使い方は素晴らしいとしか言いようが無いですね。
全面手描き作画というのも、今のアニメで「かつてのヒーロー・電光超人グリッドマン」を表現するのに3DCGとの対比というのもあって良い表現だったと思います。

最後に触れておきたいのが、本作の怪獣達についてですね。
アカネちゃんの尖兵となって暴れる怪獣達のデザインは西川伸司、丸山浩、山口修、板野一郎、前田真宏という方々が手掛けられているのですが、この人達、ウルトラ作品やゴジラ映画で怪獣等のデザインを手掛けられている、怪獣デザインの重鎮やトップランナーの皆さんなんですよね。放送前に幾人かのデザイナーが公開されていましたが、それを見た特撮怪獣ファン(管理人を含む)達が「ヤバい、この作品、本気だぞ」とザワついてましたし(笑)。
毎回毎回個性豊かな怪獣達が画面狭しと大暴れする怪獣アニメとしても、非常に楽しめた1クールでありました。
因みに、管理人が一番好きな『SSSS.GRIDMAN』の怪獣は、捲土重来怪獣メカグールギラスですね。上の方でも書きましたが、メカグールギラスは作劇上アカネちゃんの肝入りの怪獣として登場したにもかかわらず、大した活躍も見せ場も無く「瞬殺」されてしまうという、この作品の中で一番哀しみを背負った怪獣だったという事が出来ると思います。だから、好きなんです。萌えるんですよッ!! 純粋にデザインが好き、というのもありますが(笑)。

あと、怪獣面で言うならば、ツツジ台には唯一原典から引き続いて登場した怪獣である電子アニマル アノシラスとその2代目(因みに管理人は、登場キャラでは2代目アノシラスちゃんが一番好きです。友達になりたい……。)、そしてアンチ君の3体の怪獣が残るのみという所に至って「アカネちゃんの尖兵」という役割だった怪獣が、最終回で「そこに居る存在」に回帰してくれたというのも個人的には非常にポイントが高いですね。
いやぁ、グリッドマンの電光超人化、六花とアカネちゃんの離別、創作への賛歌、怪獣の「そこに居る存在」への回帰……といったのが詰め込まれていた最終回を観ながら、管理人は3回くらい死んだんですわ……(笑)。すごいさいしゅうかいだった。


いやはや12話・1クール分、本当に愉しめた作品でありましたよ、『SSSS.GRIDMAN』!
映像の面白さがあり、謎めいた世界観があり、キャラクター達の小気味良い掛け合いがある。『電光超人グリッドマン』のリメイクという以上に、1つのアニメ作品として最後まで楽しむことが出来ました。
あと、割と「語りたい」タイプの作品でもありましたよね、『SSSS.GRIDMAN』。普段滅多にネタバレが流れてこない管理人のTwitterのTLでも、放送直後にバンバンネタバレが流れてきましたよって、皆語りたいんだなぁと感じたしきりでありました。
本放送は終わりましたが、管理人の住む地域では年明けから再放送が始まるので、グリッドマンロスはまだ3ヶ月後っすね(笑)。
再放送以外でも、立体物の発売や様々なコラボ企画等の展開もあるとアナウンスが為されております。
SSSS.GRIDMAN』、今後の展開も期待したいところでありますなぁ……。


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現行のウルトラシリーズである「新世代ヒーローズシリーズ」に於ける怪獣の扱いと、それに伴う作劇上の諸問題が気になる、というお話
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轟く重低音! 吹き飛ぶパンツァー! 破壊される大洗町! 戦車道、ここに極まれり! 『ガールズ&パンツァー 劇場版』

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2018/12/30 22:43|SFアニメTB:0CM:7

初のアニメシリーズとして再構築されたゴジラは、SF哲学怪獣論を展開する作品になっていた!  ~『GODZILLA』シリーズ総括~ 

去る2018年11月9日、アニメーション映画『GODZILLA 星を喰う者』が公開されました。これをもって2017年11月17日より約1年間に渡って展開してきたアニメーション映画シリーズ『GODZILLA』は、完結を見た訳でございます。
しかしながら本シリーズの評価としては見事に賛否両論真ッ二つに分かれており、「嗚呼、そうだよな。ここ最近のギャレゴジとシンゴジの絶賛の流れで完全に忘れてたけど、ゴジラ映画の新作が公開されると大体ファン界隈は大荒れするんだったよな……」という事を再認識するしきりだったりもします。

管理人個人としては、この『GODZILLA』シリーズは「面白い」とは感じていないのではありますが同時に「非常に興味深い」作品ではあり「好き」な作品でもある、という評価に落ち着くんですよね。
皮肉では無く本心から『GODZILLA』シリーズが好きなんですけれども、しかし作品評は結構厳しめになってしまうというなかなかどうして辛い感じにはなってしまうんです。が、しかしそれでも60余年続く「ゴジラ作品」の1ページとして1年間追いかけてきた作品でありますので、ここはブログ記事として書き記しておきたいと思います。
宜しく、お願い致します。

……因みに、当記事作成時点に於いて管理人は前日譚となる小説『怪獣黙示録』及び『プロジェクト・メカゴジラ』を、まだ読んでおりません。これは、『GODZILLA』シリーズを純粋に映像作品として愉しんだ上で作品全体を評価したかったからというのがある訳であります。なので当記事内の管理人の疑問が前日譚小説で明かされていたりする等の齟齬が生じている事も考えられる為、その点ご留意頂ければ幸いです。
当記事を作成し終わったら前日譚小説も読んでいこうと思います。こっちは本編と異なり特撮怪獣ファンからの評判も良いんで、純粋に楽しみでありますなぁ。

GODZILLA.jpg

GODZILLA』は、2017年から2018年にかけて公開された、アニメーション映画シリーズ作品。『怪獣惑星』、『決戦機動増殖都市』、『星を喰う者』の3部作構成で展開しました。企画自体は2014年に公開されたレジェンダリー制作の特撮怪獣映画『GODZILLA ゴジラ』の公開前から始まっており、2016年公開の特撮怪獣映画『シン・ゴジラ』よりも先発の企画であるとされています。
アニメーション制作はポリゴン・ピクチャアズ社で、静野孔文監督と瀬下寛之監督による2人体制。また、シリーズ構成には虚淵玄氏が迎えられております。いやぁ2013年放送の特撮ヒーロードラマ『仮面ライダー鎧武』の時も相当に驚きましたが、よもやゴジラ映画の脚本を虚淵さんがやる事になるなど、思いもよりませんでした。一世を風靡したエロゲライターが仮面ライダーやゴジラの脚本を手掛けるようになっているなど、10年前の自分に言っても「嘘乙」と返される事でしょう(笑)。世の中、どうなるか全く分かりませんなぁ……。

さて、本作最大の特徴は「史上初となる3DCGアニメーションで表現されたゴジラ映画である」という事でしょう。企画としても、従来のゴジラファンに向けての作品というよりは「ゴジラを見たことが無い若いアニメファン」をメインターゲットに据えているというアナウンスが東宝より為されておりました。
詰まる所管理人のようなボンクラ特撮怪獣ファンは、本シリーズのメインターゲットでは無いんですね。「自分はメインターゲットでは無い」とされるゴジラ映画を観に行くというのはそれはそれで哀しいものがあったのですが、同時に管理人はアニメファンでもありますので、「アニメーション映画シリーズとして再構成されたゴジラがどういった作品として完成しているのだろうか?」という、期待と不安を胸に、2017年11月17日の『怪獣惑星』公開日を迎えた訳でございます。まぁ、何だかんだ言っても管理人はこれまでのゴジラ映画は全て好きになっていた訳でありますので、今回も好きになるのだろうなぁという楽観的な感じで臨んだ訳ではあるのですが、しかし『怪獣惑星』を観て愕然としました。
駄目だ、これは俺の好きなゴジラじゃない……ッ!!
いやね、最終的に好きな作品にはなったんですが『怪獣惑星』で見せられた本シリーズの方向性は、管理人にとってはなかなかどうして厳しいものになっておりまして……。
誤解を恐れずに言うと、この『GODZILLA』シリーズは「怪獣映画では無かった」んです。

取り敢えず、何故そう感じたのかという話は後で書くとして、あらすじはこんな感じですかね。

1999年、アメリカ・ニューヨークに地球上で初めての怪獣が出現した。甚大な被害を出しながらも米軍はなんとか怪獣「カマキラス」の撃退に成功する。だが、この事件は始まりに過ぎなかった。これを境に怪獣は世界中に出現し、各地で甚大な被害をもたらし始めたのである。その中でも「ゴジラ」と呼ばれる怪獣はその他の怪獣とは比較にならないほど強大であり、人類はゴジラによって滅亡の危機に瀕してしまう。
時を同じくして「エクシフ」、そして「ビルサルド」という2種の異星人達が相次いで地球に襲来。母星を失った彼らは地球への移住への見返りとして、人類を凌駕するその科学力による怪獣の駆逐を約束。こうして人類・エクシフ・ビルサルドによる「地球連合」が発足した。
しかし、様々な作戦や超科学兵器が投入されたにも関わらず、それでもゴジラに勝つことは出来なかったのである。

最初の怪獣出現から半世紀が経過しようとする頃には、人類は7億人にまで減少していた。ゴジラに対してもはや打つ手なしとした地球連合は、系外惑星への移住計画を推し進める。
恒星間航行移民船「オラティオ号」がはくちょう座ケプラー425b星へ、そして同じく恒星間航行移民船「アラトラム号」がくじら座タウ恒星系e星へ、それぞれ出発した。ゴジラに勝てなかった人類は、エクシフ・ビルサルド同様の「宇宙の放浪者」となったのである……。

船内時間で出航から20年後、アラトラム号は目的地であるタウ恒星系e星に到着した。だが、e星は人類の生存に適した星では無かった。絶望する人類。長い旅で飢えと寒さに苛まれた人類に残された時間は少ない。
そうして、サカキ・ハルオ大尉が立案・公表したゴジラ撃滅作戦が支持を得た事もあり、アラトラム号上層部は超長距離亜空間航行によって地球へ帰還する事を決定する。
アラトラム号は地球への帰還を果たすが、地球では2万年もの時間が経過していた……。



怪獣惑星』の冒頭5分くらいで、人類がどのようにして怪獣軍団に敗北して宇宙の放浪者になったのかという事が描かれるのですが、その背景で流れるのがカマキラスやらダガーラやらオルガやらドゴラやらの新旧東宝特撮怪獣達が世界中を破壊している影絵なんですよね。特にカマキラスがポーズをキめながらニューヨークを火の海にしている図が本当に面白くて(笑)。しかも、エクシフとビルサルドなる二種の異星人が、完全にX星人とブラックホール第3惑星人なんですよ。シリアスで重苦しい雰囲気の中、「メカゴジラ、起動しませんッ!」という台詞が入るのが最高に面白過ぎるんですよね。
他にも、人類が使う可変式戦闘車両がどう見ても白いガンヘッドな上にそれがゴジラ撃滅作戦で大活躍するなどもあり、初見時に管理人は「ガンヘッド映画だこれ!!」と、妙に興奮したりもしましたし、移民船に乗れず地球に残された人類の末裔・フツアの民がどう見てもインファント島の住民で原典にもあった放射能の影響を低減させる「赤い汁」を再解釈して登場させたりするなど大小含めて本当に様々な「東宝特撮を知っているとニヤリとするネタ」がこれでもかというくらい作品随所に仕込まれていました。
また、「人類が去って2万年後の地球」という事で、舞台となるのが概ね樹木に囲まれている森林である事もあって、未知の植生や怪生物セルヴァムとの遭遇等の要素も、『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』や『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』、或いは『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦! 南海の大怪獣』等の「南洋の島」で繰り広げられる怪獣映画っぽさがありましたね。そりゃモスラを神として崇めるフツアの民が出てくるってもんですよ。そう考えると冒頭で一番最初に登場するのが南洋の島の怪獣の代表格であるカマキラスなのも、「今回のゴジラは南洋の島系怪獣映画のテイストでいきますよ!」という宣言だったのかも知れません。
東宝特撮映画、しかも昭和期の作品を現代で再構築するとこうなるのかと感心したしきりでありました。いやぁ、満足満足!

東宝特撮的文脈でも色々と見どころはあるのですが、このシリーズのもう一つの特徴としてSFリテラシーが相当に高い作品となっている、という事が挙げられるかと思います。
まず2つの移民船が向かったはくちょう座ケプラー425bとタウ恒星系eは実在する天体であり、加えて地球型の生命が生存出来る可能性が高い「ハビタブルゾーン」内に位置する星でもある訳です。特にタウ恒星系eは地球からの相対距離が約11.9光年と、現在発見されている太陽系外惑星としては地球から最も近い「生命の居る可能性が高い星」であり、『宇宙戦艦ヤマト2199』で同じく人類の移住先候補として登場した実在の天体グリーゼ581d(地球からの相対距離約20光年)よりも近い位置にある星なんですよね。2007年に発見されたグリーゼ581dが『ヤマト2199』(2012年制作)に登場し、2012年に発見されたタウ恒星系eが『GODZILLA』(2017年制作)に登場した事を考えると、宇宙探索の進展を感じざるを得ません。
また、もう一方のはくちょう座ケプラー425bは地球からの相対距離が約1400光年ではありますが、現時点で発見されている太陽系外惑星の中で「最も地球とよく似た環境の天体である」と推測されている星であります。設定上オラティオ号はアラトラム号よりも多くの移民を乗せた上に冷凍睡眠装置も備えた上で出航したという事になっていますが、可能性の問題を考えるととても理にかなっているんですよね。
更には、アラトラム号が地球に帰還した際には2万年もの歳月が経過しているという描写ですが、これはもうSFでは定番の「ウラシマ効果」でございますよ! 劇中の台詞をよくよく聞いてみると、本作でのワープ航行にはどうやらブラックホールを使ったワームホール式の亜空間航行技術が使われているらしい事が分かりますので、ワープ航行を行うとそれだけで時間が消費されるようなんですよね。しかも跳躍距離が長ければ長いほど時間の消費は激しくなるらしく、タウ恒星系e到達時には数千年だった時間経過が地球帰還時には2万年になっているという事に繋がる訳です。形状から原子力推進を備えているらしいアラトラム号は別に光速の99.99999……%まで加速可能とかいう事では無いようです。単なる通常空間を亜光速で航行した結果のウラシマ効果発現では無く、ワープ航行を使用した結果のウラシマ効果発現というのがなかなかにポイント高いですよ!

そして、本作の「怪獣」に対するアプローチも非常に興味深く、SF的解釈が為されております。
本作では怪獣達の出現は「人類による環境破壊の結果大いなる地球の意思が怪獣達を生み出した」みたいな感じで語られているんですが、詰まる所これって地球自体がひとつの生命体であると解釈する「ガイア理論」ですよね。しかもそこから一歩踏み込んで「怪獣を、ゴジラを生み出す事自体が人類の最終目的だったのではないか?」という解釈が為されたりもしておりました。
ビルサルドの「怪獣は通常の手段では倒せないからこそ怪獣なのである」、「怪獣を凌駕して人類種が真の怪獣(惑星の支配者)と呼ばれる存在にならなければならないのだ!」といった考え方や、「怪獣に滅ぼされるのがこの宇宙の理であれば、いっそ怪獣に滅ぼされて怪獣の中で永遠に生き続けよう」というアブない教義のエクシフ、「怪獣は台風や地震のような存在であって、それ以上でも以下でも無い」とするフツアの民、そして最終的に「怪獣は憎まれるからこそ怪獣たり得るのである」という結論に行きついたハルオ……。
このように、三者三様の「怪獣論」が、作中では提示されているんですよね。「怪獣はそこに居る存在である」という説を唱える管理人としては、フツアの考え方が一番しっくりきますかね。「自然の猛威と戦う事は出来ない。ハリケーンが来たら逃げなければならない。だが、イェーガーに乗ればハリケーンと戦う事も出来るし、勝つ事も出来る!」論です(笑)。

本シリーズにはゴジラ以外にもメカゴジラとギドラという2体の怪獣が登場しましたが、ゴジラ怪獣を代表するメカゴジラとキングギドラという2体の怪獣を下敷きとする彼らに対しても、本作ならではの再解釈が為されておりました。
メカゴジラはビルサルドの「ナノメタル」という思考金属の集合体であり、最終的には人や物を呑み込んで地球をまるごと覆い尽くす恐るべき存在であるとされました。本作のゴジラは地球の生態系を丸ごと変貌させるという驚異的な力を持っている為、このナノメタルで構成されたメカゴジラは、まさに「ゴジラの対となる存在」であるという事が出来る、まさに概念的な意味で「機械のゴジラ」と呼ぶにたり得る存在でありました。

そして、ギドラ。
コイツはもう我々の世界の物理法則が通用しない恐るべき怪獣として登場したのですが、その理屈付けとして量子力学的アプローチが為されておりました。量子力学というのは、原子や分子よりも更に小さい物質である「量子」について考える学問であります。量子は時として現在知られている物理法則を一切無視したかのような動きが観測されているので、その観測結果の謎を解き明かそうとする学問でもあるのですが、まぁこいつを持ち出すともう「なんでもあり」になってしまうんですよね(笑)。
よく量子力学の例えに上がるのが「シュレディンガーの猫」でしょう。1時間以内に50%の確率で崩壊する放射性原子と、その原子の崩壊を探知したら青酸ガスを噴出させる装置と猫を同じ箱に入れて蓋を閉め、1時間を置いて箱を開けるまで放置する。箱を開ける瞬間までは、箱の中の猫は生きている状態と死んでいる状態が同時に存在している、という考え方です。これはあくまでも思考実験なので普通に考えると箱の中の猫は死んでいるか生きているかのどちらかでしか無い筈であり、これを提唱したエルヴィン・シュレーディンガー博士も「んなアホな話があるかいな!?」という意図を込めていた訳なのですが、しかし現在に於ける最新の研究では、理屈の上では「2つの状態が同時に存在している」という状態になるともされていますし、更には「観測した瞬間に猫が死んだ状態と生きた状態の2つのパラレルワールドが発生して分岐する」という主張をしている研究者もいます。
実際に量子の世界では「それまでは好き勝手に飛んでた量子達がセンサー等を用いて観測した瞬間に一定の動きを見せるようになる」とかいう訳のわからない現象が起きたりもしている訳で、考えれば考える程頭が痛くなってくるような凄い世界、それが量子力学の世界な訳でございます。
で、『星を喰う者』に登場したギドラもブラックホールの中から出現する、いわば「事象の地平面(ブラックホール内に存在する「重力が強過ぎて光や電波すらも脱出不可能になる面」の事。事象の地平面の向こう側は、我々の世界の物理法則が一切通用しなくなる、とされています。頭が痛い!」の向こう側からやってきている訳ですので、量子力学的な挙動を自由に取捨選択できるようになっている訳であります。いやぁ、有り体に言って出鱈目で滅茶苦茶なヤツですよ。
ヤツは、こちら側からの攻撃が「当たっている」可能性と「当たっていない」可能性を自由に選択出来る訳ですよ。逆に言えばギドラは、「存在している状態」と「存在していない状態」の二重の状態になっている訳でもあります。そんな感じで出鱈目に強いギドラは実は物凄く不安定で常に揺らいでいるような存在でもあるのですが、それなのに我々の宇宙に存在できるのは、メトフィエスがギドラを「観測」しているからなんですよね。「観測者」さえ居ればその存在は確定するので、ギドラは無敵の怪獣として君臨する事が出来たのであります。
当然、メトフィウスの「」が損なわれた瞬間に「観測者」はマーテイン博士ら機材でギドラを観測しようとしていた地球人類になるので、その瞬間にギドラは「我々の物理法則に縛られた存在」になりゴジラによって倒されてしまう事になる訳です。
いやぁ、『星を喰う者』でのゴジラとギドラの戦いはそうした量子力学的観点で見れば本当に興味深いものだったんですよねぇ。
また、このギドラが「ブラックホールからやってくる」という点も注目したいところであります。
現在の宇宙論では、最終的にこの宇宙に残る天体はブラックホールのみになり、そのブラックホールも順次蒸発していき最終的には宇宙はエネルギーを生み出さない光子だけが飛び交う、絶対零度に限りなく近い温度まで無限に冷却されていくだけの空間になる(ビッグフリーズ」と呼ばれています。)そうですが、「宇宙空間に最後まで存在し続けるブラックホール」という事を考えると、そのブラックホールから出現するギドラを神として崇め奉るエクシフの教義についても、なんとなく理解できるような気がしますね。

物語の展開的には上記二体の怪獣を退けたゴジラに対して「ゴジラを憎む最後の人間」であるハルオがゴジラに突撃・爆散していくという終わり方になっている訳ですが、このハルオの最期の行動は、1954年公開の特撮怪獣映画『ゴジラ』の芹沢博士の最期とやっぱり被るんですよね。
54年の『ゴジラ』に於いて、芹沢博士は「オキシジェン・デストロイヤー」なる原水爆以上の破壊力を秘めた化学剤を作っ(てしまっ)た人物として登場します。芹沢博士は、第二次大戦で傷を受けた事から婚約が危うくなり一人研究室に籠って研究に没頭するも、婚約者を取られてしまい、「絶対に秘密」であると念を押した自分の研究も(ゴジラ襲来による東京壊滅の惨状もあったとはいえ)明かされてしまった事から、「自分の居場所はここには無い」と悟ってゴジラと共に海に消えた男として描かれています。
また、芹沢博士は『ゴジラ』に於いて、ゴジラと対になる人物でもあるんですよね。災厄そのものと言える怪獣・ゴジラも、原水爆以上の威力を秘めた化学剤を完成させた芹沢博士も、作劇上「現代に居てはならない存在」であると言えるんですよ。だからこそ、『ゴジラ』の芹沢博士は、ゴジラと共に海に消えるしか無かった訳であります。2014年の『GODZILLA ゴジラ』に於ける渡辺謙さんが演じた芹沢博士は、原典の芹沢博士よりは山根博士の立ち位置なんですよね。

一方の『GODZILLA』の主人公であるサカキ・ハルオは、メカゴジラやギドラといった脅威が存在せず、人類もほぼ滅亡してしまい残された人類もフツアの民と共生していく中、「小さな幸せ」を見つけていくという未来がありながらもその道を選択しなかった訳です。
ここでハルオが敢えてゴジラに挑んだのは、「人類に変革をもたらし、最終的に再び怪獣を生み出す事になりかねないナノメタルと融合してしまったユウコ」と共にゴジラに「焼き払って」もらう事で後顧の憂いを断ち切る、という事もあったのでしょうが、ハルオがハルオである為に、彼は最期までゴジラと戦う事を選んだんですよ。同時に「ゴジラを憎む人間」をこの世から消し去る事で、「憎まれる事で怪獣として存在していたゴジラ」に概念的な死(生命としては普通に本編後も生き続けるのでしょうが。)を与える事になった訳であります。最後のハルオの微笑みは、そうしたゴジラと人類の長きに渡る戦いの呪縛からの解放を意味するものだと、管理人は解釈しました。

作劇上はやはり芹沢博士同様、「フツアとの共生を始めた人類にとってハルオはもう必要の無い存在である」という事であると思うんですよね。オキシジェン・デストロイヤーとナノメタルユウコ、芹沢博士とハルオ。行動原理は違っても、その生き様はやっぱり被って見えるんですよねぇ。
更には、「ハルオ」という名前が54年の『ゴジラ』以来昭和期のゴジラシリーズでゴジラの中に入っていた俳優の中島春雄さんに因んでいるという事を考えると、まさにハルオは「ゴジラの対となる存在」だったとも言う事が出来るのではないでしょうか。

そうした感じで、この『GODZILLA』シリーズは全編通してSF哲学怪獣論を展開し、1954年の『ゴジラ』から始まる東宝特撮映画の世界観を分解・再構築した非常に意欲的な作品であったという事が出来るのではないでしょうか。
いやぁ、ゴジラシリーズ作品としては完全な変化球ではありながらも、様々な要素を分解して考えるとなかなかどうして噛み応えのある骨太の作品でありましたよ。SFファンとしても非常に愉しむことが出来た、そんなアニメーションシリーズでありました。
これでまたゴジラ映画の可能性が拡がったと思います。これから先のゴジラシリーズに本シリーズの結果がどうフィードバックされていくのか、また楽しみなところでありますね!

アニゴジ絵

……と、この記事をここまで読んだら、管理人は『GODZILLA』シリーズを絶賛しているかのように感じる方も少なく無いと思います。
しかしながら、冒頭で記したように、管理人は本作を「面白くない」と評している訳なんですよ。それは一体どういう事なのか。
ええ。一言でいうとこういう事なんです。

映像が!! 圧倒的に!! 面白くない画で!! 構成されているんだよ!!

管理人が本作で「面白い」と感じたのは概ねSF哲学怪獣論的な文芸面の部分なんですよね。そのシナリオや設定を存分に映像が活かしきれていなかったというのが、このシリーズの物凄く残念な部分なんですわ……。

まず、地球に帰還してゴジラをなんとしてでも倒さなければならない根本的な理由として「もう人類は飢えと寒さに耐えて宇宙放浪する事は出来ない」というのがあるんですが、実際移民生活がどれだけ酷い状況なのかという描写も殆ど無いので、「不退転の覚悟でゴジラを撃滅する」というストーリー展開にノれなかったんですよ。
そして、ゴジラが全く持って「強大で恐ろしい怪獣」であるとは伝わってこなかった点であります。「ゴジラによって人類が滅亡の淵に追いやられてしまった」という事は『怪獣惑星』の冒頭5分くらいで簡単に説明されただけで、具体的にゴジラや怪獣達がどんな感じで人類を追い詰めて行ったのかいまいちよく分からない。だから、「ゴジラが人類にとっての憎むべき敵」というのがピンと来ないんです。更に本編でゴジラが闊歩するのは、樹木生い茂る森林地帯。これでは、「ただその辺を散歩してるだけのゴジラを人類がホバーバイクでチマチマ攻撃してるだけやんけ!」となってしまいます。
折角ゴジラを身長300mなんていう歴代最大のサイズにしたにもかかわらず、殆どゴジラを大きく見せる演出が無いせいでその大きさも伝わって来ませんでした。なんなら、『怪獣惑星』では対比物を見せる演出が多用されていたので、ゴジラ・アースよりもゴジラ・フィリウスの方が巨大に感じてしまうまであると思います。いや、だって『決戦機動増殖都市』でも『星を喰う者』でも、ゴジラが歩いたり戦ってるのは荒野なんだもん……。そんな場所で「ゴジラ・アースは歴代最大の300mでござい!」なんて言われても、ねぇ?
更には、対戦相手であるメカゴジラとギドラ。
上の方では「概念的機械のゴジラだ!」とか「量子力学の怪獣だ!」とか言ってはしゃいでましたが、メカゴジラがメカゴジラ要素皆無のガスタンク群になっていたのはどう考えても解せませんし、ギドラも大層なバックボーンを持った怪獣なのにゴジラ相手にひたすら噛みつくだけで全然動かないなんてのは、一体どういった了見なんでしょうかッ!! キミたち、ポテンシャルは良いんだからもっとちゃんと怪獣アクションして面白いバトルを繰り広げなさいよ!
他にも、登場人物達が棒立ちで話しているだけとか、折角ヴァルチャーという格好良いロボを出したのに飛んでるだけだったりとか、精神世界の描写とか、映像的な部分での問題点は少なくありませんでした。

また、本作は怪獣達に感情移入が一切できないというのも、怪獣好きとしてはマイナスな部分であります。
だってゴジラもギドラも、意志を感じる余地が無かったんだもん! 唯一メカゴジラが、「主人の帰りを信じて2万年間絶対ゴジラ倒すマンとして軍備を整えていた」という忠犬的な可愛さを見せたくらいでしょうか。このメカゴジラになら管理人は同化しちゃっても良いかなと思えます(笑)。鋼たれ! 自らも鋼たれ!
しかし、ゴジラもギドラも全体的に舞台装置然としていて一切の感情移入を拒んできたのが残念でありました。萌える事が出来るからこその怪獣である筈なのに!

このシリーズ、「ゴジラ」の名を冠していながら、ゴジラ自体が主役にはなっていないんですよね。怪獣映画に於いては、「主人公≠怪獣」ですが「主役=怪獣」という構図になっている作品が殆どであるのですが、本作は「主人公=ハルオ」、「主役=SF哲学怪獣論」という構造になっていて、「ゴジラ」はその「怪獣論」部分を説明するための舞台装置になっちゃっていたという事が出来ると思います。そこに怪獣が居るにも関わらず、「その怪獣とは何か?」という事を延々語っている感じですね。
作劇の構造上ゴジラが主役になっていなくて、管理人は非常に哀しかったです。だからこそ、管理人は本シリーズを「怪獣映画では無い」と、捉えてしまっているんですよね……。

そもそもですね、本シリーズは「ゴジラを見たことが無い若いアニメファン」に向けての企画だった筈なんですよ。しかし、完成したのはバリバリのハードSF路線の作品。
今の若いアニメファンは、ハードSFは敬遠しちゃうから!!
特撮映画としてのゴジラい興味の無かった層にアニメとして観てもらってファンを増やす」という企画から見ると、何か根本的なところで間違えちゃっている気がするんですよ、本作は。しかも、そのSF的な部分のガジェットや現象等についての説明は劇中で殆ど無い訳ですから、作品自体が結構難解なものになっていると思うんですよね。更にそこに怪獣論などを展開した日には、まぁその部分に興味の無い人からすれば「なんだコレ」ってなってしまいかねない訳ですよ。そんな感じで文芸面が超変化球で来るんだったら、怪獣バトルの部分は逆に正攻法でやった方が良かったんじゃないか? と、管理人などは思ってやみません。
俺は観たかったよ、メカゴジラシティからニョキニョキ腕が生えてきてゴジラを殴ったりする外連味たっぷりの怪獣バトルがよォ……!

あと、アレですね。今回は静野監督が「ほぼゴジラや怪獣モノに触れてこなかった人」であり、作品制作中も怪獣モノに触れる事を禁じられていた、というヤツです。お前それ正気か!? と(笑)。
いえね、全く新しいゴジラをやるに当たって「怪獣ファンでは無い人の立場からの視点」というのは重要です。ですが、「過去作で何がウケたのか? 何がダメだったのか?」というのを知らない人が作品の意思決定をする監督という立場に居るのはマズいだろうと思うのは管理人だけでしょうか。
各種インタビューを見ると、「静野監督が微妙な顔をした! この案はいけないんだ!」みたいなやりとりが何度もあり、「それまでの怪獣映画ではよくあったシチュエーションや構図」がガリガリ削られていく事になったらしい、という事が書かれているんですよね。その結果、削らなくても良い部分まで削ってしまったと思うんです……。
完全に人選とその後の対応をミスってしまったのではなかろうかと思ってやみません。よくネット上なんかでは静野監督が叩かれちゃっていますけど、これ、プロデューサーが悪いよね……。

最終的に、管理人が『GODZILLA』シリーズを観て感じたのが、「80年代のOVAっぽい作品だなぁ……」という事でした。
濃厚なSF描写、様々なガジェット、変化球的な作劇、原典の再解釈。雰囲気としては完全に80年代のOVA作品っぽいんですよね。AICとかが制作しているような感じの(笑)。……ただ、画の面白さが殆ど無いので、「出来の悪い」という枕詞が付いちゃいそうなのが哀しいのですが……。出来の悪い80年代OVA……悲惨過ぎる
同じ虚淵脚本の『翠星のガルガンティア』や『楽園追放 -Expelled from Paradise-』も80年代OVAっぽい感じがありつつ(80年代OVA」っぽいというのは、ある種虚淵さんの作家性の一面なのかも知れませんね。)現代アニメらしい作品に仕上がっていたのに、どうしてこうなったッ!?


全体を通して、怪獣を題材としたSF作品としては非常に興味深いのですが、怪獣バトルや映像の面白さが薄いせいで「別に映画じゃ無くてドラマCDとかビジュアルノベルでも良かったんじゃないか?」とかいう考えが頭をよぎっちゃう、管理人にとってはそんな哀しい作品に、この『GODZILLA』シリーズはなってしまいました。だから、「面白くないけど興味深く、好きな作品」なんですよねぇ。
多分、ギャレゴジやシンゴジが無くいきなりこのアニゴジを出されていたら、管理人も発狂していたと思うんですが(笑)、幸いにして2018年現在は来年も再来年も、ひょっとしたらその次の年も新作のゴジラ映画を観る事が出来るという状況でありますので、心穏やかにアニゴジを愉しむ事が出来たのかも知れません。
大小含めて文句は尽きませんが、良い作品でしたよ、『GODZILLA』!


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2018/11/23 19:56|SFアニメTB:0CM:12

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