管理人が特撮・アニメ・ネット等について書いたり自作の漫画を公開したりする処でございます。或いは、管理人の日々の愚痴等を垂れ流す処。または、画力向上を図る処。もしくは、インターネットラジオの投稿を報告する処。非常に混沌としております。

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飛翔掘削

Author:飛翔掘削
冴えない漫画描き。
「人生は楽しみながら」をモットーに、日々思ったことなんかを記していければと思っております。
色々観たり読んだりしますが、主食は特撮怪獣映画。
最近は、漫画と特撮映画と『ストライクウィッチーズ』があれば生きていけそうな気がしています。
2015年1月、人生初の商業漫画が出ました。

更新頻度が低下しておりますが、最低週一回は更新していく予定です。していきたい。
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宇宙ヤクザと宇宙チャンバラと宇宙特撮が絶妙な化学反応を起こした怪作! 『宇宙からのメッセージ』 

昨年末、スター・ウォーズシリーズの第7作目に当たる『スター・ウォーズ フォースの覚醒』が公開したのでございますが、諸事情あって管理人は観に行くことは叶いませんでした。しかし、ようやっと今週末頃に観に行くことが出来るようになりまして、実に楽しみにしているのでありますよ。
実際に観に行くまでいくらかの日数がある訳ですのである程度過去作等を観て予習しておきたかったりもするのですが、残念ながら全6作品を鑑賞しなおしているような時間は、しかし今の管理人にはちょっと取れません。
と、なれば、予習となる作品は・・・
そうだね! 『宇宙からのメッセージ』だね!!

・・・はい。
宇宙からのメッセージ』は、1978年公開の特撮SF映画でございます。制作は天下の東映、『仁義なき戦いシリーズ』や『柳生一族の陰謀』等で高名な深作欣二を監督に据えて撮られた作品でございます。
御存じの方も多いでしょうが、日本では1978年夏に公開された『スター・ウォーズ』の便乗映画として、東宝の特撮SF映画『惑星大戦争』と共に特撮ファンの間では語り継がれている怪作なのでございます。

宇宙からのメッセージ

東宝の『惑星大戦争』が撮影期間3週間という突貫制作&低予算の作品だったのに対し、本作『宇宙からのメッセージ』は作品原案に漫画家の石ノ森章太郎先生やSF作家の野田昌宏先生を招きSF考証を交えつつ、15億円という当時の日本映画としては破格の予算を注ぎ込んだ作品として完成を見た、大作だった訳でございます。東映も京都撮影所という、時代劇作品以外は滅多に使わない「聖域」を開放した、まさに社を挙げて制作にかかっていた訳でありまして、本気で『スター・ウォーズ』を迎え撃ってやろうという気概が伝わってくるような感じでありますね。
して、そのあらすじは以下の通り。

遠い未来、はるかアンドロメダ銀河の彼方にて、皇帝ロクセイア率いるガバナス帝国が惑星ジルーシアを征服した。
ジルーシアの長老はそれに対抗する為に、伝説の「リアベの実」を宇宙へと放った。伝説によれば、リアベの実を持つ者が8人揃った時、ジルーシアに平和が訪れるのだという。
リアベの実に選ばれた「リアベの勇士」を導く為、ジルーシアの王女・エメラリーダと従者の戦士ウロッコは、太陽系連邦を訪れる。

一方地球の存在を知ったロクセイアは、その美しさに心を奪われ、自らの手中に収めようと目論む。
惑星要塞に改造したジルーシアを地球の付近へと移動させ、太陽系連邦政府への無条件降伏を迫ったのである。

果たして、リアベの勇士達は地球を救う事が出来るのか。そして、ジルーシアの運命は……!?



宇宙からのメッセージ』というタイトルから受ける印象としては壮大なスペースオペラな映画のような気はするのですが、実質的には時代劇と任侠映画のテイストをふんだんに含んだ、割と泥臭い映画だったりするんですよね。そこはもう流石東映というか、深作欣二というか(笑)。物語の下敷きも、「里見八犬伝」がモチーフになっていますし。
この映画の公開から数年後、深作欣二監督は本当に『里見八犬伝』を監督する事になる訳なのでありますが、何かしらこだわりがあったのかも知れませんなぁ・・・。

もう色々とぶっ飛ばしてきますよ、この映画は!
壮大な宇宙をバックになにやら祈りを捧げる集団、飛び立つ宇宙帆船、銀色の顔でメイクが大変だったろうなとか思っちゃうガバナス帝国の皆さん、酸素マスクだけで宇宙服を着ずに宇宙船外に飛び出す人々、宇宙暴走族に宇宙ポリスといった「宇宙」って言ってりゃ良いだろう的なアレを感じてしまう台詞の数々・・・。
特にガバナス帝国の皆さんなんかは、『スター・ウォーズ』の帝国軍をモチーフにしたのでしょうが、どう見ても雰囲気が完全に昭和ライダーかスーパー戦隊シリーズの敵組織みたいな感じで登場する(死神博士こと天本英世も居ますし)ので、もうどうしたら良いんだよと(笑)。成田三樹夫の銀塗りメイクと妙な被り物のドアップなんて、笑うしかねぇよ!
そんな感じで始まって10分ほどで既に、「この映画はやべぇぞ」と脳内で危険信号が点滅しちゃう系のアレなのではありますが、そうしたぶっ飛んだ諸々も、しかし映画が進んでいくとすんなり受け入れる事が出来てしまうというのがこの映画の恐ろしいところでありますよ・・・!

ジルーシアを救うはずの勇士達が揃いも揃って王女様を売り飛ばすクズ野郎だったり電波なお嬢さんだったりロボット好きの退役軍人だったりで、ホンマにこの人達に宇宙の命運を背負わせちゃって良いものかと頭を抱えたくなる感じで、「リベアの実よ、もう少しマシな人選しなさいよ!」と叫びたくなったりもするのですが、皆妙にキャラが立っていてだんだんキャラクター達のやり取りが面白くなってきますし、更にはガバナス帝国を追い出されて辺境の惑星で復讐の機会を伺っていた王子様なんかも加わって、さながら愚連隊の様相を呈していく訳です。
気付けば物凄いメイクのガバナス帝国の皆さんが「そういう種族」に見えてきたり、ヘコヘコ動いているどう見ても着ぐるみのロボット・べバ2号なんかには愛着すら覚えてしまうレベルにまで達する訳であります。あの宇宙服無しでの宇宙遊泳も、もしかしたらあの世界では諸々の技術的な問題も解決していたのかも知れませんしッ(笑)!
そうして、最終決戦はジャパンアクションクラブの面々を総動員しての一大チャンバラアクションになだれ込む訳であります。
SF映画のクライマックスが時代劇調のチャンバラ!?」という感じになりますが、しかし映画をここまで観ていたらその宇宙チャンバラもすんなり受け入れてしまって、千葉真一と成田三樹夫の一騎打ちに注視してしまったりもする訳です。

細けぇ事は良いんだよ! 映画はノリと勢いなんだッ!」という感じで、物語があれよあれよと進んでいく感じのノリとテンポの良さがこの作品の魅力の神髄と言える訳でございまして、きっちりとした娯楽大作として、この『宇宙からのメッセージ』は完成していると管理人は思うんですよね。ジャンルがSFであっても、それを自分達のグラウンドに持ち込んだ監督以下スタッフの作戦勝ちであります。
同じ『スター・ウォーズ』の便乗映画である『惑星大戦争』が昔ながらの東宝特撮のノリで仕上がっていたのに対し、『宇宙からのメッセージ』は任侠・時代劇テイストにテレビ特撮ヒーロー作品のテイストを加味した映画として仕上がっていたと思います。いわば、東映全乗せ映画だったと言えるのでは無いでしょうか。
ふたつの制作会社が『スター・ウォーズ』を起点としてそれぞれ自社の特色を存分に活かした作品を制作しているというのは、実に面白い部分でありますよね。

さて、本作の特撮面についても少々。
本作は15億の総予算のうちの約4億円を特撮に注ぎ込んでおりまして、見ごたえのある特撮を堪能する事が出来る訳であります。
大きな見どころと致しましては、やはり宇宙戦艦や宇宙戦闘機といったメカ群や、それらメカ群の操演による戦闘、艦隊戦の爆発・炎上といったものになりますかね。地表を飛ぶ宇宙艇の風圧で砂塵が舞い上がったりする表現は見事ですし、カット割りと光学作画を駆使したスピーディーな空間戦闘は、東宝特撮とはまた違った趣があります。
特に敵の動力源への戦闘機での侵入・破壊は、当時としては珍しいレンズ口径の小さいシュノーケルカメラを駆使して撮影されており、この一連のシークエンスは、『スター・ウォーズ ジェダイの帰還』の終盤で反乱軍が第2デス・スターの動力部を破壊する一連のシークエンスの元ネタになったりもしております。
その一方でロケット噴射で惑星が動き出すという、『妖星ゴラス』かよ! と突っ込みたくなるような奇想天外な特撮アクションもあったりもして(笑)。
そして本作で培われた特撮演出は後の『メタルヒーローシリーズ』や『スーパー戦隊シリーズ』といった東映のテレビ特撮シリーズにふんだんに継承されていたりもします。色々な「見たことがある演出」が凝縮されており、80年代以降の東映特撮の原点を観るという、そういった見方も、或いは出来る訳でありますなぁ。

全体的にはまぁ、アレな感じはありますが、しかしノリとテンポとキャラクター、そして俳優の力が確実にこの映画を「単なる便乗映画」以上に押し上げているように思うんですよね。
何とも言えない魅力が、本作には頑として存在しているのです。
スター・ウォーズ フォースの覚醒』が上映中の今こそ、観直してみるのも一興ではないでしょうか。

・・・因みに、本作の特撮映像をふんだんに流用した特撮TV作品『宇宙からのメッセージ・銀河大戦』もまた制作されており、こっちは忍者ヒーローモノのテイストとして仕上がっていたりします。流石東映だ、ブレねぇ!


【関連記事】
便乗映画として抑えられない、燦然と轟く東宝特撮の凱歌! 『惑星大戦争』

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2016/01/25 21:42|特撮SFTB:0CM:6

爆笑と特撮と謎の感動! 『超強台風』 

台風の季節となってきた訳でございますが、このところの台風災害は「想定外」と言えるような被害をもたらすというのが恒久化しつつある訳でありますので、「たかが台風」と侮らず、万全の備えをしたいものであります。

さて、台風。
古今東西色々と「台風」や「ハリケーン」を題材とした創作作品がある訳であります。管理人などは「台風」と聞けば『機動警察パトレイバー the Movie』を真っ先に思い出したりするのでありますが、皆さんはどういった作品を思い浮かべるでしょうか?
そんな中、管理人のTwitterのTLでは、接近しつつある台風8号が「10年に1度クラスのスーパー台風」という事から、中国で制作された映画『超強台風』が話題になっていました。

超強台風

超強台風』は、中国映画史上初の本格的な災害映画であり、中国国内での映画としては破格の予算がかけられた超大作でございます。また、第21回東京国際映画祭コンペティション部門正式出品作品でもありまして、日本でも2010年に公開されました。
して、そのあらすじは以下のように単純明快。

太平洋上に観測史上最大級の台風が発生、北上を続けた。
その「超強台風」の進路上には、中国沿岸部の人口約120万人の都市が存在していたのであった・・・。



はい。こう書くと、どこにでもある普通の災害パニック映画ですよね。
しかし、この『超強台風』は並み居る災害映画とは格が違う、圧倒的な存在感を誇る強烈な映画なのでございますよ!
上記のポスターを見ていただければ分かると思いますが、メインキャラ枠に犬ですよ! 普通の映画じゃありません(笑)。
この映画の「格が違う」最たる所以は、この映画の主人公である市長なのであります。
超強台風』は、災害パニック映画にあらず。超強台風による人的被害を最小限にするべく命をかけて闘う市長の大活躍を描いた映画なのでございますよ!

市長の大活躍っぷりは尋常では無く、「人的被害が出る」と踏んだらいかなるリスクをも顧みず、市長は全力で挑戦するのであります。
進路予測の段階で、まだ台風が来るかどうかも分からない段階で住民に避難警報を出す、なんてのは序の口。
台風上陸直前の段階で避難を渋る漁師達相手に、暴風雨の中「逃げてくれ!」と土下座をしに行きますし、台風の影響で病院に行けない陣痛が始まり出血の止まらない妊婦には「なんとかしよう!」と言って人民解放軍のヘリと装甲車を総動員して救助、果ては高潮により避難所に迷い込んできたサメを相手に棍棒を持って立ち向かっていくのであります
格好良いぞ市長! 惚れたッ! もうタイトルを「超強台風VS超強市長」にした方が良いんじゃないかな!

市長の七面六臂の大活躍っぷりはもはやギャグの領域にまで達しておりまして、爆笑必至でありますよ。市長の活躍シーンには必ず専用のテーマ曲が流れるというのも、天丼ギャグ感が出ていて更に笑いに拍車をかけます。
恐らく中国国内での事情を鑑みるに、この市長が超人的な描かれ方をされていたりここぞという所で人民解放軍が活躍するというのはプロパガンダ的な側面が多分に含まれているんでしょうけれども、しかしその過剰とも言える演出が我々にとってはギャグに見えちゃうんですよね(笑)。
そうして台風が去り、全てが終わると、笑いを通り越して感動すら覚えてしまうというのがこの映画の恐ろしいところでありますね。もう素晴らしい映画でございますよ!(馬鹿映画的な意味で。
しかもこの映画、ギャグとしてではなく、創っている本人らは大真面目にやっているというのがポイント高いですよ!

そして、市長の圧倒的な存在感と並ぶこの映画の「格が違う」所以は、その映像表現にあるのであります。
なんとこの映画、3DCGでは無く、ミニチュアをメインに据えたアナログ特撮を主軸にスペクタクルシーンが撮られているのでございますよ! 特撮ファンの管理人大歓喜でございます(笑)。
もう今時やらないようなレベルのミニチュア物量をステージに並べ、74年版『日本沈没』もかくや、という勢いでドバーっと濁流をぶちまける! 今では絶対にやらないようなやり直しのきかない一発勝負の撮りきり特撮で、しかも「特撮の大敵」である「水の表現」をやっているのだから、もう脱帽するしかありません。

しかしながら、「どうせ中国の特撮なんだからチャチいんだろ?」と思われるかも知れません。管理人も実際に観るまでは少なからずそう思っちゃっていました(笑)。
まぁ、確かに建物のミニチュアや自動車の模型が粗かったりというのはままありましたが、しかし、大量の濁流を用いた高潮の表現では、同じくアナログ特撮を用いて水を表現した2012年の日本映画『のぼうの城』にも勝るとも劣らない映像になっていましたし、港に打ち付ける波に飲み込まれる漁船のカットなんかにはかなり大きく精巧なミニチュアが用いられており、パッと見では本物と見違えてしまうようなレベルでありました。
また、「現代の特撮」らしく、精密なデジタル合成によってミニチュアの街並みの中にちゃんと人間が存在して動いているという、これまでの特撮では技術的に困難であった映像の実現にも、本作は成功しております。よく見ると、ミニチュアの町に合成された実写の人間の足元にも別素材の水しぶき等が合成されておりまして、非常に芸が細かいんですよね。

いやはや、まさか中国でここまで特撮魂溢れる映画が創られていたとは思いませんでしたよ。
本作の監督を務めたフォン・シャオニン監督曰く、「昨今のVFXはCGに頼りすぎている。私は実写のほうがもっと観客に衝撃を与えることができると思う」との事。
同監督の日清戦争を題材とした『一八九四・甲午大海戦』という作品(いわゆる「抗日映画」なのではありますが。)でも、往年の東宝の戦争映画もかくやという艦船ミニチュアを用いた特撮が使われておりまして、この監督はもう完全に日本の特撮ファンだろうとしか思えないのでありますが、どうなんでしょう。実は特撮博物館にもお忍びで来てたりして(笑)。

そんな感じで、ツッコミどころ満載、特撮的見所も満載のこの映画『超強台風』をご紹介してきた訳でありますが、これからの台風シーズン、皆様も台風の日は『超強台風』を観て過ごしてみるというのはいかがでしょうか。


【関連記事】
【館長】特撮博物館、行ってまいりました!【庵野秀明】

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もうこの予告だけでお腹いっぱいですなぁ(笑)。
ナレーションが74年版『日本沈没』で主役を演じた藤岡弘、氏というのも笑いを誘います。


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2014/07/09 21:00|特撮SFTB:0CM:2

「錆びついた鎧」とは、何だったのか? 『海底軍艦』 

先日のドリル記事(下記【関連記事】参照)を書くにあたりまして、管理人は1963年公開のSF映画『海底軍艦』を観直しました。
で、まぁ観直した率直な感想でありますが、なんと言いますか、やはりといいますか、やっぱり轟天号の格好良さ!コレにに尽きる映画であるよなぁと、再認識した次第でございます。

海底軍艦

映画『海底軍艦』の公開は1963年の暮れ、クレージー映画の一作『香港クレージー作戦』との同時上映でありました。まさに東宝特撮映画全盛期に創られた映画のひとつと言う事が出来ます。
もうこの時期は円谷英二監督大忙しの時期でありまして、こういったSF映画に怪獣映画、そして戦争映画等も含めれば年に3~4本の映画を撮っている事になりますよって、当時の東宝特撮スタッフのスケジュールを考えると、本当に頭が下がる思いでありますね。
そうなると当然映画1本あたりの製作期間も短くなってしまう訳でありますが、その中でも特にこの『海底軍艦』は製作期間が短かった映画でありまして、実質的な撮影期間は僅かに2ヶ月であったと伝えられております。
海底軍艦』の製作期間が短くなってしまった背景としましては、企画倒れになってしまった作品の穴埋め的な感じで、急遽企画された映画だったという理由があったりするのでありますが。
2ヶ月撮影の『海底軍艦』、3週間撮影の『惑星大戦争』(下記【関連記事】参照)・・・。製作期間の短さという点では、昭和の轟天号は呪われていたのかも知れません(笑)。

さて、そういった製作背景の『海底軍艦』、原作は明治30年代に書かれた同名のSF小説となってはおりますが、「艦首にドリルを装備した【海底軍艦】が登場する」という事以外は全くの別物と言って差し支えはありません。「原作」と言うよりも「原案」と言った方が正しいですね。
このあたりは、『海底二万マイル』と『ふしぎの海のナディア』の関連性と同じような感じがしますなぁ。と、いうか、『海底二万マイル』と『ナディア』の関係性は『海底軍艦』の原作と映画との関係性のオマージュだったのかも知れません。特撮大好きな庵野監督的には(笑)。
因みにこの『海底軍艦』は90年代に『新海底軍艦』というタイトルでアニメになっていたりもしますが、勿論この作品も原作版・映画版との共通点は、「艦首にドリルを装備した【海底軍艦】が登場する」という以外にありません。

更に本作の主役メカである海底軍艦・轟天号は、『惑星大戦争』では「宇宙防衛艦 轟天」として、『ゴジラ FINAL WARS』では「地球防衛軍所属万能軍艦 轟天号」及び「地球防衛軍所属万能軍艦 新・轟天号」として、『超星艦隊セイザーX 戦え!星の戦士たち』では「国防軍所属迎撃戦艦 轟天号」として、それぞれ登場しますが、本作との関連性は全くありません。
まぁ、愛されている東宝特撮メカだからこそ、何度もリファインされるのでありましょうなぁ。やっぱり、艦首にドリルが装備されているというインパクトの大きさ故なんでしょうね。ドリル戦艦万歳!
しかし『セイザーX』の劇場版で登場した時は「マジかよ!?」と、なってしまいました(笑)。

閑話休題。
映画『海底軍艦』のあらすじはこんな感じであります。

敗戦から20年、戦後復興を遂げた日本ではこのところ、建設・土木の分野で活躍する技術者が相次いで何者かに連れ去られるという怪事件が起きていた。
時を同じくして、世界各国に1万2千年前に大陸ごと太平洋に沈んだ「ムウ帝国」から脅迫フィルムが届く。
その内容は、

「かつて我々は進んだ科学技術で全世界中を支配下に収めていた。よってこれより全世界は再びムウ帝国の植民地となれ。ついては、我々の世界征服に邪魔となる【海底軍艦】の建造を直ちに中止せよ」

というものだった。国連はこの脅迫フィルムを一笑に付したが、しかしその後ムウ帝国による各国への攻撃が次々に行われ、全世界は恐慌状態に陥る。
これを受けて国連はムウ帝国が建造の中止を要求した、旧日本海軍の未完の最終兵器・海底軍艦こと轟天号に最後の望みを託すのであった・・・。



この映画は1960年代という、「戦後20年」という時代そのものの表象であると言う事が出来るかと思います。
海底軍艦』では戦後20年という時間で日本はどう変わったのかという事が的確に描かれており、その一環として旧日本海軍の最終兵器たる轟天号や現行人類と旧世界の支配者であったムウ帝国人との対比といった、ガジェットや設定が存在するのであると思います。

本作の海底軍艦・轟天号は、大東亜戦争(太平洋戦争)末期、旧日本海軍が起死回生の最終兵器として設計したモノとされておりまして、敗戦に納得出来なかった轟天建武隊の指揮官である神宮司大佐が部下を引き連れて伊号403潜水艦で日本を脱出、20年の歳月をかけて密かに太平洋上の島で建造していた、という設定となっております。
神宮司大佐は戦後20年を経ても尚敗戦に納得出来てはおらず、轟天号で米国を攻撃する事で「大日本帝国」を再建しようと考えていた訳でありますね。
しかしながら日本国憲法下で「戦争放棄」を掲げ、「平和国家」としての道を歩みだしていた日本は、もう神宮寺大佐の知る日本では無くなってしまっていた訳です。
その象徴として、高島忠夫演じる主人公・旗中の、
あなたは愛国心という、錆びついた鎧を着けている亡霊です!
という台詞があると思うんですよね。

管理人は1990年生まれであり、戦前・戦時中の考え方や思想というモノを直接知っている訳では無いのですが、見たり読んだりした様々な本や資料や祖父母から聞いた話なんかを総括すると、やはりあの時代の「愛国心」というのは、全体主義的と言いますか、「公のために個を殺して国のために尽くす」という考え方であったように感じます。
それが良かったのか悪かったのかと言えば、やはりその考え方が大東亜戦争の悲劇に繋がっていると言わざるを得ない訳でありまして、そう考えると戦後20年という年月で変わった思想・考え方からすれば、神宮司大佐は「過去の亡霊」でしか無いという訳でございます。

その「過去の亡霊」である神宮司大佐率いる轟天建武隊が、同じく「過去の亡霊」たる、1万2千年前に滅んでいた筈のムウ帝国と戦う事になるという構造は、実に皮肉めいた話ではあります。
しかし、だからこそ神宮司大佐が轟天号を「大日本帝国再建のため」では無く「ムウ帝国撃滅のため」に出撃させるという一点に絶大なカタルシスが生じる訳でございますよ!
しかしながら、「錆びついた鎧を脱いで清々した」と言いつつも、旧日本海軍の軍服を最後まで脱がなかった神宮寺大佐の姿は、「旧世界の亡霊はやはり旧世界でしか生きられない」という事を暗示しているかのようでもあるんですよね。
ラストシーンでの、死を覚悟で帰っていくムウ帝国皇帝をいつまでも見つめる神宮司大佐の姿は、「自分も、この世界では生きられない」という事を悟っているようにも見えるのであります。

実際に1960年代から1970年代にかけて、終戦を知らずに太平洋の島々に潜伏し、戦闘を継続していた旧日本兵の方々が「帰国」を果たしたりしている訳でありますが、結局変わった日本に馴染めずに国外でその後の人生を過ごした、という方も少なくは無かった訳であります。
この『海底軍艦』の神宮司大佐というキャラクターは、ある意味ではそういった人達の存在を予見した存在であったとも言える訳なんですよね・・・。

錆びついた鎧」というのは、本質的には「」では無く、更に言えば「愛国心」でも無く、「生きる場所を見失ってしまっている状態」そのものなのでは無いかと管理人は思う訳であります。
その呪縛はそう簡単に「脱ぎ捨てる」事は不可能であるという事を、この『海底軍艦』では語っていると同時に、戦後20年の時間を経て日本はその「錆びついた鎧」を脱ぐ事が出来た、という事もまた語っているんですね。
海底軍艦』は戦後20年という時代の中で、戦中と戦後の精神性の対比を試みた映画でもあるのだと、今回観直して感じました。


・・・と、ここまではクソ真面目に作品の構造についてイロイロと書いた訳ではございますが、基本的にこの映画、ツッコミどころ満載なんですよね(笑)。

例えば、ムウ帝国。地上人より遥かに優れた科学技術を持っていると自称しておきながら、脅迫フィルムに写っている兵士が持っている武器はなんと!しかも、近未来的な衣装では無く、何故か古代エジプト風の装い
劇中の国連はムウ帝国の脅迫フィルムを一笑に付し相手にしなかった訳でありますが、そんなん送られてきたら誰だってそうするわッ!と、突っ込まざるを得ません。

また、轟天建武隊の基地となっている島ですが、そこはあらゆる鉱物が豊富に採れる理想的な無人島というとんでもねぇ島でありました。そんな便利な島が日本の占領下にあったとしたら、太平洋戦争中に戦局が連合国側に傾く前にもっとどうにかなっただろッ!と、これまた突っ込まざるを得ません。
まぁ、鉄人28号然り超人機メタルダー然り、フィクション世界の旧日本軍はなんで負けたのか分からないという状況になっている事は度々ある訳でありまして・・・って、この作品がその元祖ですか(笑)。

他にも、物語中盤でいつの間にか主人公が旗中から神宮司大佐に移っちゃっていたり、スケールの大きい物語の構造をしている割には爆弾数発であっさりムウ帝国が壊滅しちゃうという竜頭蛇尾感溢れるストーリー展開であったり、ムウ帝国の守り神怪獣・マンダがエラくあっさり轟天号に敗れてしまったり、格好良く出撃した轟天号だけど実際そこまで活躍している訳では無かったり・・・と、突っ込みどころを挙げていくとキリがありません(笑)。
まぁ、フォローしておきますとやはり製作期間の短さ故、というあたりになりまして、物語構造的には上記の通り重厚この上ない訳でありますから、もっと色々と練って創られていれば凄い作品になっていたであろうと考えると、色々と惜しいように思いますかね。

しかしながら、轟天号浮上・出撃の一連のシークエンスと、神宮司大佐の「海底軍艦はただいまより、ムウ帝国撃滅のため出撃します!」という号令にはやっぱり痺れます。
神宮司大佐は田崎潤の一番のハマり役であったと管理人は感じている訳でありまして、どの映画で田崎潤を見ても真っ先に神宮司大佐が頭に浮かんでしまいます(笑)。そういえばこの『海底軍艦』を境に、田崎潤は東宝特撮では自衛隊指揮官の役が増えて行ったんですよねぇ。

ハマり役と言えば、ムウ帝国皇帝も小林哲子のハマり役でありました。
ケバケバしい厚化粧のムウ帝国皇帝ではありましたが、その立ち居振る舞いからは威厳と気品が溢れており、尚且つあどけない少女っぽさも感じるんですよね。いや、ホントに可愛いんですよ、このキャラ。東宝特撮史上屈指の萌えキャラと言っても差し支え無いのではないでしょうか(笑)。
捕虜となり、轟天号の艦橋に連れてこられながらも「お前達にムウ帝国は倒せん!」と強がりつつ、物凄く自然な振る舞いで一番高い位置にある艦長席に座るシーンあたりが、皇帝の一番の萌えシーンであるように思いますね。
また、「ムウ帝国の心臓は破れん!」と、ついついムウ帝国の弱点を漏らしてしまう皇帝。
これを「ドジっ子だ!」と言ってしまうのは簡単(そもそもムウ帝国自体が、「海底軍艦が邪魔だ」と脅迫フィルムで言っちゃったばっかりに壊滅したようなもんですので、ドジっ子属性は民族そのものの性なのかも知れません(笑)。)ではありますが、しかしその前のシーンでの、連れてこられた日本人の捕虜の処遇について側近から耳打ちされているあたりを見ると、どうやら彼女は単にムウ帝国の頭に祭り上げられているだけの存在のようであります。
そうであるならば、物凄く純粋な気持ちで、ムウ帝国の弱点であるという事など思いもせずに「ムウ帝国の科学技術は素晴らしい!」という意味で皇帝は「ムウ帝国の心臓は破れん!」と言ったのでは無いかと思うんですよね。
そう考えると、もうどうしようもなく彼女を愛おしく感じてしまうのは管理人だけでありましょうか。
それだけに、爆発し、滅亡するムウ帝国へ死を覚悟で帰っていく皇帝の姿は、涙なくしては観られません・・・。

特撮面に関しましては、何と言っても轟天号の格好良さ、コレに尽きると思います。
ドックからの発進シークエンスは最高に格好良く演出されておりまして、「メカの発進はこのように演出すべし」という、教科書的なモノとなっているように思います。
この轟天号発進シークエンスが、後のウルトラマンの防衛チームのメカの発進シークエンスやロボットアニメの発進シークエンスにも繋がっており、延いては『パシフィック・リム』のジプシー・デンジャーの発進シークエンスにまで繋がっているのだと思うと、なんだか感慨深くなりますね。
欲を言えば、特撮シーンは撮られているも本編未使用の、轟天号の3連装電子砲が火を噴いているシーンも観たかった・・・!

特撮面では他にも、東京丸の内のダイナミックな一斉陥没シークエンスや、東京湾の大爆破、ラストのムウ帝国大爆発などの大スペクタクル特撮も堪能出来る訳であります。このあたりは映画館の大スクリーンで観ると凄い迫力なんでしょうなぁ・・・。
また、地味ではありますが、米軍の原子力潜水艦・レッドサタン号が海上を航行している場面の波の表現は見事でありますし、そのレッドサタン号が水圧に押しつぶされて圧潰・爆散するシークエンスも素晴らしい出来となっております。
その一方で『世界大戦争』や『宇宙大戦争』からの流用カットも目立つ訳でありますが、まぁ、それはスケジュールが逼迫していたというのもありますので・・・(笑)。


そんな感じで長々と『海底軍艦』について書いてみた訳でございますが、いかがでしたでしょうか。
東宝特撮映画に限らず、50年代~60年代初頭の日本映画全盛時代は本当に魅力的な映画ばっかりでなんですよね。やっぱり日本が元気だった時代に創られた、エネルギッシュな映画達だからなんでしょうかね。
翻って現在の日本映画は、それはそれで面白くはあるんですけれども、やっぱり勢いとエネルギッシュさが無いなぁと、感じざるを得ない訳であります。
嗚呼、日本はどこへゆく・・・と、現在の日本映画と日本の実情を鑑みて未来を憂いてしまう、今日この頃であります。


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ドリル文化についてのお話
今こそリメイク版製作の時だ! 『惑星大戦争』
↑去年もこの時期に轟天号関連の作品の記事を書いていたんですね。なんというか、そういう時期なのかなぁ、と(笑)。

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便乗映画として抑えられない、燦然と轟く東宝特撮の凱歌! 『惑星大戦争』 

現在、『宇宙戦艦ヤマト』のリメイク版である『宇宙戦艦ヤマト 2199』が放送されております。
また、来る2015年から5年連続で『スターウォーズ』の新作が立て続けに公開される、という発表が成されました。
ヤマトとスターウォーズ。この組み合わせから管理人が想起するのは、『惑星大戦争』という一本の特撮映画であります。
惑星大戦争』は、1977年12月に東宝が制作・公開したSF特撮映画であります。『宇宙大戦争』、『世界大戦争』、『怪獣大戦争』に続く、東宝特撮4本目にして(現在の所)最後の「〇〇大戦争」映画でもあります。
もう、前述の流れから分かりますように、同年海外で大賑わいをしていた『スターウォーズ』に便乗する形で打ち上げられた企画であります。しかしながらこの映画は、色々と凄い映画なのでございますよ。

惑星大戦争

この映画は、企画から公開までの製作期間は僅か2ヶ月という驚異の突貫制作によって創られました。撮影期間はたったの3週間であったというのだから驚きです。でもまぁ、2週間で撮影を終えた『ゴジラ対メガロなんて映画も日本特撮界にはありますので、別段驚く事でも無いような気がしてしまうというのが恐ろしいですね。
また、タイトルである『惑星大戦争』というのは『スターウォーズ』の日本公開での邦題案として挙がっていたものなのでありました。『スターウォーズ』がそのままのタイトルで公開せずに「惑星大戦争」という題で公開していたら、『惑星大戦争』はどんなタイトルになっていたのかというのがちょと気になります(笑)。
で、まぁ、その内容なのですが、あらすじはこういう感じになっております。

時に西暦1980年、宇宙時代を迎えていた人類は、世界各国で起こるUFOの出現とそれに伴う怪電波による大騒動に悩まされていた。これを宇宙からの侵略であると危惧した国連宇宙局・宇宙防衛軍は、宇宙防衛艦の建造に着手する。しかし、建造中にUFOや怪電波がパッタリと止んでしまい、それに伴う形で宇宙防衛艦の建造も打ち切られてしまう。
時は流れ1988年。再び謎のUFOは活動を再開、世界中の主要都市がUFOによる攻撃を受ける。更には宇宙ステーション・テラが爆発。これを受けて国防軍(宇宙防衛軍じゃない!)は、建造が打ち切られた宇宙防衛艦の建造を再開させ、怪電波の発信源であり、敵の根拠地である金星に向かって出撃させた。

かくて、宇宙防衛艦「轟天」の航海が始まったのである・・・。



宇宙防衛艦の名前が「轟天」となっており、立派なドリル戦艦である事から分かりますように、本作『惑星大戦争』は1963年公開の特撮映画『海底軍艦』のリメイクとも言える映画なんですよね(因みに、『海底軍艦』も『惑星大戦争』程ではありませんがスケジュールに余裕のない中制作された映画でありました。・・・轟天号にはそういう呪いでもかけられているんでしょうか)。
そして、宇宙防衛艦というガジェットやストーリー展開を見ると、『スターウォーズ』というよりも『宇宙戦艦ヤマト』の方が近いと言えます。

この映画そのものが突っ込みどころの塊みたいな存在であることからも分かる通り、この作品、突っ込みどころ満載の映画なんですよね。
まず大きな突っ込みどころとして、敵の宇宙母船である「大魔艦」がどう見ても古代ローマのガレー船。何で!?宇宙飛んでるのに何でそんなカタチをしてるの!?船のカタチなのは別に良いのですが、なんでローマ船!?
その敵が地球の悪の科学者とかならまだ話は分からなくも無いですが、敵はれっきとした宇宙の彼方からやってきたヨミ惑星人」なる方々で、ガミラス人のような感じで、肌の色は緑色の宇宙人さんです。司令官であるヘルさんは、『スターウォーズ』の便乗映画らしく、チューバッカもどきの「宇宙獣人」なる怪物を従えさせております。
この宇宙獣人がまた笑えまして、唐突に鎌を持って突っ立って登場するんですよね。壮大な音楽付きで。しかも、見た目のインパクトが強烈なのに全然強くないというのがまたアレです。
そして、極めつけは敵の司令官・ヘルさんの自己紹介。古代ローマ風の装束を身にまといながら仰々しく、「私は、銀河帝国司令官・ヘルだぁー!!」と、実に間抜けな自己紹介を行うんですね。もう耐えられません(笑)。

他にも、バンバン仲間が死んでいくのに殆ど無反応な轟天乗組員や、折角轟天に潜入する事に成功したのに特に破壊工作をするでもなく艦長の娘を人質に拉致するだけのヨミ惑星人、大魔艦の口(本当に「」としか表現出来ない場所があるのです。)を見て、「よし、あそこが排気ダクトだと仮定して作戦を立てよう」と言って違ったらどうすんだと思っていたら本当に排気ダクトであっさり潜入できたり、俳優の弾着があからさまに見えていて「あ、このキャラここで死ぬな」というのが分かったり、ヨミ惑星人に連れ去られた艦長の娘がボンテージ姿で拘束されているという必然性皆無なお色気として挿入されていたり。内側から解錠可能な牢屋が登場したりで、もう突っ込みどころを挙げていくとキリがありませんよ!
おまけに、低予算・超短期間製作という制約上から、地球上の都市破壊特撮シーンは『世界大戦争』や『日本沈没』といった過去の特撮映画からの流用となっておりますので、安っぽい作りが更に安っぽく見えちゃって大変アレであります。

・・・と、まぁ、ここまでは突っ込みどころばっかり取り上げてきた訳なのではありますが、しかしこの映画は非常に丁寧かつ真剣に創られているんですよね。
低予算・超絶スケジュール故に笑ってしまうような部分は多々ありますし、コミカル要素を一切廃した演出もまた逆にシリアスな笑いを誘ってしまってはいるのですが、逆説的に考えれば便乗映画だからといって安直にコミカル路線に走ったり適当に創ったりといった事は一切無いというのが、この『惑星大戦争』という映画の魅力なのではないかと思うのであります。限られた予算・限られた時間の中で出来るだけ良いものを創ろうというスタッフの気概が映像からガンガン伝わってくる、良い映画でありますよ。
主なターゲットであった子供に媚びた創りでも無く、便乗映画だからと言って便乗しておらず。敵の装束や大魔艦が古代ローマ風であり、一切宇宙っぽさを廃しているのも『スターウォーズ』の向こうを張った結果であるとも言えます。

特撮面では、ヨミ惑星人との戦闘は大体しょっぱい出来なのではありますが、しかし本作の主役メカである宇宙防衛艦「轟天」が最高に格好良く演出されているんですよね。
まずそのフォルム!『海底軍艦』の万能戦艦「轟天号」の面影を残しつつ、全く新しい宇宙戦艦として新生を果たしたと言えるでしょう。『ゴジラ FINAL WARS』で宇宙戦艦然とした新生轟天号が登場しましたが、やっぱり『惑星大戦争』の轟天の方が断然格好良いと管理人は思ってしまうのであります。
轟天のリボルバー式に艦載機を打ち出す「リボルバー式カタパルト」等はよく出来ており(しかし、カタパルト部分からビームも出せるというのは謎であります。)、映像で観ると凄く格好良いんですよね。このギミックは『宇宙戦艦ヤマト 2199』の、宇宙戦艦ヤマトに搭載された回転式艦載機格納庫という形でオマージュされていたりします。いやはや、『ヤマト』→『惑星大戦争』と来た流れから再び『ヤマト 2199』に繋がったと考えますと、感慨深いものがありますなぁ。

そして極めつけは金星での轟天と大魔艦の一騎打ちであります。
中野昭慶特技監督お得意の爆発演出が光っておりまして、もうそこかしこでバンバン大爆発が起こっちゃっております(最終的に金星そのものも爆発しちゃいます)。そんな中で金星の空を疾走する二大宇宙戦艦!何気に、戦争特撮映画以外で艦隊戦を描いた特撮映画ってそんなに無い訳でありますので、そういった意味では貴重な映像となっているのではないでしょうか。
宙返りをする轟天、バリアを展開しビームを撃つ大魔艦!パノラマ感溢れる大特撮であります!

そういった感じで、骨の髄まで昔ながらの東宝特撮であった『惑星大戦争』、プロデューサーの田中友幸氏は本作をして「スターウォーズから学ぶべきものは何もなかった!」と豪語しているのでありますが、正しくその通りですね(笑)。この映画の目的は便乗でも何でも無く、「轟天号を宇宙に飛ばしてやろう!」というものでありますから(笑)!
しかし、この作品以降はもう昔ながらの東宝特撮が観られる事は無くなってしまう訳です。1954年公開の『ゴジラ』以来続いてきた東宝特撮のひとつの時代が終わってしまった、その最終期に創られた映画、それが『惑星大戦争』なのでります。そう考えると、色々と物悲しい映画のようにも感じられますなぁ。『惑星大戦争』、なかなかに奥が深い映画であります。
本作を礎にして後年『さよならジュピター』が製作されたという事を考えると、また一層感慨深くなりますね(そうかな?)。

そんな訳で現在、『ヤマト』、『スターウォーズ』が出てきておりますから、是非とも東宝は『惑星大戦争』のリメイク版の制作に取り掛かって欲しいところであります(笑)。
そうしたら東映が『宇宙からのメッセージ』をリメイクしだしたりして、また面白い事になりそうな気がしますね(そんな事にはならないでしょうけれども(笑))。


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↑ある意味では、『惑星大戦争』がリメイクしたらこんな感じになる、という指針かも知れません。

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惑星大戦争』、ひょっとしたら管理人が初めて観た昭和東宝特撮映画なのかも知れません。
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天体衝突特撮SF映画『妖星ゴラス』 

漸く卒論が完成しました。いやはや、色々と大変ではありましたが卒論を書く事自体は非常に愉しかったです。
そんな訳で「卒論終わったぜ祝賀会」と称しまして、『巨神兵東京に現わる』を観て特撮熱が出たという友人と一緒に『妖星ゴラス』を観た訳であります。

♪おいっらうっちゅうのパ~イロットッ!


妖星ゴラス』は、1962年公開の東宝特撮SF映画。レンタル店に置いている事も少なく(管理人は一度も見かけたことがありません・・・。)、友人らに「知ってる?」と訊いてみても誰も「知ってる」と言う者はいないので、現在に於いてはマイナーな映画であると言えます。管理人も初めて観たのは「東宝特撮映画DVDコレクション」の19号として届いた時でありましたから、(少なくとも管理人の世代では)熱心な特撮ファン以外はタイトルすら知らないという人が殆どなのでしょうなぁ・・・。
ストーリーはこんな感じです。

時に西暦1979年。
80年代を間近に控えたこの年は、世界中から宇宙開発ロケットや宇宙ステーションが多数建造されるという宇宙開発ブームの真っ最中であり、日本も木星探査有人ロケット「JX-1隼号」を打ち上げていた。

そんな中、パロマ天文台が太陽系近辺に地球の6000倍もあるという黒色矮星「ゴラス」を発見、宇宙探査中の全宇宙船に「ゴラス」探査の御触れを出す。この報を受けてJX-1隼号の艇長は土星探査を中断し、ゴラス探査に向かった。

しかし、黒色矮星ゴラスは恐るべき天体であった。質量は地球の6000倍であったが、その直径は地球の4分の3であったのだ。JX-1隼号がゴラスを確認した時には既にその引力圏に捕まっており、脱出はもはや不可能だったのである。データを地球に送信した隼号は、ゴラスに吸い寄せられ、爆散してしまうのであった。

地球の各国宇宙局が隼号のクルーが命を賭して送信したデータを解析した結果出たのは、「ゴラスが現在の進路を保つと地球に衝突する」という恐るべきものだった・・・。
 



そんな天体にどうやって人類は立ち向かったのか?
南極に巨大なブースターを作って地球ごと避難したのだ!
天体衝突を題材にしたSF映画は古今東西数多とありますが、「衝突する天体を爆破or軌道を変える」とか「地球を脱出する」とかいうのはよくありますが、「地球が逃げる」というのを真剣に描いたのはこの作品だけでは無いでしょうか。
そうなんです。この作品、「地球が逃げる」というのを真剣にやっているのです。
志村喬の「地球も無事動きだしたし、良い正月だな」というとんでもねぇ台詞が聞けたりするんですね(笑)。

当時の東京大学理学部の教授に科学考証を依頼し、劇中に登場する数式や描写は基本的に科学的根拠に裏打ちされたものとなっているんですよね。
科学面の裏打ちだけでなく、劇中でも世界中の研究者や宇宙パイロット達が「地球を救う」という1点の為だけに全力を注ぐのであります。
妖星ゴラス』はまさしく、「プロフェッショナル達の映画」なんですよね(隼号の最期のシーンが何度観ても泣けるのよ・・・。 物語自体も「プロフェッショナル達の映画」でありますが、「地球が逃げる」という荒唐無稽でバカバカしい事を映画として描き切ったスタッフ達もまた「プロフェッショナル」と言えますね。作品内外共に、正に「プロフェッショナル達の映画」であると言えます)。『ゴラス』の世界でのNHKでは『プロジェクトX 挑戦者たち 男たちの地球移動作戦』が放送された事でしょう(笑)。
翻って、「土星探査を打ち切ってゴラス探査に向かった隼号の責任問題」を追及したり野党の出方を心配したりして当初は隼号の決死の行為を問題視していた日本政府(このあたりは日本政府が最期まで核兵器不使用を世界に訴え続けた『世界大戦争』と正反対ですな。)が各国首脳から隼号のデータに対する感謝の報を受けた瞬間手のひらを返したり、一般市民が「ゴラス衝突」を全く信じていなかったりと、プロフェッショナル達の「真剣さ」と対比になっていたのが面白いんですよねぇ。

特撮面も非常に素晴らしく出来ております。
特筆すべきはに南極の巨大ブースター群建設のシークエンス。画面の端から端まで並べられたミニチュアワークはもう圧巻と言うしかありません。これをスクリーンで観れたら、さぞかし凄いんでしょうなぁ・・・。
他にも、ミニチュアワークで表現される窓外の夕焼け風景や、東宝特撮のお家芸である釣り操演による宇宙ロケットの描写、ゴラスによる猛烈な高潮に飲み込まれる東京や、山崩れや地盤沈下といったダイナミックな特撮スペクタクルシークエンスに加え、突如出現する怪獣・マグマなど、これでもかというくらいに愉しめる特撮映画として仕上がっております。
・・・なんで怪獣を出すかなぁ・・・。

本来この映画には怪獣は出て来ない事になっていた訳なのでありますが、クランク・アップ直前に東宝上層部から「怪獣を出してほしい」という要請があり、急遽登場したとのこと。
劇中では「南極ブースターに)事故が起きたら大変だ」と盛んにフラグを立てて警戒していたところに、地震が起きた・・・と思いきや、それは怪獣マグマの仕業だった!もうこれには今回隣で観ていた友人もずっこけてました(笑)。怪獣好きの管理人も初見の時には「いくらなんでもこりゃねぇよッ!」と突っ込みを入れざるを得ませんでした。
しかも怪獣マグマ、どう見てもセイウチみたいな姿をしているのに、劇中では「爬虫類」とハッキリ断言されていたり、もう突っ込みどころの塊みたいな存在なんですよね。
しかしながら、怪獣マグマの着ぐるみには当時としては初めてポリエチレン樹脂が使われたり、マグマと志村喬らの演じる科学者達の絡みは、本編の本多猪四郎監督では無く円谷英二特技監督が直接演出を手掛けたりしており、結構力が入っているんですよね。マグマと科学者達の合成カット等は、怪獣が登場する映画の合成カットの中でも屈指のモノとなっているのではないかと思います。

突っ込みどころと言えばもう一つ。挿入歌『俺ら宇宙のパイロット』。
久保明演じる宇宙パイロット達がヘリコプターに乗って宇宙省に飛んでいくシーンで唄われるのでありますが、作中人物達が「♪おいっらうちゅうのパ~イロットッ!」と唄い上げるのを観て、「ああ、勇壮な歌だなぁ」等と思っていると「♪くっもら~ぬそら~は~」と、2番に突入!そうです。フルコーラスで流れるのです
こ・・・これは『ゴジラ対メカゴジラ』のキングシーサー復活の為に唄われる『ミヤラビの祈り』の再来かッ!?(※『妖星ゴラス』の方がずっと先です。
しかも劇中では事あるごとに登場人物が口ずさんだりキャバレーで唄われたりで、しょっちゅうこの挿入歌を聞かされる事になります。
もう管理人は何回もこの映画を観返しているせいで、とうとう唄えるようになってしまいましたしかしカラオケには入っていないんですよね。哀しい・・・)。
いや、ウン。良い曲なんですけどね。

と、まぁ、記事の後半は怪獣マグマとやたらと長い挿入歌についてになってしまいましたが、公開当時の日本は「高度経済成長期」であり、更に言えば「ガガーリンによる人類初の有人宇宙飛行やアポロ計画の宇宙開発に対する関心が高まっていた」時代に創られた映画でありますので、全編通して非常にエネルギッシュで希望に満ちたストーリーになっているんですよね。また、約1時間半の上映時間をフルに使った、無駄の無いテンポの良さが非常に心地良いですね。
妖星ゴラス』、管理人は大好きです!
それだけに、今年の夏に行った「特撮博物館」に南極ブースターの建設を行っていた重機や猛烈な高潮に飲み込まれる電気機関車等のミニチュア、ゴラスのプロップが展示されていたのは、非常に感慨深いものでありました。

・・・2010年公開の『SPACE BATTLESHIP ヤマト』が公開された時、宣伝文句に「日本初の本格的SF映画」等と謳われたりしておりましたが、とんでもない。この『妖星ゴラス』をはじめとして日本には昔から、特撮SF映画が沢山創られてるんだよッ!と、声を大にして言いたかったなぁ・・・等と思う平日の午後でありました。


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本当に怪獣マグマは何の脈絡もなく「突如出現」します(笑)。



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特撮巨大ロボット映画の金字塔『GUNHED』 

ここ最近、プラモデルが発売したり上映会が執り行われたりしており、当ブログでも取り上げる事が多くなってまいりました特撮ロボット映画『GUNHED』でございますが、よくよく考えたら当ブログで本格的に『GUNHED』を取り上げた事が無かったという事に気付きました。こりゃいけません!
と、いう事でございまして、本日は『GUNHED』について、少し書こうかと思う次第であります。

先日の上映会のポスター。ホントに行きたかった……。

そもそも『GUNHED』って何じゃ?そう思われる方も多いのではないでしょうか。この映画、マイナーも良いところですもんね・・・(笑)。
早い話がアレです。『機動戦士ガンダム』をはじめ、様々なロボットアニメを世に送り出してきたアニメ制作会社サンライズと、『ゴジラ』をはじめとした特撮映画を世に送り出してきた東宝がガッチリとタッグを組んで制作した、特撮巨大ロボット映画、それがこの『GUNHED』なのであります。
監督は後に『突入せよ! あさま山荘事件』を手掛ける事となる原田眞人監督。
特技監督はメカニック描写に定評があり、『平成ゴジラVSシリーズ』の特技監督として有名な川北紘一監督であります。
主役であるブルックリン役を務めたのは高嶋政宏氏。東宝特撮では『ヤマトタケル』での主演などがありますな。
また、主役メカ・ガンヘッドのメカニックデザインとして、『マクロスシリーズ』で監督を務め、現在放送中のアニメ『超速変形ジャイロゼッター』にもメカニックデザインとして参加している河森正治監督が参加していたりします(因みに、「GUNHED」というのは河森監督がデザインしたメカにつけた仮称で、仮称がそのまま正式名称になってしまったのでありました)。
公開前後は何やら凄かったそうでありまして、全高約6メートルの実物大ガンヘッドを制作(本編でも使用!)して新宿アルタ前広場に展示したり、「世界初の実写巨大ロボット映画!」を謳い文句に大々的に宣伝する(いや、日本の特撮にも『スーパーロボット レッドバロン』とか『ジャイアントロボ』とか『大鉄人17』とか『スパイダーマン(東映版)』とか、巨大ロボットが出てくる作品は沢山ありますが、それらは全部TV作品なので、セーフです。モゲラとかジェットジャガーとかメカゴジラとかを呼んじゃダメです。)等、それはそれは華々しいものだったんだそうです。
で、その内容なのでありますが・・・。

あらすじは、こんな感じでございます。

2025年、無人島8JOに建設された全自動のロボット工場を司る巨大コンピューター「カイロン5」が人類に宣戦布告。人類は鎮圧のため自動戦闘ロボット「ガンヘッド」の部隊を送り込むが守護神「エアロボット」の前に全滅、島は封鎖された。

13年後、カイロンのCPUを盗むべく島に侵入したトレジャーハンター「Bバンガー」の面々は、連邦政府の研究所から超電導物質テキスメキシウムを奪って逃亡していた生体ロボット「バイオドロイド」の襲撃をうける。生き残ったのはメカニックに強い青年ブルックリンと、バイオドロイドを追ってきた女性レンジャー・ニムの2人のみ。島に生き残っていた子供セヴンとイレヴンに助けられる2人。やがてカイロン5の恐るべき陰謀を知ったブルックリンは、残骸の中に生き残っていたガンヘッド507号機を有人型に修復、カイロンとエアロボットに戦いを挑む。

Wikipedia該当ページより引用



ストーリーは実に王道な敵中突破もの・・・なのですが、正直なところ、この映画は非常に人を選ぶ映画だと思うんですよね。
例えば、作中人物の描写。この映画では、登場人物が日本語と英語をごちゃまぜで会話するのであります。
えっ、何ソレ!?」等と言わんでください。実際にそうとしか言いようが無いのです。
日本語で話しかけたのに英語で返答し、それに対して英語で返答すると日本語で返答されるという・・・うん、文章で表現するのは難しいですね。これはちょっと直接観てもらうしか・・・。下記【関連動画】の予告編を参照していただければ幸いです。
他にも、最初に出て来る7人組のBバンガーの面々が物語開始数分で主人公を残し全滅したり、この映画に於ける敵である神出鬼没な殺人鬼「バイオドロイド」が仮面ライダーV3』に登場する怪人・テレビバエにソックリで失笑してしまったり、「巨大ロボットアクション」と言うからにはガンダムやマジンガーZのような二足歩行ロボが出て来るものだと思っていたら登場したガンヘッドはどう見ても可変式巨大戦車(終始、車輪で動きます。だったり、突っ込みどころを挙げていくとキリがありません
やろうとしている事は分かるのですが、全てがことごとくアレな感じに仕上がっており、非常に居た堪れない気分になる視聴者続出な映画なのであります。
当然というかやはりと言うか、興行収益では「惨敗」、「企画の失敗」等といわれてしまうような惨めなものだった訳でありまして、日本で今日に至るまで「実写特撮巨大ロボット映画」が無いのは偏にこの『GUNHED』の失敗が尾を引いていると言われている程です。
だからハリウッドの『トランスフォーマーシリーズ』に追い抜かれてしまったんだッ!アレだって我が国の変形ロボット玩具企画から始まったものなのに!
そんな感じのどうしようもない映画の烙印を押されてしまっている『GUNHED』な訳でございますが、その上で管理人は声を大にして言いたいのであります。

俺は『GUNHED』が大好きだッ!!

この『GUNHED』の魅力は、何と言っても主役メカのガンヘッドでございますよ。
いかにも「重戦車」というデザインをしていながら、搭載しているAIは妙に人間臭いのです。

動く棺桶です
豚の丸焼きを御存知?
チームメイトを置き去りですか?
確かに、9回裏ツーアウトで、確率から言えば勝ち目はない。でも、そんなもの、クソ喰らえ!でしょう?
最期にひとつだけ。死ぬ時は、スタンディングモードで!

確率をクソ喰らえと一蹴するロボですよ!人間臭くて管理人は大好きです。
こういった非人間型のロボットだからこそ、こういった台詞が栄えるのでありますなぁ。
また、冒頭で死んでしまうBバンガーの面々を含め、登場人物は皆キャラクターが立っており、実に魅力的でありますよ!こういうキャラクターは強くともアクが強すぎないという独特の雰囲気の映画も(邦画としては)珍しいのではないでしょうか。

さてさて、特撮面は川北演出が冴え渡っておりまして、終始に渡って非常にハイレベルな特撮を堪能する事が出来る訳です。
青白い逆光でシルエットを浮かび上がらせながら前進(同様のメカニック演出は、『ゴジラVSスペースゴジラ』のロボMOGERA等でも見られる、川北監督お得意の演出であります!)するガンヘッドは最高に格好良いし、狭い通路に沿って飛んでいくミサイルは思わず「おおッ!?」と唸らせられますし、様々なカタチで、「実写特撮巨大ロボットとはこういうもんだーッ!!」という映像を魅せてくれるのでありますよ。
90年代の『平成ガメラシリーズ』がアナログ特撮と3DCGをはじめとしたデジタル特撮を融合させた特撮作品と位置づけできるとすれば、この『GUNHED』はアナログ特撮の頂点である、という位置づけが出来るかと思います。
・・・同時に、アナログ特撮の限界も提示しており特撮ファンとしては是非とも押さえておくべき作品となっているように管理人は思います。

どちらにせよ、まぁ、非特撮ファンには(否、特撮ファンにも)あまりおすすめは出来ないような感じの作品なのではありますが、英語と日本語が混じり合うような世界観や、主人公・ブルックリンとガンヘッドの掛け合い等、独特の雰囲気が合えばとことんハマってしまう、そんな作品でありますね、『GUNHED』は。
取り敢えずアレです。
ひょっとしたらあなたに合う作品かも知れないので、レンタルビデオ店で見かけたら、是非借りて観てみてください!
・・・もし合わなかったらゴメンナサイ。悪い夢だったと思って忘れてください。

・・・しかし、レンタルビデオ店に置いていないんですよねぇ、『GUNHED』。
一部のコアなファンくらいしかそんなものを有難がって観る奴は居ないマイナーな特撮映画ですから、レンタル店に置いておいてもスペースをとるだけになるだけと判断されているんでしょうね。管理人は1度もレンタル店で見かけた覚えがありません。
そうですよ。観ても無いのにいきなり買っちゃったんですよ、7000円からするDVDを!だって無いんだからしょうがないじゃないですか!
でも、今は本当に良い買い物をしたと思っております。合って良かった・・・。
しかし、普通の人は観ても無い作品に7000円強も出すような事はしませんよね・・・。

と、いう事で全国のレンタルビデオ店の店員さん。是非とも『GUNHED』を店頭に並べてください!お願いします!


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終末SF特撮映画 『世界大戦争』 

先日、東宝特撮映画DVDコレクション第40号が届きました。内容は、『世界大戦争』。
いやはやこの作品、話には聞いていたのでありますが実際に観るのは今回が初めてでありました。この作品、どこのレンタルビデオ店にも無いんですよねぇ(苦笑)。そして、DVDを買えるだけのお金も買う機会も無かった訳でありまして、これまで観れていなかったのでありますが、この度とうとう観る事が出来ました。こういうのがあるからこの東宝特撮映画DVDコレクションは嬉しいんですな。
で、観た感想でありますが、正直な話管理人、号泣致しました(笑)。

世界大戦争

この作品の公開年は1961年でありまして(『モスラ』の公開年と同じですね。)、戦後16年、そして、東西冷戦下という時代の影響下で創られている訳であります。
冷戦・・・。戦後半世紀近くに渡り続いた「冷たい戦争」と呼ばれた自由主義陣営と共産主義陣営との世界的対立構造ですな。1947年の米国のマーシャル・プラン以降の、ヨーロッパに於ける東西軍事ブロックの確立、そして全世界規模の軍事的緊張・・・。ベトナム戦争や朝鮮戦争は米ソの直接的介入のあった代理戦争の呈を成しており、それらは最早「冷たい戦争」とは呼べないモノでありました。そして1961年(この映画の公開年ですな)にはキューバ危機も起こっており、世界はいよいよ全面核戦争の恐怖に怯える時代が到来してしまった訳であります。

そんな中公開されたこの『世界大戦争』、当然、反戦色の強いものとなっております。
劇中の世界も現実世界に酷似しており、「同盟国側」と「連邦国側」という2つの陣営に分かれて対立しているという世界観でありました。しかしながらこの「同盟国側」と「連邦国側」、ネーミングもそうですが、それぞれの軍服からどのような特徴の国なのかというのが容易に想像できるんですな(笑)。まぁ単純に「分かり易さ重視」という事なのですけども。
そういった中で、両陣営は互いに領海・領空侵犯という挑発と非難を繰り返し態度を硬化、ついには朝鮮半島の38度線を挟んでの大規模戦闘も行われ、戦術核兵器も使用されてしまうという事態に陥るのですが、和平交渉が成立、一件落着。・・・と思ったのもつかの間、ベーリング海上空で戦闘機による戦闘が起こり、ついには全面核戦争へと発展、世界は核の炎に包まれ、人類は滅亡してしまった・・・。

まぁ、ストーリー的にはこんな感じなのでありますが、劇中描かれているのは、外国人記者の運転手を勤めつつ株で小金を儲けている主人公の田村茂吉をはじめとした、日本の一般庶民の生活がクローズアップされているんですな。戦後16年、見事に復興を遂げた日本とそこに生き、「今よりほんの少しだけ裕福な生活」を求めて働く人々。しかし、そんな人々の生活を無常にも奪い去っていく全面核戦争・・・。平和な日常が奪われるという無常感、不条理感を見事に描ききっておりましたね。
最後の晩餐の後、主人公の田村茂吉は誰に言うでもなくこう叫んでおりました。
母ちゃんには別荘を建ててやるんだ!(長女の)冴子には凄い婚礼をさせてやるんだ!(次女の)春江はスチュワーデスになるんだ!(息子の)一郎には大学に行かせてやるんだ!俺の行けなかった大学に・・・!
そして、核戦争が起きる直前、茂吉の娘である冴子が婚約者で船乗りの高野に、「コウフクダッタネ」、「アリガトウ」と無電を打つシーン・・・。
・・・もうね、涙無くては観れないシーンでありますよ!前半に穏やかな日常が描写されておりまして、その後にこのシーンを観せられると、もうね・・・。
これは実際に観なければ分からない(古今東西の東宝特撮映画を扱ったムック本『東宝特撮総進撃』でもSF作家の山本弘氏が同じ事を書いてました(笑))!

また、この作品で出てくる「政府」は、日本政府だけ、というのにも注目したいですね。同盟国側も連邦国側も前線の兵士達は出てくるのでありますが、政治家は一切出てこないんですな。まぁ、現実世界の国際問題に配慮した、という事なのかもしれませんが、「実際に核攻撃を指示した人物」を描かない事により、恐怖感と言いますか、ある種の恐ろしさを感じてしまう訳なんですよね。同盟国側の兵士も連邦国側の兵士も、決して全面核戦争は望んでいませんでしたし、全面核戦争に至る要因になり得るような事態を必死に回避しようとする描写もあったりする訳です(しかしながらそのシーン、「そんな簡単に核兵器が誤作動を起こしたりしないだろ!」というツッコミが・・・(笑)。まぁ、これもまた分かり易さ重視という事なのですが)。
しかし、兵士達の努力虚しく、無常にも国のトップからは「核ミサイル発射」の命令が下されてしまう事になってしまう訳であります。また、唯一描写された日本政府ですが、こちらも最期まで全世界に向けて「核による全面戦争だけは回避してくれ!」と呼びかける訳ですが、その努力も虚しく・・・。
市民の生活にしろ、兵士や日本政府の努力にしろ、結果的に全て水泡に帰してしまう訳でありまして、このあたりも無常感、不条理感がクローズアップされている訳でありますな。この作品の監督である松林宗恵監督は僧侶でもあり、だからこそ一層「無常感」というものを演出したという話だそうです。いやはや・・・。

さてさて、この作品、特撮技術も優れております。もう散々イロイロな所で言われておりますが、38度線での戦闘シーン。ミサイルが戦車に着弾するカットでありますが、これが見事に着弾した瞬間に爆発しているんですな。タイミングを合わせて戦車のミニチュアを爆発させている筈なのですが、それを実現しているのを見ると「これぞ職人技!」としか言いようがありません。しかも2発連続で!脱帽です。
他にも、ジェット戦闘機による戦闘描写。全ての戦闘機からジェット噴煙が出ておりますし、ベーリング海上の戦闘では見事な操演技術によるドッグファイトも演出されております。これもまた職人技でありましょう。
そしてクライマックスの、全世界が核の炎に包まれるシーン。圧倒的爆発もさることながら、その後ドロドロに融けた地表が全てを飲み込んでいくという描写・・・。壮絶な世界の終わりを演出しておりまして、圧巻の極みであります。
因みにこの作品の特撮映像は後に『ウルトラセブン』等でも流用されておりまして、『世界大戦争』を観た事が無くとも映像だけは観た事ある、という人は多いのではないでしょうか(管理人もその一人でした(笑))?

いやはや、凄い作品でありました。しかもコレ、単なる反戦映画に終わらず、矛盾さえも孕んだお話になっているんですよね。
主人公の茂吉は、運転手という本職とは別に株で儲けている訳ですが、当然戦争が起きる事による株の変動による損得という話も出てくるんですよね。また、戦後16年という、日本が戦後から立ち直った時代に描かれたこの作品ではありますが、朝鮮戦争による戦争特需で急速に復興ができたというのもまた歴史的事実でありまして・・・。
そうやって戦争で儲けていた彼らにいざ戦争の危機が降りかかってきた、という事を描く事により、もう一つのテーマが見え隠れしないでも無い訳なんですよね。
今日に於いても、リビアの内乱等、中東情勢の変動によって儲けている人もいらっしゃる訳ではありますが、そういったことについて少し考えてしまいたくなりますね。
実際問題日本も米国の「核の傘」に守られているというフシは多分にある訳ですし、近年頻発してきた隣国との領土問題等、戦争の火種になりかねない要素は結構現代日本にも潜んでいるという事実もある訳であります。

冷戦が終結して20年余り。この時期にもう一度「戦争とは何か?」「平和とはどういうものなのか?」という事について深く考える時が来ているのかも知れません。
この『世界大戦争』は、そういった事を考えさせてくれるような、そういう作品でございました。


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古典的アニメ作品、キムタク主演の実写化!  『SPACE BATTLESHIP ヤマト』 

はい、と、言う訳でございまして、本日より公開の映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』を観てまいりました。
いやはや、一週間前にこの映画に即して『宇宙戦艦ヤマト』の記事を書いた(下記【関連記事】参照)訳ですが、あっという間に一週間経ってしまいましたね。時間の経過は早いものです・・・。

それにしても流石は映画の日。千円効果で、夜からの回だと言うのにほぼ満席でありましたよ。客層は、リアルタイム世代の方から家族連れ、カップルに制服を着た高校生グループ等、本当に幅広い層でありました。

ネタバレしない程度にこの作品の事について一言であらわすとすれば、
『宇宙戦艦ヤマト』のリ・イマジネーション作品と言う側面が非常に強い作品であった
というように言えるでしょう。
例えば、佐渡先生が女性キャラになっていたり、古代進や森雪の性格がオリジナルとは異なっていたり(そりゃまぁ、キムタクですし(苦笑)。演技は良いんですが、キムタクになってしまうのが木村拓哉さんが演じる作品の問題なのかも知れません。)・・・等。
勿論、物語の展開や諸々の設定(ガミラス・イスカンダルの設定やデザインが大幅にリ・イマジネーションされていました。)もリ・イマジネーションされており、色々とアレンジされておりました。このアレンジのされ方が絶妙でありまして、まぁそこが突っ込みどころだったり「おお!ッ」と唸らせられたりだった訳でございます(笑)。良い感じでオリジナルを髣髴とさせる場面が挿入されておりまして、原作ファンには嬉しい映画でありましたぞ。

映像面につきましては、文句無しです。CGを駆使した大迫力の映像が愉しめました(いや、欲を言いますとやはりまだまだ「CGらしさ、CGっぽさ」というのがあったのでありますが・・・。まぁこのあたりはまだまだこれから進化していく表現になっていくのでしょうね。期待であります)。

以下、本作品についての記述となります。

SPACE BATTLESHIP ヤマト

最初は、やはり何と言いますか、敵であるガミラス及び救いの手を差し伸べてくれるイスカンダルについてであります。
原作同様「謎の星」として登場する訳ですが、この映画ではガミラス側の描写が一切無し、であります。当然、デスラー総統ヒス副総統ドメル将軍などは一切出てきません。それはちょっと個人的に残念でありましたかねぇ。
しかして、敵・ガミラスというのは地球人が勝手につけた名称という設定に驚きましたよ。その後にガミラス人が自分達の事を「デスラー」と呼んでいるという設定。いやはや、そう来るか、と(笑)。
同様に、イスカンダルも沖田艦長が勝手につけた名前という設定でありました(笑)。で、自分達は何と言うかというと、「スターシャ」。いえ、ガミラスが「デスラー」と名乗った時点で
ひょっとして?
と思ったのですが、やっぱりか(笑)!と思ってしまいました(笑)。
因みに、「デスラー」声は伊武雅刀さん、「イスカンダル」の声は上田みゆきさんが、それぞれ演じておりました。
ヤマトの諸君!
という台詞に思わずニヤリとしましたが、やはり何となく違和感が・・・。
驚いたのはイスカンダルもガミラスも同じ星の住人だったという事であります。原作では連星の双子星という設定ですが、この作品では表裏に分かれて敵対する勢力という設定になっておりましたね。いやはや、「そう来るか!」と思いました。これならスターシャに対しての
勇気を試したとかじゃなくて最初からもっと情報くれよ・・・
という突っ込みが起きずに済みます(笑)。スターシャ、この映画では本当に大変だったんだなぁ、と(笑)。
しかしながら、エイリアンみたいな格好の【ガミラス・イスカンダル】星人は、完全にオリジナルのガミラス人・イスカンダル人のイメージを打ち払っておりますな。一種の統合生命体であるという【ガミラス・イスカンダル】星人の設定は、まぁ使い古されたSFネタでしたが、意外性という点では見事でありましたね。

続きまして、メカニック関連のお話であります。
まずは何と言ってもタイトルにもなっている宇宙戦艦・ヤマト。これまた原作と同じく元は選ばれた人達を乗せて地球を脱出する為のフネという設定。だからたかだか300メートル程度(と、思ったらこの作品での宇宙戦艦ヤマトは、全長・534メートル強という設定らしいです。でも、それでも地球脱出用としては小さいですよねぇ(笑)。)の宇宙戦艦じゃ無理(ry
戦艦大和を改造して造ったという設定では無いようですが、坊ノ岬沖から出撃します。まぁ、今現在真っ二つに割れて沈んでいる事が分かった戦艦大和の状態を考えると・・・ね(苦笑)。
それにしても大気圏内で波動砲はヤバイんじゃないでしょうか。 小宇宙に匹敵するエネルギーを一気に放出する波動砲、一歩間違えたら地球が消滅するレベルですよ!沖田艦長も緊急回避とは言え、
ここで波動砲のテストをする!
じゃ無いでしょうに(笑)!主砲で撃っても良かったのではと思います(まぁ、原作を知らない人にはそれでも良いのかも知れませんけど(笑))。
それにしても今回は、ワープ・波動砲がやけにアッサリしていたような気がするのであります。というのも、ワープはともかくとして波動砲をバンバン撃ちすぎなんじゃないか?と思うのですよ。一撃必殺の最終兵器であるから栄える波動砲なのに、そんなにバンバン撃っていたらありがたみが薄れます(笑)!
やっぱり、ワープも波動砲も緊迫感が無かったというのが原因ですかね。やってみたら出来た!みたいな感じでしたし、もっと緊張感を持たせて欲しかったですなぁ・・・。
真田さんによるワープの説明が無かったのもアレでしたかね(描写見ると、原理も原作とは違うようでした)。まぁ、映画の尺ですから省かなければならない部分であるというのは仕方が無いのですが(笑)。
ヤマトの兵装では、もっと主砲の活躍が観たかった訳ですが、序盤にガミラス艦をひとつ沈めただけで、後は全然目立たないという・・・。残念でした・・・。
そして、やっぱり大破する第三艦橋。ドメル将軍の自爆を髣髴とさせるガミラスの戦法により、第三艦橋はお亡くなりになりました。その前に
俺、第三艦橋勤務なんですよ!
と嬉しそうに語るキャラが居まして、思わず吹き出しそうになりました(笑)。で、やっぱり死んだ訳なんですけどね・・・。

ヤマト以外のメカも、やはり全体的にアレンジされていましたね。
コスモ・ゼロは、可変戦闘機になっておりまして、オイオイどこのマクロスだよ!?と思っていたら、板野サーカス的演出)をやったり柿崎っぽいキャラ他愛もない事を言っていたらいきなり撃墜されてました。)が出てたりと、若干のマクロスリスペクトもあった訳でございます。こりゃマクロスの実写版(ry
ガミラス艦については完全なリデザインでありました。原作のガミラス艦っぽさを出しつつ、無機質で不気味な感じになっておりましたね。まぁそれはそれで良いのではないかと思います。
そして何と言っても度肝を抜かれたのはアナライザーでございます(笑)。この作品では佐渡先生の助手をしているお調子者のロボットでは無く、古代進のサポートAIとして登場しました(声を演じるのはオリジナルと同じく緒方賢一さんでした)。コスモ・ゼロのアシストなどもして、さながら『スターウォーズ』のR2D2でありましたよ。そして、戦闘用ロボットにトランスフォーム!正直、この映画で一番驚きました(笑)。
もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな
と思った瞬間、やられちゃってましたけどね・・・。

戦闘シーン全体としては、なんだかイマイチ盛り上がりに欠けているような気がしましたかね。
冥王星前線基地の戦いや、七色星団での艦隊戦等の山場がないのも影響しているかも知れませんね。しかし、先述のドメル将軍っぽい自爆攻撃や、ドリルミサイルっぽいミサイル、爆発に巻き込まれて爆発するガミラス艦など、要素はあるだけに、残念でありました。
まぁ、監督が樋口監督から山崎監督に変更になったのは戦闘シーンで予算がかかりすぎるから、というお話も聞く訳でありまして、完成した作品は比較的ドラマパートが重視されていた訳で、そのあたりが戦闘シーンに物足りなさを感じる点なのかも知れませんです。
因みに、管理人の横に座っていた高校生達が上映終了後に、
(クライマックスで)ミサイルが地球に迫っているのにあんなにベラベラ喋っていて良いのか?
みたいな事を言っていましたが、攻撃する前にちゃんと挨拶してくれるのと、重要な会話をしている時に攻撃を待ってくれるのはヤマト世界の常識なんですよね(笑)。第三艦橋にとりついたガミラス艦も爆発するのを待ってくれてましたし(笑)。
・・・その点を許しちゃうのは、多分ヤマトファンだけで、普通の人から見たら違和感バリバリなのかも知れません。

さてさて、キャラクターについてであります。
全編通してのリ・イマジネーションとして考えれば違和感は無いのでありますが、それでも黒木メイサさん演じる森雪は、どうしても駄目でした・・・。あの性格はちょっとなぁ、と思うのでありますよ・・・。
しかしながら、佐渡先生が女性になっていた事に随分ビックリしましたが、違和感が無かったのが凄いです(笑)。
また、真田さん(流石に原作張りの「こんなこともあろうかと」的超発明は無かったですが(笑)。)や斎藤が結構はまり役でした(笑)。二人とも死んじゃうけど。個人的に真田さんには生き残って欲しかったですなぁ。
ガミラスの中枢をを爆破する場面では、
義手の爆弾を使うのか!?
と期待しましたが、そんな事は無かったです(笑)。
また、西田敏行さん演じる徳川機関長が、かなり原作に近かったですかね。出番は少なかったですけど。
その他のキャラは、可もなく不可もなく、といったところですかねぇ。
古代含め、全体的にキャラの年齢がオリジナルよりも上がっていましたね。島など、マイホームパパになってしまっている訳ですが(笑)。まぁ、訓練を終えていきなり班長、というのはオリジナルを観ていて「う~ん・・・?」となった部分でもありますし、管理人は良いと思いますよ。

そして、クライマックスではヤマトでガミラスミサイルに特攻するシーン。
ヤマトには古代一人が残り、ヤマトと心中する訳であります。そこにこれまで戦死していった人達が出てきて・・・。
まさかここでコレを持ってくるとは思わなかったので、ちょっと不意打ちを喰らったような感じでございました。
そういう訳で、真田さんも古代も死んで、ヤマトも散った訳ですから、この作品の続編はきっと出ないんでしょうなぁ・・・。
もしかしたら佐渡先生の誤診でみんな蘇るかも知れませんが。


と、言う訳で長々と書いてきましたように、予想外に愉しめた作品でございました。
細かい不満点等はありますが(主に森雪の性格)、概ね素晴らしい作品でございました!


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新時代特撮大炸裂! 『プランゼット』 

先日公開したフルCGアニメ映画『プランゼット』を観てまいりました。
いやはや、監督その他スタッフの特撮に対する愛が伝わってくるような作品でありましたが、悪く言えばそれまでの作品であったとも言えます・・・。

プランゼット


世界観的には粟津順監督の前作『惑星大怪獣ネガドン』と同じでありまして、『ネガドン』から28年の年月が経過した世界となっておりまして、『ネガドン』と登場人物の一部がリンクしておりました。まぁ、このあたりは内輪的なネタなんだと思いますが(笑)。
冒頭に「西暦2047年・・・」という説明があったのに、パネルの表示がいやたらとアナログだったり、街並みがどこかしら古臭かったり、テレビが白黒だったり、作中に登場するゲーム機がやたらと80年代のシューティングっぽかったりしましたが、お前それ未来じゃねーだろッ!と突っ込んではいけません。なにしろ設定的には昭和128年の話なのですから、仕方ないですね。レトロフューチャー好きの管理人には堪らんのですが(笑)。
それにしても、初期の昭和特撮に登場する戦闘機(後ろからバーナーを蒸かしてます!)と『アーマード・コア』に出てきそうなロボット兵器が同時に登場するというのもまた凄い話ですなぁ。
ストーリーを簡単に説明しましょう。

西暦2047年、火星のテラフォーミングを進める人類の前に、突如として出現した地球外生命体「FOS(フォス)」。FOSの攻撃により、人類の大半は消滅してしまった・・・。
FOSに対抗すべく生き残った人類は、国家という概念を捨て、惑星自衛軍連合=PDFAを設立。地球全体をプラズマ防護膜【ディフューザー】で覆い、FOSの侵攻を防ぐ事に成功した。
FOSの出現から6年後、軍のエースパイロットであった父をFOSの攻撃によって失った明嶋大志は、父の仇を討つべく、PDFA日本方面軍に入隊、対FOS専用迎撃機動兵器【ジオメトリック・リム】(早い話が巨大ロボット)のパイロットとして、日夜訓練を行っていた・・・。

ってな感じであります。いやぁ、特撮っぽい設定ですなぁ。勿論、PDFA日本芳名軍の基地は、富士山麓であります!また、ウルトラ警備隊よろしく、山が割れてそこからメカが発進したりもする訳であります。そういえばPDFAの隊員服はウルトラ警備隊っぽいデザインでありました。
冒頭のシーンから富士山がデカデカと画面に出てくる訳です。いやぁ、富士山と特撮はイロイロと相性が良いですからなぁ。
で、まぁ、冒頭に主人公の父が死ぬ訳ですが、主人公の妹がお守りを渡しそびれたあたりから、死亡フラグビンビンでありました。
六年後に主人公が軍に入ったりする訳でありまして、そこには鬼のような女性隊長なんかがいまして・・・。
で、作品のタイトルとなっている「プランゼット」なのですが、これはFOSに対する最終攻撃をかけるというものであります。
なにやら富士山の地下に、『超時空要塞マクロス』に出てくるグランドキャノンのような(例えが古いか・・・)兵器で、衛星軌道上にあるFOSの本拠地の小惑星を破壊するという作戦でありました。その為にディフューザーを解除せねばならなくなり、その間に来るであろうFOSと交戦するのが主人公らの役割でありました。
因みにこの作戦に参加するのは主人公を含め三人という少人数・・・。
オイオイそれで大丈夫なのかよ?と、思っていたら、案の定二人死にました
しかし戦闘シーンはなかなか見応えがありましたぞ。無数のミサイルを発射したり、巨大な日本刀で斬りかかったり、ライフルで遠距離狙撃したり。でも、数発で弾切れを起こす銃は役に立たないと思うんだ、ウン。「シュミレーションの方が難しいぜ!」なんて余裕ぶっこいている暇は無いでしょうが(笑)!
しかして、肝心の「特撮っぽさ」がこのロボット達には出ていなかったように思います。それじゃぁイカンだろう・・・。まぁ、発進シーンは吊るしたような演出になっていましたが(笑)。
あと、爆発。前作の『ネガドン』のような火薬っぽさが、今回は抜けていたように感じます。アレはなんとなく、アニメ寄りの爆発でありました。
アニメ寄りと言えば、キャラのCGモデリングの話になりますが、これはやはりまだまだ改善の余地がありますな。不気味の谷とアニメっぽさとの間で結構揺れ動いていたような感じでありました。特に主人公の妹が不気味で・・・。
また、CGである事は良いんですが、それらがアニメ声で喋るんですな。それもまた違和感がありました。洋画の吹き替えをやるような感じの演技だったらもっと違っただろうなぁと思いましたね。
で、結局2人の犠牲者を出したにも関わらず、「プランゼット」は失敗に終わります。
で、何もかも終わりだと悟った隊長さんが、基地の自爆装置を作動させちゃう訳です。しかしそれは基地に残された最終兵器【カイロス】の起動スイッチでもあり、結果としてカイロスが起動する訳です。
すると、童謡『ふじの山』が流れ、富士山が変型していきます
マジかよスゲェ発想だなオイ、等と突っ込みつつも、巨大ロボットに変型する富士山改めカイロス。そのパイロットは、主人公でありました。
で、何だかんだで『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のアクシズの落下を阻止しようとするシーンを彷彿とさせる場面もあったりして、地球の危機は去りました
アレ?ちょっと拍子抜けです。絶対敵の小惑星も変型すると思っていたんで・・・。
その中で家族の絆なんかが語られたりするんですが、この作品の総登場人物が7人しか居ない為か、イマイチ説得力に欠けていた感がありました
CGモデリングするのが大変だったのは分かりますが、せめて各戦線で闘っている人や生き残った人達を映すぐらいしても良かったのになぁ・・・。イマイチ押しが弱かった!
とはいえ、特撮作品として観ると、期待していたよりも数段上の作品になっていましたかね。やはり一番は「特撮っぽいCG」というのがミソだったんでしょうかね。
しかし、戦車や戦闘機の質感に対してジオメトリック・リムはちょっと特撮的質感が無かった気がするのであります。


プランゼット』はこんな感じの作品でありました。
いやぁ、久しぶりに懐かしい特撮の香りが嗅げて、満足でありました。
これは管理人の主観ですが、この作品は特撮ファン(それも、重度な)にしか愉しめない、そんな作品じゃないかなぁ、と思います。CGとは言ってもやっぱり見得を切る所では見栄を切るという、「」が無いと観れない作品だと思うのですよ。まさにそのあたりのタイミングは特撮のテイストでありました。また、SF考証やら軍事考証といった観点からも、突っ込んではイケナイ作品であります。ひたすら特撮的なメカの格好良さだけを追求した感じの演出ですので、そのあたりを割り切らないとイカンのであると思います。


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