管理人が特撮・アニメ・ネット等について書いたり自作の漫画を公開したりする処でございます。或いは、管理人の日々の愚痴等を垂れ流す処。または、画力向上を図る処。もしくは、インターネットラジオの投稿を報告する処。非常に混沌としております。

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飛翔掘削

Author:飛翔掘削
冴えない漫画描き。
「人生は楽しみながら」をモットーに、日々思ったことなんかを記していければと思っております。
色々観たり読んだりしますが、主食は特撮怪獣映画。
最近は、漫画と特撮映画と『ストライクウィッチーズ』があれば生きていけそうな気がしています。
2015年1月、人生初の商業漫画が出ました。

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『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』公開前夜! 

とうとうこの時がやってきました!
いよいよ明日から特撮巨人映画『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』が全国一斉公開の日を迎える訳でございますよ!

昨年・一昨年に続く形で、特撮怪獣映画の公開前夜に記事を書くのが恒例行事になっている感はありますが、今年は本邦の特撮怪獣映画であり、満を持しての東宝特撮映画、しかも監督は平成ガメラの樋口真嗣監督なのでございますよって、兎にも角にも「俺達が待っていた大作和製怪獣映画」という事で、管理人のような怪獣好きのボンクラ達にとってこの映画の公開は、ある種の祭りである訳でございます。
いやぁ、怪獣映画ってお祭りなんですよね! かつてのように「年に1度のお祭り」に行ける事は、実に幸せであるなぁと感じる次第であります。そして、来年にもお祭りが控えている訳ですし、良い時代がやってきたというか、時代は巡るものなのですなぁ・・・。

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』、果たしていかなる映画となっているのか?
どのような特撮映像で我々を驚かせてくれるのか?
海外の大バジェット作品とは予算も規模も小さいその邦画の枠組みの中で海外作品群にどこまで食らいついていっているのか?
原作漫画やアニメのイメージを、実写映画としてどこまで再構成しているのか?
既に一部では炎上騒動にも発展してしまっており、全体的にもマイナスなイメージが漂っている本作には、その諸々のマイナスイメージを吹き飛ばすエネルギーはあるのか?
総ては、明日公開の『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』に答えがあります。

全身全霊を持って観に行ってやろうじゃないか!


【関連記事】
特撮ファン的には、実写版『進撃の巨人』は待望の映画だったりするのですが、しかし……ッ! 
『パシフィック・リム』公開前夜!
『GODZILLA ‐ゴジラ‐』公開前夜!

【予告編】


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2015/07/31 22:43|特撮関連雑記TB:0CM:0

人喰い巨人獣に安寧の日は来なかった。彼が人喰いであるが故に。 『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』 

と、いう訳で、『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』公開前夜祭という事で、先日の『フランケンシュタイン対地底怪獣』に引き続き、本日はこの『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』の記事と相成ります。

この『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』は、『進撃の巨人』の原作者である諫山創先生も、『進撃~』はズバリこの作品の影響下にあるという旨の発言をしておりますし、実写版『進撃の巨人』公開前夜祭としてはもう取り上げずにはおけるかという、そういった感じでありますかね。
そして、諫山先生以外にも、この『サンダ対ガイラ』に影響を受けたというクリエイターは国内外に結構居る訳であります。
東宝特撮映画全体としても人気作のひとつでもある本作。一体いかなる映画なのでありましょうか?

姉妹作・『フランケンシュタイン対地底怪獣』の記事は、こちら

フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ

フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』は、1966年公開の特撮怪獣映画。タイトルからも分かるように、前年公開の『フランケンシュタイン対地底怪獣』の続編というか、姉妹作となっております。
前作に引き続く形で、東宝と米国のベネディクト・プロとの合作でありますが、これまた前作同様実制作はいつもの東宝特撮陣。製作・田中友幸、監督・本多猪四郎、特技監督・円谷英二、音楽・伊福部昭。お馴染みの方々ですね。
先程、「続編というか、姉妹作」というなんとも歯切れの悪い書き方をした訳でありますが、制作当初明確に「続編」とされており、実際完成した作品を観てみても「続編」と読んでも差し支え無いような内容なのですが、制作陣の「1本の映画として独立させたい」という考えから、色々と細部の設定やら何やらが『フランケンシュタイン対地底怪獣』とは異なっております。まぁ、「パラレルな続編」とでも言うべきでしょうか。
そのあらすじは、こんな感じです。

三浦半島沖で航行中だった漁船・第三海神丸が、謎の沈没を遂げた。
唯一生き残った乗組員は、錯乱状態にありながらも、「仲間は全員、フランケンシュタインみたいな化物に食い殺された」と証言する。
それを受け、海上保安庁は京都にあるフランケンシュタインの研究で有名なスチュワート研究所に出向き、
「1年前に死んだフランケンシュタインが生き延びて海で棲むようになり、人を襲ったのではないか?」
と尋ねるが、スチュワート博士は、
「そんなことはありえないし、仮にフランケンシュタインが生きていたとしても、人を喰らうような事は絶対に無い」
と断言する。

しかし、怪物による海難事件はその後も続き、遂には羽田空港にフランケンシュタインが出現、犠牲者を出す。
自衛隊はメーサー殺獣光線車を繰り出し、電撃作戦を持ってフランケンシュタインの抹殺を試みるが、後一歩のところでもう一体のフランケンシュタインが出現、作戦は失敗に終わる。
以後、海から出現した緑色のフランケンシュタインをガイラ、山から出現した茶色のフランケンシュタインをサンダと呼称し、自衛隊は両怪獣の殲滅を試みるのだが……。


1954年公開の『ゴジラ』や『空の大怪獣ラドン』等のこれまでの東宝特撮怪獣映画に於いても、怪獣が人を喰らうという事が示唆された作品はありました。しかしながら、直接的な表現で怪獣が人を食べているのを描写したのは、本作が初めての事であります。
本作のガイラは、逃げ惑う人間を引っ捕まえて、もうバリバリムシャムシャと喰い、そして衣服だけをペッっと吐き出すんですよね。しかも、この映画に登場するガイラはゴジラ達のようなタイプの怪獣では無く、フランケンシュタイン準拠の人型の怪獣。そこはかとないカニバリズム感がそこには流れており、『フランケンシュタイン対地底怪獣』とは別の意味でトラウマになってしまいかねない、恐るべき怪獣映画なのであります。管理人は割と大人になってから本作を観たので流石にトラウマにはなっていないのですが、初見時には結構ゾッとした覚えがあります。
公開当時は既に『ウルトラマン』のテレビ放送も始まっていた為、楽しい怪獣映画を期待して本作を観に来た子供は、さぞ恐ろしい体験をしたに違いありません(笑)。

この映画、冒頭から暫くは、「人喰い巨人獣の恐怖」を、これでもかというくらい丹念に執拗に描いているんですよね。
漁船を襲うガイラ(ついでに大ダコも出てきます。本作にはちゃんと話の脈絡に沿った大ダコが出てくるんです! 円谷監督、大ダコ好きすぎだろ・・・。)、水底からじ~っと釣り船を伺うガイラ、羽田空港に上陸して女性を貪り喰らうガイラ、本格的に地上に上陸して、野を山を街を文字通り「進撃」するガイラ・・・。
毛むくじゃらでありながらしかし人型の巨人であり、更に演者の目が直接ガイラの目となっている着ぐるみの造形、身長25メートルという直接恐怖を感じられる大き。どれもこれも、鑑賞者を怖がらせようとする為の設定であり、そして演出も怪獣映画というよりもどちらかといえばホラー映画のそれである訳ですから、恐怖感倍増であります。コレを「いつもの怪獣映画だよ~」的な雰囲気の、書き文字でサンダとガイラが喋ったりする感じの予告編を流した東宝は、えらくタチが悪いですよ!(笑)

そんな恐怖のガイラの消滅を図るべく登場するのが、陸上自衛隊の誇る超兵器・メーサー殺獣光線車であります。
このメーサー殺獣光線車は、標的を細胞レベルで殲滅できるという恐るべき殺人光線兵器であります。劇中を見る限りでは怪獣が恒久的に出現しているような世界観では無いのになんでそんな恐ろしい兵器を自衛隊が所持していたのかというツッコミはともかくとして、この兵器の登場で恐怖の人喰い怪獣・ガイラを後一歩のところまで追い詰める事に成功します。
いよいよ自衛隊が怪獣に勝利する日が来るのかッ!?

この威力!

それにしてもメーサー殺獣光線車が活躍する一連のシークエンス、通称「L作戦」シークエンスで、これまでの暗い感じのトーンで進んでいた映画が、一気に「いつもの怪獣映画」レベルにまで引き上げられます。伊福部昭作曲のマーチとも相まって最高に格好良い、怪獣VS自衛隊の戦いが演出されており、管理人も大好きなのではありますが、しかし映画全体から見ると結構浮いちゃっている感は否めなくもありませんかね。
この一連のL作戦シークエンスは、本多猪四郎監督自ら脚本を加筆した部分であり、本多監督曰く「見せ場を作る為の措置である」という事らしいのですが、ぶっちゃけた話、いつもの怪獣映画だと思って観に来た子供達への救済措置だったんじゃないか? という気がしないでも無いです(笑)。実際問題として、この映画のガイラによる強烈な人食い描写や恐怖と同等以上にこのメーサー殺獣光線車の格好良さが印象に残っているというリアルタイム世代の感想が色々と見られる訳でありますので、やっぱり本多監督の狙いはそのあたりにあったのかも知れません。

そうやって自衛隊の作戦準備から丹念に描いてきたL作戦でありますが、後一歩のところでもう一体の怪獣・サンダが介入してきたところで、ガイラ殲滅は失敗に終わる訳であります。その後は、食人行為を行うガイラに怒ったサンダがガイラを攻撃、以後、サンダとガイラによる戦いが、いつ果てるともなく続くのでありました・・・。

と、まぁ、ここまでは「ガイラの恐怖」と「メーサー殺獣光線車の格好良さ」という二点を中心に書いてきたのではありますが、実のところ管理人はこの映画の本質はそれらでは無いと思っているのであります。
前作『フランケンシュタイン対地底怪獣』が人造巨人の悲哀を描いた作品である事と同様、この『サンダ対ガイラ』は、人喰い巨人獣の悲哀を描いた作品であると言うことが出来ると思うのでございますよ。
ガイラ目線で本作のストーリーを追ってみましょう。

冒頭、漁船を襲うガイラ。状況を考えてみると、ガイラは漁船を襲ったというよりも大ダコを追いかけてきたら偶然漁船と鉢合わせをした、と言った方が妥当でしょう。
海で生活してきたガイラにとって人間は未知の存在であった。しかし、その人間を食べる事は出来そうである。そして、実際に食べてみると、これが存外に美味しかった。そこでガイラは、美味しい人間が沢山居るらしい、地上へと進出していく。
そうして、羽田空港へ進撃したガイラは食事を行うも、しかし深海での生活に慣れたガイラにとって日中の太陽の光の下で行動するのは非常に難しかった。
そこで、夜間に上陸して人間の捕食を試みようとするが、その人間は存外に賢い生き物で、ガイラの苦手な光を扱ってきた。やむなくガイラは光を避けて移動していくも、移動した先では自衛隊が待ち構え、戦車や電撃攻撃、果てはメーサー殺獣光線車による攻撃を受けてしまい、絶命寸前まで追い込まれてしまう。
そこにやってきた細胞を分けた兄であるサンダに助けてもらうガイラ。取り敢えず人間の目を避けつつ傷を癒して栄養を摂ろう。食料を求めてうろついては人間を食べる。
しかし、人間に育てられたサンダにとってガイラの食人は許されない行為でもあった。食人行為を行うガイラに激昂し、掴みかかるサンダ。そんな事情を知らないガイラは、何故自分の兄が怒っているのか理解する事も出来ず、仕方なしに応戦する。
もう、サンダも味方してはくれない。太陽が出ているのも気にせず、ガイラは逃げるように自分の海へと帰っていった。
この世界に俺が平和に暮らしていける場所なんて無い。ガイラはそう思ったのか、半ば自暴自棄のように、夜の東京で破壊行為を行う。だけど、そこにも自衛隊とサンダが一緒になって襲いかかってくる。自衛隊の攻撃はガイラだけに集中しているし、サンダはガイラよりも大柄だ。
ひたすらにいじめられてしまうガイラ。サンダとガイラの戦いはいつしか洋上に移っていた。自衛隊の攻撃に誘発されたのか、海底火山が噴火、サンダとガイラは、その噴火に呑まれ、姿を消した・・・。

嗚呼、ガイラ。お前は一体何の為に生まれてきたのだろうか!
フランケンシュタイン対地底怪獣』はまだ、怪獣・バラゴンの登場によってフランケンシュタインに救いが与えられている作劇なんですが、この『サンダ対ガイラ』では、ガイラに全く救いが無いんですよッ! もうかわいそうでかわいそうで・・・。いや、人を喰う恐ろしい奴ではあるんですけれどもね。

怪獣の本質のひとつとして、「そこに存在しているモノ」というのがあると思います。
何故、怪獣を退治しなければならないのか。それは怪獣が存在するだけで人間に危害を及ぼすからに他ならない訳であります。その巨体故に、その能力故に。本作のガイラの場合、「食人」というのがその一番の理由でありました。
食人行為を行うのだからこそ、自衛隊は全力でガイラの抹殺に当たった訳です。サンダも、食人を行うガイラを許すことは出来なかった。でもガイラは、食人が悪いことだと認識する事が出来なかった。ここに、この映画に於けるガイラの悲哀が凝縮されていると言えるでしょう。
もし、ガイラがあの時大ダコを追って漁船に遭遇していなければ、人間の味を知ることなく静かに海で暮らせていたでしょうに。前作に引き続き、やはり大ダコが全ての元凶だった! おのれタコ! でも、早かれ遅かれガイラは人間と接触していたでしょうね・・・。

いさや、全ての元凶は、やはり「フランケンシュタイン」という人造の怪物を生んでしまった人間であります。本作では前作と設定が異なっており、日本・京都のスチュワート研究所にてフランケンシュタインが誕生・飼育されていたという事になっています。ラス・タンブリン演じる(前作のニック・アダムスが割とノリノリで演じていたのに対し、このラス・タンブリン氏は割と面倒くさそうな、あまりやる気のなさそうな演技でありました・・・。)スチュワート博士こそが、全ての元凶だと言えるのかも知れません(笑)。
アンタのせいでサンダもガイラも苦難の人生を送ったんだ! ついでにアンタの割といい加減な分析で相当数の人名も喪われてしまったんだぞ!
スチュワート博士の罪は、重い・・・。

さて、本作の特撮面でありますね。
何と言っても素晴らしいのがサンダとガイラの着ぐるみ造形でありましょう。先述のように、「中の人」の目が直接出るデザインというか構造になっており、サンダもガイラも仕草だけではなく「」で語ってくるんですよね。それが独特の生物感と怪奇性を出し、更に恐怖感を煽ってくるようになっておるわけです。
ガイラの羽田空港襲撃シークエンスでは、これから捕食する対象をじっと目で追って吟味していたりするなど、観ているこちらをドキリとさせる演出が素晴らしいです。
この怪獣デザインは、ウルトラシリーズでもお馴染みの成田亨によるものであります。ウルトラシリーズに於いて成田さんは「化け物」感を排除した怪獣デザインを行っていた訳ですが、この作品のサンダとガイラ、特にガイラは化け物そのもののデザインであり、ウルトラ怪獣とは180度異なった理念の元デザインされているという事が言えるかと思います。
そのあたりを鑑みるに、「子供向けでは無い怪獣映画」という意識が、制作陣にはあったのかも知れません。

そして、木々をなぎ払いながらサンダを攻撃するメーサー殺獣光線車の大特撮!
ミニチュアワークと光学合成を見事に駆使し、凄まじい威力を誇る超兵器を演出する事に成功していました。着弾の衝撃で木が吹っ飛ぶという演出は現場で考えられたそうなのですが、見事な仕上がりになっております。この威力!

そしてそしてサンダとガイラの東京での最終決戦は、前作に引き続き普段の怪獣よりもサイズが小さい怪獣達による格闘という事で、東京のミニチュアも縮尺の大きいものになっています。東宝特撮映画に於ける市街地での怪獣同士の格闘は、『ゴジラの逆襲』以来という事もあってか、非常に気合の入ったミニチュアワークが堪能出来ます。
破壊された貯水槽から水がこぼれ落ちる、なんてカットもある芸の細かさ。円谷特撮の円熟を感じさせられる、そんな戦闘シークエンスとなっているのでは無いでしょうか。
他にも、巧みな合成で完全に実景に溶け込んでいるガイラとか、冒頭の大ダコの操演技術の高さなど、特撮的な見所は盛りだくさんでございます。

そんな感じで、全体的な映画の完成度としては『フランケンシュタイン対地底怪獣』の方が上になるのかなぁ、とか思ってしまう管理人ではありますが、兎に角見所も恐怖も多いこの『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』。
食人シークエンスや、全力疾走で進撃するガイラ等のシチュエーションは、明らかに『進撃の巨人』に影響を与えていると言えると思います。
フラバラ』同様、『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』の予習として本作を観るのもまた、一興かも知れません。

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小さい頃に観たらトラウマ必至の怪獣映画ですが、しかし人造巨人の悲哀を描いた傑作なのです。 『フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)』
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小さい頃に観たらトラウマ必至の怪獣映画ですが、しかし人造巨人の悲哀を描いた傑作なのです。 『フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)』 

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』の公開まで、いよいよあと1週間を切りました。そこで『進撃の巨人』特集では無いですが、『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』にテイストが近いであろう特撮怪獣映画2作品の記事を、作成するところであります。
今日はまず1作目。

試写会の感想等を漏れ聞くに、どうやら実写版の『進撃の巨人』は「トラウマ怪獣映画」とのこと。なるほど、トラウマ怪獣映画ですか。トラウマ怪獣映画の筆頭と言えば、やはりこの作品が随一であると管理人は思うのであります。
フランケンシュタイン対地底怪獣』!
通称、「フラバラ」。なんだか四文字にすると日常系萌えアニメチックになりますね。「ふらばら!」みたいな(笑)。

フランケンシュタイン対地底怪獣

フランケンシュタイン対地底怪獣』は、1965年公開の特撮怪獣映画。
当時、1954年の『ゴジラ』を筆頭とした様々な東宝特撮映画の海外輸出によって相当の外資を稼いでいた東宝でありますが、本作はその流れで、東宝が米国のベネディクト・プロという製作会社とタッグを組んだ、日米合作の怪獣映画なのでございます。「フランケンシュタイン」という英国小説由来のキャラクターも元々はあのキング・コングとの対決相手として想定されたものだったりもするのですが、二転三転して本作という形に落ち着いたという経緯があったりもします。
しかしながらまぁ、実制作はいつもの東宝特撮スタッフ陣。製作・田中友幸、監督・本多猪四郎、特技監督・円谷英二、音楽・伊福部昭という布陣は『ゴジラ』以来毎度お馴染みの東宝特撮黄金制作陣であり、この頃になるともう非常な安定感を放っております(笑)。
巨人対怪獣」という構図から、翌年より放送が始まった『ウルトラマン』への影響を与えたとされる事も多い本作品。そのあらすじは、以下の通りでございます。

第二次世界大戦末期。陥落間近のドイツ・ベルリンから極秘裏に輸送された「死なない兵士を造り上げる手立て」とされた「フランケンシュタインの心臓」。
タンパク質を与えることで無限に生き続けることが出来るというそれは、日本・広島にて研究が継続されるも、原爆の投下で喪失してしまう。

時は流れ1960年代の広島の国際放射線医学研究所では、原爆の放射能を浴びた患者に対する治療と研究が行われていた。
ある日、放射能に耐性のある不思議な浮浪児が保護される。浮浪児は驚異的な成長を遂げ、常識では考えられないほどの体躯へと変貌を遂げる。
彼こそ、原爆投下の渦中で喪われたと思われていた「フランケンシュタインの心臓」が成長した姿だったのだ……。


人造人間」という要素から、本作は怪獣映画よりも『ガス人間第一号』等のいわゆる「変身人間シリーズ」に近いテイストの作品と言うことが出来るかも知れません(実際、『ガス人間第一号』の続編としてフランケンシュタインを登場させる案もあったそうです)。1965年前後のゴジラは、怪獣戦隊を組んでキングギドラを追い払ったり、南海の孤島でエビラとバレーボール合戦をしたり、割とはっちゃけた感じになりつつあったので、それと同じような雰囲気の怪獣映画だと思って本作を観ちゃったら、そら子供はトラウマになっちゃうでしょう(笑)。
管理人は割と大人になってからこの作品を観たのでトラウマにはなっていないのですが、初見時の印象としましては、「これはなんだか見てはいけないモノを見てしまったぞ」感が強かったというのを覚えております。

サラッと見るだけでも、人語を話せず「う~、あ~」と唸るしか出来ないフランケンシュタインであるとか、「広島の原爆で孤児となった浮浪児」とか、「パンパン(売春婦)の捨て子じゃないのか?」といった台詞等、今では確実にそういったヤバいネタでSF映画を撮るのは難しいだろうなぁ、という要素が目白押しでありました。
そもそも広島原爆が怪物・フランケンシュタイン誕生のきっかけであるというのがなんとも物凄いんですが、そういった原爆や「戦後」という時代が生んだ様々な社会問題は、この映画の公開当時現実にあった問題であったとも言える訳でありまして、ひとつの時代の表象として捉える事が出来るのかも知れません。
もしかしたら日米合作という制作事情を逆手に取り、海外でも広く公開される事を見越してそういった日本に於ける原爆被害の実情や、戦後のGHQ統治に於ける占領軍が来た事で発生した社会問題に対して世界、とりわけ米国に訴えるという思惑も、もしかしたら制作陣にはあったのかも知れませんね。管理人の考え過ぎかも知れませんが。

そういった時代背景やら制作背景やらの元創られた『フランケンシュタイン対地底怪獣』でありますが、本編自体を一言で言うと、「身長20メートルの巨人となってしまった人造巨人の悲劇」でありますかね。フランケンシュタインに感情移入して本作を観ると、もう悲しくて悲しくて・・・。
自分の意思に反して体躯が巨大化していき、戸惑い、狼狽え、それでも自分の意思を言葉で相手に伝える事は出来ないフランケンシュタイン。不本意ながらも巨大化し力も強くなってしまった結果、檻に閉じ込めるしかなかった研究員らの苦悩。そして、突発的な事故から檻を破り外に出てしまった結果もう自分は人間の社会では生きていくことは出来ないのだと悟り、山へ去っていくフランケンシュタイン・・・。水野久美演じる研究員の戸上季子に、最後のお別れとして会いに来るシーンなんかは、もう本当に物悲しい気分になってきます。

立ち去る前にお別れに来たフランケンシュタイン

そうして山に去ったフランケンシュタインですが、やはり身長20メートルという巨体がネックとなり、その身体を維持するだけの食料を確保するだけでも四苦八苦、更には、狩りをしようとして誤って山小屋を破壊してしまうなど、「巨大であること」というのはそれだけで普通の人間にとっては驚異になるという事がこれでもかと描写されているのが、もう哀しくて仕方がありません。
しかも世間では、怪事件や人損被害が出るとすぐに「フランケンシュタインの仕業に違いない」とされてしまい、あらぬ濡れ衣を着せられてしまい、必要以上に警戒され、自衛隊が山へ入っていきフランケンシュタインは更なる山奥への移動を余儀なくされてしまうという・・・もうどこまでフランケンシュタインを追い詰めれば良いのかと(笑)。「もうやめたげてよぉ!」と言いたくなってきます。

本作のクライマックスでは、育ての親でもある先述の戸上季子、ニック・アダムス演じるジェームス・ボーエン、高島忠夫演じる川地堅一郎の科学者トリオを、地底怪獣バラゴンから助けるべく死闘を演じる訳でありますが、ここに、フランケンシュタインが巨大になってしまった事が遂に報われるのであります。
心の優しい巨人であるフランケンシュタインが、育ての親を助ける為に怪獣と戦う! これ以上に無いカタルシスであります。
これで自衛隊と協力して怪獣退治の専門家になるという道ももしかしたらあったのかも知れませんが、彼は倒したバラゴンの亡骸と共に陥没した地面に呑まれ、その姿を消してしまいます。
一体彼の人生は何だったのかと言いたくなりますが、しかし、彼にとってはこれが一番の幸せな結末であったのかも知れませんね。
兎にも角にも科学が生み出した悲劇の巨人の物語は、ここで幕切れと相成る訳であります・・・。

さて。
ここまで割と意図的にフランケンシュタインの対戦相手である地底怪獣・バラゴンに対する言及を避けてきておった訳でありますが、ここからはそのバラゴンに関してのお話であります。いや、だってこの作品、ぶっちゃけた話バラゴンが出てこなくても割と成立しているんですもん!
まぁ、バラゴンちゃんが居たからこそフランケンシュタインの生きた意味があったとも言える訳ですから、そんなに邪険に扱うようなもんでも無いんですが(笑)。

地底怪獣バラゴン

バラゴンの身長は25メートル。体重は250トンと、
ゴジラ:50メートル・2万トン
アンギラス:60メートル・3万トン
ラドン:50メートル・1万5千トン

といった東宝特撮スター怪獣(アンギラスはスター怪獣です!)の面々と比較すると随分と小柄なのですが、身長20メートル体重200トンのフランケンシュタインと対峙するのに合わせた身長・体重設定なので、数値でゴジラ達に劣るとかそういう話では無く、映画に合った体躯を持った怪獣であると言うことができるかと思います。
人や家畜を喰らう凶悪な怪獣ですが、基本四足歩行で、一生懸命地面を掘っている姿は、どこか愛らしくもあります。
しかし、フランケンシュタインとの戦闘で地面を掘りまくった事がラストシーンの地盤沈下に繋がっていたりもする訳で・・・。
デザイン的には、ゴジラやバラン等のオーソドックスな恐竜タイプの怪獣でありながら、角が発光していたりするなど後のウルトラ怪獣に通じる面もありますかね。実際バラゴンの着ぐるみがウルトラ怪獣用に流用・改造されたりもしていますし(それが後々『怪獣総進撃』の「ゴロザウルス凱旋門突撃事件」に繋がるのですが・・・ッ!)。

このバラゴンの特筆すべき点は、口から放つ怪光線=マグマ熱線であります。
ゴジラ然り、割と口から怪光線を放つ怪獣は多いのですが、このバラゴンの場合この熱線で土や岩盤を溶かして地中を移動するというのが劇中で描写されており、この点に於いて「何故怪獣にはこういった技を使うのか?」というのが示された初めての怪獣映画であると言えまして、バラゴンなる怪獣が普段どうやって生活しているのかが垣間見える画期的な一瞬となっているのでございますよ。

怪光線で岩盤を掘削するバラゴン

後のウルトラシリーズでは怪獣の生態が描かれたりもしているので、その点に於いてもバラゴンはウルトラ怪獣の先取りをした怪獣であると言うことが出来るのかも知れません。
いやぁ、可愛いし当時としては画期的だし、地味ながら色々と魅力的な怪獣じゃないっすか、バラゴン! もっと人気が出ても良いハズなんだがなぁ・・・。

さてさて、本作の全編的な特撮面ですかね。
先述の通り本作は、フランケンシュタインもバラゴンも身長20メートルくらいという事で、『ゴジラ』等よりも縮尺の大きいミニチュアが使用されており、より精度の高い作り込みの特撮を堪能する事が出来ます。
特にまだ身長が20メートルも無い頃のフランケンシュタインが街を歩くシーン等では、それ以上の縮尺のミニチュアが用いられており、実景さながらの映像が流れ、「日常的な空間に異様な巨人が存在している」という非日常と日常が織り交ざった不思議な画が構成されているんですよね。

日常と非日常の混在

また、フランケンシュタインは全編にわたって特殊メイクによって表現され、「歪で醜くも見える不気味な怪人・フランケンシュタイン」を体現したような、見事な特殊メイクでありました。
フランケンシュタインとバラゴンの決戦は、よく「後のウルトラマンにも影響を与えている」とも言われますが、実のところ影響を与えているのは「怪獣と人型巨人の格闘」という点だけであり、格闘のスタイルは後のウルトラとはまた異なった、「本気の殺し合い」のような感じとなっており、その荒々しい戦闘はウルトラの戦闘とはまた一味違った魅力であると管理人は感じますかね。フランケンシュタインの顔はウルトラマンのようにマスクに覆われておらず、表情がハッキリとしているというのもポイントですか。

そういった感じで、トラウマ怪獣映画としての面が語られる事が多い本作ではありますが、しかしその実かなり重厚かつ丁寧に、そしてメアリー・シェリー作の原典『フランケンシュタイン』に即して「科学の力で誕生してしまった哀しい怪物」というのが描かれた、傑作映画である『フランケンシュタイン対地底怪獣』。
山中や森林に潜むフランケンシュタインというシチュエーションは、どこかしら『進撃の巨人』にも通じるものがあるかと思います。
進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』の予習として、この『フランケンシュタイン対地底怪獣』を観るのも、良いかも知れませんよ!

・・・そして、当記事は『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』の記事に、続きます・・・!

人喰い巨人獣に安寧の日は来なかった。彼が人喰いであるが故に。 『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』 

あ、『フラバラ』に大ダコなんて存在していませんよ! 良いですね!?
※『フランケンシュタイン対地底怪獣』は、テレビ放映版に於いて、クライマックスの地盤沈下の後に突如登場した巨大なタコとフランケンシュタインが格闘、相打ちとなり湖に落下するという蛇足以上の何者でも無い追加映像が加えられており、後年のVHS等の映像ソフトには大ダコ登場バージョンで収録されている事も多々あった訳です。
大ダコが登場するかしないかでは割と受けるラストシーンの印象がかなり違うんで・・・ッ!



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愛すべき大怪獣バラダギ様! 『大怪獣バラン』
特撮ファン的には、実写版『進撃の巨人』は待望の映画だったりするのですが、しかし……ッ!

【予告編】

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2015/07/28 17:40|特撮怪獣TB:0CM:2

暑中お見舞い申し上げますッ! 

梅雨が明けて暑い日が続きますし、台風やらゲリラ豪雨やらが頻出しておりますので、皆様も各方面でご注意くださいッ!

暑い日が続きますが、乗り切っていきましょう。

今年の暑中見舞い絵は森林で虫取りの図です。
管理人も子供の頃は蝉とかを素手で掴んどったりもした訳ですが、大人になったら今では掴めないどころか近くに飛んできただけでもビビったりしてしまうという体たらく・・・。
昔は夜中に夜行性の甲虫を取りに行ったり、夏休みの自由研究でカブトムシをはじめとした様々な昆虫の歩行実験をやったりしていた少年だったんだがなぁ。どうしてこうなったッ!?

真夏日やら猛暑日やらが続いてうんざりしてくる酷暑の夏でありますが、『ラブ&ピース』、『ウルトラマンX』、そして『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』という3作品がひしめき合う怪獣の夏でもあります。3年連続の怪獣の夏でありますので、もうすっかり夏は怪獣の季節として定着した感もあります。
まぁ、コンクリートで固められたヒートアイランドに怪獣が出現するような様を妄想したりすると、少しは暑さもやわらぐのではないでしょうか!(やわらがない

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2015/07/26 23:27|記念イラストTB:0CM:4

『ウルトラマンX』の第1話がすごくすごかった話 

ここ最近ウルトラ関連の記事が続いておりますが、その流れで本日もウルトラの記事でございます。

いやぁ、とうとう始まりましたね、『ウルトラマンX』! 管理人などはもう先週放送の第一話をエンドレスで流すマンになってしまっておる訳でございますが、本当に素晴らしい!
ウルトラマンメビウス』以来の、大規模な防衛チームの登場と壊しをふんだんに入れた市街戦という事で、まさに「ウルトラマン完全復活」といった感じでありましょうか。それもこれも、ウルトラマンゼロが劇場作品や「ウルトラマン列伝」で頑張って、『ウルトラマンギンガ』、『ウルトラマンギンガS』と、作品が繋がってくれたおかげであります。非常に感慨深いですなぁ・・・。
何はなくとも「円谷プロが黒字転換してくれて本当に良かった!」という感じでありますかね。管理人が見た感じでも、ライダーの変身ベルトを巻いて遊んでいる子達に混ざってウルトラの変身器具や怪獣ソフビを持って遊んでいる子達も増えてきているようですので、「ウルトラマン」というキャラクターというかブランドが子供達の間に浸透していると言う事が出来るでしょう。このままこの傾向が続いてくれれば、良い循環となっていってくれる筈・・・! そしてライダーでも戦隊でもウルトラでも稼げる楽しい時を創る企業が良いトコ取りをする、と。

ウルトラマンX』、第1話は大まかな世界観の説明と、主人公・大地のウルトラマンへの初変身、そして初戦闘と、実にウルトラマンの第一話らしい構成でありました。「自分の巨大化にビビる主人公」とか、「ウルトラマンが飛び去った後を衛星で捕捉する」など、これまでのウルトラには無い新しさもふんだんに入れているのも良かったっすね。
冒頭の世界各国に怪獣が出現する、「怪獣総進撃」も良い! バラゴン、お前の雪辱は晴らされたぞ・・・!
このシーンの為だけに新規の着ぐるみを造った訳では無いでしょうから、彼らの再登場も楽しみですね。

それ以上に管理人は、やはり特撮シーンのレベルの高さに度肝抜かれました。
基本的にはアオリのアングルで怪獣を捉えていたりカメラが引いて真下から怪獣を捉えたりするなど、怪獣・ウルトラマンの巨大感を徹底しているのは勿論の事、破壊されたビルから破片に混じって書類がブワーっと散乱してきたり、ウルトラマンの足元にある自動車が衝撃で防犯機能が作動してライトが点滅するなど、非常に細かいミニチュアワークが堪能出来ました。

ミニチュアの飾り込みも良いんですわ……。
俺が見たい巨大特撮構図」のバーゲンセールでした・・・ッ!

勿論、基本的にそれらはミニチュアとして認識されるのですが、「本物に見えてしまう一瞬」が1話の間に何回も来るなど、特撮の持つ力が視聴している側にひしひしと伝わってくる、全体的にそんな特撮パートでありました。
ミニチュアの街に中を人物が走っていたり、地上に居る人物からそのままカメラがパンして怪獣を捉えたりするなど、本編と特撮の融合も非常に高かったです。
流石、円谷プロ、流石田口監督、といったところでありますか!
毎週火曜は『ウルトラマンX』の放送を楽しみに、2015年下半期は過ごしていきたいところでありますなぁ。
のっけからこんだけハイレベルな特撮をやっているので、予算が心配でもありますが、そこはきっと上手くやってくれるのだと信じましょう(笑)!

いやぁ、長い「怪獣氷河期」のおかげで管理人などは怪獣が歩いているだけでも興奮してしまうようになっていたのですが、ここに来て『ウルトラマンギンガS』よりも更に豪華な特撮で表現される新規の怪獣戦闘を観ることが出来るという夢のような情況にただただ感動するしきりでありますね。
パシフィック・リム』、『GODZILLA ゴジラ』、『ウルトラマンギンガS』、『ラブ&ピース』、そしてこの『ウルトラマンX』、更に間もなく公開の『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』に『ジュラシック・ワールド』、来年に控えている新作のゴジラ、再来年のキング・コング&パシリム2・・・。
来ている。確実に来ているぞ、特撮怪獣の流れが・・・ッ!


【溶鉄怪獣デマーガ】
身長50メートル、体重5万5千トン。『ウルトラマンX』第1話「星空の声」にて初登場。
タイプGにカテゴライズされる怪獣であり、その身体の79%は非常に高温の溶けた鉄で構成されているという。口からは熱線、背鰭からは高温の火球を放ち、梅沢市の市街地を蹂躙した。
日本太平風土記」にて「鋼の魔獣、天目亜牙」として記述されており、まさに新ヒーロー・ウルトラマンXの最初の敵として不足はない大怪獣なのだ!


溶鉄怪獣デマーガ

描くにあたって本編やらソフビやらを参考にしたのですが、二次元に落とすと、どことなく『ゴジラVSスペースゴジラ』に登場した宇宙怪獣・スペースゴジラに似ています。田口監督曰く、「最初はやっぱりオーソドックスな怪獣を出したいよね!」ということらしいので、「タイプG」というのは多分「ゴジラタイプ」の事なのでは(笑)。
兎にも角にもデマーガちゃんは恐るべき大怪獣かわいい!

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日本の「ミニチュア特撮」の魅力とは?

【関連動画】

Youtubeにて本編の1週間無料配信が毎週金曜午後6時更新でやっています。
見逃した方や放送地域外の方は是非、Youtubeでご覧ください! あと、バンダイチャンネルなんかでも無料配信はやっているみたいです。


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2015/07/20 19:19|特撮関連雑記TB:0CM:2

円谷プロが放つ「ULTRAMAN_n/a」とは、果たしてどのような企画なのかッ!? 

まずはこちらの動画をご覧下さい。



渋谷に出現する巨大怪獣と、それに対峙する銀色の巨人・・・! いやぁ、今やすっかり渋谷も怪獣往来の中心地となった感がありますなぁ・・・などという呑気な感想を持ちますが、問題はそんな瑣末な事ではありません。VFX特撮をメインとして表現されるウルトラマンだとぉ!?

はい。
この動画は円谷プロが、去る2015年7月16日に公開した動画なのでありますが、VFXで創られたウルトラマンの新特撮映像であるという以外一切謎の動画でございます。いや、本当に何なんですか、この動画は!
これまで様々な媒体で展開してきたウルトラマンでありますが、その表現の主流は主に特撮を用いて表現されるTVドラマないし映画でありました。そして、ウルトラマンといえばミニチュアや着ぐるみを主軸とした、SFXを用いて撮影されている作品である、というイメージが強いでしょう。そこにきてのこのVFX特撮を用いて創られた動画は、色々な方面に衝撃を与えているようでありますね。管理人もこうやってブログの記事にしている訳ですし(笑)。

ウルトラマンと3DCG」というのは実のところ、結構密接な関係を持っていると言える訳でございます。
電光超人グリッドマン』で培われた3DCGや合成技術はそのまま『ウルトラマンネオス』や『ウルトラマンゼアス』、『平成ウルトラセブン』にそのままフィードバック・発展を遂げていきました。そして、『ティガ』、『ダイナ』、『ガイア』、『コスモス』を経た上で立ち上げられた「ULTRA N PROJECT」以降のウルトラ作品には、いわゆる「板野サーカス」で有名なアニメーター・板野一郎氏をCGIモーションディレクターに迎えたりもして、ウルトラマンや防衛チームの高速空間戦闘が3DCGを用いてダイナミックに表現されたりもしていった訳であります。
近年に於いては、ゲーム筐体での展開と同時に映画やショートムービーも創られた『大怪獣ラッシュ』ではウルトラ怪獣の皆さんが全編にわたって3DCGで表現されましたし、先日放送が始まった『ウルトラマンX』に於いても、防衛チームの戦闘機が3DCGで表現されているなど、今やウルトラと3DCGは不可分の存在であると言えます。

そしてこの「ULTRAMAN_n/a」でございます。リアル寄りの3DCGをはじめとしたVFXをふんだんに用いて表現されたこの特撮動画、果たして一体何なのか。
初代ウルトラマンのリメイク新作映画の発表か?
来年は円谷英二の生誕115周年だから、何かあるのかもな!
いや、ひょっとしたらただのパチンコのCMかも知れない!
PS4の新作ゲームの可能性もあるぞ!

・・・等々、ファンの間でも色々と憶測が飛んでいる訳でございますが、まぁ兎に角、円谷プロから公式アナウンスがあるまで待ちましょうや!

それにしてもこの特撮動画、色々と芸が細かい動画でありますね。
登場する怪獣はあの『パシフィック・リム』の怪獣のようなテイスト(というか、『パシリム』がウルトラ怪獣ライクな怪獣造形でしたので、3DCGのウルトラ怪獣と考えるとこういう表現になるのは当然と言えるのかも知れません。)で、着ぐるみでは表現が難しい細部のディテールまでモデリングがされており、実にスケール感が出ております。着ぐるみ表現だと怪獣とウルトラマンの体格差を表現する事も難しかった訳ですが、それも3DCGで表現する事によって解決しておりますね。
また、ウルトラマンは初代のいわゆる「Aタイプ」スーツを基調としており、成田亨のイメージした、「口が動くスーツ」というのをとうとう3DCGでやってのけたのか、という感じであります。ウルトラマンもあくまで生物であるという事を表現しているかのようにリデザインされておりますな。筋肉の収縮や肌の質感、そして足はブーツでは無く5本指!
そして倒壊する渋谷のビル群。どことなくミニチュア特撮を彷彿とさせられます。ひょっとしたら実際のミニチュアをスキャンして3DCGデータとして使用しているのかも知れません。ウルトラの原典を忠実にしつつ、現代の技術で創っているのだという事が伝わってきますね。

全編3DCGで表現される巨大特撮」と言うと、管理人は「新時代特撮」を謳った『惑星大怪獣ネガドン』や『プランゼット』といった3DCGアニメ作品や「スーパーロボット大戦」シリーズ及び「スクランブルコマンダー」シリーズのオープニングムービーなんかを想起するのですが、果たして、巨大特撮の本家とも言える円谷プロが制作するVFX特撮ウルトラマンではどのような展開を見せるのか、今から色々と楽しみでありますね。
続報を待ちたいと思います。

多分、最大の敵は予算なんでしょうけどね(身も蓋もない)。


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2015/07/17 17:29|特撮関連雑記TB:0CM:7

『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』第1話に於ける、「ウルトラマンコスモス」発言問題についてのお話 

7月に入り新しいアニメが続々と始まっていっておる訳でございますが、皆様に於かれましてはいかがお過ごしでしょうか。
管理人は最近遂にAT-Xに加入するなどアニメ視聴環境が向上してきた感がありますが、取り敢えず今期は『戦姫絶唱シンフォギアGX』が放送という事で、また愉しい3ヶ月間を過ごせるんじゃなかろうかと期待しているところでございます。
管理人は『シンフォギアGX』を含めて6~8作品くらい観る事になるっぽいのでありますが、そうして観ていたアニメの中で、ちょっとこれは聞き捨てならないぞという事態が起きましたんで、こうやって記事にする次第であります。

その事態とは、『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』というアニメ(しかしこれまた長いタイトル系アニメですなあ。)の第1話にて起きた、【ウルトラマンコスモス」発言問題】(管理人が勝手に問題にしているだけで実態としては別に問題でも何でも無いんですが・・・!)でございます。
実際管理人としては『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』の前評判やら何やらを見聞きしてそこそこ楽しみにしていたりもした作品だったんで、こういった事態が起きるのは残念であると言わざるを得ません。

下ネタという概念が存在しない退屈な世界』は、法律で性的な表現や言葉が徹底的に排除・弾圧された近未来の日本で、それに対抗して下ネタやら何やらを用いてその国家態勢に反抗していこうぜ的な、そんなお話であります。
まぁ、平たく言えば、「お前これ下ネタ連発してぇだけの作品じゃねぇかよ!」って感じな訳なのですが。かのみさくらなんこつ先生がエンドカードイラスト描いてましたし(笑)。
そういった感じの世界観とノリを持つ作品であり、畳み掛けるように下ネタがピー音かけられてまくし立て上げられるような作品なのですが、その本放送第1話中盤にて、ヒロインが「因みに、私の好きなウルトラマ○は、ウルトラ・マ︎○コ・スモスよ!」と、本来とは異なる部分で単語を区切った上に、ピー音をかけた発言をしたのであります・・・。
ウルトラマンコスモスは下ネタじゃ無いだろうが!

2001年放送の特撮ヒーロー作品『ウルトラマンコスモス』は、ウルトラマンの原点とも言うべき「秩序」を主軸に据えて怪獣と人類の共存という事にも踏み込んだ意欲作でありました。
基本的には怪獣を倒さないウルトラマンのキャラクターや予算の縮小管理によって『ティガ』、『ダイナ』、『ガイア』のいわゆる「平成ウルトラ三部作」よりも数段落ちた特撮パートといった要因もあり、当時の従来からの一部ウルトラファンにはあまり受け入れられ難い作品だったりもしたようですが、しかしその新しい取り組みは概ね子供達のハートをキャッチしたようで、『コスモス』は、歴代ウルトラシリーズでも最長の全65話+特別編3話+劇場版3作という長丁場の作品となっていった訳であります。当時のメインターゲット世代をはじめ今なお根強いファンが付いている、『ウルトラマンコスモス』は、そんな作品と言うことができますかね。

しかしながらその最後はかなりバタバタしてしまった感があります。いえ、作品内容的な話では無く、演者周りで・・・。
まあ、ご存知の方も多いでしょうが、つまり主人公である春野ムサシを演じていた杉浦太陽氏が傷害・恐喝容疑で逮捕されてしまった結果放送が休止となってしまい、結局事件関係者の虚偽証言によって不起訴処分・起訴猶予処分となった為なんとか最終回にはこぎつけましたが、色々と禍根の残る幕切れとなった訳でありますよ。
そして、一連の事件が起きた際ネットなんかでは「番組タイトルに卑猥な単語が入っているから逮捕されたんじゃないのか」とか、そういった感じの論調で嘲笑気味に叩かれていたりもしまして、管理人のような一部の人間にとっては、「ウルトラマンコスモス」という語を下ネタとして扱うのは非常にデリケートな問題であると言わざるを得ないんですよ・・・。
まあ、あれから随分時間も流れている訳ですんで、「ウルトラマンコスモス」という語を非特撮ファンや下ネタ大好きな中学生とかが冗談めかして下ネタとして扱うのにはまあ、ぶっちゃけた話どうでも良いんです(笑)。

しかし、今回の『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』に於ける「ウルトラマンコスモス」発言は、公共の電波で、芸人の下ネタ談義なんかではなくアニメ作品として放送している訳でありますので、これは『ウルトラマンコスモス』に対しての、ある種冒涜的な行為であると管理人は思います。
先述の一連の事件での「ウルトラマンコスモス」が下ネタを用いて嘲笑されたという背景を含め、『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』のスタッフ(というより原作者でしょうか? 管理人はアニメの第一話を観ただけで原作を読んでいる訳では無いので何とも言えませんが・・・。因みに、原作者は管理人のひとつ年下らしく、丁度『ウルトラマンコスモス』をリアルタイムで観ている筈です。)は、分かった上でやっているんですかね?
だとしたら相当な悪意でありますし、そうで無くとも実在している特撮ヒーロー作品をオマージュでもパロディーでも無く、単なる語感の一致だけで性的な隠語に置換して笑いを取るという一発ネタとして消費するのは趣味が悪すぎるのではないかと、管理人は思ってやまんのであります。プロがやる事ですか、と。
ピー音で隠しているから大丈夫とか、そういうレベルの話ではありますまい。

この「ウルトラマンコスモス」発言問題に関しては、『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』のメイン視聴者層が特撮ヒーロー作品を観る層とあまり被っていない為か、概ねただの下ネタギャグとして受け入れられているようですし、管理人がこんな場末の個人ブログでこんな記事を書いたところで、スルーされるか、或いは「変な特撮オタクがなんかキレてるwwww」とか「ただの下ネタアニメなんだからもっと力抜けよwwww」とか言われるのが関の山なんでしょうが、少なくとも管理人は酷く不快な思いをしました。

まあ色々と意見はあるでしょうが、そのギャグで不快な思いをした奴も居た、と言う事で。


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2015/07/06 18:17|アニメ関連雑記TB:0CM:6

或いは、怪獣映画文化のある日本だからこその映画と言えるのかも知れません。 『ラブ&ピース』 

遂に始まった怪獣の夏ッ!
という事で、6月27日より公開が始まった特撮怪獣映画『ラブ&ピース』を観て参りました。
いやはや何と言いますか、3年連続で新作の怪獣映画を観る事が出来るというのは、あの怪獣氷河期を思えばなんとも幸せな事だろうかと感激の極みであるのですが、今年はいよいよ持って日本の怪獣映画が帰ってきたと、そういう事でありまして、昨年の『GODZILLA ゴジラ』並びに一昨年の『パシフィック・リム』とはまた違った感慨がありますかね。
単館上映や小規模公開ではない、全国42館での公開となる和製怪獣映画! 大規模上映では無いにせよ、これだけで怪獣ファンの管理人は感涙ものであります。
・・・と言いながらその実この映画はゴジラやガメラのような純然たる怪獣映画では無いんですけどね。まあ、世間一般に言う「怪獣」という存在が出てくるのは本当にクライマックスだけなので、厳密に言えば「怪獣が出てくる映画」と言った方が正しいのかも知れませんが、しかし本作は、見方によっては「何故、怪獣が出現したのか?」というプロセスを描いた映画とも取れるんですよね。
そしてちゃんと特技監督だって立てられているし、ジャンルはやっぱり「特撮怪獣映画」で良いですよね!

ラブピース

管理人は園子温監督の作品を全作品観ている訳では無いのですが、これまでの作品傾向を鑑みるに、エログロ描写を入れてくる監督だなあ、という印象がありました。しかし『ラブ&ピース』にはそういったモノは一切無し。 エロとバイオレンスをひとつの楽しみにしている園監督のファンからすれば些か拍子抜けした、という感想もあるようであります。・・・まあ、亀で擬似的に女性をツンツンするという、捉え方によってはアレな場面もありましたが(管理人の心が汚れているだけですかそうですか)。
しかし園監督、今年は本作含めて実に5本もの映画を撮っている訳でありまして、今一番忙しい日本の映画監督なのではないでしょうか(笑)。
聞くところによるとこの作品の原型となる脚本は、園監督がまだ映画業界に入って間も無い頃に書いたモノだそうです。温めて幾星霜、漸くの映像化と相成った本作、一体どのような作品に仕上がったのか。
亀が巨大化して怪獣になる」、「本物の亀を用いた撮影」という2点から『小さき勇者たち〜ガメラ〜』との関連性なんかも挙げられている本作。そのあらすじは、以下の通りです。

ロックミュージシャンを目指し上京してきた鈴木良一は、しかしその夢に挫折、楽器の部品製造メーカーで働く事になった。
だが、夢に挫折したからなのか、何をやるにしても自信を持てず、良一は会社で完全にお荷物社員と化してしまっていた。
同僚である寺島裕子に想いを寄せたりするも、会話する事すらままならない日々。

そんなある日、良一はデパートの屋上で販売されていたミドリガメと目が合い、ただならぬ運命を感じ、飼う事にする。
ミドリガメに「ピカドン」という名前を付け溺愛する良一であったが……。


このあらすじだけ見ると、「どこに怪獣が出てくる余地があるんじゃい!?」と突っ込みたくなります(笑)。

それにしても『ラブ&ピース』というタイトル、一見怪獣映画らしからぬ名称ではありますよね。怪獣映画と言えば、『ゴジラ』とか『大怪獣ガメラ』みたいに怪獣の名称をタイトルに据えるか、『ゴジラ対メガロ』みたいに対決の構図を表すタイトルというのが一般的ではないかと思います。
しかし! この「ラブ&ピース」という名称、後述の通り作中に於いては、

劇中で主人公が名付けた亀=ピカドン

主人公がピカドンを想って書いた歌詞

反戦歌と勘違いされて大手レコード会社で売り出される事に

大衆受けを狙いレコード会社が「ピカドン」を「ラブ&ピース」に置換

という変遷を辿って出てきたのであります。
つまり、「ラブ&ピース」とは「ピカドン」の事であり、そのピカドンが巨大化して怪獣になる訳ですので、まさに怪獣の名称を映画のタイトルに据えているという事も出来るんですよ。まぁ、「ラブ&ピース」というタイトルにはそれ以外にも色々と意味が込められていると思いますが、しかし怪獣映画的にはこのタイトルの持って行き方は、なかなかに巧妙であると言わざるを得ません。
・・・その一方で、怪獣の名前を「ピカドン」にしちゃうというのはぶっちゃけるとどうかとも思いますが、しかしそもそも日本怪獣の始祖たるゴジラが原水爆の影響を受けて誕生した事を鑑みると、さもありなんという気もしないでは無いですかねぇ(面倒くさい怪獣ファン並の感想)。
作中では「ピカドン」が原子爆弾を表した語であるという事を若い連中は知らない」というように描写されておりました。「日本の友達のアメリカが原爆を落とした筈無いし~」みたいな感じで平和ボケし過ぎて、過去に起きた凄惨な出来事すら忘れちまっている、それじゃあいけないぜと、そういったメッセージも入りつつで、日本の怪獣の原点に立ち返った視点からの一連のシークエンスであったと思います。
この作品が描写しているモノの中に「変化」と「忘れない」というのが大きなウェイトを占めている訳でありまして、原爆を知らない若者という変化と、それを忘れてはならないという思いもまた、その中のひとつなのでありましょうなぁ。

さて、物語の序盤は主人公である良一が兎に角痛々しくて見てられない、というのが率直な感想でした(笑)。町を行く人やテレビにさえ馬鹿にされているというのは流石に被害妄想の映像化という描写なのでしょうが、それにしてもそこまで卑屈にならんでもと思わざるを得ませんでした。
いや、無論コレはギャグとしての描写なんでしょうけれども、「夢破れて普通の会社に就職してうだつの上がらないお荷物社員になっちゃっている」っていうの、管理人にはなんだか身につまされるような話でして・・・(笑)。いや別に管理人は夢破れた訳でもお荷物社員になっている訳でも無い(と思う)んですがっ!
しかし、周囲に亀を飼っている事を嘲笑され、ピカドンを手放してしまってからは割とトントン拍子で物語が転がっていく事になる訳です。物語は良一パートとピカドンパートに分かれて進行する事になります。

人に棄てられたペットやおもちゃ等が辿り着く謎の地下世界に来るピカドン。ピカドンは謎の地下世界の謎の老人に(事故でしたが)願望を実現させる能力を与えられ、その力を行使して良一を大ヒット曲を連発するロックミュージシャンにまで押し立てる。
しかし、その分能力の副作用でピカドンは巨大化してしまう。

そして、良一が「世界を目指したい」という夢を抱いた時、ピカドンはビルをも凌ぐほどの大きさにまで巨大化するのであった。
怪獣サイズにまで巨大化したピカドンは、ライブ中の良一の元へと向かう……!


いきなりファンタジーになっちゃうんですもん(笑)。
西田敏行演じる謎の老人は不思議な力を持っており、動物やオモチャを動いたり喋ったりできるようにして地下世界で皆一緒に暮らしているという構図は、さながらディズニー・ピクサーのアニメ映画『トイ・ストーリー』の様相を呈しておりました。
しかし本作ではオモチャが最終的に行き着く事になる、「捨てられた後」を描いていた訳であり、「買われてから10年後のオモチャ」を描いた『トイ・ストーリー3』の更にその先を行く構造になっていると言えるのではないかと思います。
それにしても管理人は、この謎の老人は棄てられたオモチャや棄てられたペットの介錯人ではないかと思って観ていたんですが、まさかサンタだったとは。些か拍子抜けはしましたが、でも、オモチャ達が今までの思い出を全て忘れて新しい所に行くには、まぁ、これが妥当な結末なのかなぁと思います。
しかし、オモチャ達は全てを忘れ、真っ新な新品の状態になってクリスマスの夜に配られる事にはなるのですが、オモチャがオモチャである以上、いつかまた捨てられてしまってまたサンタの元に帰ってきてしまう運命にあるというのは、哀しいというか、ただただ無常であります。オモチャにもサンタにも救いは、無い・・・。
それだけに、棄てられたオモチャやペット達がご主人の事をいつまでも想い続けるというのは、本当にいじらしくていじらしくて・・・。

オモチャがどこまで行っても変わることが出来ないとされるその一方で、良一はピカドンの能力によってロックスターとしてどんどん変わっていってしまいます。
晴れてロックスターになれた良一。しかし、夢は叶ってしまえばそれはもはや夢とは呼べない現実となってしまうし、夢を見ていた時とは変わってしまう。そして、夢はやがて欲望に置き換わってしまい、しかもそれが尽きる事は無い。良一もその例に違わずどんどん変わっていくのでありますが、その際限無い欲望を叶える為にピカドンは巨大化していくのであります。
だけど、ピカドンは知っている。例え変わってしまっても人間はまた思い出す事だって出来るし、やり直す事も出来る。それを良一に伝える為に、ピカドンは、夜の東京を進撃する!

いやぁ、そういった怒涛のクライマックスでございますが、この一連のクライマックスを観て、管理人は泣いてしまいましたね。
3年連続で映画館で怪獣見て泣いてる訳で、やっぱり人間としてどうかと思うんですが、しかし今回は「怪獣かっけぇ!」じゃなくて、純粋にピカドンの健気さに泣いちゃった訳であります。いやぁ、特に怪獣サイズになる一連のシークエンスですよ。ピカドン、お前はそこまでして良一の事を思っているのかと思うと、もう・・・!(・・・でも、泣いたのはやっぱり映画館で怪獣見れたからやないんか?)。
どっちにしても、年々涙腺が緩くなってきておりますなぁ。


さて、本作の特撮面であります。
今作の特技監督を務めたのは、近年では『ウルトラマンギンガS』や『THE NEXT GENERATION -パトレイバー-』で巨大怪獣や巨大ヒーロー、巨大ロボットを特撮を用いて表現しており、近日放送開始予定の『ウルトラマンX』ではメイン監督も務める、巨大特撮演出に定評のある田口清隆監督であります。

怪獣映画という事で怪獣出現の巨大特撮シークエンスにどうしても目が行ってしまいますが、その前に管理人が凄まじいと感じたのは、地下世界の動いて喋るオモチャたちであります。
3DCGでも合成でも無く、複数のオモチャ達が吊り操演(無論、合成や機械持込のプロップもあるでしょうけれど。)で同時に動いている! 完全に人形劇の手法で撮られているんですよね。それぞれがちゃんとキャラクターに合った動きをしており、そこには魂が宿っているのだという事を認識できました。
それをチープだとする向きもあるようですが、しかしその絵面は作品にマッチしており、特撮の理想系とも言うべき一体化が為されているように管理人は思いましたね。

そして展開される、怪獣出現&破壊シークエンス。
田口監督曰く、「これまでの田口特撮の集大成」との事でしたが、緻密なミニチュアワークと大胆な破壊描写、そして展開する10式戦車との交戦、そしてファンタジーとリアルの織り交ざった心象のような映像・・・。短いながらもリアリティと迫力、そして怪獣がそこに存在しているという説得力を持った見事な特撮でありました。映画館でこの巨大特撮が観れて良かったっす。
東京都庁の破壊で怪獣映画のお決まりの一つでもある「ランドマークの破壊」もやってくれましたし(笑)。
因みに、破壊シークエンスで使用されていた建物のミニチュアの中には、先月行った特撮博物館熊本展の撮影可能ブースに展示されていたミニチュアもありまして、「そうか、あのミニチュアはひと仕事終えた後だったのか!」と、妙に感慨深くもなりました(笑)。

あと、ピカドンの造形は、なんかもうやたらに可愛かったですね。あの可愛いのが大谷育江さんの声で鳴いて喋るんですよ!
いつも管理人は「レギオン萌え」だの「モスゴジ可愛い」だの言っている変な奴ではあるんですが、ピカドンの可愛さは、万人に共通するものであると考える次第でありますッ!!


全編を通して観た感想と致しましては、「大人のための童話」として仕上がっているように思います。特に、夢を追いかけていた、或いは追いかけている、そんな人達にとっては割と切実な映画だったんじゃないかなぁ、と(笑)。管理人もそのうちの1人な訳ですが・・・。
そして、日本に怪獣映画の文化があったからこそ、こういった筋書きの映画が生まれたのだろうなぁ、とも思います。こういった感じで、怪獣映画のフォーマットを利用した映画も、また増えると面白いでしょうね。

さぁ、次は『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』だ!
今作では良一を怪演した長谷川博己も『進撃~』で出演しますよって、少なからぬ運命じみた何かを感じますなぁ。


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【予告編】

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2015/07/04 19:22|特撮怪獣TB:1CM:2

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