管理人が特撮・アニメ・ネット等について書いたり自作の漫画を公開したりする処でございます。或いは、管理人の日々の愚痴等を垂れ流す処。または、画力向上を図る処。もしくは、インターネットラジオの投稿を報告する処。非常に混沌としております。

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飛翔掘削

Author:飛翔掘削
冴えない漫画描き。
「人生は楽しみながら」をモットーに、日々思ったことなんかを記していければと思っております。
色々観たり読んだりしますが、主食は特撮怪獣映画。
最近は、漫画と特撮映画と『ストライクウィッチーズ』があれば生きていけそうな気がしています。
2015年1月、人生初の商業漫画が出ました。

更新頻度が低下しておりますが、最低週一回は更新していく予定です。していきたい。
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アニメ『けものフレンズ』の肝は、作品の世界観全体を覆う「切なさ」だと思うんです。 

今年、最もブレイクした深夜アニメは何か?
そう問われたら、その回答は十中八九「『けものフレンズ』だ!」というモノになるでしょう。いや、まだ12月までの間に『けもフレ』を凌ぐムーブメントを起こすアニメが登場しないとは言い切れませんが、それにしても凄いですよね、『けものフレンズ』の一連のムーブメントは。
先月(2017年8月)には、全国のテレビ東京系列で平日朝7時30分という時間で大規模な「再放送」が行われ、管理人もこの再放送を観てから出勤するという実に「たーのしー!」8月後半だった訳ですが、先日最終回を迎え、BD付きガイドブックも全巻出揃ったこのタイミングが『けものフレンズ』というアニメに於ける一区切りなのかなと、そう感じるところでもある訳です。
と、いう事で、本日はアニメ『けものフレンズ』について、少し書いてみようかなと思うところであります。宜しくお願い致します。

……いえね、本当は本放送の最終回直後あたりにこの記事を書きたかったんですよ。しかしその時期は漫画とか描いてて時間が取れず、記事作成出来なかった事がずっと心残りだったんす(笑)。まぁ、今更色々な人が語り尽くした感のある作品について書くのも、なかなかオツなものでありますよ(笑)。

けものフレンズ

けものフレンズ』は、2017年1月から3月にかけて放送された作品であります。『けものフレンズ』は、「けものフレンズプロジェクト」がメディアミックス展開を行っていた作品群であり、アニメ版はその「けものフレンズプロジェクトA(アニメ」という位置付けとなっております。しかしながらこの「けものフレンズプロジェクト」は、アニメが始まる前の段階で既にスマートフォン向けアプリゲーム版が配信を終了、コミカライズ版も順次打ち切りが決定しているという状況であり、アニメ放送開始前は「最後の打ち上げ花火」とまで称されており、ゲーム・漫画版からのファンから見ると完全にお通夜ムードの企画でありました。
アニメファンの間でもこの『けものフレンズ』の前情報やそのキービジュアルから伝わってくる低予算3DCGアニメ感等を鑑みて、「やべーアニメが始まるぞ……」とか、「敗戦処理アニメ」とか、兎にも角にも散々な言われようだったっと記憶しております。アニメーション制作がそれまで『直球表題ロボットアニメ』や『てさぐれ! 部活もの シリーズ』といった、キャラクターの掛け合いや出演声優のアドリブを主軸に据えた15分尺での3DCGアニメ作品を多く手掛けている事で知られていたヤオヨロズという事で、「30分のストーリーアニメとしてちゃんと成り立った作品になっているのか?」という厳しい声も上がりました。
その一方で従来からのヤオヨロズ作品のファンからはそこそこ期待されていたり、「いや、販促の必要が無くなったのだから寧ろ自由な発想の作品になるのではないか?」という意見も少数ながら存在しておりました。その後の展開を鑑みると、それらの方々は先見の明があったと言わざるを得ません(笑)。まぁ、結果的には従来からのヤオヨロズ作品とは随分と趣の違う作風になったと思うんですけどね。

管理人も正直なところ「おぉ……こいつぁやべーな」という感じで構えてはおりました。しかしながら2017年1月期開始アニメには何の因果か分かりませんが、この『けものフレンズ』以外にも『亜人ちゃんは語りたい』と『小林さんちのメイドラゴン』という合計3作品の、いわゆる「人外娘」モノのアニメ作品が集結していたのであります。
人外娘さんに目が無い管理人は取り敢えずこの3作品がどういう方向性でアプローチしてくるのか、という事なんかを注視していた訳なのですが、よもや話題の漫画が原作だった『亜人ちゃん~』と京都アニメーション制作の『小林さん~』を抑えて、『けものフレンズ』がムーブメントを起こす話題作となってしまうとは夢にも思いませんでしたよ……ッ! 世の中、いつ何がヒットするのかは本当に分かりませんなぁ。管理人も知らない間にドハマりしちゃいましたし(笑)。

さて、アニメ『けものフレンズ』のあらすじは大体こんな感じになりますかね。

ある日、ジャパリパークのさばんなちほーで暮らすサーバルキャットのフレンズ・サーバルは、記憶を持たない迷子を見つけた。
自分が何者なのかさっぱり分からない迷子の子に、サーバルは持ち物から「かばん」と名付け、「としょかん」に行けば何かが分かるかも知れないと提案し、としょかんへの道案内を申し出るのであった。

果たして、かばんは何者なのだろうか。
ふたりの旅が、はじまった。


全体を通して見ると、かばんちゃんとサーバルちゃん、そしてボスのさんにんが行く先々でのフレンズとの出会いや、そこで起きるトラブルとその解決を描いたロードムービー的な要素の強い構成の作品であるという事が出来ると思います。ロードムービー構成のアニメというと管理人は、『銀河鉄道999』や『機甲創世記モスピーダ』、或いは『キノの旅』や『ローリング☆ガールズ』などが頭に浮かびます。時代劇で言えば『水戸黄門』、特撮ヒーローで言えば『シルバー仮面』に『快傑ズバット』ですね!
……『けもフレ』の場合は、「さばんなコンビのフレンズ助け ~ジャパリパーク珍道中~」とでも言うべきでしょうか(笑)、各ちほーで困っていたり悩んでいたりするフレンズ達をかばんちゃんとサーバルちゃんが、持ち前の知恵と体当たりで解決していくのが、各話のフォーマットになっているんですね。
そして、各ちほーでのフレンズ助けからの最終話での黒セルリアンに呑み込まれたかばんちゃんを今までのフレンズ達全員で助けるという構成は、非常に丁寧かつ見事で綺麗な流れであり、尚且つ1話からの伏線というか、かばんちゃんとサーバルちゃんの成長も如実に描かれている訳であります。各話の至る所に最終話へのフックが仕掛けられてもいまして、全話観終わったら「よし、じゃあもう一回観るか!」という気分にさせられてしまうんですよね。勿論、サーバルちゃんとかばんちゃん、そしてボスのさんにんの旅をまた観たい、というのもあるのですが。
そんな感じで、管理人が配信とか録画とかで何周も観ているとまた感慨深くなって最終話で涙ぐんでしまったりもする訳ですよ(笑)。いやぁ、このまま何周も観てるとしまいにゃ号泣しちゃうぞ。

そうした構成の妙も然ることながら、作品全体を流れる牧歌的な雰囲気と、「けものはいても のけものはいない」というOP主題歌の歌詞に代表されるようなフレンズ達の、相手をむやみに否定せず、違う価値観を認め合うという暖かさもまた、心地良いんですよね。相互扶助と互いの尊重というフレンズ達の性善説的な精神性は、実に尊いものであります。日常生活で息苦しい毎日を過ごす管理人にとってサーバルちゃんの、「平気平気、フレンズによって得意な事は違うから!」という台詞が滅茶苦茶心に沁みるんすよ……。
ヒトの手を離れた作中に於けるジャパリパークは、現代人が忘れつつあったものが存在するある種のユートピア、楽園でもあるという事が出来るのではないでしょうか。

ところで、先述のように2017年1月期開始アニメは、『けもフレ』を含めていわゆる「人外娘アニメ」が3本放送されておりましたが、どの作品も「人間とは違う他種族」という事をピックアップして、「互いの文化・価値観、或いは身体能力の違いに対してどう向き合うのか」というのが根底に敷かれておりました。
異文化・異種族間の交流というのは互いの理解、共存にというのが根底にはある訳で、そうしたアニメ作品が次々と登場するという事は、現代社会に於いて多様な価値観が表出してきて社会問題として取り上げられる事も多くなってきているという事の、ある種の表象でもあると言えるのかも知れません。
管理人と致しましては、異種間交流や異文化交流モノは大好物なので、この流れは非常に良いと感じる次第であります。いいよね、人外娘さんは……。

さて管理人の嗜好については置いとくと致しまして、『けものフレンズ』はそうした作劇・構成やキャラクターの造形も然ることながら、管理人は何よりも世界観の魅せ方が秀逸であると感じました。
よく『けものフレンズ』は「表層上は暖かく見えるが、世界観が不穏だ」というように言われます。そもそも「ジャパリパーク」という舞台自体が、「閉園した超巨大総合動物園」であるとされており、パークを造ったヒトは物語が開始する遥か以前にパークを去っているという事になっています。そのパークを去ったヒトについても作中で「絶滅した」とも言われております。ジャンル的にアニメ『けものフレンズ』は、「ポストアポカリプス(文明崩壊後の世界観」ものでもある訳なんですね。
本放送時には動物をフレンズ化≒ヒト化させる「サンドスター」なる謎の物質、フレンズを襲う異形の怪物「セルリアン」の存在等の設定が徐々に明かされるにつれ、「牧歌的な雰囲気を持つジャパリパークやフレンズ達が何か得体の知れない狂気を孕んだ存在に見えてくる」と言っている人も居ました。そういった部分が話題を生み、人を呼び込む事に繋がったのでしょう。管理人のTwitterのTLでも、途中(第4話の本放送前後あたり)から一気に『けもフレ』を視聴している人が増えましたし(笑)。
そうした設定や世界観の説明に大きく尺を割くのでは無く、断片的な台詞や「サーバルちゃんとかばんちゃんが旅をしている背景に、朽ちた人工物が存在している」といった状況描写で説明をしており、基本的には「この世界に於いてはそれが普通の事である」という方針で世界観を魅せ切っているんですよね。アニメに限らず映像作品に於いて世界観を説明台詞以外で描写するのは簡単な事では無いのですが、『けものフレンズ』の場合は世界観に説得力を持たせる事に成功していると言えると思います。
各種スタッフインタビュー等を読みますと、そうした『けもフレ』のポストアポカリプス的世界観は、アプリゲーム版やコミカライズ版の終了があらかじめ決まっていたが故に、アニメ版での「閉園後」という舞台設定を作っていった事に起因するようです。そうしたメディアミックス企画群の「祭りの後の物悲しさ」のようなものが転じて「作品世界の不穏さ」として話題を呼んだ訳でもあるので、まぁ、ある種の皮肉ではありますよね……。

管理人は巷で言われているような「不穏さ」では無く、作品舞台の閉園したパークの「物悲しさ」、或いは、作品全体を覆う「切なさ」に、この作品の肝があるような気がするんですよね。
サーバルちゃんとかばんちゃんは、旅を続けてはいるのだけれど、いつか「お別れ」がきてしまうという事を感じざるを得ませんし、かばんちゃんの知恵や思い付きがフレンズ達を助けてそれが肯定的に描かれる一方、環境破壊や乱獲によってヒトが絶滅させてしまった動物のフレンズが存在していたりするというのも、物悲しさを大いに感じさせる部分でもありました。
また、かばんちゃんが使うヒトの知恵は他の動物には思い付かないものであり、それはヒトとその他の動物が決定的に違うという断絶をも感じてしまって非常に心苦しく、そして哀しくもなってしまうんですよ……。管理人が特にそれを殊更強く感じたのが、第7話「じゃぱりとしょかん」に於いてかばんちゃんがカレーを作るのにあたって火を使用した際に、サーバルちゃんや博士達が「なんか怖い」と言ってかばんちゃんから離れてしまった場面でありました。
けもフレ』では、ヒトもあくまで動物の一種に過ぎないという方向性で描かれてはいるんですけれども、だからこその断絶が本当に切ない訳であります。翻って、だからこそサーバルちゃんが「かばんちゃんはすっごいんだよ!」と言って全面的に肯定していたり、最終話で紙飛行機に火を付けて飛ばして黒セルリアンの注意を惹きつけるという行動が尊いんですよ。だから、涙ぐんじゃう(笑)。
現在、『けものフレンズ』は続編が制作決定しておりまして、近い将来またかばんちゃん達の旅を観る事が出ると思います。ロードムービー的な作劇から無限に話は続けることが出来るのでしょうが、しかし「ヒトに会う」というかばんちゃんの旅の「終着点」が明確になっている限り、この切なさは継続するのでしょうね。
また、主題歌も作品世界の物悲しさ、切なさを引き立てているように感じます。ED主題歌「ぼくのフレンド」は直球の「卒業ソング」でしたし、OP主題歌の「ようこそジャパリパークへ」もドッタンバッタン大騒ぎな楽しい曲調でありながらも、どこかしら合唱曲「怪獣のバラード」を彷彿とさせるような、ある種の物悲しさを帯びているように感じますし。いや、そこはもう主観によりけりなのかも知れませんけどね。

さてさて、物語や世界観以外についても少し触れておきましょうか。
ぶっちゃけて言うと、やっぱり『けものフレンズ』って「低予算アニメ」なんですよね。それは3DCGによるキャラクターのモデリングやモーションといった作画面やキャスティングの面で大きく見受けられる事が出来ます。
特に作画面では、キャラの眉毛が透過してしまっていたり、持ち上げているのに手に対象物が触れていなかったり、ジャパリバスが動いているのにタイヤが回っていなかったりと、粗を挙げていけばキリがありません。観てて実際気になるレベルですからね。しかしながらそうした作画の品質や粗さえも、本作の雰囲気とマッチしてしまっていたりもするのだから不思議なものです。「例の顔」など、作画的な部分がインターネットミーム化しちゃった例も少なく無いですしね。そうした作画的な「緩さ」も、ムーブメント形成に一役買っているのでしょう。……いやまぁ、そうしたモデリング、モーションの緩さの善し悪しは個人的な主観の話であり、反対に嫌悪感を覚える人も少なくは無いようなんですけれども。まぁどちらかと言うと、「受け入れた」人が多かったという事で。
その一方でカメラワークやフレンズ達の挙動についてはよく考えられておりまして、フレンズには元となった動物の挙動を随所でさせており、「実際の動物こそが原作である」とさえ言われていたりもします。予算上の関係か3DCG作画であっても基本的には「動かない」方針が採られている訳ですが、それは静と動で見せる古くから用いられたリミテッドアニメ的な動きやカメラワークでもあり。吉崎観音先生の元動物の特徴をフレンズの外見に反映させたキャラクターデザインも、線の少ない単純化されたものになってはいますが、観ていてすんなり入ってくるものになっているんですよね。
本作は低予算であっても決して適当に制作された作品では無いというのが、多くの視聴者の心に届いた結果のヒットという事が出来るのかも知れません。
また、本放送が終わった今でもたつき監督による「12.5話」や各種コラボ動画が定期的に発表されるのも、低予算・少人数での制作作品だからこそのフットワークの軽さというのもひとつにはあるのでしょう。

作品本編から離れたところでは、全国の動物園とのコラボレーション企画等が挙げられましょうか。インターネット上では特に、埼玉県の東武動物公園で飼育されているフンボルトペンギンの「グレープ君」が、コラボ企画で設置されたフルルのパネルをずっと見つめている事などが話題になりましたね。
コラボ企画の有る無しに関わらず、「このフレンズの元になったのはどんな動物なのだろう?」という事で動物園に足を運ぶファンも少なからず出ています。本作はアプリゲーム版やコミカライズ版が終わってしまっていた関係上、放送終了後の受け皿になるような媒体がほぼ皆無であり、結果皆動物園に足を運ぶという状況になっていたのが非常に面白かったです。管理人も、別にコラボ企画が行われた訳では無いのですが、なんとなく地元の福岡市動物園や長崎バイオパークに行ってみたりもしましたし。……いや、別に一人で行った訳じゃないっすよ(笑)。
8月からの朝の再放送の前後で、長崎県対馬にて日本では絶滅してしまったカワウソが発見された(ニホンカワウソなのか大陸から渡ってきたユーラシアカワウソなのかは五分五分にせよ)という奇跡的なタイミングなんかもあったり、『けもフレ』人気を受けてNHKが動物紹介番組「ダーウィンが来た!生きもの新伝説」のサーバルキャットの回を再放送するなどただし、管理人の住む地域だけピンポイントでのけものにされましたが、ムーブメント内外で色々と恵まれていた作品だったなぁと感じる事も多いです。
けものフレンズプロジェクト」の目標のひとつとして、「様々な動物に対しての認知・理解を深める」というモノもあるようでありまして、そういった意味ではアニメ版のムーブメントはそれを果たす事となったと言えるのかも知れません。

いやぁ、本当に丁寧で良い作品でしたよ、『けものフレンズ』は。
社会人になって以降ここまでハマれた新規企画での深夜アニメは無く、「俺もこのまま少しずつアニメからは距離を置いていくようになうのかなぁ……」等と思っていたのですが、完全に杞憂だったな、と(笑)。
今後ともこういった作品に遭遇していきたいものでありますなぁ。


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2017/09/01 19:51|SFアニメTB:0CM:4

『ブレイブウィッチーズ』第1話に見る、扶桑皇国の特撮映画事情(の妄想) 

2016年10月期開始アニメとして、『ブレイブウィッチーズ』が放送を開始し、管理人が住む地域でも先日第1話「佐世保の魔法少女?」が放送されました。
ワールドウィッチーズシリーズ」と銘打たれた本シリーズも『ストライクウィッチーズ』の放送から早8年が経過し、管理人もずっと追いかけている長い付き合いになっているシリーズな訳ではございますが、この度始まった『ブレイブウィッチーズ』(以下、「ブレ魔女)も非常に楽しめそうで何よりであります。

第1話は物語の導入としては申し分無く出来ておりました。歴戦の勇士であるウィッチの姉を持つ主人公・雁淵ひかりは、『ストライクウィッチーズ』の主人公・宮藤芳佳とはまた別のベクトルのタイプですが、前向きで根性のある感じの娘で、この物語を引っ張っていってくれそうです。佐世保航空予備学校の校長としてもっさん達の師匠でもある北郷さんが登場したり、これまでの「ワールドウィッチーズシリーズ」を追っているとニヤリとできるサプライズもあったりして。このシリーズはやはり、継承の物語なんですなぁ……。
何よりも今後502統合戦闘航空団ブレイブウィッチーズの面々の活躍が観れるのが、本当に楽しみでありますよ!
気になるのは映像面、3DCGの担当がこれまでのグラフィニカから『翠星のガルガンティア』等の3DCG作画を担当したトライスラッシュに変更となっている点でしょうか。3DCGと手描き作画のハイブリッドだったこれまでとは異なり、空戦やウィッチの飛翔シーンも全面的に3DCGで表現される方針のようですね。『ストライク』では定番となっていたズボンのアップショットもかなり抑えめでしたし、今までの作画演出に慣れてしまった管理人としては、結構違和感を抱いてしまったのですが、さて、今後どうなるのか。3DCG作画による作画的な省エネなんかも鑑みるに、なんとなくこれまでよりも予算が減らされているような気もするんですよね、『ブレ魔女』……。

さて。それはともかくと致しまして、『ブレ魔女』の第1話にて、こんな劇中映画のポスターが登場した訳であります。

リバウの翼

ワールドウィッチーズシリーズ」の世界の日本に相当する扶桑皇国では、陸海軍協賛によるウィッチを主役にしたプロパガンダ映画が制作されているという設定があり、この『リバウの翼』なる映画も『ブレ魔女』に登場する雁淵孝美をモデルとしたウィッチ映画なのでしょうが、注目すべきはそのスタッフクレジットですよ。
恐らく元ネタであろう東宝の1963年公開の戦争映画である『太平洋の翼』に準じて、夏木陽介に加山雄三、佐藤允に三船敏郎、星由里子に田崎潤らが元ネタであろう女優・俳優陣に、松林宗恵監督と『さらばラバウル』の本多猪四郎監督を足して割ったような名前の監督、極めつけは
特技監督 円山英一
と来ているのですから、もう特撮映画好きの管理人にとっては「たまんねぇ!」となる訳でございますよ(笑)!
この1カットを見てしまったのが運の尽き、管理人は「1944年の段階なのに特技監督が立てられている!? じゃあ、扶桑の映画史に於ける特撮事情はいったいどうなっているんだッ!?」という事が気になってしまいましたので、当記事ではそれについての妄想を、ちょっと膨らませてみようかなと思う次第であります。

1にも2にも置いてまず考えなければならないのは、円山英一なる特技監督の存在であります。言うまでも無くこの人は、我々の世界に於ける元祖特技監督にして特撮の神様・円谷英二監督が元ネタとなっていますね(因みに、円谷監督の本名は、円谷英一)。
我々の世界に於ける円谷英二監督は戦前から様々な特撮技術を駆使して様々な映画の特撮を担当していましたが、戦争が始まると戦時中に軍協賛によるプロパガンダ映画の特撮も担当する事になった訳です。実際の戦艦や空母、戦闘機を飛ばしたり爆発させたりする訳にもいかず、また、軍が機密として兵器の映像を出さなかったため、それらの戦闘シーンを演出するのにミニチュアワークをはじめとしたSFXによる特撮が用いられる事になった訳ですね。
戦時下の戦意高揚映画としては、1942年の『ハワイ・マレー沖海戦』や1944年の『加藤隼戦闘隊』、同年の『雷撃隊出動』等の特撮を円谷監督が担当しましたが、「戦意高揚映画の制作に携わった」として戦後GHQによる公職追放を受け、約4年ほど東宝を離れる事になってしまう訳ですが、しかしそれらの戦意高揚映画で培われた技術は戦後『ゴジラ』や『ウルトラマン』等にも応用される事になりました。ある意味では、皮肉な話でもあります。
因みに、特技監督は専門技術(=特殊撮影)を駆使して「現実ではありえない映像」を撮る為の役職であり、特撮映像と本編映像の編集権も監督と同等に与えられた、特撮のスペシャリストという事が出来ます。他方、ひとつの映画に2人の演出家が立てられるという事を嫌って、特技監督を立てなかった監督も少なくはありませんでした。

ところで、この円谷監督が「特技監督」という肩書きになったのは、1955年公開の特撮怪獣映画『ゴジラの逆襲』からであります。
それまでは一貫して「特殊技術」というクレジットだった訳ですが、海外も驚いたというその特撮技術と東宝社内に於ける東宝撮影所特殊技術課の重要性(怪獣映画やSF映画といった特撮を用いた映画は、海外輸出によって外資が稼げる当時の数少ない日本映画でした。)から、一種の称号として「特技監督」が用いられるようになった訳ですね。
因みに東宝に於ける「特技監督」は、戦後の東宝の特撮を一手に担当していた田中友幸プロデューサーの没後(つまり、1997年以降)、暫く「特殊技術」というクレジットに戻ってしまいましたが、今年・2016年公開の特撮怪獣映画『シン・ゴジラ』で堂々復活を果たしました。「特技監督」という名称を復活させた事で、東宝の本気度も測れるという話でありますよ(笑)!

……前置きが長くなってしまいましたが、ここで漸く「ワールドウィッチーズ」世界の円山英一特技監督に話が戻ってくる訳です(笑)。
ブレ魔女』第1話の時代設定は1944年の夏という事になっております。
現実世界に於ける1944年夏には、太平洋戦争も日本の負け戦と化しており、先述のプロパガンダ映画も「戦意高揚」のトーンが結構ダウンしていて、ともすれば「コレ、戦時下に制作されているのに戦争反対映画なんじゃね?」という感じになっていたりするのではありますが、円谷英二監督はまだ「特殊技術」でクレジットされていた頃です。それなのに円山英一は既に「特技監督」の肩書きになっている……。これは一体どういう事なのでありましょうか!?
それを読み解くヒントは、実は一連の「ワールドウィッチーズシリーズ」内に隠されているのでございますよ。

島田フミカネ先生によるイラストコラムや、にんげん先生による漫画『ストライクウィッチーズ零 1937扶桑海事編』、ヤマグチノボル先生によるノベル『スオムスいらん子中隊シリーズ』、鈴木貴昭氏によるノベル『アフリカの魔女 ケイズ・リポートシリーズ』等の作品に於いて、1937年に起きた大陸から扶桑海へネウロイが侵攻した「扶桑海事変」をモデルとした陸海軍全面協力の戦記映画『扶桑海の閃光』が公開され、大ヒットしたという事が描かれております。特に『スオムスいらん子中隊がんばる』に於いては、穴吹智子少尉が映画の撮影の為、「東京の世田谷、砧の円谷特殊撮影所」に出向いたというエピソードが語られているんですよね(該当書を持っている方は、65ページを開いてみてください)。
あれ、我々の世界と同じく円谷じゃないか。円山監督はどこ行ったんだッ!?
等と一瞬思ってしまいますが、しかし『スオムスいらん子中隊シリーズ』はアニメが放送される以前に発表された最初期の作品である為、色々と設定が現在の「ワールドウィッチーズシリーズ」とは異なっていたりもする為、現在に於いてはパラレルな扱いとされております。と、いう事は、『スオムスいらん子中隊シリーズ』の世界では「円谷」なる特撮関係者が居たとしても、それはあくまでもパラレル世界の話。現在の「ワールドウィッチーズシリーズ」の世界観に於いては、その「円谷」なる人物のポストに「円山英一」が来ていても不思議では無いという事が出来ると思います。思うんですよッ!
そして、『扶桑海の閃光』の大ヒットにより、扶桑ではウィッチに志願する魔法力を持った少女が急増したという話があります。大ヒットに加えてウィッチ志願者の増加という功績から、映画会社がその特撮を担当した円山英一監督に「特技監督」の称号を与えたのではなかろうかと、管理人はそう考える次第であります。あの世界観的に『扶桑海の閃光』は世界中で公開された事でしょうし、相当に外資を稼いだのでしょう(笑)。
そんな感じで現実とは全く異なる歴史を辿った世界なので、「特技監督」が誕生するのも我々の世界よりも10年以上早くなったという事になったのではないでしょうか。そうして『リバウの翼』でも、円山英一監督が特技監督を務めている、と……。

円山英一特技監督」の謎が解けた(そうかな?)ところで、次に気になってくるのは、その特撮技術がどのようなモノなのか、という点でありますね。
我々の住む現実世界に於いて1944年当時の特撮技術としては、ミニチュアワークやストップモーション・アニメーション、火薬、スクリーンプロセスにマットペイント、クロマキー合成等が存在していました。「ワールドウィッチーズシリーズ」の世界でも、これに準じた特撮技術が存在していると思われます。しかもあの世界では扶桑にはネウロイの侵攻も無く経済も安定していて平和そのものですので、我々の世界よりもより良い特撮を用いる事が出来た事でしょう。また、アニメ『ストライクウィッチーズ』を観る限り、「扶桑人形」という非常に精巧にできた人形も存在しており、その技術を応用したミニチュアワークによる演出も冴えわたっていたに違いありません。
更に、あの世界には魔法力が存在しています。念動系の能力を持ったウィッチが撮影に協力していれば、ピアノ線でミニチュアを吊る必要が無くなる為、よりアクロバットなミニチュア特撮を演出する事も可能でしょうし、発火系の能力を持ったウィッチが居れば火薬・爆薬も思いのままに炸裂させる事が出来るでしょう。ただし、固有魔法が使えるウィッチは稀少という話もあるんですけどね。
一方で、軍の全面協力が得られるという事で、艦船や戦闘機、航空ウィッチ等の表現は実物を撮れる為、特撮が用いられるのはネウロイと、艦船や戦闘機、ウィッチが撃墜されたり破壊されたりする場面に限られるのではないか、という話もあります。
しかしまぁ、実際に撮った映像よりも特撮を用いて撮られた映像の方が外連味があったり迫力があったりする場合もあるというのもまた事実でありますので(例えば、実際の建物を破壊するよりもミニチュアを破壊した方が軽いぶん破片等がよく飛んで迫力のある映像になったりする場合がある訳です。)、あの世界に於いて特撮の占める部分というのは大きいのかも知れません。
いずれにしても、円山英一監督も、我々の世界の円谷英二監督同様あらゆる手段を用いて効果的で迫力のある特撮映像を撮る事でありましょう……!

恐らく、第二次ネウロイ大戦が終結した折には、戦意高揚映画で培われた特撮技術を用いたSF映画や災害パニック映画が登場する事でしょう。しかし、管理人が大好きな特撮怪獣映画はネウロイという存在が現実に居る為、そもそも誕生しないのではないかと思うんですよね。哀しい話ですが、あの世界ではゴジラもラドンもモスラも生まれないと思います。という事は、怪獣マグマが突如出現しない『妖星ゴラス』が出来るよ! やったね!
しかし、「ネウロイと戦う光の巨人」は生まれるような気はします。魔法力で動くゴーレムとかが存在する世界ですので、光の巨人が登場しない道理は無いんじゃないかと(笑)。

……と、いった感じで、1枚のポスターから長々と妄想を膨らませてしまった訳ですが、いかがでしたでしょうか。
上記画像はお遊び的な1カットだとは思うのですが、しかしたった1枚とこれまでの「ワールドウィッチーズ」作品を読み解くだけでこれだけ妄想出来てしまうのだから、やはり「ワールドウィッチーズシリーズ」は懐が深いっすよ! 俺ァあの世界観に惚れたんだ!
ストライクウィッチーズ』をはじめとした「ワールドウィッチーズ」のファンには何故か特撮怪獣ファンを兼任している人が多いので、多分管理人のようにあのポスターの「特技監督 円山英一」に反応した人も多いんじゃないかなぁと思います。
Twitter上では古代の扶桑史に思いを馳せる「考古学ウィッチーズ」とかで愉しんでいる人達も居ますし、本当に色々な方向に遊べますよ、「ワールドウィッチーズシリーズ」の世界観は! 好きだ!


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作品本編は、冒険活劇テイストからの空戦アクション映画、といった感じに仕上がっている作品です。また、局地戦闘機紫電改に焦点が当てられた映画でもあります。スケールの大きいミニチュアワークを用いた特撮演出による戦闘描写も大きな見どころ。興味がありましたら、是非!


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2016/10/13 06:52|ストライクウィッチーズTB:0CM:4

庵野秀明第1回監督作品にして、伝説的OVA作品! 『トップをねらえ!』 

今年7月29日に公開される『シン・ゴジラ』。
管理人はこの映画の公開が非常に楽しみでございまして、もう公開日までの残日数を指折り数えていたりする訳でありますが、しかしまだまだ公開まで1ヶ月と少し。努めて落ち着き払い、ゴジラを迎えてやろうと、そういった心持ちでございますよ。
そんな訳で『シン・ゴジラ』の予習の一環として、庵野秀明監督の商業監督作品第1作目である、アニメ『トップをねらえ!』を、観ていたりもする訳であります。
そんな感じで本日は、『トップをねらえ!』について、少し書いてみようかなぁと思うところであります。宜しくお願い致します。
それにしても遂に『トップをねらえ!』について当ブログで書く事になったのですなぁ……って、なんか丁度1ヶ月くらい前にも同じ導入で記事を書いたような気が……(笑)。まぁ、『トップ』は『ハルヒ』とは違って管理人が生まれる前の作品なのではありますが。

トップをねらえ!
そういやこの作品もBDBOXが出る直前にDVDを買い揃えてしまった作品であったなぁ……。

トップをねらえ!』は、1988年より順次発売された、GAINAX制作による全6話構成のOVA作品であります。タイトルからよく「スポーツモノ」だと思われていたりもするのですが、ジャンルは「SFロボットアニメ」という事になっており、ゲーム「スーパーロボット大戦シリーズ」にも度々参戦しており、ロボットアニメファンの間では一種の「伝説のアニメ」としても認知されていたりもします。
キャッチコピーは「炎の熱血友情ハードSF宇宙科学勇気根性努力セクシー無敵ロボットスペクタクル大河ロマン!!!!!」。「なんじゃそりゃ!?」と思ってしまいますが、しかし作品本編を観たら分かります通り、そのキャッチコピーに違わない凄まじく壮大で熱い作品として仕上がっているんですよね。
制作スタッフは、原作に岡田斗司夫、脚本は山賀博之、キャラクター原案が美樹本晴彦、音楽に田中公平、絵コンテは樋口真嗣、そして監督は庵野秀明、という布陣でありまして、原画や作画監督、各種設定として貞本義行や前田真宏が参加しているなど、後のGAINAX作品や、延いては『シン・ゴジラ』に携わる事になるスタッフも、本作の中核スタッフとして参加している訳でありますね。この1988年から制作された『トップをねらえ!』が2016年の『シン・ゴジラ』へ繋がってっているのだという事を考えると、また感慨深くなる訳でございますよ……!
他方、本作は同じくGAINAX制作のアニメ映画『王立宇宙軍 オネアミスの翼』で抱えた負債を返済する為に、解散する予定だったGAINAXが存続した結果企画された作品であるという側面もあり、確実に売れる為に「女の子、メカ、怪獣」というオタクが大好きなモノをブチ込んだ作品にもなった訳であります。『王立宇宙軍』が非常に硬派な印象のアニメ映画だった為、この『トップ』の一見するとおちゃらけたギャグのようなビジュアルと作風に度肝を抜かれたという当時のアニメファンも多かったのだとか。
それにしても『王立宇宙軍』での負債が、結果的には本作や『ふしぎの海のナディア』や『新世紀エヴァンゲリオン』、『フリクリ』に『天元突破グレンラガン』といった後のGAINAX作品に繋がっていくのですから、まぁ、世の中分からないものですよねぇ。

して、そのあらすじは以下の通りとなっております。

時に西暦2015年。超光速航法が実現して宇宙時代を迎えた人類は、宇宙の脅威「宇宙怪獣」による初めての攻撃を受けた。
試験航行中であった地球帝国宇宙軍の超光速宇宙戦艦るくしおんをはじめとする宇宙艦隊は、宇宙怪獣の襲撃により壊滅してしまう。これを切っ掛けに人類は、宇宙怪獣との長く苦しい戦いの日々を生きる事になる……。

それから6年後の2021年。るくしおん艦隊のタカヤ提督の一人娘であったタカヤ・ノリコが、地球帝国宇宙軍付属沖縄女子宇宙高等学校に入学する。
これは、持ち前の努力と根性で戦う、一人の女の子の物語である!



作品本編について触れる前にまず諸々の設定まわりを見てみますと、「バブル経済が続いていってとうとう日本がアメリカのハワイを買収してハワイ県にしてそこをアメリカが真珠湾に奇襲攻撃を仕掛けて日米戦争が始まっちゃってそのままの勢いで日本がアメリカに勝っちゃって世界を征服、地球帝国を樹立。東京を帝都とし、天皇は地球人類統合の象徴となった!」という、なんか色々とヤバい事になっていたりもするんですよね。勿論、本編中では一切それらの設定に言及されてはいませんけれども。まぁ、そもそもの話として元々GAINAXの母体となったDAICON FILM自体が『愛國戦隊 大日本』なんかの自主製作映画も制作していて、右も左も笑い飛ばす芸風だったというのも関係しているのかも知れませんが(笑)。
しかしながら、同じバブル期に制作された特撮怪獣映画『ゴジラVSキングギドラ』に於いても、「未来に於いて日本が全世界を支配している」的な話になっている訳でありまして、なんとなく『トップ』のこのブッ飛んだ設定も、バブル期の日本の表象となっているのかなぁ、と思わなくもないですかね。
或いは、様々な日本で制作されているアニメやSF映画なんかで「世界的な使命を背負っている筈なのに主要登場人物の殆どが何故か日本人である」という事へのメタ的なアンサーなのかもと思ってみたり。そりゃ日本が世界を牛耳っていたら世界の命運を左右するポジションに日本人が多数立っていたり公用語が日本語だったりしてもおかしくないっすわな!(笑)

さて、作品全体のノリとしては、やはりと言うかなんというか「80年代だなぁ」と感じるところは多々ありますが、全体的には第1話を除いてはSFカラーで統一されているように思います。
宇宙での戦闘や、亜光速航行によるウラシマ効果、縮退炉やブラックホール爆弾、そして敵である宇宙怪獣の人類を殲滅せんとする行動原理が銀河系の免疫抗体であるという事に基づいている等全体的に結構重厚なSF考証が為されており、宇宙怪獣と宇宙艦隊が戦うという荒唐無稽な物語でありながらも地に足が着いている印象を視聴者に与えてきております。
地に足がついている」という点で言えば、作中に度々登場する様々な看板や小道具等のほぼ全てが1988年当時実在していたモノになっているというのも挙げられますか。登場人物達が飲んでいるコーヒーはUCCコーヒーだったり、宇宙ステーションへ向かうシャトルをJALが運行していたり、宇宙戦艦ヱクセリヲンの艦内鉄道として国鉄103系電車が走っていたりしており、アニメではありながらも「現実の延長上の世界なのだ」という事が強調されている訳であります。ソ連は崩壊しちゃいましたけど。
設定面でも、作中に登場する人型ロボット=マシーン兵器は日産とフォルクスワーゲンの共同開発となっていたり、宇宙戦艦ヱクセリヲンは三菱造船や石川島播磨重工等の企業からなる日本重化学工業企業共同体が建造を行ったという事になっていたりします。
近年に於いては現実世界に実在する企業等ともタイアップを行ったりして、アニメにその企業の製品等がそのまま登場するという事が増えてきておりますが、『トップ』が制作された80年代後半頃にはそういった作品もほぼ無く、現実にもある身近なモノがアニメの小道具として登場すると言うのは結構斬新な事だったのではないでしょうかね。勿論、許可なんかはほぼ取ってはいなかったのでしょうが……(笑)。

そして、この作品について書くに当たり言及しなければならないのは、やはり、『エースをねらえ!』と『トップガン』を足して割ったようなタイトルを見れば分かります通り、本作は古今東西ありとあらゆる漫画、アニメ、洋画、邦画、特撮にSF小説等のオマージュで構成されているという点でありましょう。
管理人も大好きな『妖星ゴラス』や『宇宙大戦争』に『日本沈没』等の東宝特撮映画や、或いは、『マジンガーZ』や『ゲッターロボ』、『超電磁ロボコン・バトラーV』に『伝説巨神イデオン』等のロボットアニメや『宇宙戦艦ヤマト』のようなSFアニメ、更には『ウルトラマン』や『仮面ライダー』に『スーパーロボット マッハバロン』や『Xボンバー』といったTV特撮作品に、『激動の昭和史 沖縄決戦』をはじめとした岡本喜八監督の映画等々、その「元ネタ」は多岐に渡っております。それこそ、『トップをねらえ!』の元ネタについて記述するだけで一冊本が書けるくらいに(笑)!
時には現場で、「このシーンに使えそうな元ネタを探して来い!」なんて話もあったくらいでありまして、この『トップをねらえ!』という作品は作品全体でパロディやオマージュをこれでもかというくらいに詰め込んだ作品であるという事が出来るでしょう。それは台詞であったり、画面構成であったり、設定面であったり、或いは劇判曲であったりもするのでありますが、しかしながら凄まじいのがそれらを単なる「パロディのギャグ」の組み合わせとしてでは無く、「『トップをねらえ!』という作品の1場面」として昇華しているという点にあると思うんですよね。
80年代のOVA作品には、オタク層をターゲットにしていた性質上から様々なアニメや特撮のパロディギャグが展開されるというのがあった訳でありますが、その観点から見ると『トップをねらえ!』はそれらのパロディ群とはまた違った趣になっている訳でございますよ。様々な作品から引用を用いつつ自分達の言いたい事を盛り込むというのは、そのまま庵野監督の芸風になってもいる訳でありますが。
しかしながらパロディ・オマージュ満載のこの『トップをねらえ!』も後に、『ストライクウィッチーズ』や『宇宙戦艦ヤマト2199』、『放課後のプレアデス』に『ハッカドール』といった後続のアニメでパロディやオマージュされている訳ですので、そうして、アニメのパロディ・オマージュの循環として続いていっているのは、何とも面白いなぁと、感じるしきりでありますかね。アニメの歴史を感じざるを得ません。

……ここまでで既に4000字近くの文字数を費やしてきましたが、漸くストーリーについて語る段になりましたよ(笑)。
長くなるぞ、この記事は……。

第1話は、まず巨大ロボットが筋トレをしたり組体操をしたりしている全く持って意味不明な映像から始まりました。
いや、明らかにおかしいでしょ!?
何で機械であるロボットが筋トレしているんだとか、そもそも宇宙に上がるのに人型ロボットの訓練をするのは何故なんだとか、開始数分でもうツッコミ疲れてしまう訳ですよ! その上「お姉さまが鉄下駄を!?」とか、笑うしか無ぇよ!!
もう第1話は、古典的な少女漫画のフォーマットにスポ根モノのテイストやロボット要素を乗っけて全力で視聴者を笑わせにきていると言えるでしょう。スパルタの鬼・オオタコーチが『ウルトラマンレオ』のダンの杖を使っているというのもまた……(笑)。
それでも、管理人などはノリコの特訓風景に、「日常の中の巨大ロボット」を感じて結構好きだったりするのですけどね。絵コンテは樋口監督なので、そこは特撮ライクな画作りになっている訳ですし、空気感の描写を見てもやっぱり庵野監督はこういうのが上手いなぁ、と。作画もOVAだけあって崩れも殆ど無く良く動きますし。
コレを観た視聴者は、まさかこの後あんな展開になるなんて思いもよりませんから、まぁ、『トップをねらえ!』を文字通り「ハイクオリティだけどおちゃらけたパロディギャグアニメ」だと認識するでしょう。庵野監督がほくそ笑んでいる姿が目に浮かんでくるようです(笑)。

第2話では、そのおちゃらけたパロディギャグ的な雰囲気を保ちつつも、6年前に死んだノリコの父であるタカヤ提督が乗っていた、超光速宇宙戦艦るくしおんが太陽系付近に亜光速で接近してくるというお話に。
これを受けてノリコ、カズミ、オオタコーチが小型の亜光速艇で確認を行うという事になる訳でありますが、ここから『トップをねらえ!』という作品が単なるパロディギャグ作品から一歩先に進んでいく事になるのでありますね。
勿論、亜光速艇の発進シークエンスは『妖星ゴラス』のゴラス観測カプセルの発進シークエンスっぽかったり、コーチやタシロ提督が話しているシーンの後ろでカシャカシャ回っているテープ式のコンピュータなんかは50年代、60年代のSF映画っぽいテイストだったりと様々な場所に様々な作品のパロディ・オマージュが組み込まれてはいるんですけどね。
亜光速で航行する事により、ウラシマ効果が発現。ノリコ達にとってはほんの10分ちょっとの出来事が、地球では半年以上もの時間が過ぎてしまう。それは亜光速で飛んできたるくしおんも然りで、15年前に消息を絶ったるくしおん艦内では、まだ2日しか時間が経過していなかった。ノリコは第1艦橋を目指すが、しかしそこは宇宙怪獣に破壊された後だった……。
非常に、切ない話であります。
しかし、『トップをねらえ!』は、この「ウラシマ効果」をひとつの軸に、展開していく事になる訳ですね。

第3話と第4話では、超光速宇宙戦艦ヱクセリヲンを旗艦とする宇宙艦隊と人類を脅かす敵である宇宙怪獣の戦いとなる訳であります。
この作品の世界の宇宙はエーテルで満たされているという事になっており、宇宙戦艦もエーテルの抵抗を抑える流線型、爆発等もエーテルを通して衝撃波として伝わってくる等、作画演出に説得力を持たせる設定として機能しているように思います。
そうして描かれる、宇宙を航海するヱクセリヲン乗組員達の日常。艦が揺れたり、航路を確認したり、広大な艦内を列車で移動したり、ワープ中に肝試しをしてみたり、大目玉をくらって甲板のレーザー砲のレンズ磨きをさせられたり。いやぁ、何といいますか、航海モノはいいぞ、と(笑)。
それにしてもえげつないのは宇宙怪獣でありますよ。海棲生物っぽい見た目も然ることながら、恒星を繁殖場所としてエネルギーを喰い尽くし、次々と星を殺しながら地球人類を目指すえげつないその姿は、「怪獣」というネーミングではありながら、ゴジラやウルトラ怪獣達のような愛らしさは一切ありません。人類絶対殺すマンですよ、人類絶対殺すマン!

この2話でノリコは初恋を経験したり初出撃を経験したり想い人の死を経験したり特訓したり未完の最終兵器で出撃したりする事になる訳で何かと忙しいのではありますが、しかしやはり、初恋の相手であるスミスとの離別や憧れのお姉さま・カズミにコンビ解消を言い渡された挫折が、第4話でのガンバスター発進のカタルシスに集約されるという構成になっている訳でありますよね。
ここでポイントになるのが、ガンバスターがあんなに格好良い音楽をバックに発進するのにアフターバーナーが昭和のガメラっぽいショボい表現になっている……という事では無く(笑)、ガンバスターのカラーリングが宇宙戦艦るくしおんと同じものになっているという点であります。
ガンバスターの設計をしたのはタカヤ提督の部下だったオオタコーチで、その操縦種はタカヤ提督の娘であるノリコ。そしてそれがるくしおんと同じカラーリングになっているというのは、オオタコーチの想いを感じざるを得ませんよ……!
そうして、「努力と根性」を一つのキーワードに進んできたノリコの成長物語はガンバスターで火星軌道付近にまで迫った宇宙怪獣を倒す事で完結する訳でありますが、しかし物語はまだあと2話、残っている訳でございます……!
パロディ、オマージュ的には、ヱクセリヲン艦隊に宇宙戦艦ヤマトがどさくさにまぎれて混じっていたり、宇宙を航行している宇宙艦隊群が特撮セットの吊り操演で動いているかのような挙動をしたり、ガンバスターが飛んでいく際にマッハバロンのようなポーズを取っていたりする部分がポイントでしょうか。作品は大真面目なノリではありますが、しかし制作スタッフは爆笑しながら描いていたとか(笑)。

因みに、OVA展開をしていた本作、売れなかった場合はこの第4話で打ち切りという事になっていたのですが、売れ行きも好調だった為残りの2話の制作が決定したという話があります。いやぁ、売れてくれて本当に良かったっすよ。80年代の先輩オタクの方々が買ってくれたから、管理人のような後追い組が完全な形で観れる訳でありますからね……!
80年代、90年代のOVA作品は、売れずに打ち切りで尻切れトンボみたいになってしまった作品が多数ある訳で、『トップをねらえ!』でそれが起きなくて本ッ当に良かったですよ。
よく、5話・6話は「後付けで制作された」という事が言われたりもしているのではありますが、庵野監督ら製作スタッフは、第6話のエンディングから逆算して構成しているという旨の事を言っているので、やはり制作意図としては初めから全6話構成だった訳なのであります。一応第4話はクライマックスっぽくはなっていますけれども、でも制作意図通りの構成で観たいですもん。

さて、第5話ではそれまでとは雰囲気がガラッと変わります。
太陽系を離れ、超光速で航行していたヱクセリヲンに乗っていたノリコとカズミにとっては僅か数ヶ月の航海でしたが、ウラシマ効果によって地球では10年の月日が流れてしまっていました。そこでノリコは同級生で親友のキミコに再会するのですが、彼女は結婚してお母さんになっていたのでありました。
切ない。実に切ないお話なのではありますが、しかしコレ、なんだか身につまされるようなお話なんですよね、これがまた。この話に於ける「ウラシマ効果で10年取り残されてしまったノリコ」というのは、まるっきり視聴者である「オタク」のメタファーにもなっている訳でありますよ……。
10年の間で、学生の時に一緒に馬鹿やっていた友達も結婚して家庭を持ったりもしている。翻って、自身は相変わらずオタクのまま。社会人になっても相変わらずにオタクをやっているのは自分だけなのでは無いか、という得体のしれない寂しさと焦燥感に駆られるのは何故でありましょうか。いや、「オタク」として突き抜ければそれでも良いのではありますが、しかし管理人も時々こう感じてしまう時があるんですよね。「俺は、このままオタクを続けていて良いんだろうか」と。
トップをねらえ!』という作品は、全面的にオタクの方向へ向いた作品ではあるのですが、こうして成人オタクの心を確実にえぐってきたりする、恐ろしい作品でもあるんですよ(笑)。
諸々のスタッフインタビューなんかをみると、どうやら企画・原作の岡田斗司夫さんや、脚本の山賀さんは割と意図的にオタクの自虐を盛り込んだとらしいのですが、一方で庵野監督は特にそういう意図を持って演出していたという訳では無いようです。そのあたりの制作者間での空気感の違いもあって、なかなかどうして興味深い話でありますよね。

第5話での物語は、数億という天文学的単位で太陽系に迫りくる宇宙怪獣軍団に人類はどう立ち向かっていくのか、という話になります。
ここでの地球帝国宇宙軍の首脳陣が志村喬やら香川良介やらによく似た顔の軍人達で構成されており、往年の東宝の戦争映画というか『日本のいちばん長い日』のような雰囲気なのに、卓上に松本メーターが置いてあるというなんともシュールな図だったりもするのですが、結局オオタコーチの発案で廃艦となったヱクセリヲンの縮退エンジンを暴走させてブラックホール爆弾として敵にぶつけるという作戦が採用され、その護衛にノリコとカズミのバスターマシン1号&2号が付く事になる訳であります。
しかし、オオタコーチは宇宙放射線病(宇宙戦艦ヤマト』で沖田艦長が罹患していた病気と同じ病名です。)に侵されており、亜光速で航行するガンバスターで出撃するノリコ・カズミは、もう二度とコーチに会えないかも知れない。作戦中、どんどん経過していく時間に耐えられず、コーチを恋い慕っていたカズミは作戦を放棄してしまおうとするのだが、ノリコの魂を込めた説得により、自らの使命を再認識。「合体しましょう!」という声と共に、ガンバスターに合体。宇宙怪獣軍団を相手に、一騎当千のその力を披露するのであった!
……いやぁ、熱いッ! 第1話の段階からは、こんな熱い展開になるなんて思いもしませんよね(笑)。
この戦闘シーンは挿入歌「トップをねらえ! 〜Fly High〜」がかかり、日高のり子と佐久間レイの迫真の演技と絶叫、そして非常にハイクオリティな戦闘の作画演出等、全てが噛み合って相乗効果を発揮した伝説的なシーンになっている訳であります。ガンバスターがコン・バトラーVみたいな動きをしたりゲッターロボみたいな動きをしたりウルトラセブンみたいな動きをしたりしているのですが、それを笑っているような余裕は全く無く、ただただ圧倒されるばかりであります。
恐らくこのシーンが、パロディやオマージュを超越した庵野演出の真骨頂なのでありましょうねぇ……。
そうして、地球に帰還した二人を、ちゃんと生きていたオオタコーチが迎えてて、ハッピーエンドです、めでたしめでたし!
いや、あともう1話残っていますが。

そうして、最終話である第6話。
サブタイトルである「果てし無き、流れのはてに…」は、小松左京のSF小説『果てし無き流れのはてに』からの引用であります。最終話がSF小説のタイトルからの引用となっているのは後のGAINAXオリジナル作品の伝統にもなっておりますね。
この最終話では画面が白黒になり、演出も全編通して古い映画風になっております。銀河を舞台としての、人類と数十億の宇宙怪獣との戦いが描かれます。
いや、もう深くは語りません。
さよならは言わないわ、行ってきます」というカズミの台詞と「帰ってきたら、おかえりなさいと言ってあげるわ」というユングの台詞、ノリコの「ごめんキミコ、もう会えない!」という台詞、そして1万2千年後の「オカエリナサト」、その直後のカラーになる一瞬が、もう総てであります。管理人も久方ぶりに観たら、もう感涙してしまって……(笑)。
第1話でロボットが筋トレしているおバカな映像からたった3時間(一気観したら)でこの感動巨編でありますから、もう本当に凄まじい作品でありますよ。「炎の熱血友情ハードSF宇宙科学勇気根性努力セクシー無敵ロボットスペクタクル大河ロマン!!!!!」というキャッチコピーは伊達では無いッ!
勿論、『日本沈没』同様の「この地域には被害が無い」テロップや、宇宙戦艦エルトリウムの椅子が『スーパーロボット マッハバロン』の国際科学救助隊KSSの椅子と同じモノになっているなど最終話で感動巨編だからといってパロディ・オマージュが無くなるという訳ではありません(笑)。木星をブラックホール爆弾にして銀河系の中心ごと宇宙怪獣を殲滅するというのも、木星を犠牲にして地球人類が助かるという『さよならジュピター』オマージュですしね。
しかしながら、宇宙戦艦エルトリウムを旗艦とする「銀河中心殴り込み艦隊」というネーミングは、もう人類はヤケクソになってしまったのかと思ってしまいますが(笑)。

感涙っすよ……。

オタクに向けた作品でありながらオタクに対する毒をも盛り込んで進行し、最後は壮大な大河ロマンとなって完結した『トップをねらえ!』というこの作品でございますが、本当に良い作品でありますよね。管理人は大好きであります。
単純に作品として観ても面白いですし、オマージュやパロディの元ネタと照らし合わせて観るのもまた面白いですし、本当にオタクががオタクに向けて創った作品であるという事が画面からにじみ出てきてきてやみません。
GAINAX的には、本当は全編第1話のようなパロディギャグ路線で行くつもりだったそうなのですが、庵野監督の意向もあって現在世に出ている形となったそうであります。
その為、美術スタッフに泣きながらロッカーを蹴ってリテイクを懇願した庵野監督の話とか、ノリノリで樋口監督が絵コンテを切って原画スタッフがそれを実現する為に四苦八苦したとか、最終話を白黒にしたせいで色彩設定が困難を極めたとか、制作に於ける紆余曲折やらスタッフ間の軋轢等、やたらギスギスした当時の制作現場についての話も出てきたりもする訳であります(笑)。
音楽を担当した田中公平先生などは、パロディギャグ作品のつもりで作曲していたらいつの間にかSF大河ドラマになっていて、「こうなるんだったら最初から言ってくれ!」と絶叫したとかしていないとか(笑)。

そういった感じで、『シン・ゴジラ』公開の予習として『トップをねらえ!』について長々と書いてきた訳でありますが、いかがでしたでしょうか。他にも、庵野監督による音楽演出であるとか、画面構成やレンズの再現や、ここまでで言及していなかった台詞やシーンの元ネタについて等、まだまだ書きたい部分はありますが、それらを書いていくと本当に収集が付かなくなってきそうなので、取り敢えずこれくらいにしておこうかなと。このような長大な記事になってしまうあたり、やっぱり俺は『トップをねらえ!』が、庵野秀明監督の作品が大好きなんだなぁと、改めて実感するしきりであります(笑)。
皆さんも『シン・ゴジラ』予習として『トップをねらえ!』を観るというのも一興ではないでしょうか。
3時間程度でサクッと観れるので、未見の方も是非!(未見の人はここまでのクソ長い記事を読みませんかそうですか。


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『涼宮ハルヒの憂鬱』という名の青春 

新年度に入って早くも1ヶ月半以上が経過致しました。ゴールデンウィークが終了を迎えてそろそろ梅雨の足音も聞こえ出し、色々と憂鬱な感じになってくるような時期でございますね。
憂鬱といえば、そうだね。『涼宮ハルヒの憂鬱』だね!
と、いう訳で本日は、『涼宮ハルヒの憂鬱』について、書いてみようかなと思うところであります。宜しくお願い致します。……導入が強引過ぎやしないか、今回!?
いや、まぁ、5月に入って久しぶりになんだか『ハルヒ』が観たくなってチマチマ観ていたというだけの話なんですけれども(笑)。
しかしながら遂に、当ブログで『ハルヒ』について書く時がやってきたのでありますなぁ……。

涼宮ハルヒの憂鬱

涼宮ハルヒの憂鬱』は、2003年に角川スニーカー文庫レーベルにて刊行された、谷川流原作・いとうのいぢイラストによるライトノベル作品で、アニメ版は06年の4月より、石原立也監督・京都アニメーションの制作で放送されました。その後、2期「改めて放送版」として、09年の春には新作14話を加えた全28話が放送、翌10年の新春には、劇場版である『涼宮ハルヒの消失』が公開される運びとなりました。
いやぁ、06年の4月期開始アニメッ! 今からもう10年も昔ッ!! 何が憂鬱かって、俺ァそれが一番憂鬱だよ……!
同年のアニメとしては、『ゼロの使い魔』、『ひぐらしのなく頃に‎』、『いぬかみっ!』、『武装錬金』、『無敵看板娘』、『すもももももも 地上最強のヨメ』、『コードギアス 反逆のルルーシュ』、『タクティカルロア』など……。マジかよ、あの『人造昆虫カブトボーグ V×V』や『MUSASHI -GUN道-』からもう10年!?
普段は70年代や80年代のアニメとか60年代の東宝特撮映画を好んで観る管理人も、結局のところは00年代に中高生だった世代なので、やっぱり、『ハルヒ』には少なからぬ思い入れがあるんですよねぇ。前にも当ブログで書きました通り、アニメオタクにはそれぞれ「俺達の世代のアニメ」があるものなのですが、管理人らの世代にとってはそれが『ハルヒ』だったという訳でございますよ。

俺達の世代を代表するアニメは何だ!? -怪獣の溜息

懐古っぽくはなりますが、しかしながら00年代中盤に中高生だったアニメファンにとっては、多分『ハルヒ』って衝撃的な作品であったと思うのですよ。
管理人も同級生らと作品内容についてあーだこーだの議論を交わしたりもしまして、ネットで膨大に紡がれる『ハルヒ』の二次創作SSを読み耽ったりもした訳であります。関西の大学に進学してからは、アニメ版のモデルになった場所への聖地巡礼にも行きましたし、やっぱりなんだかんだで管理人も大好きな作品なんですよねぇ……。

また、『ハルヒ』と同時期に動画サイトYoutube等の勃興があったりもして、そういった動画サイトに(違法)アップロードされた作品本編が爆発的な再生数を稼ぎ、廻り回って現在のアニメの公式配信の礎となったり、『ハルヒ』以降明らかに深夜アニメに於ける作画・背景美術の質が上がったりもする等、アニメ業界へ与えた影響も少なくは無い訳です。
作品の人気や後に与えた影響等を鑑みるに、管理人らの世代にとっては上の世代に於ける『宇宙戦艦ヤマト』、『機動戦士ガンダム』、『新世紀エヴァンゲリオン』といた作品達と同格の、まさに「俺達の世代を代表するアニメ」なのでございます!
……異論反論あるかとは、まぁ、思いますけれども(笑)。

さて、そのあらすじはこんな感じでありました。

「サンタクロースをいつまで信じていたか?」なんて事は、他愛の無い世間話にもならないくらいのどうでもいい話だが、俺がサンタなどという想像上の赤服爺さんを信じていたかというと、最初から信じていなかった。子供ながらにクリスマスにしか仕事をしないジジイの存在を疑っていた賢しい俺なのだが、宇宙人や未来人、幽霊や妖怪や超能力者や悪の組織やそれに対抗するヒーロー達がこの世に存在しないという事に気づいたのは相当後になってからだった。いや、本当は気付きたくなかっただけなのだろう。俺は、宇宙人や未来人や超能力者がフラリと俺の前に現れるのを望んでいたのだ……。
中学を卒業する頃には、俺はそんなガキな夢を見る事からも卒業して、この世の普通さにも慣れていた。俺は大した感慨も無く高校生になり、そいつと出会った……。

「東中出身、涼宮ハルヒ。ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者が居たら、私の所に来なさい! 以上」

誰もが冗談だと思っただろう。結果から言うとそれはギャグでも笑いどころでもなかった……。
こうして俺達は出会っちまった。しみじみと思う。偶然だと信じたい、と。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
何をやらせても完璧にこなしてしまうが非常にエキセントリックな言動を取るその涼宮ハルヒという女の子には、本人が無意識のうちに願望を実現してしまうトンデモ能力があった。
ハルヒは、主人公であり本作品の語り手であるキョンとの何気ない会話をきっかけにSOS団(世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団)を立ち上げる。そうして、あれよあれよという間に、銀河系を統括する肉体を持たない情報生命体「情報統合思念体」のコンタクト用人型端末である長門有希、涼宮ハルヒが原因であるとされる次元断層の究明の為に未来から派遣された朝比奈みくる、涼宮ハルヒによって付与された異能力を使う「機関」と呼ばれる組織に所属する古泉一樹の3人が、涼宮ハルヒの手によってSOS団に集結してしまった。
そうして、穏やかなるキョンの日常は、劇的に変化していくのであった……。



物語の構図としては、男の子が女の子に出会うというボーイ・ミーツ・ガールものであると言えるでしょう。そこにSF的な味付けと、90年代の終盤から続いてきていた、いわゆる「セカイ系」の文脈を加味して、この『涼宮ハルヒの憂鬱』は構成されていると思います。
この作品の面白さは何か?
と言われると、正直なところこの作品にまつわる06年当時の様々な思い出やらひたすら読み耽った二次創作SSやら動画サイトで見た関連動画等もひっくるめた一連のムーブメントと切り離して考える事がもう管理人には出来ないのですが(笑)、この作品の面白さは、高校の1室に宇宙人、未来人、超能力者が集まって面白おかしく日常を謳歌しているという1点に集約されるんじゃないかと思うんですよね。「嗚呼、俺もこんなオモシロ設定を持った奴らと一緒に部活動をやりてぇな」と、そう思わされてしまう訳ですよ。
テイストとしては「文化部もの」というジャンルになりますか。類似するテイストで言えば、80年代のゆうきまさみ先生の漫画作品『究極超人あ~る』等がある訳ですが、『涼宮ハルヒの憂鬱』はその延長上にあるような気もするんですよね。そういった意味で『ハルヒ』は、『げんしけん』や『けいおん!』なんかとも姉妹作のような関係にあるような無いような、そんな気がします。
また、ハルヒの「願望を実現する」という舞台装置めいた能力とハルヒ自身の、「自分の周囲こそが世界で一番面白くて、何でもできる、何にでもなれるという感覚と、現実が示すその否定」から来る世界への失望と「ここでは無いどこか」に行きたいとする気持ち、それに対するキョンの「そうじゃない、この世界も案外捨てたもんじゃねぇんだよ」という回答が、結局のところこの作品のキモになっているとは思うのですが、わりとこの辺りは拗らせた中高生(管理人を含む)に共感を持って受け入れられたんじゃなかろうかとも思うんですよね(笑)。それは、いわゆる「セカイ系」と呼ばれる作品群に対するひとつのアンサーでもあり。
どうしようもないモヤモヤとしたやり場のない閉塞感に満ちた気持ち。まさに「憂鬱」と呼ぶに相応しいのですが、『ハルヒ』はそういった気持ちを代弁・昇華してくれたと、そういう気持ちがあったんじゃないかと、今になってみて思うんですよね。当時はよく分からなかったのですが(笑)。
上の世代にとってどうだったかは分かりませんが、管理人ら中高生のアニメファンだった世代にとって、『涼宮ハルヒの憂鬱』という作品は、大いに共感を持って受容され、だからこその人気作となったという事が出来るのではないでしょうか。

他方、1アニメ作品としての『涼宮ハルヒの憂鬱』は、どうだったのか。
まず度肝を抜かれたのはその放送形態でした。
第1話は「朝比奈ミクルの冒険 Episode:00」。ハルヒらSOS団の面々が文化祭の出し物として制作した映画というとんでもないもので、様々な「自主製作映画あるある」が詰め込まれたモノだったのですが、新しく始まったアニメの第1話でこんなのを見せられたらもうひたすら困惑するしかないじゃないっすか!
困惑した頭で翌週の第2話を観ると本来の第1話に相当する話が来るのですが、第4話に再び第7話に相当する時系列の話が入り込み、以降は物語の本筋を進めつつ合間合間にその後日談となっている話を挿入するという時系列シャッフル方式で進んでいくという、なかなかに斬新な放送形式が採られていたのでありました。
いやぁ、管理人も第1話で「何じゃコリャ!?」とはなったのですが、その謎さに惹きつけられてあれよあれよと続けて観て行った感じでありましたよ。今見返すともう懐かしさしか無いんですが(笑)。
この構成は絶妙としか言いようが無く、後日談相当話がキャラクターの掘り下げと本筋相当話の伏線としても機能しており、結果的に原作既読者にはサプライズを、アニメから観始めた人には真新しさを、それぞれ提供する形となっていたと言えるのではないでしょうかね。
まぁ、09年放送版の時は時系列順の放送ではありましたが、悪乗りしてループ構造の話である「エンドレスエイト」を8回も続けて放送したりしてヒンシュクを買ったりもしましたが(笑)。

構成はそのように奇想天外な感じだったのではありますが、作品の演出としては非常に丁寧で教科書通りとさえ言えるような堅実っぷりだったと思うんですよね。これは、京都アニメーション制作のアニメ全般に言えるんですけれども。
話の流れに沿った暗喩表現や色調、天気に至るまで緻密に画面内の情報を計算された上での演出が為されており、映像作品として非常に優れているという事が言えるでしょう。外連味のあるような演出や度肝を抜くような作画も特に無いのですが、それも作品世界にマッチしての事であり、原作を忠実に映像化している好アニメ化作品としての評価は非常に高いです。
作画面も非常に高品質であり、06年当時の同時期の深夜アニメ作品に比べて頭一つ飛びぬけているクオリティだったように思います。

また、先述の通り『涼宮ハルヒの憂鬱』というアニメ作品が後に与えた影響というのも少なからずある訳です。
この作品のヒットにより、「文化部もの」が明らかに増えたような気がしますし、深夜アニメの作画水準も「ハルヒに続け!」とばかりに、全体的に向上したように思います(まぁこれは、技術・システムの向上という要因もあるとは思いますが)。まぁ、作画や背景美術のクオリティが向上するのは、アニメ業界にとっては痛し痒しだった部分はあるようですが……。

「作画のクオリティバブル」についてのお話 -怪獣の溜息

一番大きいのは、やはり動画サイトへの積極的関与ですかね。今では当たり前となっているアニメの公式配信も、『ハルヒ』の動画サイトからのヒットというのとは無関係では無いでしょう。まぁ、『ハルヒ』が無くても遠からず他のヒットしたアニメから似たような流れになっていったんでしょうけれども。
今もそうですが、深夜アニメというのは必ずしも全国区で放送されている訳ではありません。なので、ネットの動画サイトで視聴して作品のファンになるというプロセスが出来たのは、新しいアニメファンの獲得という点で非常に大きかったようであります。
結果として、Youtube等の動画サイトでの視聴が進んだ結果、作品の映像ソフトやキャラソンCD(オリコン上位に食い込む等といった現象も起きました。)の売り上げが伸びたという事にも繋がった訳でありました。どうやら海外盤の売れ行きにも少なからず影響していたようで、新しい市場開拓という観点もあるみたいなのですが。

と、まぁ、そういった感じで管理人としては思い入れも深い『涼宮ハルヒの憂鬱』という作品。それ故に、昨年に放送されたスピンオフ作品である『長門有希ちゃんの消失』なんかは割と同窓会気分で観ていたりもしたのですよ(笑)。そら10年も経ってるんだから、同窓会気分にもなりますって。
原作小説は2016年5月現在で11巻まで出ている訳ですが、ここ5年くらいは続巻の話も特に無く、公式の方も特にアナウンスは無かったのではありますが、今年の七夕にアニメの主題歌や挿入歌等を収録したサントラCDが出るようで、今後の新展開に繋がるのか、と、一部では囁かれている感じではあります。しかしコレも7月か、ううむ……!
ぶっちゃけて言うと、『ハルヒシリーズ』って、『憂鬱』が完成系で、その後のシリーズは壮大な後日談でもあるんですよね。それ故に、話の展開も難しいなと感じる部分も多々ありはするんですけれども、それでも新作をまた読みたいというのが本音ではあるんですよねぇ。
もはやアニメ1期の本放送から10年が経過し、ファンである管理人も完全に過去の作品で同窓会気分ではあるんですが、まぁ、気長に新作を待ちましょうやと、そんな気分になっていますかねぇ。

末永く、この作品と付き合っていきたいものであります。


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2016/05/20 20:15|SFアニメTB:0CM:4

やっぱり好きだ! 『超時空要塞マクロス』 

4月に突入しましたので、2016年の4月期開始アニメも順次開始しております。
そして今期は、『マクロスシリーズ』の最新作である、『マクロス⊿』も放送されておる訳でございますよ。管理人の住む地域では先日第1話が放送と相成ったのでありますが、やはり自分は『マクロスシリーズ』が好きだなぁと、痛感しきるような、そんな第1話でありました。
と、いう事で本日は『マクロスシリーズ』の第1作目、『超時空要塞マクロス』について、ちょいと書こうと思うところであります。
あ、『愛・おぼえていますか』では無く、当記事はあくまでTV版の方です。あしからずッ!

超時空要塞マクロス

超時空要塞マクロス』は、1982年から1983年にかけて放送されたSFロボットアニメでございます。この時期は丁度『機動戦士ガンダム』によるアニメブームが起きていた頃でもありました。「ガンダムに続け!」とばかりにリアルな戦争の概念をロボットアニメに持ち込んだ、俗にいう「リアルロボットアニメ」が隆盛してきており、『マクロス』もその流れを汲んだ、SF考証・軍事考証が為されている作品であります。
超時空要塞マクロス』以外の80年代頭のロボットアニメとしては、『宇宙戦士バルディオス』、『伝説巨神イデオン』、『機甲創世記モスピーダ』なんかが管理人は好きですかね。……どれも打ち切り・放送短縮の憂き目にあった作品じゃねぇか何てこった!

制作スタッフとしては、『宇宙戦艦ヤマト』にてアニメーションディレクターを務めた石黒昇監督がシリーズディレクター(監督)、『機動戦士ガンダム』にてSF設定・脚本を担当した松崎健一氏をシリーズ構成に据え、アニメ・特撮ファン層からアニメ界に入ってきた当時の若いスタッフ達の「やりたいこと」をふんだんに盛り込んだ制作体制となっておりました。
その後の『マクロスシリーズ』の総監督ポジションとなる河森正治監督はメカニックデザイン・絵コンテ・監修として参加していますし、後に『新世紀エヴァンゲリオン』の制作会社として名を馳せるGAINAXの中核スタッフが、各話演出や原画として参加していたりもします。
また、後に特撮作品に深く関わる事になる人達も多く本作の製作スタッフになっているんですよね。河森監督は特撮ロボット映画『ガンヘッド』でメカニックデザインを担当していますし、本作では各話原画を担当していた板野一郎監督は00年代の『ウルトラシリーズ』の3DCG演出を担当しています。同じく各話の原画担当の前田真宏監督は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のデザインに抜擢されておりますし、これまた同じく各話の原画を担当した庵野秀明監督は、16年夏公開の特撮怪獣映画『シン・ゴジラ』の総監督を務める事になりました。
超時空要塞マクロス』と特撮、なんとも不思議な縁でありますなぁ。それだけアニメ・特撮界で活躍する事になる才能のある人達が集まった、そんな作品だったという事が出来るのかも知れません。
尚、音楽担当は羽田健太郎先生。印象に残る劇中歌や劇判曲が非常に多い! ……特撮関連で言うと、羽田先生は『復活の日』や『さよならジュピター』の音楽担当でもあります。

さて、『超時空要塞マクロス』のあらすじはこんな感じです。

西暦1999年7月、太平洋上の孤島・南アタリア島に全長1200メートルもの巨大な宇宙戦艦が墜落した。宇宙戦艦に異星人の姿は確認されなかったが、人類の科学力をはるかに凌駕したそれは、オーバーテクノロジーによる技術革新をもたらすと共に宇宙での戦争を示唆していた。
人類は宇宙からの脅威に備えるべく、国境・人種・宗教・思想などの垣根を超えた地球統合政府を樹立。しかし、これに反対する勢力も少なからず存在し、「統合戦争」と呼ばれる戦乱も勃発し、長期化した。

戦乱が終結し、反統合同盟軍も一掃された2009年、改修の終わった宇宙戦艦……SDF-1マクロスは、進宙式を迎える。
しかしその日、地球付近の宙域に異星人の軍隊「ゼントラーディ軍」の艦隊が出現した。その存在を感知したマクロスの主砲が自動的に動作、ゼントラーディ軍の宇宙艦隊を撃破してしまう。マクロスは、ゼントラーディ軍と敵対する「監察軍」が仕掛けたブービートラップだったのだ。
この日人類は、未知の異星人との戦争へと突入してしまったのである。

ゼントラーディ軍の包囲網から脱出する為、マクロスは月の裏側への空間跳躍―フォールド―を試みる。しかし、フォールドの制御がきかず、マクロスは南アタリア島一体ごと冥王星起動付近に跳躍してしまう。
フォールドシステムは消失してしまい、通常推進での地球帰還を余儀なくされたマクロスは、シェルターに避難していた南アタリア島の住民達を収容し、地球へ向けての航海に出る。
闇を切り裂き、遠く輝く青い星を目指して……。



1999年7月に空からとんでもないモノが落下してきてその後大規模な戦争に繋がるというのは、やはり「ノストラダムスの大予言」が下敷きになっているのでしょうね。結果的にゼントラーディとの戦争で地球人類の大半は死滅してしまう事になっちゃいましたし。
しかしながら現在・2016年から見ると、1999年にマクロスが落ちて来る事も無かったですし、2009年にゼントラーディ軍が攻めてくるなんて事も無かった訳です。俺達はなんとも味気無ぇ未来に来ちまったもんだ……。

それはともかくとして、1990年生まれの管理人などは本作のヒロイン・早瀬未沙と同い年(学年で言えば早瀬さんの方がひとつ上なのですが)だったりもする訳でありまして、丁度09年の頃などは管理人も大学入学と同時期にSDF-1マクロスの進宙&第1次星間戦争の勃発という「フィクションと現実が交差する奇妙な時間」を過ごしているという感覚を覚えていたりもする訳です。特に自分と同じ年の生まれという設定のキャラが居ると、物凄く親近性を持ってしまいますよね(笑)。
そして、『マクロスシリーズ』の年表に於いて今年・2016年の7月には、一条輝君や未沙さん、そして第1次星間戦争を終結に導いた伝説的歌姫であるリン・ミンメイを乗せた宇宙移民船メガロード-01が銀河系中心部にて消息を絶つというイベントが控えている訳でございますよ……。いやぁ、何とも言えませんなぁ。
完全後追い視聴組の管理人ではありますが、「登場人物と同世代」というのは、近未来を描いた作品に於ける、リアルタイム視聴世代に無い後追い世代の特権であると思うところであります。

さて、実のところ、『超時空要塞マクロス』という作品、管理人は大好き作品なのではありますが、しかし「優れている作品か?」と聞かれると、「う~ん……」となっちゃうんですよね(笑)。
物語的には戦いしか知らない異星の巨人と文化を持つ地球人類が、戦争の果てに融和するという異文化交流モノという事が出来ます。そこに「」、「アイドル」、「恋愛ドラマ(三角関係」といった要素が絡みこんで来る訳なのですが、正直なところそれらの要素が結構散漫になっちゃっている感が否めないんですよね。
新しい事をやろう!」、「好きな事をやろう!」というスタッフの意気込みが結構空回りしちゃっている感じも無きにしもあらず、といったところでしょうか。本来であれば2クール目で最終回となるところが、玩具展開の売り上げが好調だったという理由で1クール分引き伸ばされてしまったというのも痛い所であったと思います。
更に、作画の面では、当時のTVアニメの水準から見ると最高級の作画があった後に当時のTVアニメの水準からみると最底辺(単にキャラクターの絵が微妙になるだけでは無く、映像そのものが作画枚数不足でカクつく「電動紙芝居」と揶揄されるほどのモノもありました。)の作画があるなど、作画のバラつきも非常に気になります。近年の『超時空要塞マクロス』BD発売の折には、「当時最高の作画と最低の作画がBDの超高画質に!」等と言われてしまったりもした訳です……(笑)。

しかしながら、そういったアレな部分も多々ありながらも、戦闘機がロボットに変形するという可変戦闘機のシステムと、アクロバットなミサイルが乱舞するスピーディーな戦闘描写、「宇宙戦艦の中に街がひとつ入って、そこで人々が暮らす」というセンスオブワンダーな展開、そして何よりも「歌で戦争が終わる!」という荒唐無稽な物語を強引に魅せ切る構成は見事なものでありまして、管理人の心を鷲掴みにして離さんのです。考えてみたら、航海モノ、巨人、異文化交流、宇宙戦艦、戦闘機と、管理人の好きな要素がこれでもかというくらいに詰め込まれている訳で、好きにならない方がおかしいという話もありますが(笑)。
特に「異文化交流」の部分は、ゼントラーディが地球の文化を知っていく過程がかなり丁寧に描かれており、非常に面白い出来になっていると思います。引き伸ばしになった1クール分も、「終戦後の、人類文化に溶け込んだ、或いはなかなか馴染めないゼントラーディ人たち」が緻密に描かれており、世界観に深みを与える味わい深いものになっていると思うんですよね。

本作の主役メカとも言えるバトロイド(人型ロボット)に変形する「VF-1バルキリー可変戦闘機」は、実在するF-14トムキャット戦闘機をイメージモデルとしつつ、ロボットから戦闘機への変形を逆算してデザインが為されたそうであります。
バルキリーの玩具制作中に偶然バトロイド形態とファイター(戦闘機)形態の中間形態であるガウォーク形態が発見され、そのままアニメにも登場となったという冗談みたいな話もあるのですが、兎に角ファイター、ガウォーク、バトロイドの三形態に変幻自在に変形する戦闘メカは、そのスピーディーな戦闘演出とも相俟って滅茶苦茶格好良いんですよね。先述の通り完全変形を再現した玩具は当時人気を博して番組延長の要因にまでなったほどですし(笑)。いや、管理人も子供だったら憧れますもん、こんな戦闘機!

VF-1ガウォーク形態

近年は『マクロスシリーズ』を題材としたゲームも登場し、3形態に変形するメカを操縦する事も出来るんですよね。
管理人も実際にそういったゲームでVF-1を操縦する事もある訳ですが、ガウォークの汎用性が兎に角高いんですよ(笑)!
ガウォークは戦闘機というよりは攻撃ヘリに近い運用の仕方だったりするのではありますが、空対地攻撃は勿論、ドッグファイトにもある程度は対応可能、更には近接戦闘(殴り合い)までこなすことが出来る! 敵機の居る現場まではファイター形態で飛んで行って、会敵したらガウォークに変形、臨機応変にガウォークとファイターを使えるようになれば、あまり操作が上手く無くてもなんとかなんとかなるんですよね。でも、上手い人はちゃんと形態を使い分けてより良いスコアを出しているんだよなぁ……。
そういったゲームで逆説的に、劇中で3形態を完全に使いこなせていたマックスやフォッカー少佐の「スゴ腕」っぷりが分かったりもする訳です。柿崎は変形があまり上手くなかったから全方位バリアの暴走に巻き込まれて死んでしまったんじゃ……。
変形」と言うと、宇宙戦艦であるマクロスが人型に変形するという奇想天外さも良いですよね。最初は居住区に被害が出るけど次第に住民も慣れていっているというのも面白い。

最後に、キャラクター面も少々。

よく言われているのは、戦争を終結に導く役回りであるミンメイが、割とワガママな女の子として描かれているという点でしょうか。『マクロスシリーズ』の2040年代頃になると「リン・ミンメイは伝説の歌姫だった!」みたいに語り継がれちゃっていたりもして、「ええっ……」となったりもする訳ですよ(笑)。
しかしまぁ、ごくごく普通の歌が好きだった女の子が宇宙戦艦の街でアイドルになり、果ては戦争終結の歌姫にまでなるというのは、考えてみると凄い話であります。マクロスの出航から戦争の終結まで1年ちょっとくらいの期間でありますから、ミンメイにとってはその実感が殆ど無かったというのが実情じゃなかろうかと思うんですよね……。そうした感覚のズレが第27話以降の「戦後編」での彼女の転落に繋がっていく……と。
しかし、宇宙戦艦の街に暮らすという、生活が大きく変わってしまう中でも天真爛漫に振る舞えるというのは、リン・ミンメイという女の子は天性のアイドルだったと言えるのかも知れません。

一方で、主人公の輝君は輝君で相当に煮え切らない奴だったりするんですよね。そりゃミンメイは気分屋でワガママ娘で振り回されてしまうというのはあるんですけれども、「戦後編」に於ける彼は優柔不断過ぎやしませんか、と。「優柔不断だ」と言われる今時の深夜アニメの主人公でももうちょっとちゃんとしてますって! いくらなんでも早瀬さんとのピクニックの約束をすっぽかしてミンメイに会いに行くのはいただけねぇぜ……!
超時空要塞マクロス』全体で見ると、輝君は主人公なのに「アイドル」や「異文化交流」、「可変戦闘機」等の要素に埋もれちゃっている感があるんですよね。作劇的に我を主張せずに割と空気みたいな扱いなんですもん……。キャラクターとしては、フォッカー少佐にマックスやミリア、柿崎にオペレーター三人娘やグローバル艦長、ワレラ&ロリー&コンダのスパイ三人組達の方がどう考えても立っているんですよねぇ。下手したら町会長さんとかにも負けているぞ、輝君! キャラクター的な影の薄さとその優柔不断な性格もあって、ちょっと感情移入し難い主人公なのかなぁと、思いますかね。
ある意味では、輝君は可哀相な役回りなのかも知れません。主人公なのに……!

さて、早瀬未沙さん。
上の方で「管理人と同い年だぜ!」と書きましたけど、作中の役回りとしては「お姉さん」なんですよね。仕事に恋に悩む一人の女性として描かれておりました。魅力的なお姉さんですよ。
最初の方は野暮ったい髪形の口うるさい女の上官という感じなんですが、輝への恋心を自覚し始めてからは弱さをさらけ出したり、作画もだんだん可愛らしい感じにシフトしていくという演出が為されていっておりました。
いや、多くは語りますまい。早瀬未沙、いいよね……。
そして、彼女には、輝君よりも感情移入できてしまいます(笑)。

こういった輝君が優柔不断過ぎたりミンメイがワガママだったりするような点は『愛・おぼえていますか』の方で改変・改善されているんですよね。輝君も男らしくなるし、ミンメイもプロ意識のある歌姫になっている。
こっちの方のミンメイなら伝説になっても然るべし、ではあるんですけれども、逆にTV版のミンメイが後世で伝説的な扱いになってしまうというのも、ある意味ではリアルなのかなぁ、とも思ったり(笑)。


と、いった感じで、『超時空要塞マクロス』についてダラダラと書き散らしてきた訳でございますが、当記事を作成したのは『マクロス⊿』の放送に際して『超時空要塞マクロス』を全話観直していたからだったりもするんですよね。
再視聴の結果、やっぱり俺、マクロス好きだわ、と、再認識するしきりでありました(笑)。
マクロスシリーズ』は全作品観ているのではありますけれども、シリーズで一番好きなのはやっぱりこの『超時空要塞マクロス』なんですよ。確かに粗も多く洗練されているとは言い難い作品ではあるのですが、それ以上に魅力的だと感じる部分が多いのであります。
それは、当時の若い制作スタッフのエネルギーがぶち込まれているからなのか、単に管理人の波長が合ったからなのか……。

マクロス⊿』の放送も非常に楽しみですし、また『マクロスシリーズ』が盛り上がっていくと、良いですね。


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【OP】


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2016/04/08 17:35|SFアニメTB:0CM:0

轟く重低音! 吹き飛ぶパンツァー! 破壊される大洗町! 戦車道、ここに極まれり! 『ガールズ&パンツァー 劇場版』  

戦車最高! 爆破最高! 砲撃最高! 大洗最高! お姉ちゃん最高!

・・・はい。皆さんどうもこんにちは。当ブログ管理人・飛翔掘削です。
ガールズ&パンツァー 劇場版』の公開日より観たい観たいと喚いていながらもなかなか観に行く事が出来ず、『ガルパン 劇場版』を観に行く夢まで見てしまうというアレな状態にまで陥っていた訳でありますが、先日とうとう観に行く事が出来ました。感激の到りでありますね。そのままの勢いで2夜連続で観に行っちゃったりしておりますが(笑)。もうあと数回は劇場で観ておきたいですかねぇ・・・。
いえね、『ガールズ&パンツァー』って、別に観たら知能が下がるような作品じゃ無かった筈なんですよ。なのに今回の『劇場版』では、文字通り「戦車最高! 爆破最高! 砲撃最高! 大洗最高! お姉ちゃん最高!」しか言えない身体になってしまっていたという、『マッドマックス 怒りのデスロード』を観た直後に「マッドマックスやべぇ!」しか言えなくなるみたいな状況に陥っていた訳でございます。どう考えてもおかしいよなぁ?

別にただ感想を述べるだけならもうここで記事を終わりにしちゃっても良いんですが、具体的に何が「最高!」だったかという備忘録も兼ねて、『ガールズ&パンツァー 劇場版』のレビュー記事を、作成していきたいと思うところであります。
宜しくお願い申し上げます。

ガールズ&パンツァー』という作品は、2012年に放送されたTVアニメであります。
管理人もミリオタとまでは行かなくともそこそこの戦車好きでありましたので、放送前に「なんか戦車アニメが始まるらしい」という事で公式ホームページを覗いたところ、管理人の一番好きな日本陸軍八九式中戦車がメイン戦車のひとつとして登場するという事を知ってしまい、「こいつぁ観ない他無いッ!」と感じて視聴を開始したのでありました。
しかしながらその紹介文には「女の子達のハートフルな日常」とか書かれていた為、同時に大変な不安も感じていたというのもまた事実です。同じ女の子と第二次大戦ミリタリー路線であった『ストライクウィッチーズ』が成功したと言え、『ガルパン』はその二番煎じ以上にはなれないんじゃないかとか、色々と思うところは、まぁ、あった訳ですよ。

で、蓋を開けてみれば。「戦車道」という武芸・スポーツを設定した事によって「女の子達の日常」と「戦車戦」が乖離する事無く見事に両立させ、物語も「強豪校から弱小校に転校してきた主人公を中心にチームが纏まっていき優勝を目指す」という超王道スポーツモノのフォーマットに則った形で展開していき、気付けば戦車にあまり興味の無い人達にもヒットし、舞台となった茨城県大洗町は『ガルパン』の「聖地」として賑わいを見せ震災からの復興に一役買っているといった状況になっており、10年代初期を代表するアニメのひとつにまでなっていたのでありました。管理人の大好きな八九式中戦車も大活躍しましたし!
いやぁ、史実では連合国側と枢軸国側で対立していた戦車達が仲良く隊列組んで行進するというのは、それだけで感動しますなぁ。・・・なんかデジャブを感じなくも無いですが。

そうして、テレビシリーズ終了後も漫画や小説、OVAといったメディアミックス展開を見せている中での今回の『劇場版』。一体、どのような作品として仕上がっていたのでありましょうか。
プロレスラーの蝶野正洋氏がCMに出てきたり、蝶野さんに加えて影山ヒロノブ、遠藤正明、山形ユキオ、宮内タカユキといったアニソン界の大物達が熱唱するイメージソングが作られるなど、ちょっとよく分からないプロモーションも展開してはいますが、銀幕で観る戦車戦は兎にも角にも大迫力である事間違い無しでありますよ!

ガールズパンツァー 劇場版


本作のあらすじは以下のような感じですかね。

第63回戦車道全国大会の優勝を記念したエキシビジョンマッチを終え、母校に帰ってきた大洗女子学園戦車道チームに告げられたのは、大洗女子学園の廃校だった!
これに抗議する生徒会長の角谷杏は文科省の役員と交渉、西住流家元である、みほの母・しほの助力もあり、戦車道の大学選抜チームに勝てば、廃校は撤回される運びとなった。大学選抜の隊長は、西住流のライバルである島田流家元の娘・愛里寿。実質的な西住流と島田流の直接対決がここに成立したのである。

しかし、戦車道全国大会を戦い抜いたとは言え、大洗女子学園戦車道チームの所有する戦車は、僅かに8輌。大学選抜の30輌の戦車軍団を前にはあまりに無力であった。
様々な困難を潜り抜けてきたみほにも、「今度ばかりは……」という思いが頭を過るが、試合開始直前、かつての対戦相手達が大洗女子学園戦車道チームへ加勢に駆け付けた!
そうしてここに、空前の戦いが幕を開ける……!



まず最初に度肝抜かれたのは、開始早々のエキシビジョンマッチであります。
炸裂する戦車砲、吹き飛ぶ戦車、そして破壊される大洗町! もうやりたい放題と言いますか、「よくぞやってくれたッ!」と(笑)。

3DCGで表現される戦車はテレビシリーズから引き続いて素晴らしく良く出来ておりまして、モデリングも然ることながら、各戦車の特徴を捉え、乗っているキャラクターの性格までも反映された、こだわり抜かれたその挙動は、日本アニメ史に残る屈指の3DCGアニメーション表現となっていたと思います。3DCGと併用して爆発エフェクトには作画を適時入れ込んだりもして、映像としての完成度を引き上げげられておりましたしね。
テレビシリーズから引き続き「スペック上はこの戦車はこんなに速度は出せない筈なんだが・・・!」というのはあるのですが、もうこんだけ「分かっている」人達が集まって(戦車考証には国内外の様々な軍事研究家や模型メーカーも参加していますし)創られているのだから、それは敢えての事であるというのが伝わってきますし、細部の描写がいちいちツボを押さえて作りこまれている訳で、やはりこの作品は登場する女の子達以上に戦車に燃えて萌えるアニメなのだという事を改めて認識させられるのでありました(笑)。

そして、冒頭からバンバン炸裂してくる、戦車の発砲音と爆発音! あれは劇場音響でなければ堪能出来ない、腹に来る重低音でありましたよ! 実に痺れます。
劇場版仕様として音の厚みが加わった劇伴音楽も、戦車戦を盛り上げるのに一役買っています。おなじみの「戦車道行進曲!パンツァーフォー!」をはじめ各学校のモチーフになっている国の軍歌や民謡が流れる箇所では、問答無用に気分が高揚します。いやぁ、音楽効果は絶大っすなぁ。
TVと比較すると劇場ではやっぱり圧倒的に「」の力が強くなりますよね。この「」の要素があるからこそ、より強く「もう1回『ガルパン劇場版』を観に行っておきたい!」という気にさせられるんでしょうなぁ・・・。

更に、戦車戦で破壊されていくこだわり抜かれた大洗町の描写!
大洗町全体を3DCGモデリング化したんじゃないかと思うくらい、グリングリン動く背景動画!
激戦区画となる町役場!
九五式中戦車が突貫攻撃をする大洗ゴルフ倶楽部!
流れ弾によって破壊され倒壊する大洗シーサイドホテル!
アクアワールド・大洗の破壊された建物の中から様子をうかがうペンギン達!
これは卑怯ですよ。こんなん見せられたら嫌でも「大洗町に行きたい!」って思っちゃうじゃないっすか!
聖地=破壊地」である怪獣映画と同じ感覚でありますかね。破壊されるカタルシスの中に『ガルパン』の「聖地」の真髄があると言っても過言ではありません。中には、「劇場版では是非ウチを破壊してください!」と申し出たお店やホテルもあったようですし(笑)。

更に更に、当たり前のように登場する知波単学園と継続高校の面々、そして聖グロリアーナのローズヒップさんとプラウダ高校のクラーラさん。
あんたら、さも「えっ、以前からずっと居ましたよ?」みたいな感じで馴染んでいるけど初登場ですよね!? そこはかとなく『人造昆虫 カブトボーグVxV』の第41話で突如登場した第4のレギュラーキャラ「シドニー・マンソン」みたいな妙な感覚でした(笑)。
一応、「存在していますよ」という事はTVシリーズやOVAを観ていれば分かる訳ではありますが、唐突に登場すると普通は違和感を持ってしまうものです。しかし、知らないキャラがワラワラと出てきてもガッチリと作品に馴染んでいるという説得力を持たせる演出力は、さすが水島努監督と言うべきなのでしょうかね。
いや、やっぱり否応なく言いくるめられたような感じがして卑怯です(笑)! 特に『ムーミン』シリーズの吟遊詩人スナフキンのような雰囲気を醸し出している継続高校のミカさん。あんた、何者だよ(笑)。

そんなこんなで冒頭から一気に作品世界に引き込まれる感じになっておるのですが、戦車道全国大会で優勝したにも関わらず文科省による強引な手順によって結局大洗女子学園の廃校が正式に決定し、学園艦から降りる事になったみほ達。
確かにTVシリーズでは、優勝はしたけど「廃校が免れた」とは一言も言われておりませんでしたが、この展開は「TVシリーズ&OVAでの、彼女達の戦いは一体何だったのか!?」とならざるを得ない展開ではありました。しかしまぁ、今回の劇場版の展開を考えると妥当な展開なのかな、と。確かに、TVシリーズでは優勝して日本一になってしまっている以上、「それ以上」の展開にしようとしたら、それこそ戦車道世界大会とかそういう展開になってしまう訳で。寧ろ、「理不尽な上層部の横やり」とか「やっぱり最後は戦車道で活路を開く!」という展開も、やっぱりスポーツモノの文脈ですからなぁ(笑)。

そういった、廃校という状況になってから初めて見れる、「いつものキャラ達の違った一面」が見れるというのもまた面白かったですかね。学校が無くなった途端にダラける風紀委員3人娘とか(笑)。
しかしながら、ボコボコに甚振られるクマの「ボコ」を愛でるというみほというのは、なんだか心の闇が見え隠れするようでもあり(笑)。いや、寧ろ主人公にこんなキャラ付けをさせる水島監督の方が闇を抱えてるんだよ! なんで作曲までしてるんすか(笑)!相変わらずこういうのが好きな人だなぁ・・・。
そして同時に、「戦車のある日常」が描写されていたというのもナイスでしたかね。
戦車で買い出しに行ったり、戦車を筋トレの器具として使っていたり(笑)。こういった、「戦車」という本来は人殺しの兵器が、その対極とも言うべき日常風景に存在しており、戦うでもなく生活に活用されているのは、なんかこう、込み上げてくるものがあります。戦闘用モビルスーツを日常生活に活用する描写もある『∀ガンダム』然り、こういうのは本当に良いですよね・・・。
迫力のある戦車戦とこういった日常生活が同居するというのが、『ガルパン』の大きな魅力でもある訳で、こうしてちゃんと戦車戦の合間に緩急をつける形で配置してくるのは見事という他ありません。

そうして、大洗女子学園の存亡をかけた、大学選抜戦車道チームとの戦いへ。
敵方の戦車が30輛に対し、大洗女子学園戦車道チームの戦車は僅かに8輛! しかも、一発逆転が狙えるフラッグ戦ルールでは無く、物量がある方が有利に立てる殲滅戦ルールでの試合。
圧倒的に不利な状況下で、「もはやこれまでか!」という雰囲気になったところに、かつての対戦相手であった黒森峰にプラウダ、そしてアンツィオにサンダースに聖グロリアーナ、更には知波単学園と継続高校までもが続々と大洗女子学園戦車道チームに加勢するのでありました。
いやぁ、ここはもう最高に盛り上がりましたねぇ! かつての対戦相手が助っ人としてやってくる。このドリームチーム感は、まさに劇場版ならではという感じがして非常に好きです。これほど心強いものはありません。これで戦車の数も30対30になったのでありました・・・。
特に、妹の危機に一番槍として飛んできたお姉ちゃん! 「あれ、まほさんってこんなに妹思いのキャラだったっけ?」という意見もネット上ではチラホラも散見されますが、しかしTVシリーズを注視すると、勿論、戦車道の対戦相手として相まみえる時は毅然として戦うという態度ではありましたけど、しかしまほさんは割とみほを心配し、肩を持つ感じで描かれているんですよね。ですので、管理人は「そりゃお姉ちゃんだもん、当たり前だよなぁ!」という感じで、なんだか凄く笑顔になりました(笑)。二人の幼少期の回想シーンなんかもまた微笑ましくて・・・。

それはそうとして、大学選抜チームは戦車の車輌数も然ることながら、戦車の種類も第二次大戦後期から末期に開発されて冷戦時代にかけても各国で長らく配備され続けた戦車が選ばれており、数の上でもスペックの上でもこれまで以上に強力な相手として設定されておりますね。
M24軽戦車などは戦後陸上自衛隊にも採用されて東宝特撮映画では水爆大怪獣ゴジラや大怪獣バランといった怪獣達やミステリアンといった異星人を相手に蹴散らされ果敢に戦っていましたし、センチュリオンとかに至っては様々な改造・改修を経て現在でも運用が続けられている国もある、ある意味現役の戦車ですし。
極めつけは要塞攻略用に開発されたカール自走臼砲! お前それ戦車じゃねぇだろ! なんてもん持ってくるんだ! 『コンバットチョロQ』かよ!
大学選抜でこれなのだから、資金の充実した社会人実業団チームや設立が示唆されているプロリーグは一体どうなってしまうのでしょうか・・・!

心強い味方が増えたとは言えそんな強力な大学選抜チームを相手に立ち向かうには、奇策を弄する他ありません。思えば、大洗女子学園戦車道チームは、相手に劣る戦車の数や性能差を様々な作戦を用いて突破してきたチームでありました。今回はそのみほの戦車道の集大成と言える戦いとなっていたと思います。
地形や構造物を最大限に利用し、敵戦車をひとつずつ撃滅していき、勝利する。
その戦闘の面白さは、ここでいくら文字数をかけて書いたとしても再現不可能なので、もう一回映画館に行くしか無いんですけどね(笑)! 劇伴音楽や劇場音響で轟く重低音の効果もあり、大迫力の戦車戦になっておりましたッ!

個人的に笑ったのは、うさぎさんチームが観覧車を破壊して戦場をひっかき回す一連のシークエンス。前回は『戦略大作戦』で、今回は『1941』かよ! と(笑)。いやぁ、『1941』は第二次大戦中に起きた「ロサンゼルスの戦い」事件をモチーフにしたスピルバーグ監督のドタバタコメディ映画で、最高峰のミニチュア特撮を堪能出来る映画だったりするのでありますが、まさか『ガルパン 劇場版』でこのネタが出て来るとは夢にも思いませんでした。「ミフネ作戦!」じゃねぇよ、腹痛いわッ! 戦争映画繋がりで言えば、パンフレットの裏表紙が『バルジ大作戦』のパンフレットのパロディになっているというのもまた(笑)。
また、知波単学園の面々が、同じ日本戦車という事で八九式中戦車を駆るあひるさんチームと行動を共にしていた訳ですが、八九式の後継車である九五式や九七式が八九式の後ろに並んでアヒルの行列のごとく走行していく姿は、何と言いますか、物凄く面白い絵面でありました。戦車萌えです。

全体を通しては、総勢40人を超えるキャラクターや20種類を超す登場戦車を余す所なく活躍させ、2時間という上映時間を緩急つけつつクライマックスを怒涛の迫力で描き切った痛快娯楽戦車映画だったと言えると思います。
ガールズ&パンツァー 劇場版』は、『ガールズ&パンツァー』のファンムービーとして、アニメ映画として、そして何より戦車映画として、非常に良く出来た作品として出来上がっていたのではないかと。多分ここまで戦車が大活躍する映画は映画史を通しても初めての事なのでは(笑)。

奇しくも明日・12月8日は、日米開戦の日であります。
戦後70年の2015年現在に於いて、こうした第二次大戦期の戦車が純粋なメカとして描かれるというアニメ映画が公開するというのは、いかに現代日本が平和なのかという事の証左と言えるのかも知れませんね。


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【予告編】


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2015/12/07 19:41|SFアニメTB:0CM:2

世界観の掘り下げ、そしてその先へ……。『ストライクウィッチーズ Operation Victory Arrow』総括 

去る2015年7月31日、『ストライクウィッチーズ Operation Victory Arrow Vol.3 アルンヘムの橋』の映像ソフトが発売されました。これをもって昨年秋から順次上映が開始された『ストライクウィッチーズ Operation Victory Arrow』も、取り敢えずは完結と相成った訳でございます。

ストライクウィッチーズ』シリーズについては当ブログでも度々言及しているように、管理人がリアルタイムで追いかけているアニメの中では・・・いや、多分全アニメ作品の中で一番好きな作品でありまして、本放送第1話からすっかり本作の虜となってしまい、諸々の関連作品やら関連本やら関連グッズなどを買い集めるなど、すっかりKADOKAWAの狗になってしまっている感もあります。もう一生搾取されてやるよ、という気概なのではありますが、しかし一方で最近は、
【パンツじゃないから恥ずかしくないもん!】なんてキャンペーンをやっているアニメ観ているのって、傍から観たら結構ヤバい人なのでは・・・
等と思い始めてしまっている自分も居ます。・・・今更かよ! という気もしますが、コレは管理人が歳を食って大人になったからなのか、それとも今まで感覚が麻痺していたからなのか・・・。
それはともかく、高校・大学の頃合わせて、この作品を観ていたというか追いかけていたという友人は周囲に1人しか居なかったという事で、いや、もっとハマっている人居てもおかしくないんだがなぁ、とか思っていたのでありますが、しかし大学を卒業してから、大学の頃の後輩や先輩が相次いで『ストライクウィッチーズ』にハマり出すという謎の展開を見せたりもしています。何故俺が在学中にハマらなかったんだ! そしたらもっとスト魔女談義が出来たのにッ!!

・・・さて、管理人のスト魔女事情はこれくらいにしておいて、『ストライクウィッチーズ Operation Victory Arrow』全体を通しての総括的なアレでも書きましょうかね。

ストライクウィッチーズ Operation Victory Arrow


ストライクウィッチーズ Operation Victory Arrow』というタイトルからも分かるように、本作は『ストライクウィッチーズ』のOVA展開作品でございます。「オリジナルビデオアニメ」を「勝利の矢作戦」としちゃうあたりが、なんともスト魔女らしいですなぁ。
昨今のOVA作品と同様、映像ソフトの販売の前に映画館での上映も行うというスタイルでありましたが、まぁ、映画館での興行収入と映像ソフトの宣伝を行うことが出来るという一挙両得作戦は、良いんじゃないっすかね。グッズの販売やら何やらも合わせると、ソフトの販売だけ行うよりも資金回収が捗りますし、映画館だって潤う、皆が幸せになれる興行形態であると思います。

ストライクウィッチーズのOVA」というと、スト魔女ファンの間ではやはり2007年版、通称「旧OVA」が想起されてしまうようであります。管理人もそうですし(笑)。
そちらの内容は、全体としてPVと世界観説明というものではありますが、あのOVAが初めて世に出た『ストライクウィチーズ』シリーズ初の映像作品という事で、制作陣からの期待はそこそこあったようですが、実のところそんなに注目されず、聞くところによるとTVアニメ化の話すら危うかったとの事(まぁそれは別の要因もあったそうですが。)・・・。そう考えると、ここまで展開が続いてくれて本当に良かったと思わざるを得ません。今となってはあの旧OVA設定のスト魔女も観てみたくはありますけれども。
しかしまぁ、なんだかんだで映像作品としては8年も続いているシリーズになっていますからねぇ。なかなかの長期シリーズっすよ。

さて本作『Operation Victory Arrow』。全体的には、作品世界観の掘り下げを主軸に据えたOVAシリーズだったと言う事が出来るのでは無いでしょうか。
管理人は、『ストライクウィッチーズ』シリーズの作品の魅力として、「世界観」というのがあると思います。毎回映像ソフトの付属ブックレットに様々な世界観設定と各戦線の状況が詳しく書かれていますし、関連作品である漫画版や小説版では、その「戦史」に沿いつつ各戦線のウィッチ(作品によっては一般兵達も)が、「私にできること」をそれぞれ果たしつつ、皆を守っている。そして、各作品の時間軸は、1937年~1945年の間に散らばっておりますので、時として他作品に登場したキャラクターの「その後」や「それ以前」を見る事ができるという、「クロスオーバー」的な要素も兼ね備えておる訳であります。
そうしたシリーズ全体の世界観が、この作品群の大きな魅力のひとつだと、管理人は思うんですよね。
この『OVA』では、そういった各戦線で戦っているウィッチや人類統合軍上層部、そして民間人など、これまでの『ストライクウィッチーズ』シリーズの映像作品ではあまり深く描かれて来なかった部分にもスポットが当てられておりました。


Vol.1 サン・トロンの雷鳴』では、シリーズ最初期の作品である、故・ヤマグチノボル先生による小説『ストライクウィッチーズ スオムスいらん子中隊』の登場人物でもあり、映像作品に於いては『2』の第4話以来となる、エーリカ・ハルトマンの双子の妹であるウルスラ・ハルトマンと、京極しん先生による漫画『ストライクウィッチーズ キミとつながる空』及び『劇場版』に登場した世界最強クラスナイトウィッチであるハイデマリー・W・シュナウファーが登場。
流れとしては、サン・トロン基地に再び配属となったカールスラント組のところにウルスラがジェットストライカーのテストの為にやってくる、というお話でありました。

2』4話の一件から、ジェットに懐疑的でお姉ちゃんを案じるエーリカ、ジェット実用化の為に再びテストパイロットを引き受けるお姉ちゃん、アマゾナス(我々の世界でのブラジルに相当)のコーヒーで懐柔されてしまうミーナさん・・・。三者三様の反応を示しながらも、滞りなくテストは進み、益々不機嫌になってしまうエーリカ。
カールスラント南部の民族衣装であるディアンドルを着てドヤ顔からの赤面お姉ちゃんが、かわいい。で、ネウロイ出現の報を受けてそのままの格好で出撃しちゃうお姉ちゃんかわいい。
今回の敵は、積乱雲に潜みつつ、攻撃してくる厄介なネウロイ。
そこで、隊長という立場上これまでの映像作品ではなかなか戦闘シーンでの見せ場が無かったミーナさんが、固有魔法である空間把握能力も駆使しつつ空戦で大活躍! ・・・よく考えたら、ミーナさんがこれまでの映像作品でネウロイを撃墜したのって、『2』第7話のアレだけだったのでは・・・。それはそれで酷い話であります(笑)。
最後は、仲間のピンチにジェットを履いたエーリカがウルスラとのコンビネーションでネウロイを撃破。
宮藤に写真を送るも、やっぱりディアンドルでドヤ顔のお姉ちゃんかわいい。

お姉ちゃんは普段よりテストパイロットをやっているという設定もあり、それが具体的に映像化された話でもありましたね。『2』の第4話は、ジェットストライカーのテストというよりは「レシプロVSジェット」みたいな話でしたし。
また、最前線基地の日常や、後方での兵器開発が描写されていた、そんな一篇となっていたと思います。「2009年春」は、もう来ないというのは悲しいのですが、『サン・トロンの雷鳴』を足がかりに、『いらん子』から1945年までのウルスラが過ごした時間に思いを馳せるのも悪くないですね。


Vol.2 エーゲ海の女神』では、原作者の一人でもある鈴木貴昭さんと漫画家の野上武志先生による同人誌、漫画及び小説等の複合展開を見せている作品群『ストライクウィッチーズ アフリカの魔女』シリーズから、アニメ『2』第10話にも登場したアフリカの星ことハンナ・ユスティーナ・マルセイユとその僚機を務めるライーサ・ペットゲンが登場、更にはマルセイユの元上官であるエディタ・ノイマン、そしてエルンスト・ロンメル元帥(言うまでもなく、我々の世界に於ける砂漠の狐・ロンメル将軍がモデルです。)までもが登場。
流れとしては、シャーリー&ルッキーニコンビとストームウィッチーズの二人組がヴェネツィア艦隊と共に、エーゲ海の要衝でもあるデロス島に巣食うネウロイを撃破する、というお話。

冒頭、以前からドラマCDでも存在感を持っていたルッキーニのマーマが遂に登場。あれっ、イメージと違う(笑)。ポイントとしては、ルッキーニのマーマが居るからかどことなく年相応の表情を見せるシャーリーですね。かわいい。
家族との思い出の島を守りたいというルッキーニ、「守りたいもの」という事に触発されるマルセイユ。そして、「諦めたくないんだ!」と語るシャーリー。
戦闘シーンでは、これまでの『ストライクウィッチーズ』では珍しく、ネウロイによって沈められた船のウィンチを使用するという、現場の状況を利用しての戦いとなったのが印象深いですね。敵が陸戦型の固定砲台のようなネウロイであったというのも多分に影響していると思います。
何より、ロンメルのおっさんが全てを持っていった話でもありました。
電源があれば、良いのかね?
格好良い。惚れたッ!
前線に指揮官が飛んでくるというのはどうか、とも思いますが、しかし元ネタの人からして前線に出て陣頭指揮を行う人だったからそれで良いのか(笑)。ノイマンさんも頭が痛かったに違いありません。

全体的に、『アフリカの魔女』テイストの一篇でありましたかね。ヴェネツィア艦隊という通常戦力がネウロイを撃破するという、「一般兵がネウロイを撃破する」という部分なんかは特に。この世界を守っているのはウィッチだけでは無いのです。


Vol.3 アルンヘムの橋』では、しのづかあつと先生による漫画『ストライクウィッチーズ 片翼の魔女たち』の登場人物であり、『劇場版』にも登場したアメリー・プランシャールが登場。
流れとしては、ガリアの復興に注力するペリーヌらの所に、戦災孤児の兄妹が運び込まれて、紆余曲折あり、ペリーヌさんが学校を開いた、というお話。

ガリアの復興に注力する一行。ガリア開放の立役者でもあり、復興にも尽力するペリーヌは、ガリアにとってはまさに救国の女神であります。きっと後々の歴史まで語られる事でありましょう。
ガリアの開放という事もあり、ペリーヌにも色々と余裕が出来てきているようで、『2』以降は表情も柔らかくなってきています。副次的に「劇場版ペリーヌさん」などという語も誕生した訳でありますが(笑)。1期からこのOVAまでで、一番変化の振り幅が大きいキャラクターと言えるのでは無いでしょうか。
戦災孤児の兄妹である、ユリウスくんとローズちゃん。ユリウスくんは結構なイタズラ坊主。ことあるごとにペリーヌにちょっかいをかけ、挙げ句の果てには「クソメガネ」なんて壁にラクガキしちゃいますが、しかしこれってリーネちゃんがガリア語を教えている訳だから、やっぱり黒[※検閲により削除されました]
これまで映像作品ではこの世界の一般市民というものにはあまり深く触れられてはいませんでしたが、今回はメインとして戦災孤児の兄妹を描いているという事で、遂に踏み込んできました。例え終戦を迎えたとしても、ネウロイが居なくなったとしても、人々には傷が残ってしまうんですよね。でも、人類同士の戦争では無い分、まだ我々の世界の第二次世界大戦よりはマシなのかも知れません。
そして、戦闘シーン。ユリウスくんを救うべく、ストライカーユニット無しで三頭犬のような陸戦型ネウロイに挑み、脚を怪我しつつも、心配するユリウスくんに微笑むペリーヌさん。女神じゃ! 女神がおる!
そして、『エーゲ海の女神』に引き続いて、地形や構造物を活かしたネウロイとの戦い。いやぁ、元々ネウロイは怪獣みたいな存在ではありましたが、今回の三頭犬ネウロイは、そのフォルムも相俟って、益々怪獣のような奴でありましたなぁ。遮蔽物等が無い空中で戦う航空大型ネウロイとは異なり、陸戦大型ネウロイは、状況や使用兵器によっては一般兵でもなんとか太刀打ち出来るという設定でもあります。大型・小型含めてこれまで陸戦型ネウロイとの戦いは映像作品では殆ど描かれてこなかったので、色々と斬新でありました。

全体的には、まさに、『劇場版』に直結する前日談的な一篇となっておりましたね。
ラストには502統合戦闘航空団に間借りするエイラ&サーニャ、戦艦大和で作戦準備を進めるもっさん等、『劇場版』への布石も置いていきましたし。これから通して観る際は、
1期』→『2』→『OVA』→『劇場版
という順番で観ていった方が良いかも知れません。


OVA』全体を通しては、やはり世界観の拡充というか掘り下げをやってきたなぁ、という印象が強いですね。501のキャラクター達の掘り下げはこれまでの作品で概ねやってきているので、『OVA』はさながら、「いつもの面々と一緒に巡る、『ストライクウィッチーズ』の世界観」といった感じでありましょうか。
501統合戦闘航空団の次の戦いは、恐らくカールスラントの奪回というところになるでしょうし、そうなれば自ずと「終戦」というのも見えてくる訳であります。「終戦」への道筋は、501の戦いだけに限定されるという単純な話でもないので、各戦線の動きを追いつつ、501の戦いに集約されていくという、シリーズ全体を通しての流れがあるようですので、その足がかりとしての今回の『OVA』という見方も、出来るかも知れません。公式ファンブックなんかを読むと、「様々な戦線のウィッチ達が一堂に会する」みたいな構想もあるようですし。あの構想、まだ生きてるのかなぁ?

しかし、そう考えると『ストライクウィッチーズ』の物語も、そろそろ終盤に差し掛かってきているのかなぁと、そんな風にも思いますね。
いやまぁ、2015年夏現在に於ける『ストライクウィッチーズ』関連作品での登場人物は100人を超えている訳ですし、やろうと思えば過去に遡って延々と続けていく事もできるのでしょうけれども(笑)。
個人的には、第一次ネウロイ大戦や中世、古代のウィッチ達の戦いも見てみたいっすね。あと、第二次ネウロイ大戦後の、現代の兵器をモチーフとしたストライカーユニットとかも。
なんか、世界観だけで考えると『ガンダム』並みに続けられそうな気はしますが、そこまでくると今度は、果たしてそこまでKADOKAWAがやるかどうかというの話も出てきます。まぁ、出たら出た分だけ追いかけてやろうとは思っていますが!

何にせよ、当面の間は制作中の新テレビシリーズ『ストライクウィッチーズ Tactics of Vanadies Attack(仮)』を楽しみに待ちましょうかね。同作は、『劇場版』でもチラッと登場した502統合戦闘航空団がメインの物語になるようでありますし。『OVA』ではメインの話が無かったエイラ&サーニャのコンビも、恐らく『TVA』で登場してくる事でしょう。
他にも、『アフリカの魔女』シリーズや『ノーブルウィッチーズ』シリーズ等、様々な媒体で展開が続いている『ストライクウィッチーズ』関連作品群。
今後とも末永く愉しんでいきたいですなぁ。


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【OP】


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2015/08/07 18:35|ストライクウィッチーズTB:0CM:0

忘れるな、最後の武器は愛だ!『神魂合体 ゴーダンナー!!』 

管理人にはDVDを買い揃えた瞬間にBlu-ray BOXが発売されてしまった、という非常に哀しい経験が以前何度かあった訳でございまして、Blu-ray BOXが発売されるまでDVDを買い控えている作品が数作品あります。『地球防衛企業ダイ・ガード』、『無敵超人ザンボット3』、『ゲッターロボ號』(まあ、『ゲッター號』は今度DVDBOXが再販されるので、それを買おうかなあと思いますが。)・・・。しかしまぁ、なんか全部ロボットアニメっすなぁ。
この『神魂合体 ゴーダンナー!!』も、その「Blu-ray BOX待ち」の作品のひとつだったのですが、この度めでたくBlu-ray BOX発売と相成りまして、管理人は晴れて購入の運びと相成った訳でございます。
で、久々に通して観たのでありますが、いやはや、やはりこの作品良いですわ・・・。まぁ、なんだかんだしている間に記事を書くまでに年をまたいでしまった訳でありますが・・・(苦笑)。
神魂合体ゴーダンナー!!』、管理人の好きな要素をこれでもかというくらいに詰め込んだアニメであるという事を再認識致しました。
兎にも角にも、10年を経てのゴーダンナー。しかしながらかの「スーパーロボット大戦」にも何回か参戦したりはしているものの、マイナーな部類の作品ではあると思います。そういう訳で当記事では、この作品がどういったものなのかという紹介みたいな感じの事をやろうと思います。紹介だから、あまりネタバレにはならないような感じで(笑)。

神魂合体 ゴーダンナー!!

神魂合体 ゴーダンナー!!』は、2003年から2004年にかけて放送された、ロボットアニメでございます。
アニメ界隈では、「ポストエヴァンゲリオン症候群」と呼ばれる作品群が量産されていた時代も終わりを迎え、深夜アニメも年々増加していった頃でありました。
同時期の作品というと、『ふたりはプリキュア』とか『おねがい☆ツインズ』とか『鋼の錬金術師』とか『魔法少女 リリカルなのは』とか『妄想代理人』とか『MADLAX』とかですよ。いやあ、11年! もう11年も前ですよ。信じたく無いっ! とか思ってると、この時期の作品である『蒼穹のファフナー』の続編が2015年冬アニメとして始まったりしている訳ですから、世の中分からんもんです。ああ、『なのは』も今度新作がやるんだった! こいつぁ、ゴーダンナーもまた続編とかが出てもおかしくはないな!(それはないですかそうですか。
・・・まぁ、色々な作品が2期・3期と続くようになり、数年単位でコンテンツが持続するという特徴を持つ00年代~10年代のアニメの性質上、「何年経っても同じアニメがやっている」という事になる為、「あの作品が10年前」というのが嘘のように感じられてしまうのも無理の無い話なのかなぁ、とも思ったり。

さて、まず『神魂合体 ゴーダンナー!!』というタイトルですね。「新婚合体GO旦那!!」という駄洒落以外の何者でも無いというのは火を見るよりも明らかであります。
実際問題として、この作品はパロディーギャグものとして企画されたのではありますが、結果的に「新婚夫婦の操縦するロボが主人公機」という点が残り、至って真面目なロボットアニメとして完成した訳ではあります。でもやっぱりこれ、タイトル名とキャラデザで間違いなく敬遠されている感はありますよね・・・。実際に観て結構ハードなロボットアクションと割とドロドロとした愛憎劇が繰り広げられたりするのを観て驚愕した、という人も少なくは無いようですし。
しかし、実際に真面目な姿勢で創られたからこそ当時最高級のスタッフが集結し、熱量を持った作品として仕上がったのでありますよ! 実力派アニメーターや演出を揃えた布陣でこの作品は創られている訳でありまして、作画の水準もかなり高いクオリティをキープしていましたし、完全にツボを押さえたロボの動きであるとか、アニメ史を通してもなかなか見られない「手描き作画で表現される巨大怪獣」であるとか、見所は非常に多いように思います。
極めつけは劇伴・主題歌・挿入歌の担当が、かの渡辺宙明先生であり、劇伴曲では往年の様々な宙明節を彷彿とさせられるような、バリバリの宙明サウンドが堪能出来る訳であります。挿入歌なんかも物凄くバッチリとしたタイミングでかり、物語を否が応でも盛り立ててくれます。
この作品は、スタッフが「こういうのを創りたい!」という魂をぶつけ、その結果良い作品が出来た好例のひとつだと管理人は思います。
まぁ、今となってはパロディーギャグ版の『ゴーダンナー』も、それはそれで観たいような気もしますが(笑)。

さて、その物語のあらすじは以下の通りであります。

時に西暦2042年。
地球上では、突如現れた未知の巨大生命体「擬態獣」と、それに対抗する為に世界各国で開発された巨大ロボット軍団の苛烈な戦いが繰り広げられていた。
多大な犠牲を払いながらも、人類は勝利を収める。しかし世界各地では少数ながらも擬態獣の残党が生き残っており、戦いは続いていた……。

「巨神戦争」と名付けられた大規模戦闘の終結から5年後、ゴーダンナーのパイロット・猿渡ゴオに救われた少女・葵杏奈は、ゴオと結婚する事になる。
しかし結婚式当日、日本近海に、擬態獣が出現する……。



深海からやってくる怪獣、怪獣に対抗する為に開発された巨大ロボット、全世界で展開するロボットVS怪獣の戦い、近しい間柄のパイロット二人による操縦、旧式の主人公機、相方を戦いで喪って前線から長らく離れていた主人公・・・。
見れば見るほど『パシフィック・リム』と『神魂合体 ゴーダンナー!!』は類似点の多い作品であります。ギレルモ監督が『ゴーダンナー』をリスペクトしたのか、はたまたロボットに対する双方の作品のスタッフの愛が両作を類似させていったのか。
今回のBlu-ray BOXのオーディオコメンタリーでもそのあたりに対しての言及が為されておりましたが、その真相やいかにッ!?

全体的な世界観としては、世界中で怪獣が暴れまわり、それに対抗するためのロボットを擁する基地が世界各国に配備され、大々的に、或いは人知れず、日夜戦っているという感じであります。
この作品に於いて巨大ロボットの存在は、「機構・コスト面を含めて全体的に見ると非効率的な兵器である」という説明がされながらも、「戦車や戦闘機などの通常兵器が擬態獣に対して一定の効果を見たものの、しかし最後まで戦場に立っていたのは人型巨大兵器・ロボットだった」というような説明もあり、更には「鋼鉄の巨人に人の心を加えたとき、神にも等しき力となる」という理念のもと建造されたという事が語られておる訳であります。まさにスーパーロボットとは何なのかというのを具現化したものであると言う事が出来るのではないでしょうか。
そうだよ、巨大ロボが巨大ロボである理由なんてのはこれで良いんだよ!

巨大ロボと対をなす怪獣側・擬態獣は完全なやられ役ではありますが、「平和を脅かす敵」ではあれど、その扱いとしては「自然災害」としての意味合いが強く表現されており、街なんかには擬態獣から避難するためのシェルターが備えられていたり、ニュースで台風の予報円よろしく擬態獣の予報円が表示されたりといった感じで「怪獣の居る日常」感が描写されており、怪獣好きにはニヤリとさせられたりもします。
自然の猛威に勝つことは出来ない。台風が来たら逃げなければならない。だが巨大ロボットに乗れば台風と戦うことも出来るし、勝つこともできる!
・・・なんて台詞はありませんが(笑)。

作画や演出の方向性としては、巨大ロボ戦は、手前に建造物を配してアオリのアングルで被写体を撮るというような「巨大特撮」ライクな絵作りを効果的に取り入れつつ、兎に角ロボや擬態獣が動きまくります。今回改めて観直して「こんだけ動いてたっけか!?」と驚いたくらいにはロボや擬態獣が動きまくります(笑)。
この作品は現在では当たり前になった感のある「分割2クール」の作品でありまして、1クール目と2クール目の間には約半年のインターミッションがありました。その休息期間があった事によって作画的な質がかなり上がっていると言えまして、同時期のアニメよりも頭一つ飛び抜けている作画を堪能する事が出来ます。
その分製作費的には本当にギリギリだったようでありまして、製作費補填用に本作の監督以下スタッフが総動員で本作の18禁同人誌を発行していたりもする訳で、一部界隈で本作は伝説と化しています(笑)。
まぁ、そういった公式エロ同人とでも言うべきモノが出せる程度には「サービスシーン」が充実している作品でもあるんですけどね。「お前ら露出狂かッ!?」とツッコみたくなるようなコスチュームであるとか、やたら揺れまくる乳とか(最終的には女性型ロボの胸まで揺れます。)、ソッチ方向に誤解されかねない台詞回しとか(笑)。
ただ、そういうのはあくまでも記号的なモノであったり、割と重いストーリーの本筋を和ませる為のコメディパートであったりするのではありますが。

さて、その「割と重い」ストーリーラインですが、普通に人が死ぬ世界観ですし、キャラによっては「死よりも重い宿命」を背負わされたりしてますし。それだけに、「復讐の行き着く先」であるとか、「愛憎」といったモノを割と真正面から描き切っている、と言えるのかも知れません。それだけにキャラの性格や生き方が結構生々しかったりもするのですが、逆にそのあたりがキャラの魅力にも繋がっていたりもする訳で。
そうした人間関係や伏線が最終6話で一気に爆発し、怒涛のクライマックス一直線という構成は本当に見事だと思います。管理人も色々なアニメを観てきましたが、こういった盛り上がりを見せる作品ってなかなか無いんじゃないかなぁ。

この作品、テーマはズバリ「」ですね。
まぁ、一言に「」と言っても、その形は様々であると思いますが、しかしこの作品ではそういった様々な愛の形を提示して行っています。そういった様々な愛が行き着く先は果たしてどうなのか。
・・・まぁ、物語としては「愛が勝つ!」というモノなんで推して図るべし、ではあるんですが、まぁ、その過程を愉しもう、という事で。

と、いった感じで『神魂合体 ゴーダンナー!!』を御紹介してみた訳でございますが、いかがでしたでしょうか。
当記事を読んで興味が涌いたという方は、レンタル店にも割と置いてありますし、バンダイチャンネルあたりでは公式有料配信をしていますし(確か第1話は無料だった筈・・・。)是非一度ご覧になってください!
ちょっとでも『ゴーダンナー』を観てくれる人が増えれば良いっすなぁ。

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OPは、前期は串田アキラ、後期は水木一郎&堀江美都子という恐るべき布陣です。

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2015/01/26 20:48|SFアニメTB:0CM:3

『戦姫絶唱シンフォギア』とはッ!! 

『戦姫絶唱シンフォギア』とはッ!!
燃えて萌える事が出来る戦闘美少女アニメであるッッ!
以上ッ!


・・・流石にぶっ飛ばしすぎました。
そういう訳でございまして、本日は、前々より書きたい書きたいと思っておりました、TVアニメ『戦姫絶唱シンフォギア』についてのお話であります。

少女の歌には、血が流れている。JPG

戦姫絶唱シンフォギア』(以下、『一期)は、2012年の秋アニメとして全13話が放送されたアニメでありまして、その続編として、2013年の夏アニメとして『戦姫絶唱シンフォギアG』(以下、『G)が、やはり全13話で放送されました。
・・・この作品、「制作者がやりたいようにやった結果創り出されてしまった作品であるッ!」という事が出来るかと思います。こういった趣のTVアニメは毎年必ずは出てくる訳ではありますが、この作品に関して言えば「とことんまでやりきった」というのに相応しい作品だったのではないかと思います。やはり、制作者が全力を以て創る作品というのは観ていて気持ちが良いものであります。
まぁ、それがヒットにつながるかどうかというのはまた別のお話だったりするのではありますが・・・。

そういった性格を持っている訳でございますので、この作品の評価は真ッ二つに分かれております。
素晴らしい作品だッ!
というモノか、
いや、ネタアニメだろ・・・
というモノかの二つに一つです。結果としてこの『戦姫絶唱シンフォギア』という作品は、管理人のような一部のカルト的なファン人気を誇るアニメという位置付けになってきているようではありますが・・・。
2012年初夏、『一期』の放送が開始されると物凄い反響だった訳でありますよ。主に、「とんでもねぇネタアニメが始まりやがった」的な。管理人の友人に至っては「もはやギャグアニメの領域」等と言っておりまして、イロイロな所で喧々諤々とされていたような、そうでもないような気がします。
まぁ、「ネタアニメ症候群」の記事(下記【関連記事】参照。)にチラっと書きましたように、その理由も分からんでも無いんですけどね。
しかしッ!管理人は声を大にして叫びたいッ!!
このアニメは素晴らしい作品だッ!!

もう『一期』の第一話からドハマりしてしまいましたよ。管理人がハマってしまった要素は、大体以下のような感じなのでありますが。

①熱いッ!
もうひたすらひたすらひたすらにな直球の超王道展開ッ!寧ろ熱いを通り越して暑苦しいッ!
その王道展開たるや、今時のアニメでやられたらもう恥ずかしくなるレベルに達していたように思います。よくある似非熱血とか、いわゆる「燃えアニメ」を意識したような創りでは無く、今時珍しい、恐らく天然物であると管理人は確信しております。
作品のメインテーマは、「人類の相互理解」!王道だッ!王道が爆発しすぎてるッ!
こんなアニメ、10年代に突入した今のアニメじゃ観れねぇと思っていたようなシナリオを真ッ向からぶつけてきたアニメ、それが、『戦姫絶唱シンフォギア』という作品だったのであります。

②むせ返るような昭和特撮ヒーロー番組臭
この作品、いろんな人から事あるごとに「超展開超展開」と言われたりしておりますが、確かに、1話にかなり詰め込んでくるタイプの作劇であったと思います。
詰め込み作劇というと色々と語弊はあるとは思いますが、分かりやすく言えば「昭和特撮ヒーロー番組のノリ」でございますよ(笑)。
昭和特撮ヒーロー番組は、30分という尺の中に、「OP」「ヒーローの日常」、「事件発生」、「ヒーローの事件遭遇」、「謎解き・事件関与」、「変身」「怪人との戦闘」、「勝利」、「エピローグ」、「ED・次回予告」をぶち込まなければならない、超過密スケジュール作劇の上で成り立っておりました。
今現在、安定してこのような過密スケジュール作劇を見る事が出来るのは東映の『スーパー戦隊シリーズ』ぐらいなものではないでしょうか?それでも、昭和のヒーロー作品群よりもかなり緩和されている感はありますが。
超過密スケジュール作劇最強は、東映の特撮ヒーロー番組『快傑ズバット』の最終2話だと管理人は思うのでございますが、『戦姫絶唱シンフォギア』では、このズバット』の最終2話もかくやという程の超過密スケジュール作劇を、あろうことか第一話に持ってきてしまったのでございますよ!これには流石に度肝抜かれちゃいました。
第一話だけならまだしも、(第一話程では無いにせよ)第二話以降最終話付近まではかなりの過密スケジュール作劇が行われまして、幼少期から昭和特撮ヒーロー作品を観てきた管理人にとって『戦姫絶唱シンフォギア』はもう否応なしに「昭和の特撮ヒーロー番組」を想起せざるを得ないアニメだった訳であります。
・・・他にも、『G』では主人公がマフラーを巻いていたり、飛び蹴りの体勢が完全にライダーキックだったり、SAKIMORIライダーだったり、色々と昭和特撮ヒーローを彷彿とさせるガジェットは作中にこれでもかと散りばめられておりました。

③劇中歌が熱いッ!!
この作品、原作者の一人が作曲家・音楽プロデューサーであり、製作委員会の筆頭としてキングレコードの社名が入っていたりしている訳でありまして、いわゆる「キャラソン」に力が入れられております。
色々あった結果として、メカの鎧を纏った少女達が唄いながら敵と戦うという、なんだか物凄い絵面のアニメとなってしまった訳ではございますが、その点はもう見事と言わざるを得ない訳でございまして、管理人などはもう気が付けば観ながら一緒に唄っているというようなコトになっておった訳であります。
これまで「一緒に唄いたくなるアニメ」と言えば、『マクロス7』だけであり、今後増えるなどとは思いもよりませんでしたよって、「嗚呼、アニメ好きを続けてて良かったなぁ」等と感慨深く思ったりもした訳でございます。
兎にも角にも、OP・ED曲含め、劇中歌はどれもここ最近聴いてきたアニメソングの中でも随一のモノであると管理人は感じておりまして、キャラの心情をぶつけるような歌詞や、キャラの特徴を的確に映し出した曲調は、管理人の心を鷲掴みにしたままなかなか離してはくれません。
そんな感じで、ここ最近ではめっきり買わなくなってしまっていたCDを久しぶりに(それも大量に)買ってしまうという事にも繋がってしまった訳でございますよ。
まんまとキングレコードの掌で踊っているような感じになってしまいましたが、それは、まぁ、ウン。

大体上記3項目ですかね、管理人が『戦姫絶唱シンフォギア』にドハマりしてしまった要因は。
管理人などはこの作品を「ネタアニメ」だとか「ギャグアニメ」だとかとは思っておらず、本気で「10年に1本の作品だ」とか思っている訳でございますが、でもまぁ、世間一般では必ずしもそうではなく、寧ろ主流は「ネタアニメとして愉しむ」とか、そういう方向性のようではあります。
まぁ、確かに、予算の関係から本当の意味での作画崩壊を起こしてしまった作品(歩いているのに飛び跳ねているように見えたり、水平線が斜め上に向かって伸びていたり・・・。映像ソフト版ではキチンと修正されていますが。)であり、全体通して作画の水準もそこまで高いとは言い難い作品でもあります。
また、その独特の台詞回しも、「ネタアニメ」の烙印を押されてしまう要因なのかなぁ、と、思います。後はOTONAだったりNINJAだったり。主要美少女を差し置いて、普段は後方に構えている司令官のおっさんがラスボスより強いアニメも、そうそうありますまいて(笑)。
しかし、管理人にとってはそれらももはや作品をより盛り立てる要素として認識しちゃっておりますよって、見事にカルト的ファンの業の中を突っ走っているような気が致します。
自分自身に「オイオイ」と思いつつ、「まぁ、良いか」とも思いつつ。

今後、少しでも多くの「適合者」が増えればなぁと、切に思っております。
第三期制作の発表もあったし、これからですよ、これから!
取り敢えず、未見の方で当記事を読んで少しでも興味が沸いたら、『戦姫絶唱シンフォギア』の第一話「EPISODE1 覚醒の鼓動」を、是非ご覧下さい(布教)!ニコニコ動画なら有料公式配信中でありますし、バンダイチャンネルでも近々配信予定のようです。そうでなくともBD・DVDがレンタル店に置いてあるでしょうし。
1話で合わなければそれ以降も合わないですし、1話で合えばそれ以降行くところまで行ってしまう、この作品はそんな作品でありますのでッ!


【関連記事】
ネタアニメ症候群
「作画のクオリティバブル」についてのお話


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『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の謎についてなど 

と、いう事でございまして、『ヱヴァ:Q』の考察記事となります。
管理人なりの考え方でありますから、完結編が公開されて「なんだ、この解釈、全然間違ってたじゃないすか!やだー!」となる可能性も無きにしも非ず。まぁ、それはご愛嬌という事で。

当記事では、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』だけでなく『新世紀エヴァンゲリオン』の設定を比較対象として挙げつつ考察を進めていきたいと思います。


今回の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』では、多くの謎が提示されました。
そもそも『Q』は完結編との同時公開となる予定であった訳でありますが、しかし、結局分割公開という事になった訳であります。同時上映だったならばこのように皆がモヤモヤするような事にはならなかった訳ですな。しかし、エヴァに於いては謎解きとか考察といったモノはある種のお決まりみたいな部分がある訳でありますから、寧ろ謎解きをやる時間が与えられたというのは、ある意味では喜ばしい事なのかも知れませんね。商業的にも謎解きやら何やらで盛り上がってくれた方が良いでしょうし。
しかし、いわゆる「謎本」が腐るほど出た14年前とは状況が違いますので、今回の「『ヱヴァ』考察ブーム」はネットの掲示板とか個人ブログ・個人サイトが中心になるんでしょうなぁ。

しかしながらこれは、庵野監督的にはあまり喜ばしい事では無いのかも知れませんね。『EOE』前後のインタビューを見たりすると、エヴァファンによる謎解きやら考察やらに嫌気がさしている旨の事を仰っていますもん。
エヴァは衒学的だ、何もないんだ、あんなものはただの絵なんだ。こんなモノに夢中になってないで、現実に帰れ。そこで生きろ
そんな訳で『EOE』はあのような創りになった訳でありますな。
で、今回の『』。案の定ネットの掲示板やら個人ブログでは、まるで14年前の再来であるかの如く考察合戦が繰り広げられている訳です。かく言う管理人もこんな記事を書いている訳で・・・。
庵野監督的にはこれはどうなのでありましょうか・・・。

そもそも管理人は、考察というのは作品の愉しみ方の1手段であると思います。
しかし、『エヴァ』に関して言えば、この「考察」というのは、その大半が「する必要の無い事」なのではなかろうかと思うのであります。
エヴァ』という作品の本筋は、「碇シンジの物語」なのであり、ゼーレの陰謀がどうとか、人類補完計画がどうとか、エヴァが何なのかとか、使徒とは何者なのかとか、そういう大半の疑問は「分からないまま」にしていても良いのだと、管理人は思うんですよね。
考察すべきは、「シンジの置かれた状況」と「各キャラの心情」であると思うのです。あくまでもその他の「」を解き明かすのは、「キャラの心情を理解する為の補助的なもの」でしか無い訳でありまして、そっちを本筋に捉えてしまうというのは違うと思うんですよね。

では、その上で何故、考察するのか?
・・・いやだってそりゃ愉しいからじゃないっすか(笑)!
設定を考察したりするのは、知的好奇心がそそられるからであり、それ以上の何者でも無い訳です。
庵野監督が「わざと敢えて矛盾するように作ってある」と言おうとも、こればっかりは仕方が無いじゃないのです。矛盾しているのであればそれを補完してやれば良いのです。
どこまで行っても自己満足になろうとも、その道を突き進むしか無いという訳です。

と、言う訳で、レッツ考察!


エヴァンゲリオン
本作のタイトルとなっている汎用人型決戦兵器。『ウルトラマン』に於けるウルトラマンであり、『マジンガーZ』に於けるマジンガーZであります。
しかし、その機体は存在そのものが「」となっているのでありました。

エヴァって何なんだ!?」というのは、『新世紀エヴァンゲリオン』からの命題のひとつであります。
エヴァ』に於けるエヴァは、零号機、初号機は第2使徒リリスをコピーして建造(庵野監督は空母マニアでありまして、それ故に艦船を造る時に使用される「建造」をエヴァに用いたのでありました。)された機体であり、弐号機以降は第1使徒アダムをコピーして建造された機体でありました。コアには人間、それも女性が取り込まれており、それ故にエヴァのパイロットはコアになっている母親の子供でなければならない(シンクロ不可能な為)のでありました。尚、零号機と量産機には魂がありません。綾波が零号機とシンクロが可能になるまで長い時間がかかったのはこの為なんですね。

しかし、今回の『ヱヴァ』では、その建造方法はよく分かっていないんですね。「Mark.06は普通の建造法とは違う」という事くらいしか明言されていません。そもそも「普通の建造方法」が分からないのですから。
今回2号機(ヱヴァ』では「弐号機」ではなく「2号機」表記なんですよね。今回は日本での設計では無いのでありましょうか?)は改2号機という名称になっており、左腕が義腕パーツになっていました。そういえば仮設5号機も半身機械のサイボーグなエヴァでありましたな。
』ではマリの「義手パーツは無理矢理シンクロさせている」という旨の台詞がありましたが、改2号機はそのような描写は見受けられませんでした。

しかし、今回の『』で、分かった事がひとつありますね。そうです。「アダムスの器」ですな。
今回の『ヱヴァ』における「セカンドインパクト」は、原因は語られてはいませんが、南極に4体の光の巨人(=アダムス)が現れたとされています。
つまり、「アダムスの器」というのはこのアダムスに装甲版(拘束具?)を取り付けて制御できるようにしたものであるものと推測されますね。
それが、「Mark.〇」とされる機体の正体なのではないかと思う次第です。Mark.06もMark.09も、そういうシロモノなのでしょう。そうなると、後の2体のアダムスはどこに居るのか、というのが気になりますね。
そして、今回新たに出てきた第13号機という機体に至っては完全に謎です。どうやって建造されたんでしょうか。

また、コアの存在も気になります。取り敢えず初号機の中にはシンジ君の母さん、碇ユイが入っているのは冬月先生の説明で確かなのではありますが、他のエヴァのコアはどうなっているのでしょうか。
』でリツコさんが「パイロットもバックアップがきくようにできている」という旨の事を言っていましたし、実際にマリが2号機に乗っていましたし・・・。
ザ・ビースト」等を見るに、ひょっとしたらそこら辺にいた怪獣を捕まえてきて、拘束具を装備しただけなんとちゃうんか?とか思ってしまうのですが、真相やいかに。
人の域にとどめておいた「エヴァ」が・・・」とかリツコさんが言っていましたから、初号機に関しては何か超常的なトンデモ存在なのでしょうが・・・。

次回予告にて、「2+8号機」なる、半身2号機半身8号機の機体が登場しましたが、アレは何なんでしょうか?2号機と8号機を融合させた機体・・・?
しかしまぁ、昭和の特撮ヒーロー(大野剣友会っぽかったですね。)みたいな動きをしていましたなぁ(笑)。まぁ、庵野監督の趣味ですな。
・・・半分こ怪人・・・仮面ライダーWかッ!?或いは、キカイダーか、メタルダーなのかも知れません。


使徒
本作に於ける「」でありますな。『ウルトラマン』に於ける「怪獣」に相当します。
エヴァ』の使徒は、高度な文明を持つ宇宙の先住民族である、第1始祖民族(=『ふしぎの海のナディア』でのアトランティス人の祖先=M78星雲人)が何らかの理由で宇宙中にばらまいた「生命の種」のひとつである「白き月」より生まれた第1使徒・アダムから誕生した存在であるとされています。
使徒は自己の生存の為、同じく地球に辿りついた「白き月」と同種の「生命の種」である「黒き月」より生まれた第2使徒・リリスの子リリンを殲滅、あるいはリリンとの接触を試みる為、それぞれ行動していたのでありました。
リリスと接触しリリンを滅ぼそうとした使徒」、「リリンとの共存の道を探る為に接触を図った使徒(思考パターンが人類と根本から異なった為「精神汚染」として処理されてしまっていましたが・・・。」、「リリンに鹵獲されてしまったアダムを取り返す為に行動した使徒」など、様々な使徒が存在しました。中には「何も考えず取り敢えずエヴァに引かれて来た使徒」も居た訳でありますから、能天気なものです。
身体の構成素材はまちまちでありますが、遺伝子信号の配置と座標は99.89%人類と一致しています。これは第一始祖民族が造り出した存在であるから、という事なんでしょうね。
コアと呼ばれる発光体には、S2機関(スーパーソレノイド機関」の略。二重螺旋構造を形成するDNA分子の集合体を利用したある種の対消滅エンジンであり、無限のエネルギーを引き出す半永久機関であります。ゼーレは「命の実」と呼んでいます。)と魂が宿っており、この部分を破壊すると使徒は活動を停止します。

さて、『ヱヴァ』ではどうなっておるのか?
ヱヴァ』では使徒の設定はもう根本的に設定が変わっているようなんですよね。そもそもS2機関の設定もなくなっているのではないでしょうか?
コアが弱点」、「識別コード・パターン青」等、基本的には『エヴァ』と同様ではありますが、「コアを破壊すると形象崩壊を起こし赤い液体と化してしまう」というところが大きな違いでありますね。
エヴァ』では第4使徒シャムシエルをはじめ、コアを破壊されても身体は残った使徒が結構いましたが、『ヱヴァ』では全ての使徒が形象崩壊を起こしております。形象崩壊を起こした後に残る赤い液体は、LCLにも見えますが、しかし真相は未だ不明。やはり情報不足ですな。

エヴァ』の使徒の始祖であるはずの「アダム」も、『ヱヴァ』では複数形である「アダムス」になっていますし、『』ではアダムスの魂を持つカヲル君が「第13使徒に墜とされる」とか言ったりしていますし、う~ん、謎です。

』の「セカンドインパクト」時の映像を見ると、「ガフの扉」が開いているような描写と共に白き月らしきモノが浮上しているのが分かります。
また、『』で起こりかけた「フォースインパクト」描写を見ると、「ガフの扉」が開き、やはり地下から「黒き月」らしきモノが浮上しかかっているんですよね。
と、いう事はやはり『ヱヴァ』でも使徒と人類は第1始祖民族が生み出した存在、という事になるのでありましょうか。
もし、「第1始祖民族」の設定が『ヱヴァ』でも残っているのであるとすれば、『エヴァ』での「地球」と『ヱヴァ』での「地球」はそれぞれ別の惑星であり、それぞれで似たような事象が起きているのである、という解釈も出来なくは無いですね。同じ民族が造ったモノでありますから、似たような展開になった星があっても不思議では無い筈ですから。宇宙は広いですからなぁ。
そう考えると、『エヴァ』と『ヱヴァ』の使徒の差異も理解できるような気がしますね。「」ごとによる個体差若干の違い、という事なのでありましょう。


ガフの扉
現実世界での、「ガフの部屋」というユダヤ・へブライの民話に登場する、 「天国の神の館の中の魂の住む 部屋で生まれてくる子供の魂が集まっている部屋」というのがモチーフになっているものと思われます。
エヴァ』では「黒き月」に存在する(恐らく、「白き月」にも存在すると思われます。)生命の始まりと終わりの部屋となっており、ゼーレ主導の「人類補完計画」はココに全ての魂を集結させる事でありました。

さて、『ヱヴァ』ではどうなっているのか?
いやもう全く分からんのでありますよ(笑)!情報不足でありますな。
ただ、『』では覚醒した初号機がガフの扉と直結して綾波を救い出しておりますから、今回の「ガフの部屋」は、何かエネルギーの貯蔵庫のようなモノという側面もあるのかも知れません。


ゼーレ
エヴァ』では中世ヨーロッパで誕生した宗教組織であり、20世紀初頭には既に世界の権力を裏で操る組織であったとされています。その教義は「不老不死」であり、発見された(ロンギヌスの槍の取説であり対使徒用の攻略本でもある)「裏死海文書」を預言書とし、それに沿った形で計画を立てた訳です。使徒殲滅もエヴァ建造もこの計画に沿ったものでありました。
不老不死の世界を実現する為に、「全ての魂を一つに」する事が可能な「人類補完計画」を立案したのでありました。
世界的な権力組織だから、日本政府(戦略自衛隊)くらい簡単に動かせる訳です。

しかし、今回のゼーレは怪しげな宗教団体、という訳では無いようでありますな。というより、どうやらモノリス自体が本体のようであります。
エヴァ』でのモノリス(1968年公開の映画『2001年宇宙の旅』以下SF小説『宇宙の旅シリーズ』に登場する、人類の進化を促進させた1 : 4 : 9の比率になっている黒い四角柱のオブジェ。ゼーレは人類を補完へと導く存在であるから、モノリスの意匠が採られたんでしょうな)は単なる通信用のモノでしかなかった訳でありますが、『ヱヴァ』ではモノリスそのものがゼーレであるかのように描かれておりました。

映画『2001年宇宙の旅』は、大雑把に言うと、以下のような感じであります。

モノリスが太古の昔地球に降り立ち、まだ人間ではなかったヒトザル達を進化させた。
時は流れ2001年。進化した人類は月に降り立ち、そこでモノリスを掘り当てる。そのモノリスは木星方向と通信をしているようだ。
そうして、調査の為、宇宙船ディスカバリー号は木星へと向かうのであった・・・。


モノリス=異星人(正確には、「異星人が開発したコンピュータのようなもの」ですが)という『2001年宇宙の旅』からの引用だとすると、つまり『ヱヴァ』のゼーレは異星人ないし異星人が開発したコンピュータという事になりますね。
事実、ゲンドウが「人類を代表して御礼申し上げます」みたいな事を言っていましたので、やっぱり『エヴァ』に於ける「第1始祖民族」か、それに準ずる存在なのでありましょうか。

』で冬月先生がゼーレの生命維持装置をバチバチ消して行っておりましたが、あれはさながら『2001年』のコンピュータ「HAL 9000」の電源を落として行っているシーンのような様でありました。まぁ、オマージュでしょうなぁ。
モノリス=ゼーレ=第1始祖民族」というのが正しければ、「神殺し」のシーンであったという事も出来ますね。
・・・神殺しのシーンと言えば、『装甲騎兵ボトムズ』の最終回で主人公であるキリコが、アストロギウス銀河を裏で支配する電子化された神「ワイズマン」を「殺した」シーンとダブって見えました。
ボトムズ』のこのシーンも『2001年宇宙の旅』のオマージュである為、これはもう意図的にやっていたんじゃないかと思う次第です(笑)。


シンジの孤食
2001年宇宙の旅』ネタと言えば、シンジ君に出されたネルフの食事も、『2001年』で登場するペースト状の宇宙食にそっくりでありましたね。栄養はあるんでしょうが、あんまり美味そうにないっすなぁ。加えて、孤食ですし。
このあたりは「食事は楽しい」と言った『』での綾波の台詞と対になっていて面白いですね。


14年という歳月
』のラストで初号機に取り込まれ、『』でサルベージされたシンジ君でありますが、その間には14年の歳月が流れており、まるで浦島太郎の気分になったかのようでありました。
この状況は『2001年宇宙の旅』でディスカバリー号から放り出され冷凍睡眠状態になり、約10世紀後、『3001年終局への旅』で目覚めて浦島太郎状態になったフランク・プールを彷彿とさせられます。

さて、何故「14年」なのか?
別に「シンジ君を浦島太郎状態にさせたい」のであれば、5年であっても10年であっても、別に良かったんじゃないかと、そう思ってしまいます。しかししかし、今回の『』、延いては『ヱヴァ』、更に延いては『エヴァ』という作品に於いて「14年」というのはとても重要な数字であると言えます。

エヴァのパイロットは皆14歳でありますから、「14年」という歳月はそれに被せてきた、と、考えるのが妥当であると思います。

メタ的な観方をすると、「14年の歳月」というのは『EOE』から『』の脚本を書くまでの時間だったんじゃないかと思うのです。『』の脚本は震災後に書きなおされたと言う話も(嘘か誠か)飛び交ってますからね。
今回の『』には多分、庵野監督なりの震災・原発事故への表象という側面があると思うんですよね。その上で『EOE』を超える、「その先」を目指すのであれば、文字通り「あれから14年後である現在の『エヴァンゲリオン』を創らなければならない」という考えに至り「14年後」にしたのではないかと管理人は思う次第であります。

まぁ、このあたりの真相は庵野監督以下制作スタッフの発言を待たねばなりませんが。


ヱヴァの呪縛
綾波はクローンですし、カヲル君は使徒だから除外するにしても、アスカ、マリの容姿は14年前とは一切変化していませんでした。
アスカ曰く、「ヱヴァの呪縛」という事らしいのですが、これは一体どういう事なのでありましょうか?

』ではやたらとリツコさんが、「ヒトに戻れなくなる!」と叫んでいた印象があります。ひょっとしたら「ヱヴァの呪縛」というのはコレに関係しているのではないかと思うのです。
リツコさんが「ヒトでなくなる」と言ったのは、アスカが3号機の起動実験にてプラグごと3号機側に引きずり込まれて行った時とシンジ君が覚醒したエヴァ初号機で綾波を助けようとしていた時でありました。
両者に共通するのは、「プラグ深度」でありましょう。
プラグ深度」がエヴァ側に傾くと、エヴァからパイロットへの汚染が始まってしまうようです。
つまり、プラグ深度がマイナスになり、エヴァ側からの「汚染」を受けた結果、年を取らなくなり、それをしてアスカが「ヱヴァの呪縛」と呼んでいるのではないかと管理人は思うのであります。

また、マリに関しても『』にて2号機の獣化第2形態である裏コード「ザ・ビースト」を発動させた為にエヴァからの汚染を受け、「エヴァの呪縛」にかかったと考える事が出来る・・・のではありますが、それ以上にマリは謎が多い訳でありますよって、もしかしたら「ザ・ビースト」を発動させる前から「ヱヴァの呪縛」にかかっていた可能性も否定できないんですよね。寧ろ逆説的に「エヴァの呪縛」にかかったからこそ汚染を厭わず「ザ・ビースト」を発動させる事が出来たのかも知れませんし。
今回の『』でもアスカが「コード777」を発動、「ザ・ビースト」と同等かそれ以上の獣化を見せました。これは既にアスカが「エヴァの呪縛」にかかっているからこそ出来たとも言える訳でありますね・・・。

そして、「エヴァの呪縛」にかかってしまった者はヒトでは無くなってしまい、だからこそ「リリスによって汚染された区画」に立ち入る事が出来たのでありましょう。アスカも人類の事を「リリン」と呼んじゃっていましたし。

・・・メタ的に考えれば、「14年経っても変わらない姿」という部分から「未だにエヴァを観続けている人達(管理人含む」に対する皮肉と「未だにエヴァを創っている庵野監督自身」への自虐という側面があるのではないかと考えたりもする訳です。
しかしまぁ、「エヴァ」という呪縛、別に解かなくても良いんじゃないかと管理人は思うんですよね。
観たけりゃ好きなだけ観りゃ良い。それで良いじゃないですか!


ニア・サードインパクト/サードインパクト
今回一番の謎がコレ。『』の後、一体何が起こったのでありましょうか?
サードインパクト」という響きからは、『EOE』のそれを連想させられます。
EOE』で発生したサードインパクトは、ゼーレによって発動した人類補完計画そのものであります。
今回の『ヱヴァ』シリーズは設定が『エヴァ』とはかなり異なり、人類補完計画の内容もまた異なるようです。う~む・・・。

結局、「何やら凄い事が起こって人類の大半が消滅ないしそれに準ずるカタチとなってしまった」という事ぐらいしか分かりませんね。しかし、ネルフ本部地下に黒き月らしきものが現れたり、セカンドインパクト時に白き月らしきものが現れたりしておりますので、その関連性が気になるところであります。
また、月が『EOE』で分割線が入った黒き月のような、とんでもない状態になってしまっておりました。やはり、『EOE』に近い事が起こったのでありましょうか。
このあたりの謎は後述の<人類補完計画>の項で考えたいと思います。

さて、『』のラスト、シンジ君は綾波を助けるというただそれだけの為にエヴァを動かし、綾波を使徒から奪い返したましたが、しかしその代償として世界は崩壊してしまいました。・・・正確には、「世界崩壊のトリガーとなった」と言った方が正しいのですが・・・。
』では第2使徒リリスが動き、エヴァMark.06の体内に第12使徒が寄生したという事が判明。『』では初号機の覚醒に呼応して動きはじめる描写がありました。
と、いう事から、本格的なサードインパクトは初号機に触発されたリリスとエヴァMark.06=第12使徒の2体によるものであると見るのが妥当なんでしょうか。
しかし、いつの間にMark.06の中に使徒が入り込んだんだ?ひょっとしたら最初から仕組まれてていたのかも・・・。
現時点ではあまりにも情報が少ないため、完結編『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の公開が待たれるところであります。


人類補完計画
エヴァ』に於ける人類補完計画は、『EOE』の内容が全てであると言えます。
ゼーレの補完計画は、群体生命として行き詰った人類を全人類ごとアンチATフィールドで包んでLCLにまで還元させ、全ての魂をガフの扉に集結させて生命の進化を1からやり直すというものでありました。
そして、ゲンドウはこの計画を利用し、アダムとリリスの融合によって強制的に人類を魂の状態にまで還元させた上で全ての魂をガフの部屋ではなくエヴァ初号機に集結させ、新しい生命体となる事で人類の進化とする、という計画でありました。しかし表向きは「人類の進化」ではありますが、しかし、ゲンドウの本当の目的は「初号機に取り込まれたユイに会う」という事でありました。純愛に生きるという、なんと情熱的なおっさんでありましょうか!
・・・人類にしてみればどちらも良い迷惑な事には変わりありませんが(笑)。

で、『ヱヴァ』ではどうなっているのか?
・・・まぁ、現時点では殆ど何も分からないというのが正直なところであります。
しかし、何となくゲンドウの目的は『エヴァ』と同一であると思うんですよね。「自分の願望はあらゆる犠牲を払い、自分の力で実現させるものだ」とか言っていますし。
そうなると、ゼーレの目的とする「人類補完計画」は何か?というのが非常に気になるところであります。

先述の「ゼーレ=第1始祖民族」というのを当てはめると、今回は純粋に人類を進化させる為の計画であると読み解けると思うんですよね。
で、あるならば、『』で登場した「インフィニティ」と呼称される巨人の存在が気になるところであります。ひょっとしたらアレは人類が進化した存在であり、しかし「サードインパクト」では完全に進化する事が出来なかった為、「インフィニティのなりそこない」となり、インフィニティ達は活動を停止したのではないかと思う次第です。
そして、ゲンドウの目的が「ユイに会う」という事であれば、自らを「完全なインフィニティ」へと進化させ、エヴァ初号機と同等の存在となる事で「会う」という目的を果たそうとしているのではないかと、考えるのです。
で、あれば、ゼーレの面々が「良い。全ては、これで良い」とか言って安らかに死んでいったのも納得が出来るような出来ないような、そんな気がします。ゲンドウベースの補完計画でも結局人類の進化は成るのですから。

気になるのは、『』で突如登場した「ネブカドネザルの鍵」なるアイテム。「人類補完の扉を開く」らしいのですが、これはどういう意味があるのでしょうか。
ネブカドネザル」とは、古代メソポタミアの王様の名前で、イシン第2王朝の王・ネブカドネザル1世、新バビロニアの王・ネブカドネザル2世、アケメネス朝に反旗を翻しネブカドネザル3世を名乗ったニディントゥ・ベール、ネブカドネザル3世の反乱が鎮圧された後にアケメネス朝に反旗を翻したアラハがネブカドネザル4世とされております。
・・・が、単に「4人の王」と「4体のアダムス」をかけてのネーミングなんじゃないっすかね、これ(笑)。名称にはこれといって意味はつけられていないというのが『エヴァ』ではいつものパターンになっていますからなぁ・・・。

で、その効果ですが、恐らく「補完された魂を導く鍵」なのではないかと思うのです。「インパクト」でLCLに還元された人々の魂の行きつく場所を指定する為の道しるべとなる存在、それが「ネブカドネザルの鍵」なのであり、ゲンドウはコレを用いて人類を「インフィニティ」へと進化させるつもりなのではないか・・・・と、管理人は思うのでありますが、如何せん完結編『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の公開まで待つしか無いですなぁ。
しかし、人類の進化、巨人化というのは、ディファレーター光線によって巨人化・超人化したという『ウルトラマンシリーズ』のM78星雲光の国の歴史を彷彿とさせますな。
ウルトラマン好きの庵野監督の事ですから、恐らくこれも狙ってやっているんでしょう(笑)。


・・・と、いう感じでございまして、さしあたっての気になる用語やら何やらについて考えてみたのですが、まぁ、アレでありますね。
結局完結編が公開するまで殆ど何も分からない
という事ですな(笑)。

当記事で取り上げた「」以外にも、「飛行戦艦ヴンダーとは何なのか?」とか、「何故ミサトさん達はネルフに反旗を翻したのか?」とか、「真希波・マリ・イラストリアスは何者なのか?」とか、「今回の母さんこと碇ユイの目的は何なのか?」とか、疑問は尽きません。
尽きませんが、しかし現在開示されている情報はあまりにも少ない訳でありますから、やはり完結編の公開をただただ待つのみという事でございますかねぇ。
しかし気付けば当ブログの最長記事となっておりました。『エヴァ』、恐るべし・・・。

色々と書きましたが、管理人はシンジ君とアスカが幸せになってくれたらもうそれで良いです、ええ(笑)。


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