管理人が特撮・アニメ・ネット等について書いたり自作の漫画を公開したりする処でございます。或いは、管理人の日々の愚痴等を垂れ流す処。または、画力向上を図る処。もしくは、インターネットラジオの投稿を報告する処。非常に混沌としております。

管理人について

飛翔掘削

Author:飛翔掘削
冴えない漫画描き。
「人生は楽しみながら」をモットーに、日々思ったことなんかを記していければと思っております。
色々観たり読んだりしますが、主食は特撮怪獣映画。
最近は、漫画と特撮映画と『ストライクウィッチーズ』があれば生きていけそうな気がしています。
2015年1月、人生初の商業漫画が出ました。

更新頻度が低下しておりますが、最低週一回は更新していく予定です。していきたい。
また、最新記事だけでなく過去の記事にも気軽にコメントしていただけたら幸いだと思っております。

当ブログの掲載漫画一覧はこちら

当ブログはリンクフリーでございます。

総来訪者数

有難う御座います!

最新記事10件

カテゴリ

最新トラックバック

月別保存記録

05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10 

ゴジラという名の恐怖と幻想、それに立ち向かう日本人。 『シン・ゴジラ』 

お疲れ様です。お世話になっております。当ブログ管理人飛翔掘削でございます。
公開初日の初回IMAXで観に行ってきましたよ、庵野秀明総監督の特撮怪獣映画『シン・ゴジラ』。

もうね、凄かった。凄かったです。とんでもないゴジラ映画を、そして面白い日本映画を大画面・大音響の劇場で観れたという喜びも然ることながら、「庵野監督、やりやがった!!」と、ただただ叫びたい気持ちでいっぱいで、まるで管理人は島本和彦先生の自伝的漫画作品『アオイホノオ』の主人公・ホノオモユルのようになっていた訳であります(笑)。
その一方で、管理人の行った劇場では、公開初日だと言うのに観客数はまばら。……ま……まぁ、平日の朝のIMAX上映ですから、管理人のようにゴジラ休暇を取ってわざわざ観に行くような人は稀有ですし……! 興収、大丈夫なんですかねぇ……。不安であります。
他方、上映が終わった後にゴジラのソフビ人形を握りながら伊福部音楽を口ずさんでいた子供も見られました。他の劇場でも、子供ウケは結構良かったという目撃例がTwitterの方で上がってきている訳ですので、特撮怪獣映画の未来は、案外明るいのかも知れません!

さて、これ以上は何を書いてもネタバレになっちゃいますから、簡単な感想は終わりにして、とっとと本編の記述に移りたいと思います。
まだ観ていない方、特に観に行く予定だという方は、絶対にこの先を読まないでください!

シン・ゴジラ

※以下、ネタバレ注意です!!

【予告編】


【関連記事】
『シン・ゴジラ』の興行収入は、果たしてどのくらい行くのだろうか? という問題についてのお話
博多駅にゴジラ出現!!
ゴジラ対エヴァンゲリオン!? 何故、『シン・ゴジラ』の総監督に庵野秀明なのか
『シン・ゴジラ』予告編公開! 「現実 対 虚構」というキャッチコピーに見る怪獣映画の真髄
『シン・ゴジラ』予告編②公開! やはり、怪獣映画は怪獣の実在感がポイントだッ!



web拍手 by FC2




シン・ゴジラ』は2016年7月29日公開の特撮怪獣映画。2004年公開の『ゴジラ FINAL WARS』から実に12年ぶりに制作された、東宝製のゴジラ映画でもあります。
2014年公開のギャレス・エドワーズ監督による『GODZILLA ゴジラ』の世界的な大成功を機に、東宝内でゴジラ新作企画始動が正式に決定され、制作・完成した運びでありました。管理人の個人的には、それはそれで「ギャレゴジが成功したから復活って、それは短絡的過ぎやしないか!?」というのが無くは無かったのですが、まぁ、東宝も商売でありますからねぇ。何にしても、新作のゴジラが観られるというのは喜ばしい事であると、そう感じたしきりではありました。
製作は東宝映画の現社長でもある市川南、脚本・総監督には『新世紀エヴァンゲリオン』や『トップをねらえ!』といったアニメ作品でおなじみの庵野秀明が、監督・特技監督には『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』や『のぼうの城』、そして『平成ガメラシリーズ』の特技監督を務めた事でおなじみの樋口真嗣が、そして准監督・特技総括には、東映の特撮ヒーロー作品や様々な映画の特撮を担当した尾上克郎が、それぞれ就いております。
音楽は『ふしぎの海のナディア』以降の庵野作品で音楽を担当している鷺巣詩郎と、伊福部昭。その他、デザイン等のメインスタッフは概ね80年代に庵野監督が所属していた後のアニメ制作会社GAINAXの母体となった自主制作集団「DAICON FILM」の面々や庵野監督作品に縁の深い人達が集結している訳でございます。
80年代の『帰ってきたウルトラマン』や『八岐之大蛇の逆襲』といった自主制作映画を撮っていた人達が、遂に東宝でゴジラを撮ったのかと思うと、庵野監督達は「オタク・ドリーム」街道を見事に突っ走ったのだなぁと、感慨深くもなる訳ですよ(80年代に管理人はまだ生まれていませんでしたが!!)。
そして、キャスト陣は総勢329人という、これまででも類を見ない圧倒的な人数であり、その点も大々的に報じられ、話題となった部分でありました。

話題と言いますと、今回の『シン・ゴジラ』では、監督繋がりで「ゴジラ対エヴァンゲリオン」企画をはじめとして実に多種多様なコラボ企画が展開していっており、上記ポスターのように今回のゴジラは禍々しい見た目である筈なのに、どこか気さくでひょうきんなコワモテのおっちゃんという、公開前から謎の印象を管理人に与えてきたりもしました(笑)。
プロモーションの面ではやたらと本編内容を秘匿する方針が採られ、各種コラボもそれはそれで面白い感じにはなっていたのですが、「ゴジラがやるのだ」という世間一般への認知が出来ているのかどうか怪しいものでもあり。管理人らのような一部怪獣ファンをやきもきさせた訳ではございますが、本編を観たら「こりゃこういうプロモーションにせざるを得ないわ!」と感嘆&納得するしきりであり、それだけに非怪獣ファン層にも届くヒットを飛ばせるかどうかというのが、現時点では心配なところであります。この作品がヒットしなければ、再び東宝のゴジラは眠りにつく事になるでしょうから……。

さて、漸く本編について語る段と相成りました。
本当に面白い日本映画をつくろう!」という庵野総監督の指揮で制作された『シン・ゴジラ』。
そのあらすじは、以下の通りでございます。

ある日、東京湾横断道路アクアライントンネルで原因不明の崩落事故が発生した。これを受け東京湾は全面封鎖、首相官邸では対策を講じる緊急化会議が開かれた。
崩落事故の原因は局地的な地震ないし海底火山の噴火によるものだと推測され、それに準じた対策を立てて行こうという方向で会議は結論付けられようとしていたが、内閣官房副長官の矢口はネットにアップロードされた動画等を根拠とし、「今回の事件は海底に生息する巨大不明生物によるものではないか」と発言する。
あまりに突拍子もない矢口のこの発言を閣僚達は一笑に付すのだが、その直後、海底から巨大な尻尾が出現し、否が応でも矢口の巨大不明生物説を信じざるを得ない状況となる。

巨大不明生物は東京湾を移動し吞川を遡上、遂に蒲田に上陸した。近隣に多大な被害をもたらしながらも品川方面へ移動を開始する。白昼の首都東京はたちまち混乱の坩堝と化した!
前代未聞の怪獣出現に政府は緊急対策本部を設置、遂には害獣駆除の名目として自衛隊に出動の命令が下った……。

これは、ゴジラという未曽有の災害に立ち向かう、日本人の物語である。


この映画は政府関係者に中軸を置いた作品で、ゴジラ対策の会議とゴジラによる都市破壊を交互に挟むように物語が展開していく訳でありますが、なんと申しますか、その会議が本当に面白いんですよ!
会話劇でありながらテンポの良いカット割り、随時表示されるテロップ等、庵野演出がこれでもかというくらいに炸裂しており、巨大不明生物という未知の存在にてんやわんやする総理をはじめとした閣僚や官庁、自衛隊関係者の姿がコミカルテイストかつドキュメンタリータッチで描かれていく訳であります。本作の上映時間は2時間という尺でありますが、その間殆どダレる事無く、最初から最後までノンストップで魅せ切る、非常にエネルギッシュな作品であったという事が出来るでしょう。怪獣パートとドラマパートのバランス配分も絶妙でしたしね。
会話劇での映像の感覚としては1976年公開の市川崑監督の『犬神家の一族』を想起しましたし、ノンストップで物語が進行していって気付けば全編観終わっているという映画全体の感覚は、やはり1967年制作の岡本喜八監督による映画『日本のいちばん長い日』を想起させられます。特に『シン・ゴジラ』では岡本喜八監督がゴジラの謎を解き明かして自らは海に消えた牧五郎教授の役(写真のみ)として登場する為、やはり今回の『シン・ゴジラ』は、『日本のいちばん長い日』にオマージュを込められた映画なのだなぁと、そう感じたところであります。

前半の展開としては、あらゆる意味で「想定外」な巨大不明生物への対応に追われる政府の悲喜劇と、アメリカ経由でもたらされる巨大不明生物=ゴジラの情報、事後の対応といったあたりを中軸に据えた物語展開でありました。閣僚の面々が、最初は割とのほほんとした感じだったのに事態が深刻化していく中でだんだんと余裕を無くしていくというのが非常に面白かったですね。あと、石原さとみ演じるアメリカ特使カヨコ・アン・パタースンによる「GODZILLA(ガッジーラ)」発言とか。ギャレゴジに於ける渡辺謙の「We call him...ゴジラ」の対になっている台詞だと思います(笑)。
しかしながら、混乱しながらも粛々と法的根拠に準じて、国民の安全を最優先としながらゴジラ対策を立案・決断・実行していく彼らの姿は、1961年公開の『世界大戦争』や1974年公開の『日本沈没』、1984年公開の『ゴジラ』といった作品に登場する政治家達と同等かそれ以上に格好良く描かれておりました。現実の政治家の皆さんは、果たしてこういった事態になった時にこのように立ち回る事が出来るのか、ちょと疑問ではあるんですけれども……(笑)。
かと言って別に「政治家賛美」という訳でも無く、実質的にはその政治家の下で働く官僚達による「プロジェクトX」的な物語となっており、「懸命に働く日本人たちへの賛歌」とも言うべき内容になっていたという事が出来るのではないでしょうか。各官庁のはみ出し者達が集結してゴジラ対策に一致団結する展開もまた岡本喜八監督の『独立愚連隊』的でもあり(笑)。
実力派俳優達の演技も、その登場人物の「それまでの人生」を感じさせるような深みが付与されておりまして、単なる「328人ものにぎやかしと話題作り」では無い、328人が必要だったのだという事が作品を持って裏打ちされておりました。登場人物が大量に出てくるのでいちいち名前までは覚えられないのですが、しかし役職や立ち位置と顔は一致するようにきちんとキャラクターが立っていたのが凄いところでしたね。

そうして自衛隊の攻撃や米軍による攻撃でゴジラの抹殺を図る事になる訳ですが、しかしゴジラの抹殺は成らず。
自衛隊や在日米軍のゴジラ攻撃は、これまでの怪獣映画よりも現実に即した描写が為されておりました。AH-64D攻撃ヘリや10式戦車による砲撃、99式自走榴弾砲やMLRSによる長距離砲撃、F-2戦闘機による爆撃、そして米軍のB-2ステルス爆撃機によるバンカーバスターの投下!
絵面的にも非常に格好良く中盤での見せ場となるのですが、管理人の脳内で碇ゲンドウが「ゴジラ相手に通常兵器では役に立たんよ」とか言い出したりもして(笑)。
しかしながら、自衛隊も同盟国である米軍もゴジラに対して殆どダメージを与えられなかったというのは、現体制下での日本の敗北を意味している訳でもあり。「日本対ゴジラ」という本作のキャッチコピーに対しては、ここで結論が出ている訳でありますね。閣僚達もここでゴジラの攻撃を受けて全滅してしまいますし……。

さて、ゴジラはエネルギーを使い果たして東京駅近郊で活動を停止。閣僚の全滅に伴って唯一東京を離れていて難を逃れた農相が繰り上がりで臨時の総理が就任したりする中、通常攻撃ではゴジラに大したダメージを与えられなかった事を受けて国連が熱核兵器使用によるゴジラ抹殺が承認され、東京はゴジラと核兵器の二重の危機に直面する事になる訳であります。
一方矢口達対策チームは、牧教授の遺したゴジラの遺伝子データと全世界の研究機関の協力によってゴジラの活動を停止させる血液凝固促進剤を完成させ、核兵器発射の前にゴジラに対して血液凝固促進剤の経口投与を試みる事となる。「ヤシオリ作戦」と呼称されたこの作戦が、日本最後の希望となった……!
後半の展開としましては、大体こんな感じです。
いやぁ、全世界の研究機関が協力とか、もう往年の東宝特撮の四海兄弟の精神じゃないっすか! まぁ、米国や欧米諸国が日本のゴジラ災害をどこか対岸の火事のように捉えている節があったり、中国やロシアといった極東近隣国が核攻撃を推進しているあたりは、非常に現実的な肌感覚だなぁと思ったり。また、経済的な損失も物凄い事になって日本のデフォルトにも繋がりかねないという事も示唆されておりました。台詞で軽く流されている感じですが。
今回の『シン・ゴジラ』では、「もしゴジラが現代日本に出現したら!?」というシミュレーション映画であるという側面も多分に持ちまして、前半では政府の対応や自衛隊の攻撃、後半ではゴジラに東京を蹂躙された後の日本と世界の対応を、それぞれ考証を基にシミュレートされている訳ですね。

最終決戦である「ヤシオリ作戦(日本神話に登場するヤマタノオロチ退治に使用されたヤシオリの酒に由来。部隊のコードネームが「アメノハバキリ」と名付けられていたりするのもポイントです!」では正攻法の攻撃では全く動じないゴジラに対して、血液凝固促進剤を経口投与される訳ですが、もうこの東京駅決戦の奇想天外っぷりは素晴らしいですよ!
米軍の無人機でゴジラの熱線を引き受け、新幹線や山手線、京葉線、京浜東北線等の無人操縦による列車達が爆弾を積んでゴジラに突撃する「無人在来線爆弾」攻撃、ゴジラ周辺のビルに爆弾を仕掛けて倒壊させ、ゴジラを固定させた後はタンクローリーとクレーン車による血液凝固剤の強制投与! 口から一気に流し込む!! そして流れる宇宙大戦争マーチ!!!
……実際に観ている時は勢いに吞まれて全く気にならず「やれ! いけーッ!」ってなっていたのですが、こうやって文字に起こすとなかなかシュールな画ですなぁ(笑)。しかし、その一見ギャグに見えかねない事を大真面目に熱量を持って演出するというのが『トップをねらえ!』以来からの庵野演出の真骨頂でもある訳であります。「宇宙大戦争マーチ」も、作中の追い詰められたヤケクソ感とも相俟って良い効果を上げておりました。
在来線やタンクローリーといった兵器でも何でもない「普通の車輌や列車」がゴジラに一矢報いているという構図は、なかなかにカタルシスがありますよ! ゴジラを倒すのは戦車でも戦闘機でもましてや超兵器でも無い。作業機械と旅客運搬列車、そして決して諦めない人の意思だったのであります。
しかしながら、血液凝固促進剤と言うと、思い出すのは『ゴジラVSスペースゴジラ』の「結城スペシャル」ですね。ほら、本作にも柄本明出てるし!

そうして、ゴジラは抹殺とまでは行かなくとも活動を停止。体内の炉心に相当する器官に於ける冷却液の役割を持っていた血液を凝固させる事で暴走が起きる事を防ぐために、ゴジラ自らが自己冷却の手段を取るのではないかという憶測に基づいたある種のカケでもありましたが、矢口達はそのカケに勝ったのであります。兎にも角にも日本は3発目の核兵器を浴びずに済むのでありました。ゴジラに破壊された東京を再建させるからにはちゃんと都市開発も見直すぞという、『妖星ゴラス』的な話もあり(笑)。
オチとしては、「ゴジラとの共存」というのが選択された訳でありまして、てっきり抹殺か全滅かというオチを想定していましたから、これには管理人もちょっと驚いたところであります。しかしながら、怪獣と言う、ゴジラという存在を見つめると、アレは荒ぶる自然神そのものでありますから、災害大国日本としての感覚としては、非常に納得の出来るオチでありました。
そして、作戦が成功した瞬間に全員が溜息をつくというのも、なかなか日本人的だなぁと、感じたりもして。全編通して、非常に日本的な感覚で作られていたという印象がありますね。そういう意味でも「日本対ゴジラ」だったのかな、と。

そんな感じで、全編通して大変満足出来た映画でございました!
個人的に印象深かったのは、「この国で、好きな事をやる事は難しい」という台詞と、牧教授の遺した「私は好きなようにやった。君たちも好きにしろ」という言葉ですね。ある意味、この映画のテーマであり、庵野監督のメッセージでもあるのでしょう。
いや、本当に庵野監督の「好き」が詰め込まれ、そうして纏まった大傑作だったと、管理人は思います。
俺も好きにやってみるか!」という気分にさせられる、活力をくれる映画として、この『シン・ゴジラ』は仕上がっていましたよ!
ただ一方で、物語の描写として一般市民が殆ど描かれていなかったりする等、作劇上で「この部分はどうかなぁ」という箇所はいくつかありました。
世界的な規模でのカタストロフが起きているのに劇中での一般市民の感覚がほぼ分からないというのはこれまでの庵野作品でも多々見られた部分ではあるのですが、「日本対ゴジラ」と銘打った怪獣映画である本作でありますので、少しはそういった描写を入れて良かったんじゃないかなぁとも感じました。盛り沢山な内容の中でどこを削いでどこを残すのかというのが緻密に計算されている映画なだけに、その点は残念だったかなぁ、と。


さて、怪獣映画レビュー記事恒例、本作の怪獣面についてございます。
今回のゴジラ、一言でいうと「滅茶苦茶怖かった!!」ですね(笑)。

シン・ゴジラさん
この絵を描いた時はまだゴジラのデザインがよく分かっていなかったので舌を描いちゃったんでですよね(笑)。次描く時は、ちゃんと劇中の描写に沿って描きたいところであります。

冒頭で登場して尻尾が見えて、背鰭も見えて、劇中で政府関係者が「なんなんだアレは!?」、「いや、上陸しない筈では!?」と慌てふためく中、管理人は「ふふふ、俺は知っているぞ。その怪獣はゴジラだ。じきに上陸してきますよ、総理!」等と心の中で思っていて、いざ、ゴジラがその姿を現わすと、背鰭は我々の知っているゴジラそのものでしたが、その身体はまるでハイギョのような姿で体色も白が基調!
なんなんだアレは!?
我々が全く知らないゴジラが、そこには居たのであります。
これはなかなかに衝撃的でありましたよ。「ゴジラは最初からいつもの我々が知っているスタイルで登場する」というゴジラ映画の常識が崩れ去った瞬間でありました。
そうして、陸上を暫く這い回った後に直立二足歩行形態に変態。劇中では「進化」と呼ばれていましたが、今回のゴジラは環境によって自らの姿を変える完全生物として登場したのであります。腕が小さいのも歯が不揃いなのも、急激な肉体の変化に起因するものだった訳でありますね。
しかしながら、その姿は筋肉繊維が引き伸ばされて剥き出しになっているようで、更にはエラから血を吐くなど、「完全生物」とされながらもその姿は痛々しく、どこか苦しげにも見えました。ヨタヨタと歩行していっている姿も苦しみから逃れたいような仕草にも見え……。

しかし、一旦海に逃れてから再度上陸する際には、我々のよく知るゴジラのスタイルとなっておりました。相変わらず筋肉繊維が剥き出しになっている感じはありますが、皮膚も黒くなり、クリクリとしていて可愛らしい眼も小さくなり、そこから思考を伺う事は困難な紛れもない怪獣に、ゴジラは姿を変えたのであります。
そうして進撃を続けるゴジラですが、自衛隊の攻撃は一切受け付けず、米軍の爆撃を受けて流血するも、即座に放射熱線で対応。
今回の放射熱線はこれまでの放射熱線と比較して非常に細いレーザー状のものになっており、色も普段の青白い色では無く、紫がかったものとなっておりました。色が紫なのは、人間の目に見える可視光線の限界域が紫である事に起因しているのではなかろうかと思うのですが、その細さは一体何だ? よもや、荷電粒子砲……?
兎にも角にも今回はこの放射熱線の威力が普段以上に強化されており、あまつさえ口からだけでは無く背中からもバンバン撃っていくというデタラメっぷり。極めつけは尻尾からも放射熱線照射!
放射熱線での攻撃もそうですが、環境に適応してどんどん自分の身体を変化させていく今回のゴジラに、管理人は本気で恐怖していた訳であります。「ゴジラかわいい」とかそんな呑気な事を考えているような場合じゃ無い、こいつは本気でヤバい怪獣なのだ、と。ゴジラが我々の知らない「得体のしれない存在」になっているからこその恐怖というのも多分にあったと思います。食事をする必要も無く、空気と水があれば無限に生きていられるような存在だなんて……!
だからこそ在日米軍が全滅した時の絶望感と、東京が火の海になっていく様がまるで悪夢を観ているかのような感覚に、なったんですよねぇ。
ここまで恐怖の怪獣を、ゴジラを描写してくるなんて、本当に恐れ入りましたッ!

しかしこのゴジラ、普通に歩いているだけで(甚大な被害を出しながらですが)、他は自衛隊や米軍の攻撃に応戦しているだけのようにも見え、本質的には割と温厚な存在のような気もします。
ゴジラの出自も、海底に生き残っていた原始生命が放射性廃棄物を食べた事によって異形化していったという説明が為されており、そのエネルギー原理を応用して新しいエネルギー技術体系を作り出す事も出来るともいわれておりまして、まさにゴジラは神にも悪魔にもなれる存在であるとされたのは、やはりゴジラが原子力、核エネルギーのメタファーであるからなのでしょう。
その一方、ラストカットでゴジラの尻尾に人間のような骨格が現れていたのですが、これはゴジラの生存本能が人間を模した方が効率が良いという結論に行きついたからなのか、それとも、牧教授がゴジラを「好きにした」結果だったのか……。
謎の残る不気味な終幕でありましたね。


さてさて、最後に本作の特撮面についても少し見ておきましょう。
いやぁ、今回は割と本気で「どこまでが3DCGでどこからがミニチュアでどこからが実景なのか」というのがかなり分かりにくくなっていたように感じます。
いや、割と「あっ、ここはミニチュア撮影かな?」と感じる部分もあれば、「あっ、ちょっとゴジラさん、画面から浮きすぎですよ! もっと背景と色調合わせて!」というようなVFXも多々あり、まだまだ日本で「全編実物に見える巨大特撮」という道は長く遠いのかなという感じはしたのでありますが、一方では本気で本物に見えたビルの倒壊であるとか、崩れる建物の中で家具や机等が散乱するというミニチュア撮影による描写、そして地上から見たゴジラの姿が、実景と3DCGで表現されながらも本当にそこに存在しているかのように見える瞬間が頻繁にあるなど、カメラアングルやカット割りで魅せる特撮というのが本作の見どころであったと言う事が出来るのではないでしょうか。その辺りはやっぱり庵野&樋口監督による信頼と実績の絵コンテ力という事になるのでしょうね。
特に映画の冒頭で吞川を遡上するゴジラに押し流される船や瓦礫、ゴジラの歩行に伴って破壊される自動車や、クライマックスのヤシオリ作戦で倒壊するビルなんかは、圧倒的な迫力でありましたよ。
本編でもそうでしたが、特撮部分でもやはりあの東日本大震災の影響を強く受けての破壊描写なのだと、そう感じます。

また、『GODZILLA ゴジラ』同様、3DCGで表現されたゴジラにはモーションキャプチャーが採用されており、俳優・能楽師・狂言師の野村萬斎さんがゴジラの「中の人」となり、能や狂言の動きを応用してゴジラの動作を表現しております。よもやのぼう様がゴジラになるなんて(笑)!
更には今回ゴジラが出ている部分の多くが昼間であったという点は、夜間や深海での戦闘や怪獣の破壊活動がメインであった『パシフィック・リム』や『GODZILLA ゴジラ』、『ラブ&ピース』とは好対照となっており、「暗さで特撮の粗を誤魔化す」という選択を使わなかったのは、潔かったと言えるのではないでしょうかね。
部分部分では厳しいカットはありながらも、しかし部分部分では本物に見えるカットが入り混じって展開しており、まだまだ日本の特撮の未来を感じさせるものになっていたと、そう確信する次第であります。
今からメイキングを見るのが楽しみであります。


そういった具合で、非常に良質の怪獣映画として、何より楽しい映画として完成していたこの『シン・ゴジラ』という作品。
もう、庵野総監督以下、携わった全ての人に、「ありがとうございました! そして、お疲れ様でした!」と言いたいですね。今の日本でこれほどまでのゴジラ映画を創ることが出来た。これはひとつの希望とも言えるのではないでしょうか。
願わくば、この映画がヒットし、東宝のゴジラ映画がまた定期的につくられていくようになると、ゴジラファンの管理人としてはこれ以上に嬉しい事は無いです。ヒット、してくれると良いですねぇ……!


【関連記事】
東西冷戦下の時風を色濃く反映したシナリオと、「リアル」に縛られてしまったゴジラ 『ゴジラ(1984)』
東宝特撮陣のキングコング愛が詰まった、怪獣対決映画の決定版! 『キングコング対ゴジラ』
おかえりなさい、ゴジラ。 『GODZILLA ゴジラ』
涙を呑んで、『巨神兵東京に現わる 劇場版』は失敗だったと言わざるを得ないのかも知れない……。
終末SF特撮映画 『世界大戦争』
庵野秀明第1回監督作品にして、伝説的OVA作品! 『トップをねらえ!』
『新世紀エヴァンゲリオン』という名の思い出

スポンサーサイト
2016/07/30 15:24|特撮怪獣TB:1CM:17

コメント

シン・ゴジラ目撃
ゴジラはキャラクターとして決められた角度みたいな呪縛があり斬新なものは不可能と私自身も思ってました(アイディアとしてこういうゴジラもありだと友人に話すと!?それゴジラじゃ無いわなと必ずいう)
だが!庵野・樋口コンビはやってくれました
全く違う角度と解釈で大胆にアレンジしつつもしっかりと誰もが知ってるゴジラを描いた
更に自衛隊を「本分は攻撃よりも人を守ることだ!」としっかり描いた

エヴァじゃないか!という輩もいるが、元々エヴァも巨人兵も初めにゴジラありきのものなんだからいいんだよ、これで

問題作とか政治ドラマだとか、んなもんどーでもいい
自分にとって「うん!お帰りなさい、ゴジラ!!」
と言える近年最高の娯楽怪獣映画だった

面白かったですね・
G・O #EAg74q5Y|2016/07/31(日) 00:54 [ 編集 ]

あのラストの尻尾、巨神兵にも見えました。
シン・ゴジラのゴジラはヘドラやデストロイアの様に進化したり分裂する事が可能なので、まさかシン・ゴジラが巨神兵東京に現るに続くとか思っちゃったりなんだり。
匿名様 #-|2016/07/31(日) 01:40 [ 編集 ]
予告編がよかったので・・・
予告編がよかったので、もしや・・・と
思ってたらあちらこちらで絶賛の声。

無茶苦茶、面白そうですね。

もしかしたら、大田区住民は必見ということ
なのでしょうか?

Amleth Machina #SY/LY76s|2016/07/31(日) 01:50 [ 編集 ]

>>G・Oさん
東宝版としては初めて「初代から地続きでは無いゴジラ」が登場したという呪縛をも拭い去ってくれたのが良かったですよね!

>エヴァじゃないか!という輩
エヴァというよりは、「庵野演出」と呼ぶ方が正しいっすよね。『トップをねらえ!』じゃなかとか、そういう話にはならないのは認知度の問題なんでしょう……。

兎にも角にも、凄まじい映画でした!


>>匿名様
コメント、有難う御座います!

ラストの尻尾のヒトゴジラは、設定の上では純粋にゴジラの自己進化の結果で巨神兵とは関わりが無いものだと個人的には思います。
しかし、性格上巨神兵は審判者ですから、ゴジラ=神として捉えると理屈としては同じようなものだとは思います。
意識的にしろ無意識的にしろ巨神兵のイメージは、あるのでしょうね。


>>Amleth Machinaさん
滅茶苦茶面白かったっすよ!
少しでも気になるのであれば是非、劇場に足をお運びください!
……割とネタバレを見てしまった後では衝撃は薄れるとも思いますが……。
飛翔掘削 #GpEwlVdw|2016/08/01(月) 20:47 [ 編集 ]

呑川を遡上して上陸してきたゴジラ第2形態通称蒲田くん、可愛く見えてきたと思ったら第3形態、通称品川くんになっちゃいました…
しかし蒲田くんの登場はつまるところ、62年前、初代ゴジラを映画館で観た人たちと同じ気分にさせるためのものなんでしょうね
どうしてもコレまでのゴジラというと、「こんな形をしたゴジラ」がいて、それがやって来てってしてるので、コレまで多くの作品を観ている僕たち観客からすると「さあ○○での人類は○○していたけれど今回の人類はどう動くのかな?」と、いわゆる神の視点で事態を見ることが出来ていたと思うんです
そこで、自分達の常識とはまったく異なる姿をした怪物が現れる
僕たちがゴジラに対して積み上げてきた常識が一度完全に白紙に戻され、僕たちは「今までに見たことのない巨大不明生物」への対策に追われる政治家や官僚の視点に自然と引き込まれる
けだしコレは秀逸な手段でしたね…
ゴジラとはこういうものだという固定観念を破壊するのはなかなか挑戦的な行為だとは思いますが、ラストで赤坂秀樹内閣官房長官代理が語った「どうせ一度崩壊した首都と政府だ、まともに機能する形に作り直す」という台詞を思い出せば、12年前、その衰退によって一端の終わりを迎えたゴジラシリーズを復活させるにあたって、全く新しいアプローチでゴジラを創っていくというのは「アリ」だよなぁと思います
「この国で好きを通すのは難しい」からこそ、シン・ゴジラが殿を務めて、自由で柔軟な着想が認められやすい土壌が生まれたことを嬉しく思います
ミレニアムシリーズの時代にはなかった表現の技法も多く生まれている今だからこそ、このシン・ゴジラを皮切りに、各個が独立した世界観を持ってそれぞれのゴジラ像を創り上げていくシリーズの始まりを期待します
そういう意味できっと、「私は好きにした、君らも好きにしろ」という言葉は、庵野秀明というクリエイターから、また次代のクリエイターへのメッセージなのかもしれませんね
匿名様 #-|2016/08/02(火) 22:28 [ 編集 ]
あんな、放射能火炎と熱線を観たのは始めて!
はじめまして、わたくし坂田銀時と申します。
私も、昨日 拝見しました。政府の対応と日本のゴジラシリーズ初の集団的自衛権公使での在日米軍の活動に拍手したくなりました。

また、ゴジラ第二形態はまさしく、キモかわいいデザインに驚愕しましたが、後で考えると実はゴジラは自殺した博士と核物質を補食してしまった海洋生物の融合した怪物出はないかと思います。

つまり、博士は海に投身し核を補食してしまった海洋生物に自らを食べさせて融合を果たした上で、急速進化して自分を認めてこなかった人々に復讐をしたかったんじゃないかと。
だから、ラストで尻尾に人の腕が、作られていたのかと推察しました。

しかし、不満点としては石原さんではなく、トリバゴのCMの外国人タレントさんかドラマ マッサンのフォックスさんが、良かったですね。
また、海自のイージス艦や米軍のイージス艦によるシースパロー(海自からの)とトマホーク(米軍のイージス艦からの)の攻撃が、ほぼなかったのが不満でしたね。
海自によるシースパローによる攻撃はありましたが、ほんの僅かでしたね。

私はまた観に行きます。今度は4DXで、放射熱線発射シーンで、揺られてみますw
坂田銀時 #-|2016/08/03(水) 21:35 [ 編集 ]

>>匿名様
コメント、有難う御座います!

>ゴジラに対して積み上げてきた常識が一度完全に白紙に戻され
庵野監督以下スタッフは、54年の『ゴジラ』を観た感覚を『シン・ゴジラ』で観客に味あわせたかったのでしょうね。私もまんまと図中に嵌ってしまいました(笑)。

1本の作品としても非常に楽しめましたが、それ以上にゴジラをメタ的に1歩前進させる映画だったという点で、エポックメイキング的な作品となったのかも知れません。
今後制作されるであろう東宝のゴジラ映画の「好きにしろ」に対する答えも含めて、まだまだ『シン・ゴジラ』は楽しんでいける映画なのかなと思います。


>>坂田銀時さん
コメント、有難う御座います

在日米軍の動きは、集団的自衛権の行使というよりは害獣駆除での自衛隊出動の延長上の活動だったように思います。
因みに、Twitterの方で在日米軍のアカウントは、「もし本当に日本にゴジラが出てきても在日米軍は総力を挙げてこれに対処しますぜ!」という旨の事を言っていました(笑)。

牧教授がどうゴジラを「好きにした」のかについて、色々と憶測は立てられますが、しかしそれは想像の範疇を超えないというのがまたニクいですよね。
色々と語る事が出来る作品は良い作品です。

怪獣映画では描かれる事があまり無い洋上戦ですが、今回もそれはオミットされる形になりました。
確かに残念でしたが、今回は尺的に無理だったのかなぁ、と。今後の怪獣映画に期待したいところです。

機会がありましたらまた、コメントしていただければ幸いです!
飛翔掘削 #GpEwlVdw|2016/08/05(金) 21:28 [ 編集 ]

今こんな見ごたえのある日本映画がつくれたことにアッパレ拍手喝采です。派手さの面でもハリウッドに負けてないと思いました。
「ヤシオリ作戦」に臨んで矢口さんが皆に号令をかける場面でウルっと来ました。でまた、高層ビルを倒壊させてゴジラの動きを封じるとかアイデアが秀逸すぎる。ウルトラマンの居ない世界では小さな人間は自分たちが作った巨大なものを使って巨大な怪獣と戦うということか。「どうせ核で東京消滅すること思えば何やっても許される」的な免罪符とヤケクソ感があるからまた堂々とできるんですね。
放射熱戦の凄まじさも僕の想像をはるかに超えていました。描写のスケール感はやはりアニメーター的な感覚なのかなあと。またそれを実写で実現できると思う信念がすごい。
さすがに背中からの放射ビームは「反則じゃんw!」と思ってしまいました。イデかよw しかしあの放射熱線は正直ビビった。「東京オワタ…日本オワタ…」とマジで絶望感に襲われました。映画的には「イヨ待ってました!」なんですけどねw。

…最後になりましたが、記事お疲れさまでした。
矢端想 #1h4OZhZI|2016/08/06(土) 16:01 [ 編集 ]

どうも、こんばんはです。

記事の冒頭でチビッ子のウケが意外に良かったと書かれておりますが、自分が見に行った時は女性客が意外に多くて驚きました。
「もしかしてゴジラとか関係なく長谷川博己目当ての客が多いんじゃ・・・」
とも思いましたが、何にせよ本作が切っ掛けで特撮作品が幅広い客層に受けるようになれば御の字という物でしょう。

それに、つい見逃してしまいがちですがゴジラシリーズって役者さんの演技が結構、拙い場合も多くて、
それが視聴者を作品世界に“入り込む”のを阻害していた面もあったと思うんですよね。

こういう要素って特撮シーンの出来の良し悪しで判断してしまいがちですけど、役者さんが作品世界に説得力を与えるだけの演技が出来るかどうかも大事ですからね。

今回の長谷川博己はゴジラの出現に右往左往する政治家達が集まるシーン、ゴジラ対策を練る専門家(っていうかオタク)達が集まるシーン、
ある意味世界観の違う二つのシーンを行き来しても全く違和感無く画面に馴染んでいたし、
若くて野心的な政治家という普通だったら感情移入し辛いキャラクターを、冷静さを保ちつつも所々浮かべる悲壮な表情を持ってしてかなり感情豊かにしている所は映画全体の雰囲気作りに貢献しているんじゃないでしょうか?


・・・いやぁ、ゴジラを語る記事で長谷川博己をベタ褒めしちゃって申し訳ないんですけど、
でも今回は本当にキャスティングに至るまで「これは良い」と言える作品だったので、あえて自分は長谷川博己という一人物を中心にコメントさせて頂きました。
レバニラ #LkZag.iM|2016/08/06(土) 22:32 [ 編集 ]
邦画の未来を見据える映画、でした。
こんにちは。少し前にそちらの記事にコメントを寄せさせて頂いた者です。いつもながら、力のこもった記事興味深く拝見させて頂きました。件のシン・ゴジラ、私も先日鑑賞しました。同ジャンルを含め、今までの邦画では滅多にお目に掛かれなかった凄まじいばかりのスペクタクルな場面、緻密で濃密な展開、夫々の持つ圧倒的な情報量にとても一度きりでは頭に入らず、結果二度程劇場に足を運んだ次第です。巷でも随分話題となっているらしく、様々な意見、感想を目にしては「そうそう」と思わずニヤついたり、奥深く多様な意見に「なるほど」と膝を打っています。

血液凝固剤を介した冷却機能の阻害に伴う熱暴走の抑制の為の強制冷却による生体的、生体反応としての原子炉スクラム(でしょうか)。そちらのご意見からも私の疑問点についてスッキリと納得させて頂きました。どうもありがとうございます。

特撮に関するお話としては、CGに加え所々に散見するミニチュアワークとの使い分けがとても巧みでその手のファン(私も勿論そうですが)の琴線に触れる心憎い演出の妙を堪能しました。

私個人の感想としてはミニチュアに「見えてしまう」のではなく敢えて「見せている」、意図的な主張を込めた印象がありました。短いカットで殊更に強調しない一種のお遊びと言いますか、サービスの一環でしょうか(特に予告編にも見られた鎌倉市稲村ケ崎上陸後の法面破壊シーン)。被弾や爆発等の効果音もリアルな迫力を主軸に据えつつ、往年の「東宝(円谷)特撮」で用いられた独特の音響にもどこか似通っていて、これらは「総監督の趣味」性のさりげない反映、とも私は思いました。

獲物を狙う蛇のように大きく開口し、盛大に吐き出す熱線から紫色のビームに収束する描写もとても斬新でしたね。火炎状の熱線は「いつも」のゴジラですが、形状の変化は劇中の理論は兎も角、「超兵器」へのオマージュ、見立てにも思えました。今作ではキャッチコピーの触れ込み通り、対抗する機関なり組織の何れも非現実的な兵器兵装の類はなく、その分“荒唐無稽”な設定を虚構の象徴たるゴジラに全て集約させた。

つまり今作のゴジラは従来のゴジラであると同時に「メーサー車」等のビーム状の兵装を持つ特殊戦闘兵器、としての一面も備えている。口内の全貌は極めて無機的な「発射孔」であり、その故に舌が無い(とか)。そして可能な限り死角を無くす為、他の部位も発射孔、砲塔として効果的に機能する。関連が指摘されているエヴァンゲリオンの使徒も生命体というよりどこか超兵器然としていた・・・ような。本編の言葉を借りて言えば常識を超えた「進化」の想定外の有様です。

指揮所を設けた科学技術館上空に伸びる整然とした光線の束を見て「あ、SFしてるなー」と私は痺れました(笑い)。是非は兎も角、今作のゴジラはSFマインドのランドマーク、或いはアイコンとしてこれ以上なく魅力的に作り込まれていますね。少年の夢がはちきれんばかりに詰め込まれている。勿論、楽しいだけでなくシビアな問題提起を突きつける非常に怖い存在でもあるんですけど。

「怪獣映画」の本質、王道を確り継承しつつも所謂ジャンルムービーとしての枠組みを鮮やかに刷新し日本の「一般娯楽大作」の体面を堂々と掲げる。更に様々な切り口を随所に潜ませてとことんディープに掘り下げられる抜かりなく奥深い本作、シン・ゴジラ。

スペクタクルであり、SFであり、サスペンスであり、人間ドラマであり、政治劇であり、そして何よりもゴジラ映画であり・・・「一度見たらとことん語り尽くしたい映画」。私は本当に痛い程実感しています。
ワン #4Fa3Cym6|2016/08/07(日) 17:36 [ 編集 ]

>>矢端想さん
>イデかよ
明らかにイデですね(笑)。

一連の放射熱線のシーンは、本気の絶望と恐怖とは何なのかという事を思い知らされました。演出と音楽の大勝利です。
いや、本当に凄まじい映画として『シン・ゴジラ』が完成した事を心から喜びたいです。


>>レバニラさん
こんばんは。

興収は現時点で21億超え、最終興収は50億も狙えるとの事で、これを切っ掛けとしてゴジラ映画に限らず日本の怪獣映画が再興していくと良いのですが、果たして……!


>>ワンさん
どうもです。

『シン・ゴジラ』は、本当に多角的な面から色々と語れる映画ですよね。
この記事も約1万字くらいの文字数で書いた訳ですが、書いた後でもまだ書き足らないのではという思いがふつふつと……(笑)。

しかし、こういった作品としてゴジラが大復活を遂げた為に『シン・ゴジラ』がひとつの壁にさえなり、日本の怪獣映画は良くも悪くも「変わらないと」いけなくなるのでしょうね。
それもまた楽しみであり、怖くもあるところです。
飛翔掘削 #GpEwlVdw|2016/08/08(月) 19:56 [ 編集 ]

あの爆撃機は在日米軍じゃないはず大使館防衛を建前にグアムから飛び立ったと言うセリフがあったと思うので
匿名様 #-|2016/08/08(月) 23:44 [ 編集 ]

>>匿名様
グアムから飛んでくるから在日米軍じゃないですよね。勝手に在日米軍だと脳内補正しちゃっていました。
修正しておきます。
飛翔掘削 #GpEwlVdw|2016/08/10(水) 19:20 [ 編集 ]

始めまして。私もシン・ゴジラとても感銘を受けました。
また貴方の感想考察とも、とても読み応えのあるものでした。

ただある一点、
>ただ一方で、物語の描写として一般市民が殆ど描かれていなかったりする等、作劇上で「この部分はどうかなぁ」という箇所はいくつかありました。
この部分に関して自分なりに思うところがあったのでせっかくですのでぶつけさせていただきます。

まず、「一般市民」の役目はなんでしょう?
作中では作戦実行の為に300万市民が避難をしていました。
ですが、今までの生活を全て捨て、避難生活を送ると言うのは並大抵のことではありません。そんな状況でも避難先で避難者たちが大人しく避難生活をすごしていました。海外のパニック映画のように非難に反対する住民がいてもよかったのかもしれません。一般市民の声、不満を代弁するような目立つキャラクターがいれば、またそういったキャラクターがゴジラ退治になんらかの貢献をすれば、それはそれでドラマになるでしょう。

ですが思い出してください。序盤に第三形態のゴジラに減り部隊が攻撃する際に逃げ送れた老夫婦がいました。こう言う存在がいては自衛隊も満足に戦えなくなるわけです。
そう言った不満を抑え、一人一人が絶えたからこそ、それこそ街中で在来線やビルを破壊するような作戦が取れたわけです。
一般市民にとって、団結して避難する・自衛する・守られると言った行為は一般市民なりのゴジラに対する戦いの一つであると私は考えました。

また、自衛隊はもちろん矢面にたってゴジラと戦います。政府関係者やゴジラの対策チームの方々は作戦を立案します。でもそれを裏で支えた薬品を開発した研究者達。薬品プラントの作業員。日本中から運搬し、また重機を操りゴジラに投薬した人々(重機を運転していたのは自衛隊の人間かもしれませんが…)彼らは作戦に寄与した側ではありますが、紛れも無く一般市民であり日本国民であり、私としては十分に「日本対ゴジラ」と言うキャッチコピーに恥じないものであったと考える次第です。

長々と書きましたが、「落ち着いて避難活動・生活をしている市民」「緊急事態にも焦らず自分の作業をこなす薬品プラントの方々」が日本らしく格好の良かったものであったって言うのが私のシン・ゴジラの感想です。(それだけ言えば良いのに前半いらないよね)
吹雪 #-|2016/08/15(月) 18:10 [ 編集 ]

>>吹雪さん
はじめまして。

記事作成以来7回程『シン・ゴジラ』を観て、色々と記事を書いた時とは解釈や考え方が変わった部分もあるのですが、「一般市民の描写」という点で言えば、「観客こそがこの映画の一般市民なのだ」という考えに到りました。
ゴジラの東京蹂躙や、諸々の被害描写、避難所での生活を思わせる描写等に対して、現実世界で起きた災害を経た現代日本で暮らす日本人だからこそ抱くであろう気持ちこそが、作中の一般市民が抱いた気持ちにシンクロするのではなかろうかと思うんですよね。
勿論、鑑賞した一人一人が異なる気持ちや意見を持つ事になる訳ですが、まさにそれこそが作品の一部に組み込んでいるのではなかろうか、と。
そうだとすると割とメタ的な構造をぶち込んできたなぁと、思うところですね。庵野監督のメタを取り込んだ作風というのもマッチしますし。
私の考えすぎでそういう意図は全く無いのかも知れませんけど(笑)。

他方、その文脈を持っていない人が今回の『シン・ゴジラ』を観て、同じように作中の一般市民にシンクロできる普遍性があるのだろうかという疑問は、あるかも知れません。
そういう点でも、今の日本に向けて制作された映画なのだろうなぁと、そう思うところです。
実際に海外で順次公開されている訳ですが、そういう部分が批判されているという話もある訳ですし……。

機会があればまた、気軽にコメントしていただければ、幸いです!
飛翔掘削 #GpEwlVdw|2016/08/18(木) 22:03 [ 編集 ]
鑑賞して参りました!
・本作はポリティカルフィクションとしての怪獣映画に仕立てた感じでしたね。聞いてたように初代ゴジラが出現した歴史を廃し、全く新しい巨大不明生物との遭遇と、被る被害への対処に焦点を当てているようです。
政治家、官僚らのやり取りを専門用語を使いつつ決して理解出来ないものでもないようバランス感に富んだ演技をこなされていました。クールに進みつつシリアスな笑いを含むのも冴えている(笑)

・さてゴジラですが…
あの生命体としての異様さは凄いグロい。まさか魚類か両生類みたいな形態から上陸するとは。あのギョロ目は恐いやら可笑しいやらな怪異性がある。
徐々に形態を変えて直立させていく進化の描写。あれはデストロイアを彷彿します。(熱線エフェクトもそやつの光線にそっくり)
また例のごとく現存の武装では歯が立たず、あの口以外にも背ビレや尾先からも熱線を放つオールレンジ攻撃。あれは恐いよりもう笑うしかない。ある意味生物の垣根さえ超えた存在になっていますよね。(使徒か!)

・もはやお約束になりつつあるゴジラへの熱核兵器の投入。日本国の脆弱な国際社会の地位も併せてシビアにかつ淡々と進める姿は寒い。
おかげでゴジラの肉体構成を解き明かし、血液凝固剤を精製しての投入作戦に感情移入できるからその流れは良かった。皆かっこいいから素直に応援したくなる!

・さて今回のシンゴジラは、自分は続編は要らないかなと考えております。あれだけ被害を出したら次の舞台が難しいし、仮に対戦怪獣を出したら、あれだけ凝ったゴジラの設定より難しい物を練らねばでしょう。  
次回作はミレニアムシリーズと同様に連続性が無い方がいいと思いますね。私としてはゴジラの怪奇性、異生物性が際立つので好感が持てずあくまで番外編ゴジラという認識です。
作劇は好き、ただキャラとしてならギャレゴジの方が好感は高いんです。
TT #-|2016/08/19(金) 16:24 [ 編集 ]

>>TTさん
お疲れ様です!

本作のゴジラのキャラクター性は排されて、「巨大不明生物」として、或いは或いは「災厄」としての描写になっていましたが、一方で観た人がそれぞれ二次創作でゴジラにキャラクター付けをしているのは面白い現象だなと思いますかね。
第2形態の「蒲田くん」とか第3形態の「品川くん」とか第4形態の「鎌倉さん」みたいな名前とか、焦点が合っていない眼をデフォルメ化させてポケーっとした性格付けをするとか。
恐ろしい怪獣だったからこそ、そういった楽しいキャラクター性が付与されていく土壌になったのだろうなと思います。

で、そんな感覚で再度本編を観に行くと、ゴジラはやっぱり恐ろしいよなと再確認するというルーチンになっているという(笑)。
飛翔掘削 #GpEwlVdw|2016/08/21(日) 18:43 [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

『あの唇ですべてを許そうではないか』
少々出遅れてしまったが先週8/2火曜日の最終上映で「シン・ゴジラ」を見てきた。 普段から普通の人以上にカイジューだトクサツだと喧しい私が初日(7/29)に行けなかったのは残念としか言いようがないのだけど、結果的にはまあまあ良い席でゆっくり見ることが出来たので良かったなとは思っている(しかも当日は妻を伴って人生初の「夫婦50歳割引」を適用しての初鑑賞。これがシンゴジになったのはなん...
You talkin' to me ? 2nd_新たなる驚異を求めて|2016/08/09(火) 22:40

トラックバックURLはこちら
http://mogera594.blog9.fc2.com/tb.php/1404-cf62dc96

管理人のつぶやき(Twitter)

日々、下らん事を呟き続けております。携帯からのつぶやき多し。

pixiv

只今の日時&当ブログの情報

現在時刻





総記事数:


最新コメント15件

リンク

このブログをリンクに追加する

過去記事10件

当ブログ内の過去記事10件であります。
気が付いたら、更新していっております。


検索フォーム

カレンダー

05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

メールフォーム

御用の方は、どうぞ。

名前:
メール:
件名:
本文:

現在当ブログを見ている人の数

現在の閲覧者数:

RSSリンクの表示

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

Copyright(C) 2006 怪獣の溜息 All Rights Reserved.
Powered by FC2ブログ. template designed by 遥かなるわらしべ長者への挑戦.